デイサービスや老人ホームなどの介護施設では、利用者を楽しませながら脳の活性化を図るために「脳トレ」がレクリエーションとして導入されているケースが少なくありません。
「なぜレクリエーションに脳トレが必要なのだろうか」「どんな脳トレが効果的?」などの疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、介護施設の高齢者に脳トレが必要な理由や頭を使うレクリエーションを実施する際の注意点、おすすめの脳トレレクリエーション7選をご紹介します。
ぜひ本記事を参考にして、介護施設で行うレクリエーションに効果的な脳トレを取り入れてみましょう。
高齢者に脳トレが必要な理由
高齢者に脳トレが必要とされる理由として、以下のようなものが挙げられます。
- 脳を刺激することで認知症予防効果が期待できる
- 成功体験につながる
- コミュニケーションの活性化を図れる
脳トレをすると脳が刺激されるため、認知機能の低下を防ぐ効果が期待されます。
記憶や感情をコントロールする前頭葉の前頭前野と言われる部分が活性化されることで、脳が老化するスピードを遅らせることができます。/p>
また、年齢を重ねて身体機能や脳機能が低下すると、できないことが増えて気持ちが落ち込んでしまうケースが少なくありません。
レクリエーションに脳トレを取り入れ、問題が解けたときに褒めることで成功体験につながって前向きな気持ちになる効果が期待できます。
さらに介護施設で脳トレを実施する場合、参加者同士でのコミュニケーションが生まれる点もメリットです。
周囲との会話が弾むことで脳の活性化にもつながり、より認知症予防の効果が高まる可能性もあります。
こうした理由から介護施設等での高齢者向けレクリエーションに脳トレが必要とされているのです。
介護施設で頭を使うレクリエーションを実施する際の注意点
介護施設で脳トレレクリエーションを実施する場合、以下の点に注意する必要があります。
3つの注意点
- 難し過ぎる問題は避ける
- 利用者の意思を尊重する
- コミュニケーションのきっかけづくりを意識する
それぞれの注意点を踏まえた上で、脳トレレクリエーションを実施しましょう。
難し過ぎる問題は避ける
レクリエーションで脳トレを実施する際、難し過ぎる問題は避けましょう。
解けない問題を出してもほとんど達成感は得られず、かえってストレスになってしまう可能性があるためです。
高齢者が脳トレをする目的は「難しい問題を解くこと」ではなく、「楽しみながら脳の活性化を目指すこと」です。
できるだけ継続的に脳トレを続けてもらうためにも、簡単に解けて楽しめる問題を選ぶことが大切なポイントとなります。
難し過ぎる問題は避け、少し頭を使えば解けそうな問題を選んで出題しましょう。
もし、あまりにも簡単に解けてしまうような場合は少し難易度を上げても良いかもしれません。
利用者の意思を尊重する
脳トレはさまざまな効果が期待できるため、できるだけレクリエーションに参加してほしいと考える方も多いでしょう。
しかし利用者を無理やり参加させるようなことは避け、本人の意思を尊重した上で楽しんでもらうことが大切です。
あまり体調が良くないときや本人が嫌がっているときに脳トレをさせても、ストレスになるためかえって逆効果になります。
利用者の心身の状態に気を配り、違うタイミングで脳トレを実施したり、内容を少し変えたりといった工夫を心掛けましょう。
コミュニケーションのきっかけづくりを意識する
前述の通り、脳トレレクリエーションは介護施設の利用者間でのコミュニケーション活性化も期待できます。
しかし人によってはコミュニケーションを自分から取ることが苦手な方もいるので、きっかけを促してあげることも大切です。
例えば年齢が近い人とグループを組んでクイズに取り組んでもらうようにしたり、役割分担が必要な脳トレを用意したりなど、きっかけづくりの方法はさまざまあります。
利用者が打ち解けられるような工夫をしながら、楽しい脳トレレクリエーションを取り入れましょう。
認知症予防に効果アリ!高齢者向け脳トレレクリエーション7選
次に、介護施設で実施する脳トレにおすすめのレクリエーション7選をご紹介します。
老人ホームやデイサービスなどの介護施設で積極的に取り入れましょう。
なぞなぞ
まず、定番の脳トレである「なぞなぞ」がおすすめです。
脳に刺激が与えられるだけでなく、謎が解けたときの満足感がストレス解消につながります。
なぞなぞには道具なども必要なく、問題を用意するだけで実施できることが特徴です。
ネットを探せば問題が多く掲載されているため、難易度が低いものを中心に選んでみましょう。
また、「季節のなぞなぞ」などとテーマを絞って開催すると、より盛り上がること間違いありません。
間違い探しゲーム
「間違い探しゲーム」は、よく似た2枚の絵を比べながら異なる部分を探すゲームのことです。
記憶力や観察力、集中力が鍛えられる効果があるため、介護施設で実施する脳トレレクリエーションにおすすめです。
書店に行けば間違い探しゲームの書籍が売られています。
また、ネットでも無料で使える間違い探しゲームのイラスト素材が無料で提供されているケースがあります。
複雑な問題はできるだけ避け、簡単に解けそうな間違い探しを選びましょう。
しりとり
「しりとり」も高齢者向けの脳トレレクリエーションとしておすすめです。
言葉を思い出すために脳が刺激されるため、認知症予防の効果も期待できます。
また、しりとりはルールを加えて応用させやすいことも特徴です。
例えば「国の名前」などとテーマを絞ってみたり、文字数を縛ってみたりなど、少し難易度を上げることもできます。
状況に合わせて難易度を調整しながら、しりとりを楽しんでもらえる工夫をしましょう。
計算ゲーム
数字を使った計算問題も、認知症予防効果が期待できる脳トレのひとつです。
どうしても年齢とともに衰えやすい計算力を鍛えて、脳の活性化を促します。
レクリエーションで計算問題を取り入れる際、簡単な足し算や引き算などの問題でも十分な効果が期待できます。
また、日常生活で馴染みが深いお金を使い、足し算や引き算の計算をするゲームを実施するのもひとつの手です。
計算問題についても達成感が得られるように、簡単な問題を中心に出題するようにしましょう。
漢字問題
漢字を用いた問題・クイズも、高齢者向けの脳トレレクリエーションとしておすすめです。
思い出すために記憶力が鍛えられたり、実際に漢字を書くことで手指のトレーニングにつながったりなどさまざまな効果が期待できます。
例えば熟語の一部がイラストになっているものを用意し、イラスト部分を漢字に直して熟語を完成されるゲームは難易度が低めでおすすめです。
また、四字熟語やことわざなどの一部分を空白にし、穴埋めをしてもらう問題も人気となっています。
さまざまな工夫をしつつ、楽しめる漢字問題を用意しましょう。
クロスワード
脳トレの定番である「クロスワード」も介護施設で行うレクリエーションにおすすめです。
高齢になると低下しやすい言語記憶力や推理力、思考力が向上し、認知症予防効果が期待できます。
クロスワードは書籍で販売されていたり、ネットで素材が提供されていたりと、問題を入手しやすいことが特徴です。
レクリエーションの時間や利用者の体調などに合わせて難易度を調整しやすいこともメリットとして挙げられます。
利用者の状況を見ながら、スタッフがヒントを出してあげても良いでしょう。
後出しじゃんけん
後出しじゃんけんは、相手が手を出した一拍後に自分も手を出すゲームのことです。
「後出しをする方が相手に勝つ手を出す」「あいこになるようにする」などとルールを設けることで、瞬時に出す手を考えるため脳の活性化が期待されます。
最初はリズムを掴みづらい可能性がありますが、慣れてくると「10回連続で勝つまで続ける」などと難易度を上げて楽しむこともできます。
2人いればできるゲームとなっているため、比較的取り組みやすいことも特徴のレクリエーションです。
コミュニケーションを促して盛り上がる雰囲気を作り、後出しじゃんけんを楽しみましょう。
記事まとめ:介護施設で楽しく認知症を予防しよう
高齢者にとって脳トレは、頭を使うことで認知症予防効果が期待できたり、周囲とのコミュニケーションで盛り上がったりとさまざまなメリットがあるレクリエーションです。
老人ホームやデイサービスなどで積極的に取り入れ、楽しい脳トレレクリエーションを取り入れましょう。
また、本記事では介護施設の高齢者向けの脳トレレクリエーションを7種類ご紹介しました。
老人ホームやデイサービスのスタッフの方はぜひ本記事を参考にし、効果的なレクリエーションを実施してみてはいかがでしょうか。