高齢者や子どもなど、いろんな人が楽しめるレクリエーションは、介護施設や学校などで取り入れられています。
みんなで盛り上がるために行うイメージがありますが、レクリエーションは何のために行われるのか知っていますか?
レクリエーションは、みんなで遊んで楽しむだけではありません。
対象者によってさまざまな目的をもって行われます。
今回は、レクリエーションの目的や効果に注目。おすすめのレクリエーションゲームも紹介します。
レクリエーションの目的や効果
レクリエーションの目的や効果は、参加者によって変わります。
どんな目的や効果があるのかを見ていきましょう。
高齢者向けのレクの目的や効果
はじめに、高齢者向けのレクリエーションの目的や意味について紹介します。
介護施設やデイサービスなど福祉施設で働く方は参考にしてください。
身体機能の維持・向上
高齢者向けレクリエーションの目的の一つが、身体機能の維持や向上を図ることです。
高齢者は動くことも少なくなりますよね。ただ日々を過ごしているだけでは、筋力は弱っていくだけです。
ちょっとした運動や適度に体を動かすことは、身体機能の維持や向上に効果的。
普段動かすことがない部分を意識して使ってもらいましょう。
介護施設では、筋力の維持を目的にレクリエーションが企画されます。
認知症予防・脳の機能維持
認知症予防や脳の機能維持も、高齢者向けレクリエーションの目的の一つです。
高齢者は1人で過ごすことが増え、話さえしなくなることもありますよね。
身体の機能は使うことがなければ衰えていく一方です。
レクリエーションには、手先を使った細かい作業や言葉を使う遊び、思い出を話すなど、認知症予防や脳の機能維持におすすめの遊びがたくさんあります。
楽しみながら交流を促進するレクリエーションで、脳の活性化を測りましょう。
気分スッキリ!ストレス解消
レクリエーションは、気分転換やストレス解消を目的に行われることもあります。
毎日、自宅だけで過ごしていては気分が滅入ってしまうことありますよね。
精神的に落ち込みやすくもなるでしょう。
コロナの影響で自宅に篭ることが増えたという人もいます。
介護施設やデイサービスで体を動かしたり、家族でお出かけしたりすることは、気分転換に最適です。
季節の行事を取り入れて、四季を楽しんでみてはいかがでしょうか。
生活の質の向上
高齢者向けレクリエーションは、生活の質の向上も期待されています。
レクリエーションを通して、いろんな人との交流をしてもらいましょう。
新しい出会いや新しい趣味を見つけることは、生活の質の向上につながります。
他の人との約束があるだけでも、楽しみに感じることありませんか?
また、運動習慣などが身につけば、身体機能が向上し、生活に張り合いも出てきます。
介護施設に入っても、楽しく過ごしてほしいですよね。まずは、いろんなレクリエーションにチャレンジしてもらいましょう。
子ども向けのレクの目的や効果
次に、子ども向けのレクリエーションの目的や意味について見ていきましょう。
幼稚園や保育園、学校などで働く方や、子供会やクリスマス会など地域のイベントを行う方は参考にしてください。
緊張をほぐしコミュニケーションを促進
子供向けレクリエーションは、コミュニケーションの促進を目的に行われることが多いです。
レクリエーションは、初対面同士の緊張をほぐす効果が期待できます。
簡単なレクリエーションゲームを一緒に楽しめば、自然と笑顔がこぼれますよね。
共通の話題にもなり、その後もコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
まずは、盛り上げるのもレクリエーションの目的と言えるかもしれませんね。
社会性や協力を身につける
子供向けレクリエーションは、社会性を身につけることを目的に行われることも多いです。
レクリエーションには、人と協力することを目的としたゲームや遊びがたくさんあります。
譲り合ったり、役割を決めたりと一緒に楽しむことで、社会性や協調性を学ぶのです。
小さなお子さんなら、おままごとやお買い物ごっこなどでもOK。
高学年になってきたらチーム対抗などを企画すると良いでしょう。
自分1人だけ頑張ってもクリアできないことを知り、相手と合わせることを学びます。
体力や運動能力の向上
レクリエーションには、体力や運動能力の向上を目的とした運動やゲームもあります。
体操や玉入れ、リレー、鬼ごっこ、ドッジボールなど、みんなで楽しみながら体力や運動能力の向上が期待できるのです。
休み時間や体育の時間などにどんな遊びをするのかを導いてあげるのも効果的。
身体を動かすレクリエーションで、体力や運動能力の向上を促しましょう。
感性を育てる
バランス感覚や色彩感覚、音感など、人はいろんな感性を持っています。
レクリエーションでは、それらの感性を育てる目的の遊びやゲームを考えることも可能です。
子どもたちには、いろんな感性を磨いてもらいたいですよね。どんな感性があるのかは、本人でも気づかないことが多いです。
いろんなレクリエーションの遊びやゲームを通して、子どもたちの新しい可能性を見つけてあげることができます。
【目的別】おすすめレクリエーションと実施のポイントを紹介
ここでは、高齢者と子ども向けのレクリエーションをそれぞれ紹介します。
輪投げや書道、ちぎり絵など昔ながらの遊びもレクリエーションの一つです。
種類が豊富なので、どんなレクリエーションが良いか悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
高齢者向け6選
まずは、高齢者向けのレクリエーションを目的別で見ていきましょう。
老人ホームやデイサービスなど介護施設でおすすめのレクリエーションです。
身体機能の維持・向上を目的にした身体を動かすレク
身体機能の維持や向上を目的に行われる、身体を動かすレクリエーション。
介護施設やデイサービスの利用者さんに、元気な身体を維持して楽しんでもらいましょう。
ボーリング
ボーリング場はもちろん、室内でも楽しめるボーリングは、介護施設でも人気のレクリエーションです。
ペットボトルを使ったボーリングや、ゴルフと合わせたボーリングなど、種類も豊富。
サッカーのように蹴って倒してもらうなど、普段使わない筋力を使う目的にゲーム自体を工夫をしてみましょう。
ボール体操
ボール体操は、普段使わない筋力を使ったり、鍛えるのにもおすすめです。
椅子に座って、少し柔らかめのボールを両手で回したり、押したりします。
ひざでボールを挟めば、内ももの筋肉を鍛えることができるでしょう。
簡単な体操でも、筋肉は鍛えられます。いろんな体操があるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
認知症予防を目的にした頭や手先を使ったレク
細かい作業や記憶を使ったレクリエーションは、認知症予防に効果的。
昔ながらの遊びを思い出と一緒に楽しんでもらうのもおすすめです。
将棋
将棋は、男性の利用者に人気のレクリエーション。
介護施設やデイサービスなどの福祉施設では、男性の利用者も多いですよね。
並べ方や戦法を考えたり、手を先読みしたりすることは、認知症予防にも効果的です。ぜひみんなで楽しみましょう。
折り紙
認知症予防を目的にしている時は、折り紙など、手先を使うレクリエーションがおすすめです。
昔遊んだ記憶を頼りに、つるを折ることに挑戦してもらったり、紙飛行機を折ってもらったりすると良いでしょう。
また、新しくいろんな折り方を覚えてもらうのも◎。
早折り対決をしてみるのも面白いかもしれませんね。
リフレッシュを目的にしたリラックスレク
好きなことを行ったり、大声で歌ったりすることは、リフレッシュに最適。
気分転換に外に出かける行事もおすすめです。
お花見や七夕など季節の行事
季節の行事は、気分転換におすすめなレクリエーションです。
介護施設やデイサービスなどでも人気。お花見や節分、七夕など、いろんな行事をみんなで楽しみましょう。
桜を見に散歩に行くのもおすすめです。外へ出かけるのも気分転換になりますよ。
カラオケ
介護施設やデイサービスで人気のカラオケ。当時の思い出の歌を歌ったり、みんなで合唱したりと楽しみましょう。
歌の思い出と一緒に昔の話にも花が咲くかも。
気分転換になるだけでなく、認知予防にも効果が期待できます。
子ども向け5選
次に子ども向けのレクリエーションを目的別で見ていきましょう。
幼稚園や小学校などにおすすめのレクリエーションです。
コミュニケーション促進を目的にしたレク
簡単なレクリエーションは、みんなで楽しむのに最適。
一緒にゲームを楽しめば、初めて会った同士の緊張も解れますよね。
連想クイズ
4つのお題から連想される答えを見つけるゲームです。
チーム対抗にして盛り上がれば、コミュニケーションの促進にも◎。
例
白いひげ・乗り物はソリ・赤い服・冬 答えサンタクロース
お題をみんなで考えても面白いでしょう。
ボール送りゲーム
ボール送りゲームは、6〜10人程度1列に並び、上・下・上・下と交互にボールを後ろの人に渡していくゲームです。
チーム対抗でどのチームが早くボールを渡せるかを競いましょう。
簡単なので、すぐに盛り上がることができます。
早くボールを送るには、みんなの協力が必要不可欠です。
社会性を身につける目的にはチームレク
レクリエーションを通して、仲間と協力することは、社会性や協調性を身につけるのにおすすめです。
ドッジボール
チーム対抗のスポーツは、みんなの協力が必要不可欠です。
ドッジボールは、協調性や社会性を身につけるのにおすすめのレクリエーション。
運動がうまい子ヘタな子といろんな子どもたちがいます。勝利のために、みんなと協力することを学んでもらいましょう。
スポーツ系のレクリエーションは、体力の維持や運動能力の向上にも効果的です。
鬼ごっこ
子供の遊びの定番鬼ごっこも協調性を身につけるのにおすすめのレクリエーションです。
協力して鬼から身を隠したり、捕まった子を救出したりしますよね。
ずっと鬼になっている子はかわいそうと交代する子もいるでしょう。
みんなで仲良く遊べるよう、ルールを工夫してみては?
感性を育てるのにおすすめのレク
いろんな遊びがあるレクリエーションは、感性を育てるのにもおすすめです。
バランス感覚や創造性などが育つレクリエーションを紹介します。
ジェスチャーゲーム
子どもたちに動物などのお題を伝え、ジェスチャーで伝えてもらいましょう。
どんな表現をしてくれるのか楽しみですね。
簡単な動物から始めると◎。みんなでクイズを楽しみましょう。
バランスボールでゆらゆらゲーム
バランスボールの上に何分座ってられるかを競うゲームです。
体幹を鍛えることもできるので、子ども向けのレクリエーションに最適。
大人と子どもでも遊べるので、家族で挑戦してみるのも良いでしょう。
実施する際の注意点・配慮すべきこと
ここでは、レクリエーションを実施するときに気をつけたいことをまとめました。
介護施設などで、自分より年上の人とレクリエーションを行うときは特に注意が必要です。
難しすぎないように設定しよう
高齢者も子どもも難しすぎるとやる気をなくしてしまう可能性も。
逆に簡単すぎても子供騙しのように感じることもあるでしょう。
難易度をちょうどよく設定するのは意外と難しいです。みんなで楽しめるよう工夫をしたいですね。
レクリエーションの目的を伝える
レクリエーションの目的を伝えずに、ただ遊ぶだけだと何をしているのかわからないまま終わってしまうことも多いです。
レクリエーションの目的をしっかりと伝えることで、参加者も目的意識を持ってレクリエーションを楽しむことができるでしょう。
興味や関心のあるレクに参加してもらおう
介護施設やグループホームには、いろんな人が集まっていますよね。
興味のないレクリエーションに無理やり誘っても、参加者の気分を害するだけです。
実施する前にどんなレクリエーションをするのかを伝えて、参加したいかどうかをしっかりと確認しましょう。
もちろんレクリエーションの目的を伝えるのもおすすめです。
困っていたら話を聞いてみよう
レクリエーションの説明を前で行ったり、口頭で伝えても、ルールがよくわからないという参加者は出てくる可能性があります。
どうしたら良いかわからなそうな参加者がいたら、丁寧に声をかけましょう。
サポートしながら、一緒にゲームを楽しむのもおすすめです。
安全に配慮して実施しよう
レクリエーションの内容によっては、ハサミなどを使ったり、身体を大きく動かしたりします。
レクリエーションを行う前は、安全確認をしっかりとし、怪我や転倒に注意して行いましょう。
記事まとめ
レクリエーションの目的は参加者に合わせて変わります。
ただ楽しむだけで終わってしまうのでは、レクリエーションの意味がありません。
介護施設や学校でも盛り上がるレクリエーションゲーム。しっかりと目的を伝えて、みんなに楽しんでもらいましょう。