運動系のレクリエーションは、高齢者の身体機能の維持・向上や認知予防に効果的。デイサービスや老人ホームなど介護施設でも運動系レクリエーションは人気です。
高齢者は、身体機能が低下すると運動をしなくなりがち。一日中家にいて座っていては、健康にもよくありません。
運動系レクリエーションで、和気あいあいと楽しい時間を過ごしてもらいましょう。
今回は、運動系のレクリエーションゲームを紹介します。
運動をすると言っても、室内で簡単に行えるレクリエーションもたくさんあるので、介護施設で働く方はぜひ参考にしてください。
【高齢者向け】運動系レクリエーションゲーム14選
それでは早速、高齢者向けの運動系レクリエーションゲームを紹介します。
ボール体操
高齢者向けの柔らかいボールを使った運動系レクリエーションです。
椅子に座って行うので、転ぶ心配などもなくカラダを動かせます。普通に販売されているビニールボールを少し空気を抜いて使うと良いでしょう。
車椅子の利用者にもおすすめです。
やり方は簡単。
参加者に椅子に座ってもらい、ボールを使っていろんな運動を行います。
以下は歩くのが困難な方でも気軽に参加できるレクリエーションの例です。
- ボールを両手や両ひざで押しつぶす
- ボールを両手で引っ張る
- 腰の周りをくるくると回す
- 片手ずつ持って、カラダの前で大きく回す
- ひざに挟んで両手で太鼓のように叩く
- かかとや、ももとお腹などでボールをつぶす
- 背中あわせでペアになって、ボールを回す
参加者のレベルに合わせて、キープする時間や回数を変えて行いましょう。
お手玉入れ
お手玉入れは、懐かしのお手玉を使った運動系レクリエーションゲームです。
カゴを用意して普通の玉入れのように数を競っても◎。ただし、簡単過ぎて盛り上がりに欠けるようなら、ゲームを一工夫しましょう。
例えば、床にマス目を用意して、投げ入れたお手玉でビンゴを楽しむのも面白いです。
また、玉を入れるカゴを揺れるようにして難易度をあげても良いでしょう。
腕の力や背中の力もないと投げることはできません。背中から腕にかけて運動することができますよ。
日常生活ではあまり使わない力なので、高齢者のレクリエーションにおすすめです。
紙コップゴルフゲーム
紙コップとピンポン玉を使った簡単なゴルフのゲームは、高齢者向けの運動系レクリエーションとして人気です。
紙コップに点数を書いて、床やテーブルに横向きにおきます。
プレイヤーは椅子に座ったままでも、立ってプレーしても構いません。
ピンポン玉を紙コップに目掛けて投げましょう。
ピンポン玉が入った紙コップの点数を加算して競い合います。
細い廊下に紙コップを置いてあげると、後でピンポン玉の回収が簡単ですよ。
ピンポン玉を狙って紙コップに入れるのは意外と難しいです。みんなで応援をしながら盛り上げましょう。
ペットボトルボウリング
ペットボトルボウリングは、子どもから大人まで楽しめる運動系レクリエーションゲームです。
いろんな人が集まるクリスマス会などにもおすすめ。
500ml〜1Lくらいの空のペットボトルを6本〜9本用意します。
ペットボトルにビー玉やお水、小豆などを入れ、重さを調整しましょう。ボールが当たったら倒れるようにします。
ボールの大きさは特に関係ありません。ペットボトルを倒しやすければ良いでしょう。
ゲームの楽しみ方は、通常のボーリングと一緒です。倒れたペットボトルの数で競い合います。
チームに分かれて楽しむのも良いでしょう。
棒サッカー
棒サッカーは、世界共通の障害者向けスポーツとしても有名です。介護予防や健康増進などを期待できます。
子どもから高齢者、性別も関係なく遊べるのも魅力の一つです。
棒サッカーのやり方を見ていきましょう。
メンバー11名が横並びに座り、相手チームと対峙します。
左右に椅子などでそれぞれのゴールを設け、ボールを棒で打ち合うサッカーです。
椅子から立ったり棒を振り上げたりするのは禁止。
棒サッカーは全国大会などもあるユニバーサルスポーツです。みんなでチームを組んで大会進出を目指すのも面白いでしょう。
日本の介護施設でも人気のレクリエーションゲームです。
風船バレー
風船バレーは、空間の認識能力や動体視力も使うので、脳の活性化にも効果的。高齢者に人気の室内の運動向けレクリエーションゲームです。
車椅子に座ったままでもプレーできるので、いろんな人が参加できます。
もちろん、参加者によっては、普通のバレーのように立って行っても構いません。ただし、後ろに倒れないよう気を付けましょう。
風船バレーはルールを工夫すれば、みんなで楽しむことができます。
真ん中にネット代わりに線を引いたり、円になってみんなでラリーを続けたりして遊びましょう。
簡単すぎるときは、風船を増やしても面白いです。
風船は上から飛んでくるので、自然と胸を開いて姿勢もよくなりますよね。みんなで楽しみながら気分もUP。
レクリエーションを通して、運動の楽しさを思い出してもらいたいですね。
ダンスレクリエーション
高齢者も好きな人が多い、音楽系の運動レクリエーション。音楽に合わせて、カラダを動かしてダンスを楽しみます。
椅子に座ったままできる振り付けなら、高齢者でも気軽に参加できますよね。
振り付けは簡単なものが動画で多数アップされています。座ったバージョンや立って行うバージョンなどもあるので、介護施設の利用者に合わせて選びましょう。
ダンスがしたことがなくても、簡単にできます。知っている曲なら、大きな声で歌いながら、一緒に楽しめるでしょう。
ピンポン玉リレー
ピンポン玉リレーも、子どもから大人まで楽しめる室内向けの運動系レクリエーションゲームです。
ピンポン玉をスプーンやお玉などにのせて、指定の場所を一周します。
ピンポン玉は軽いので、簡単そうに見えて意外と難しいです。
高齢者のみで行う場合は、運ぶ器をカゴや紙コップなどにすると良いでしょう。
ピンポン玉を次の人に渡すときが難しいので、みんなで応援しましょう。
音楽聴いてリズム体操
リズム体操も座ったままでもできる運動系レクリエーションです。軽快な音楽に合わせてカラダを動かします。
両手を振ったり、右手と左ひざを近づけたりと、簡単な動きでリズムを刻みましょう。
リズム運動は気分も向上しやすく、高齢者のレクリエーションにもおすすめです。
歌をきっかけにいろんな記憶が思い出されることも。
みんなが知っているサザエさんの歌なら、子供達や家族の思い出。社会人の頃に流行った歌なら、頑張って働いていた頃の様子などを思い出すかもしれません。
普段行うことのない動きは脳への刺激に最適。
歌や思い出と一緒に楽しめる運動系レクリエーションです。
新聞紙キャッチ
新聞紙キャッチは、新聞紙さえあれば簡単にできる運動系レクリエーションゲームです。
まずは、ボールを作るために新聞紙を丸めてもらいます。大きさはみんなに任せましょう。
丸めた新聞紙は、テープなどで止めてボール状にします。
2人1組になります。1人ずつ新聞紙を両手で広げて持ちましょう。
少し離れて立ち、1人の広げた新聞紙の上にボールをのせます。
新聞紙をうまく使ってボールを相手に投げましょう。相手は新聞紙を使ってキャッチします。
2人でしばらくキャッチボールのように投げ合いましょう。
新聞紙のボールが大きすぎると重たくて難しいです。
また、両手で持っている新聞紙も力を入れすぎると破けてしまいます。
立って行うと倒れる可能性もあるので、座って行うと良いでしょう。
パタカラ体操
高齢者になると、噛んで飲み込む力も弱まります。筋力は落ちる一方です。
そこで取り入れたいのが「パカタラ体操」。口周りの筋力を鍛える運動系レクリエーションです。
「パ・カ・タ・ラ」と発音することで、口を閉じる力や誤飲を防ぐ力を養います。
パパパパ、カカカカと連続して発音してもらったり、それぞれの発音に動作をつけたりと楽しみましょう。
音楽に合わせて、口のリズム体操にしても良さそうですね。
ちり紙落としゲーム
ちり紙落としは、ティッシュと内輪を使った室内向け運動系レクリエーションゲームです。
簡単そうに思えて、意外と盛り上がります。
ルールは簡単です。
少し高めのラインに紐を張り、ティッシュをかけます。
参加者に内輪で仰いでもらい、初めにティシュを落とした人の勝ちです。
意外と落ちないので、夢中になる人が続出。
内輪を動かす動作で腕や背中の筋力を鍛えてもらいましょう。
スリッパ飛ばし
スリッパ飛ばしは、昔ながらの遊びを工夫した高齢者向けの運動系レクリエーションゲームです。
下駄や靴飛ばしをして楽しんだことがある人も多いですよね。誰が一番の飛距離を出せるか、みんなに挑戦してもらいましょう。
室内でもできますが、体育館などの広々とした場所で行うと盛り上がりますよ。
子どもと一緒に楽しむのもおすすめです。
子どもっぽい遊びだと嫌煙する人もいるかもしれません。
足の運動を意識してもらえるように説明をしましょう。
ボール送り
ボール送りも高齢者施設で人気の運動系レクリエーションゲームです。大人数で盛り上がることができます。
参加者は、椅子を向かい合わせにして2列で座りましょう。
向かい合わせの人とタオルを広げて持ちます。ボールをタオルにのせて、ゲームスタートです。
隣のタオルにボールを転がしたり、投げたりしてボールを送ります。最後の人まで行ったら終了です。
人数によってルールを工夫します。チーム対抗で楽しむのも良いでしょう。
カラダを動かすレクの効果
それでは、カラダを動かす運動系レクリエーションの効果について見ていきましょう。運動はたくさんの効果が期待できます。
身体機能を維持・向上させる
運動を習慣づけることで身体機能の維持や向上を期待できます。
高齢者になると筋力は衰えるばかり。筋肉は、何歳からでも鍛えることが可能です。
適度な運動を促し寝たきりを防止しましょう。
リフレッシュ効果
カラダを動かすと、すっきりとした気分になりますよね。
高齢者でもできる運動系レクリエーションを楽しんでもらうことで、リフレッシュしてもらいましょう。
ただし、高齢者になると、思い通りカラダを動かせないことがストレスになることもあります。
日頃から介護施設などで、運動習慣を身につけてもらえば、カラダを動かすことへの抵抗感も少なくなるでしょう。
コミュニケーションの促進
運動系のレクリエーションゲームは、みんなでコミュニケーションを取りながら楽しむことができます。
1人ではできないゲームも多いです。
高齢者の方は、自宅で一人きりで過ごすこともありますよね。
いろんなレクリエーションゲームを通して、みんなと交流を楽しんでもらいましょう。
認知症予防・脳の活性化
運動系レクリエーションで、手先やカラダを使ったりすることは、脳の活性化に効果的です。
音楽や会話なども取り入れて行えば、認知症予防にもなります。
レクリエーションゲームをみんなで楽しみながら、元気に過ごしてもらいましょう。
運動系レクリエーション実施時に注意したいポイント
最後に、運動系レクリエーションゲームを行うときに気をつけたいポイントを紹介します。
運動系レクリエーションを企画する方は参考にしてください。
周りの安全を確保しよう
運動系のレクリエーションでは、参加者が思わぬ動きをすることも。
夢中になりすぎて周りのことを忘れてしまうことは誰でもありますよね。
デイサービスや老人ホームなどの介護施設では、室内で運動系レクリエーションを行う場合が多いです。
周りの安全は十分に確保しましょう。
動かせるものは退けておくと安心ですよ。
みんなが楽しめる工夫を!
高齢者の参加者は、車椅子の方もいれば、元気に動ける方などもいます。介護施設によっては、参加者のレベルを合わせるのが難しいこともありますよね。
椅子を使ったゲームを取り入れたり、ルールを変更したりすると◎。
ハンデをつけるより、みんなが同じ立場で楽しめるよう工夫をしましょう。
参加は自由な雰囲気を作ろう
スリッパ飛ばしや新聞紙を丸める運動系レクリエーションゲームは、子ども遊びのようで気を悪くする方もいる可能性があります。
参加してもらっても楽しめない場合も。無理に進めず、自由に選択できるようにしたいですね。
参加したくない方には、散歩や体操などを進め、適度にカラダを動かしてもらいましょう。
まとめ
運動系のレクリエーションゲームは、高齢者の身体機能の維持や認知症予防に効果的です。
介護施設などではすでに取り入れられていますが、どんなゲームをしたら良いのか思いつかないこともありますよね。
室内でも行える運動系レクリエーションゲームはたくさんあります。
今回紹介したゲームを参考に、レクリエーションを企画してみてくださいね。
みんなが笑顔で過ごせるよう、ルールやゲーム内容を工夫しましょう。