団体行事やレクリエーションの開催時に活用される「レクリエーション保険」ですが、実は学校行事でも契約することができます。
この記事では、レクリエーション保険の適用対象となる行事の種類や補償内容、また学校行事に利用するときのポイントを解説。
学校行事での契約が可能なおすすめ商品もまとめているので、合わせて参考にしてみてください。
学校行事を開催する際に契約すべき【レクリエーション保険】とは
まずは、レクリエーション保険の補償対象となる学校行事や補償内容について詳しく見ていきましょう。
レクリエーション保険の概要
レクリエーション保険とは、学校行事やレクリエーションイベントの開催中における参加者の事故・ケガを補償するための団体向け保険です。
多くのレクリエーション保険では、加入条件として20名以上の参加者が必要となりますが、全校生徒を対象とした学校行事であれば問題なくクリアできるでしょう。(保険の対象となる行事の参加人数は、保険会社によって異なります)
また保険会社が被保険者を特定できるようにするため、レクリエーション保険加入時には学校行事の参加者(被保険者)の名簿を提出する必要があります。
またレクリエーション保険は主催者が参加者全員を被保険者として一括で契約するのが特徴です。
先生側でまとめて契約を行えるため、学校行事開催時に生徒ごと手続きをしなくて済むという点はメリットとして挙げられるでしょう。
レクリエーション保険の対象となる行事
レクリエーション保険の補償対象となる主な行事の例は以下の通りです。(保険の対象となる行事は、保険会社によって異なります)
学園祭・運動会・避難訓練・日帰り遠足・日帰りキャンプ・剣道大会・マラソン大会・バトミントン大会・水泳大会・ダンス大会・盆踊り・料理教室 など
レクリエーションでは、危険度の高い行事(例:スキューバダイビング)などといった一部のレクリエーションを除き、ほぼ全てのイベントで利用することができます。
学校行事としてよく行われる遠足・運動会・避難訓練などの学校行事でも加入可能です。
またレクリエーション保険を契約する際には、加入条件として以下を満たす必要がある点に注意が必要です。
- 日帰りの行事・レクリエーションであること(宿泊を伴うものは不可)
- 1日あたりの参加者が20名以上いること
- 参加者の名簿を事前に保険会社へ提出できること
専修学校や各種学校、または職業訓練校の講義・実験・演習・実技の一環として行われる学校行事(成績の対象となる学校行事)は対象外となるケースが多いため注意しましょう。
また校外学習や林間学校など、宿泊を伴う学校行事もレクリエーション保険の対象にならないため注意が必要です。
レクリエーション保険の補償内容
レクリエーション保険に含まれる基本的な補償内容は以下の通りです。
傷害保険
死亡保険金・後遺障害保険金 | 行事の参加者が死亡またはケガによる後遺症が残ったときに支払われる。 |
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入院保険金 | 参加者が入院した場合に支払われる保険金で「1日〇円」などと設定される。一般的に入院1日目から補償。 |
手術保険金 | 手術を受けた場合に支払われる。入院保険金1日の金額の〇倍などと設定される。 |
通院保険金 | 通院した場合に通院日数に応じて支払われる。「1日〇円」と設定される。 |
また商品によっては、学校行事に参加する生徒だけでなく保護者や見学者といった第三者のケガや死亡を補償するものもあります。
賠償責任保険
損害賠償金 | 見学者などの第三者のケガ・死亡、ものの破損といった損害を補償 |
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緊急措置費用 | 事故発生時に必要になった費用の補填 |
訴訟費用 | 裁判や示談交渉にかかる費用を補填 |
損害防止軽減費用 | 発生した損害の拡大を防止・軽減するために要した費用の補填 |
なお保険会社によっては、一部の補償が含まれなかったり、オプション(別料金)となっていたりする場合があるので、契約前に必ずご確認ください。
損害賠償や興行中止による補償が必要ならイベント保険を検討する
被保険者名簿の提出を必要とするレクリエーション保険に対して、イベント保険は不特定多数が参加するイベント向けの保険です。
レクリエーション保険の傷害保険に加え、イベント保険では以下のような補償が用意されています。
概要 | 補償内容 | |
---|---|---|
傷害保険 | 観客が将棋倒しになるなど、イベント中にケガ・死亡事故が生じた場合に補償を受けられる | 死亡保険金・後遺障害保険金・入院保険金・通院保険金・手術保険金 |
損害賠償責任保険 | 設営していたテントが倒れてケガ人が出た場合など、主催者側の不備で参加者が被害を被った・モノを破損させた場合に補償を受けられる | 被害者に対する損害賠償金・訴訟費用・損害防止軽減費用・協力費用 |
興行中止保険 | 悪天候や出演者の都合によってイベントそのものが中止となった際に補償を受けられる | イベントの準備にかかった費用・中止に伴い生じた追加費用 |
動産総合保険 | 展示品の焼失や運搬中の破損など、イベントに使用する展示品・機器が破損した場合に補償を受けられる | 損害保険金・臨時費用保険金・残存物取片付け費用保険金・権利保全費用 |
イベント保険は、行事やイベントの開催中止、機材設備の破損・盗難に伴う損害も補償できるのが特徴で、学校行事をはじめ、お祭りやコンサートなど幅広いイベントで利用されています。
学校行事で保険に加入するときのポイント
続いて、学校行事でレクリエーション保険を利用するときのポイント・注意点などを詳しく見ていきましょう。
スポット契約と年間契約の違い
レクリエーション保険には、スポット契約と包括契約という2つの契約方式があります。
スポット契約方式
スポット契約方式とは、行事・レクリエーションの開催ごとに一日単位で契約を結ぶ方式のことです。
一日に複数の会場で学校行事を開催する場合や、複数日にわって同じ会場で学校行事を開催する場合には、それぞれ1契約としてスポット契約を結ぶことになります。
包括契約方式
包括契約方式とは、一定期間内に開催される行事・レクリエーションの契約を一括で結ぶ方式のことです。
任意の期間を指定できるケースや、半年・1年のように所定の期間で契約するケースがあります。
包括契約方式の方が割安になるケースもあるので、学校行事のように年間の予定が事前に分かっている場合は、こちらの契約方式がおすすめです。
食中毒・熱中症に関する特約
保険会社によっては、基本補償の内容に加えて以下のような特約を利用できる場合があります。
- 熱中症危険特約
- 細菌性食中毒およびウイルス性食中毒補償特約
- 天災危険補償特約 など
一般的な傷害保険の場合、熱中症や食中毒に起因するものは補償の対象外となっていることがほとんどですが、レクリエーション保険であれば特約としてこれらを対象に含めることが可能です。
運動会やマラソン大会、また芋煮会など、熱中症・食中毒のリスクが考えられる学校行事を予定している場合は、特約を付帯できる商品の契約をおすすめします。
遠足や運動会に使えるおすすめ商品・プラン
ここからは、遠足や運動会といった学校行事に利用できる人気の商品・プランをご紹介します。
付帯できる特約などもまとめているので、保険選びの際の参考にしてみてください。
【あいおいニッセイ同和損保】レクリエーション傷害保険
特徴 | 学校行事の主催者が契約者となり、参加者を一括して契約します。オンライン上での契約手続きやキャッシュレス決済などに対応している点がメリットです。 |
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加入条件 | 1日20名以上の参加者 |
1契約あたりの最低保険料 | 1,000円 |
補償内容 | 死亡保険金・後遺障害保険金・入院保険金・手術保険金・通院保険金 |
主な特約 | 熱中症危険補償特約・食中毒補償特約 |
またあいおいニッセイ同和損保では、上記のレクリエーション保険の他に、パソコンやスマホなどネットから簡単にお申込み可能な「ネットで簡単!レクリエーション傷害保険」を提供しています。
24時間365日、いつでも加入申込みが可能なので、多忙な学校の先生方にも最適です。
また「往復途上傷害危険補償特約」が付帯されているため、補償範囲は学校行事中のみでなく、学校行事の集合・解散場所と住居との通常の経路往復中に参加者の生徒や先生が被った傷害に対しても補償を受けることができます。
【損保ジャパン日本興亜】レクリエーション補償プラン
特徴 | 学校行事の主催者が契約者となり、参加者を一括して契約します。熱中症・食中毒に関する特約があらかじめセットされているという特徴があります。 |
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加入条件 | 1日20名以上の参加者 |
1契約あたりの最低保険料 | 1,000円 |
補償内容 | 死亡保険金・後遺障害保険金・入院保険金・手術保険金・通院保険金 |
主な特約 | 熱中症危険補償特約・細菌性食中毒およびウイルス性食中毒補償特約 |
【三井住友海上】レクリエーション傷害補償プラン
特徴 | 学校行事の主催者が契約者となり、参加者を一括して契約します。三井住友海上では、少人数向けの1Dayレジャー保険なども提供されています。 |
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加入条件 | 1日20名以上の参加者 |
1契約あたりの最低保険料 | 1,000円 |
補償内容 | 死亡保険金・後遺障害保険金・入院保険金・手術保険金・通院保険金 |
主な特約 | 熱中症危険補償特約・食中毒補償特約・天災危険補償特約 |
まとめ
- レクリエーション保険は遠足や運動会などの学校行事にも利用できる
- 学校行事のように年間の予定が事前に分かっている場合は、まとめて契約できる包括契約方式が便利
- 学校行事の開催中止や機材設備の破損・盗難に伴う損害も補償したい場合は、イベント保険の活用もおすすめ
学校行事の場合、子どもの予期せぬ行動から様々なトラブル・事故に繋がるリスクが潜んでいます。
万が一の場合でも速やかに対処できるよう、レクリエーション保険たイベント保険で備えておくことをおすすめします。