ソフトボールは野球と違って、ピッチャーの投げ方が独特です。ソフトボールの試合で、腕を大きく回して投げているのを見たことはあるでしょうか?
ソフトボールの投手は、下から投げるのがルールで決まっています。
「どんな風にボールを握るのか?」「投げるコツはあるのか?」など、はじめてソフトボールを行う人は気になりますよね。
今回は、ソフトボールのピッチャーの投げ方について紹介します。
キャッチボールしながら、試してみるのも面白いでしょう。ソフトボール初心者の方は、ぜひ参考にしてください。
ソフトボールの基本的な握り方・投げ方
下から投げるソフトボールのピッチャー。ソフトボールは投げ方も独特ですが、ボールのサイズも野球とは違います。
ひとまわり大きなボールを使うソフトボールでは、どんな風にボールを握るのでしょう?
まずは、ソフトボールの基本的な握り方を紹介します。
ソフトボールの握り方はフォーシームが基本
ソフトボールの基本的な握り方は、フォーシームと呼ばれる握り方です。野球でもストレートを投げる基本的な握り方になります。
フォーシームの握り方は、難しくありません。
中指と人差し指をボールの縫い目に合わせて、Vの字のようにそえ、親指と薬指、小指でボールを挟み込む形です。
ソフトボールは、野球よりボールが大きいので、握るだけでも難しいと感じる人もいます。
始めてのときは力まずに握れるよう、まずはキャッチボールなどで試しましょう。
基本的なボールの投げ方
ここでは、ソフトボールピッチャーの基本的な投げ方について紹介します。
ソフトボールの投手は、下から投げるのが基本です。これはルールで決まっています。
下投げのルールができた理由は、野球と比べてピッチャーと打者の距離が近いからです。上から投げると、ボールが早くてバッターが打てなくなってしまいます。
バッターが打たなければ、ゲームが成り立ちませんよね。ゲームをより面白くするために決められたルールと言えます。
ソフトボールの投げ方には、ウィンドミルやスリングショットなどがあります。どちらも下から投げる方法です。
普段投げることのない動作なので、始めて投げる人はかなり難しく感じるでしょう。ソフトボールの投手を目指す人は、しっかりと練習をしたいですね。
また、それ以外の内野手や野手の投球は、上からでも問題ありません。素早く投げるためにサイドスローで投げることもありますよ。
ソフトボールの投げ方は3種類!特徴やコツを解説
それでは、ソフトボールのピッチャーの投げ方について詳しく見ていきましょう。
ソフトボールピッチャーのピッチングは、以下の3種類です。
3種類のピッチング
- ウインドミル
- スリングショット
- エイトフィギュア
ウィンドミルが一番使われています。スリングショットは下投げの基本となる投げ方です。
それぞれがどんな投げ方かを見ていきましょう。
ウインドミル
ウインドミルは、腕を大きく一回転させる投げ方です。スピードボールや変化球にも対応できるので、多くのピッチャーが取り入れています。
腕を大きく回す様子が風車のように見えるので、ウィンドミルと名付けられたそう。五輪で活躍をした上野由岐子選手もウィンドミル投法です。
日本では、ひじから手首までの内側を骨盤に当てるようにするブラッシングを取り入れています。
ブラッシングは、速球を投げる上で欠かせない技術です。ブラッシングがうまくなれば、100km/h以上のスピードも出せるようになります。
ウィンドミルはソフトボールならではの独特な投げ方で、簡単には習得できません。ここでは、ウィンドミルのコツを紹介します。
コツ①腕はリラックス!肩を中心に一回転
一回転の力をボールに伝わるようにするには、腕をリラックスさせるのがポイント。
はじめてウィンドミルを投げる人は、腕に余計な力が入り、縮こまってしまうことが多いです。
腕を回す遠心力をボールにつなげるためにも、腕はリラックスして、風車のように大きく回すようにしましょう。
コツ②下半身からの回転も伝えよう
ボールを投げるときは、利き手側の足を前にだし、腰の回転も利用します。このとき腕を腰骨に当てるようにして勢いをつけるのです。
腰の回転と腕の回転の連動がうまくいかないとスピードとキレのある球は投げられません。まずは、シャドウピッチングなどをして感覚を掴みましょう。
ウインドミルのメリット・デメリット
ウィンドミルのメリットは、速球が投げられることと、キレのある変化球が投げられることです。腕を回すことでボールに勢いをつけることができます。
デメリットは、多くのピッチャーが使う投げ方なので、打たれやすい可能性があるということです。
それでも、多くのピッチャーが投げているのは、やはり緩急の差がつけやすいから。コントロールや変化球を身につけて、打者に打たれないピッチャーを目指したいですね。
スリングショット
スリングショットは、腕を後ろに大きく振り上げて、その勢いで投げる方法です。時計の振り子のように動かし、腕を回転させないで投げます。
スリングショットは下投げの基本とも言える投げ方の一つです。ゴムのパチンコに似ているからとスリングショットと名付けられました。
スリングショットも腰に腕を当てるブラッシングをすることで、早い球が投げられます。
ウィンドミルほどはスピードは出ませんが、ウィンドミルになれている打者には打ちにくい球となるようです。
下投げの練習をするときにはじめに行う投げ方。まずはスリングショットを身につけましょう。
コツ①しっかりと踏み込む
スリングショットを投げるコツは、前に出した足を直角になるくらい踏み込むことです。
重心を落とし移動させることで力強い球が投げられます。
コツ②腕を大きく振り上げる
スリングショットでは、腕を大きく後ろに引いて勢いをつけます。腕の引き上げが大きければそれだけ勢いがつけられますよね。
腕を後ろに引いたところでタメを作ることもできます。
肩まわりの柔軟性や筋力をつけて勢いあるボールを投げられるようにしたいですね。
スリングショットのメリット・デメリット
スリングショットのメリットは、打者がなれていないことです。
ソフトボールでは、圧倒的にウィンドミル投法が主流となります。急にスリングショットで投げられると、タイミングがずらされて打ちにくくなるのです。
デメリットは、早い球が投げられないということと、変化球のキレが出にくいことです。打者に握り方がバレやすいのも痛いところと言えるでしょう。
エイトフィギュア
エイトフィギュアは、腕を八の字を描くように振り、投げます。ソフトボールの中でも難しい投げ方です。
右利きの場合は、グローブ(グラブ)の中でボールを握り、体を左にひねり左上のところまで腕を移動させます。次にスリングショットのように右手を後ろに引いて投げるのがエイトフィギュアです。
タイミングをずらし、打者を打ち取りやすいと言われていますが、難しいピッチングなので、エイトフィギュアを使うピッチャーはあまりいません。
コツはこれだけ!まずはスリングショットを先に身につけよう!
エイトフィギュアは、スリングショットから派生した投げ方です。
後半はスリングショットのように腕を後ろに振り上げて投げるので、まずはスリングショットを身につけましょう。
エイトフィギュアのメリット・デメリット
エイトフィギュアを投げるメリットは、打者のタイミングをずらし打ち取りやすいことにあります。
投げるピッチャーが少ないので慣れている打者はほとんどいないと思っても良さそうです。
デメリットは、身体をねじる動きが入るので、コツを掴むまで時間がかかること。
せっかくつかんだスリングショットのタイミングを崩す原因にもなるので、練習するときは注意しましょう。
球種とその握り方を紹介
それでは、次にソフトボールで投げられる球種とその握り方について見ていきましょう。
ソフトボールでよく投げられる球種を紹介します。ストレートやチェンジアップなどは野球でもおなじみなので、耳にしたことがある人も多いですよね。
よく投げられる球種
- ストレート
- チェンジアップ
- ライズボール
- ドロップボール
- カーブ
それぞれの球種を詳しく見ていきましょう。
ストレート
ストレートは、ソフトボールでも球速が一番出る球種です。
ソフトボールは下投げで手首のスナップを効かせるので、ボールに下回転がかかります。この回転が早ければ早いほど、スピードがのり、威力があるストレートが投げられるのです。
ストレートの握り方
ストレートの握り方は、野球同様にフォーシームです。
基本的な握り方のところ前述した通り、縫い目にそって人差し指と中指をそえ、他の指でボールを握ります。
ストレートを投げるときの注意点
ストレートは、回転が弱いと緩やかに弧を描くようなボールになり、打者が打ちやすくなってしまうので気を付けましょう。
手首のスナップを効かせるには、ブラッシングも重要です。
チェンジアップ
チェンジアップは、野球でも使われる球種で、球速の遅いボールのことです。ストレートと同じフォームで投げられるので、バッターにはボールが止まったように見えることも。
スピードボールの後に投げると、バッターはタイミングが掴みづらくなります。
チェンジアップの握り方
親指と人差し指でOのような形を作り、緩めにボールを握るチェンジアップ。手首は固定し、スナップしないようにして投げます。
手のひらで軽く握り、ボールを手から抜けるように投げましょう。
チェンジアップを投げるときの注意点
チェンジアップを投げるときはできるだけストレートと同じ投げ方になるようにします。理由は、バッターにバレてしまうと、ただ遅いボールとなり、打たれやすくなってしまうからです。
ライズボール
ライズボールはその名の通り、Rise=浮き上がるようなボールです。下投げのソフトボール特有の変化球で、打者はストレートのように見えます。
ストレートと思ってバットを振ったら、ボールが浮き上がり空振りになってしまうのです。
ライズボールの握り方
ライズボールは、人差し指と中指を縫い目にかけるように握ります。このとき、人差し指を曲げて、横腹を縫い目ににひっかけるようにしましょう。
ライズボールは、ボールにバックスピンがかかることで浮き上がります。
人差し指と親指を使って上手にバックスピンをかけたいですね。
ライズボールを投げるときの注意点
ライズボールを投げるときは、バックスピンをかけるためにひじを曲げてひじから振り下ろすようにするとスピンがかかりやすいです。
投球フォームに工夫をしないと投げられないので、練習が必要となります。
ドロップボール
ドロップボールは下に落ちる変化球のことです。
野球ではフォークボールと言われていますよね。バッターの前で沈むように落ちるので、ソフトボールではドロップボールと名付けられています。
ドロップボールの握り方
握り方はいくつかありますが、縫い目に人差し指と中指をかけて握るのがオーソドックスな握り方です。
回転がかかりやすいよう、少し浅めに握り込むのがポイント。
ドアノブを回すように手首を左にひねりながら投げます。
ドロップボールを投げるときの注意点
ドロップボールは失敗すると、キャッチャーの前でワンバウンドしてしまう可能性があります。キャッチャーとのコミュニケーションをしっかりとする必要がある球種です。
サインを決めて、狙い通りのところに投げられるようしっかりと練習しましょう。
カーブ
カーブは、ピッチャーから見て、逆手の方に曲がりながら落ちる変化球です。右利きのピッチャーが投げた場合、左に曲がりながら下に落ちます。
右の打者には打ちやすい球になってしまう危険性もあるので、しっかりと練習することが必要です。
カーブを投げることができれば、ピッチングの緩急がつけやすく、バッターを打ち取りやすくなるでしょう。
カーブの握り方
カーブは、人差し指を軽く曲げて、中指を大きく開いて握ります。指の開きが大きいと回転がかかりやすく、キレのあるカーブが投げられるでしょう。
カーブを投げるときの注意点
カーブはストレートと違って、太ももを超えたあたりで回転をかけながら放ちます。いつもと手から離すタイミングなどが違うので、ステップが遅くなってしまうことも。
カーブとばれるとバッターは狙いやすくなるので、注意しましょう。
記事まとめ
ソフトボールの投手は、下から投げるのがルールです。スポーツの中でも珍しい投げ方をするので、慣れるまでは時間がかかるかもしれません。
足のステップや腰の回転など、身体全体をスムーズにつなげるように基礎を大切にトレーニングしましょう。
手首のスナップをきかせて、キレのある変化球や速球を投げられるように頑張りたいですね。