老人ホームやデイサービスなどの介護施設では、高齢者の生活を維持・向上するために、さまざまなレクリエーションが行われています。
頻繁に行うレクリエーション。
企画を考えるスタッフや介護士は、何を行ったら良いか迷ってしまうこともあるでしょう。
利用者に楽しく日々を過ごしてもらうためにも、いろんなアイデアを企画したいですよね。
今回は、老人ホームやデイサービスなどの高齢者介護施設に最適なレクリエーションゲームを紹介します。介護施設で企画する方は参考にしてください。
【種類・目的別】介護施設でできるおすすめレクリエーションゲーム
老人ホームやデイサービスなどの高齢者向け介護施設では、さまざまな目的でレクリエーションが行われています。
レクリエーションの目的
- 身体機能の維持
- 認知症の予防や改善
- コミュニケーションを促進
- リフレッシュ など
運動をしないと高齢者はあっという間に筋肉が落ち、身体を動かすことも難しくなります。
いつまでも元気に過ごしてもらうためにも、介護施設では、レクリエーションが取り入れられているのです。
レクリエーションゲームは、運動・脳トレ・創作・音楽系と大きく4つの種類に分けられます。
それぞれのメリットを理解して、みんなが楽しめるようスケジュールを組みましょう。
レクリエーションを通して、やりがいや楽しみを見つけてもらうこともできますよ。
ここでは、レクリエーションを種類別に紹介します。それぞれの目的や効果も確認をしましょう。
身体機能を維持しよう運動レクリエーション5選
運動のレクリエーションとは、体操や風船バレーなど、全身を動かすレクリエーションのこと。
激しい運動ではないので、高齢者でも安心して参加できます。
運動レクリエーションは、以下のようなことに効果的です。
- 身体機能の維持
- 認知症予防
- 生活リズムの改善
- 気分のリフレッシュ など
運動レクリエーションの1番の目的は、身体機能の維持です。
加えて、身体を動かすことは、脳の刺激にもなるので、認知症予防にも効果的。
さらに、やりがいや楽しみが見つかり、日々の刺激となれば、生活リズムも改善されるかもしれません。
運動系のレクリエーションは、身体を動かした後は、すっきりと気分良くなるのもポイントです。
身体を動かさずに気分が落ち込み気味な方がいれば、できるだけ参加を促しましょう。
身体を動かせなくなると筋力が弱り、寝たきりになってしまう可能性もあります。
老人ホームやデイサービスを利用する高齢者には、適度な運動は必要と言えるでしょう。
老人ホームで人気「風船テニス」
「風船テニス」は、6〜8人程度のグループで楽しむレクリエーションです。
レクリエーションを通して、コミュニケーションを促進できます。また、手首や指先のリハビリにも効果的です。
手にうちわを持って、風船を打ち合います。グループを半分に分けて、間にネット代わりに紐を引いても良いでしょう。
相手の陣地に風船を落とし入れた人の勝ちです。
風船を使ったゲームは、介護施設でも人気。
転ぶ危険もあるので、老人ホームなどの介護施設で行う場合は、座りながら行いましょう。
高齢者に最適「ボール体操」
「ボール体操」は、軽く空気を抜いたボールを使って体操をするレクリエーションです。
ボールを押したり、持ち上げたりといろんな筋肉を動かします。身体機能の維持が目的です。
椅子に座って、一人一つボールを持ってもらいましょう。ボールは少し空気を抜いておくと扱いやすいです。
ボールを胸の前で潰したり、カラダの周りをまわしたりします。ひざや腿の内側で挟み込むのもおすすめです。
また、2人1組になって、ボールを同時に渡しあうなどのゲームも面白いでしょう。
座ったまま行えるので、老人ホームなど高齢者向けの介護施設で人気です。
運動におすすめ「グーパー体操」
「グーパー体操」は、全身を動かすレクリエーションゲームです。
みんなで全身を使ってジャンケンをします。
グーのときは、ひざを抱えて小さくなりましょう。チョキは、前後に手を開きます。余裕があれば足も前後に開きましょう。パーは両手・両足を大きく広げます。
ジャンケンのレクリエーションは、「子供の遊びだ」と、参加したがらない方もいるかもしれません。
全身運動のためのゲームだということをしっかりと伝えましょう。
老人ホームなどの介護施設でレクリエーションを行うときは、目的をはっきりと伝えることが大事です。
みんなで楽しめる「室内ゲートボール 」
「室内ゲートボール」は、立っていても座っていても楽しめるレクリエーションです。
介護施設には車椅子を利用している方や立っているのが難しい方もいますよね。
ゲートボールは、座っていても立っていても、球が打てれば問題ありません。
コントロールが難しい場合は、大きな的を作って得点形式にするのもおすすめです。
みんなで楽しんで介護施設のコミュニケーションを促進しましょう。
簡単に遊べる「お手玉カーリング 」
「お手玉カーリング」は、お手玉を投げてカーリングのように遊ぶレクリエーションゲームです。お手玉を投げるだけなので、老人ホームなどの介護施設でも簡単に行えます。
2チームに分かれて、それぞれがお手玉を中心に向かって投げます。相手のお手玉を弾き出すように投げても構いません。
最後に真ん中に近いボールがあるチームの勝ちです。
チームの協力が必要となるレクリエーション。老人ホームでの行事などを盛り上げたいときにおすすめです。
認知症を予防しよう脳トレレクリエーション5選
脳トレのレクリエーションとは、クイズや言葉遊びなど、脳を使うレクリエーションのことです。
ホワイトボードを使ったり、1人で考えたりするので、高齢者でも気軽に参加できます。
脳トレレクリエーションを行うことで、以下のような効果が期待できます
- 認知症の予防・改善
- 達成感で日々の刺激に
- 昔の記憶を思い出す
高齢者は、カラダが動かさないと、だんだんと脳への刺激が減ってきてしまいます。
認知症が進むと家族も分からなくなってしまうことだってありますよね。
高齢者に日々を楽しく過ごしてもらうためにも、脳トレは欠かせません。
脳を活性化「漢字クイズ」
「漢字クイズ」は、老人ホームなどの介護施設でよく行われているレクリエーションです。
四字熟語や間違えた文字を書き直すクイズなど、いろんな種類のクイズがあります。
画数で漢字を指定して、思いつく限り書いてもらうのも面白いです。一番漢字を書けたグループの勝ちとしても良いでしょう。
漢字クイズは、脳の活性化におすすめのレクリエーションゲーム。個別でも集団でもできるので、いろんな場面で活用できますよ。
お題はオンラインでも公開されているので、すぐに用意することも可能。準備が簡単なのも人気の理由です。
みんなで盛り上がる「私は誰でしょうクイズ」
歴史上の人物や人気の歌手などを当てる「私は誰でしょうクイズ」。ヒントを教えて、みんなに考えてもらいましょう。
初めは昔話の主役を題材にして、段々と難易度をあげていくと楽しめます。
情報をつなぎ合わせて、人物を当てるレクリエーションゲーム。空いた時間に個別でも楽しめるので便利です。
グループごとにお題を考えるところから始めてもらうのもおすすめ。
答えが見つからないときなどは、参加者に楽しんでもらえるようサポートをしましょう。
高齢者におすすめ「昔話ゲーム」
「昔話ゲーム」は、家族との思い出や、昔住んでいたところなどを書き出してもらうゲームです。
書けたらみんなと思い出話を共有しましょう。
昔のことを思い出すことは認知症予防にも効果的。思い出せるなら、詳細に書き出してもらいましょう。また、書くことで手先の訓練にもなります。
題材を用意しておけば、すぐにできるのも嬉しいポイントです。
花火大会やお祭りなど季節のイベントに合わせると思い出してもらいやすいでしょう。
脳トレに最適「仲間はずれ探しゲーム」
「仲間はずれ探しゲーム」は、単語や絵を使って仲間はずれのものを探すゲームです。
みんなで知恵を絞り、お題から考えてみるのも面白いでしょう。
例えば、「ゴルフ・野球・バスケット」。 室内競技のバスケットが仲間はずれです。
「ボール・ラケット・ホウキ」なら、どれも道具ですが、ホウキは仲間はずれ。単語や絵の数を増やしても難易度が上がります。
いろんな組み合わせを考えることや、仲間はずれを想像することで、脳の活性化が期待できます。
みんなでお題を考えるところから遊ぶと盛り上がりますよ。
高齢者に人気「連想ゲーム」
連想ゲームは、どこでもいつでもできるのが魅力のレクリエーションゲームです。
1つの単語から、いろんな言葉を想像して、どこまで言葉を続けられるか挑戦してもらいましょう。チームで、いくつの単語が出せるか競いあっても面白いです。
連想ゲームは、いろんな記憶を思い出すのにも効果的。
風船にいくつか文字を書いて、見えた文字から言葉を連想してもらうなど、いろんな工夫をすると楽しめるでしょう。
高齢者の認知症の予防におすすめの遊びです。
リハビリになる創作レクリエーション3選
創作レクリエーションとは、折り紙を折ったり、料理を作ったりするレクリエーションのこと。
高齢者の新しいやりがいを見つけるきっかけにもなります。
創作レクリエーションを実施することで、以下のような効果を見込めます。
- 日々のやる気(達成感)
- 認知症予防
- 身体機能の維持 など
地域との交流をしたいときにもおすすめです。
創作レクリエーションを通して、老人ホームなど介護施設での生活を彩りあるものにしていきましょう。
老人ホームで人気「編み物レク」
「編み物レク」は、高齢者でも気軽にできる工芸のレクリエーションです。
老人ホームで作ったアクリルたわしなどを販売していることもありますよね。
まずは、指で簡単に編める編み物や、すぐに織れるコースターなどを作ってみると良いでしょう。挑戦するならマフラーなども指編みで作ることができます。
出来上がることで達成感ややりがいを感じてもらいましょう。日々の生活を彩るレクリエーションです。
指先を動かすので認知症予防にも効果が期待できるでしょう。
健康を支える「料理レク」
創作系のレクリエーションで人気がある「料理レク」。
デイサービスなどを利用する方は自宅での生活の助けにもなるでしょう。
料理は作るだけでなく、美味しい料理もいただけるのがポイントです。利用者さんにも積極的に参加してもらいましょう。
季節ごとに旬の食材を使った料理を作ると盛り上がります。
健康の基礎となる食事を支えるレクリエーション。日々の生活に張り合いが出るでしょう。
やりがいを見つけよう「アートレク」
高齢者こそ、日々の生活を楽しんでもらいたいもの。
「アートレク」は、さまざまなアート作品に挑戦してもらうレクリエーションです。
パステルアートや染め物、絵葉書、こけ玉造りなど、いろんな作品を楽しんでもらいましょう。
いろんなアートに触れることで気分もリフレッシュできます。
好きなことが見つかれば、日々の生活に張り合いが出てくるでしょう。初めて行うものがあれば、できるだけ挑戦をしてもらうと良いかもしれませんね。
ストレス解消しよう音楽レクリエーション3選
音楽レクリエーションとは、歌を歌ったり、音楽を鑑賞したりするレクリエーションのこと。
音楽は誰もが親しみがありますよね。
音楽レクリエーションには以下のような効果があります。
- 嚥下障害の予防
- 気分のリフレッシュ
- 認知症予防 など
高齢者は、話が少なくなると喉の筋肉も落ちてしまいます。誤飲が原因で亡くなる方もいますよね。
音楽レクリエーションは高齢者に人気のレクリエーション。
気持ちよく歌を歌ってもらえば、気分もリフレッシュするでしょう。
老人ホームで人気「カラオケ大会」
大きな声で歌えば、気分もスッキリしてきますよね?
「カラオケ大会」は老人ホームでも人気のレクリエーションゲームです。
みんなで合いの手を入れて盛り上がりましょう。カラオケの機械やアプリを利用して、カラオケの点数がいくつ出るかを予想してもらうのも面白いです。
大きな声を出すことで喉の筋肉が鍛えられ、嚥下障害の予防にもなります。リフレッシュ効果も高いです。
「カラオケ大会」は定期的に取り入れたいレクリエーションですね。
童謡で楽しむ「歌リレー」
「歌リレー」は、文字数を決めて歌い継いでいくレクリエーションゲームです。
例えば「ふるさと」を歌う場合、「うさぎこい」「しかのやま」「こぶなつりし」「かのかわゆ」「めはいまも〜」など、5文字ごとに歌い手がリレーしていきます。
歌のタイミングは関係なく切り替わるので意外と難しいです。
みんなが知っている簡単な曲で行うのがおすすめ。参加者が戸惑わないようサポートしながら楽しみましょう。
音楽でリラックス「演奏会レク」
老人ホームなどの介護施設では、季節によって演奏者を招待して音楽を楽しむことがありますよね。
「演奏会レク」は、歌い手さんやミュージシャンの生の演奏が聞けると、楽しみにしている高齢者も多いです。
また、介護施設の利用者に、楽器演奏にチャレンジしてもらうのも面白いでしょう。
老人ホームで発表会をするのもおすすめです。
1曲演奏するのは、難しいこともあります。1フレーズを弾いてもらったり、歌ってもらったりと簡単にできるよう工夫をしましょう。
楽器演奏にハマって、入居者同士でバンドを組むなんてこともあるかもしれませんね。
レクリエーション実施時に注意したいポイント
ここでは、老人ホームやデイサービスなどの介護施設で、レクリエーションを実施するときに注意したいポイントを紹介します。
老人ホームなどで、レクリエーションの企画を考えている方は参考にしてください。
参加者とコミュニケーションをとる
老人ホームやデイサービスなどの介護施設でレクリエーションを開催するときは、参加者としっかりとコミュニケーションを取りましょう。
あまり参加したくないのに、言えずに参加し、体調を崩したり気分が悪くなったりしては逆効果ですよね。
また、子供遊びだとレクリエーションの参加を拒む方もいるかもしれません。参加者にレクリエーションの目的をハッキリと伝えることが大事です。
みんなが楽しく過ごせるよう、コミュニケーションを取りながら行いましょう。
安全に配慮する
老人ホームやデイサービスなどの介護施設を利用する高齢者は、運動機能や認識力などが落ちている可能性があります。
参加者が滑ったりつまづいたりして、転んで骨折などをしてしまっては、元も子もありません。
レクリエーションは、身体を動かすことが多いです。安心して参加してもらえるように、周りに危険がないか注意しましょう。
リスクヘッジとしてレクリエーション保険を検討する
レクリエーションには、いろんな種類があります。
施設での行事開催時や地域の方との交流を目的とした特別なレクリエーションでは、安全のためにもレクリエーション保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。
レクリエーション保険は、レクリエーション中に起きた怪我を補償してくれる保険です。主催者が契約をすることで、参加者全員が被保険者となります。
保険料は1人当たり、数十円〜数百円なのも嬉しいポイントですよね。
開催者も参加者も安心して楽しめるよう、保険の加入も検討することをおすすめします。
記事まとめ
老人ホームやデイサービスなどの介護施設では、さまざまな種類のレクリエーションが行われています。
高齢者が元気にいきいきと生活できるよう、考えられています。
介護施設を利用する高齢者の中には、身体を動かしづらい方もいます。
どんな方でも参加できるよう工夫をして楽しんでもらいたいですね。
健康の維持に最適なレクリエーション。高齢者に日々を楽しく過ごしてもらいたいですね。