旅先で自転車を使って観光する場合や生き帰りで自転車を使う場合、レジャーとしてサイクリングを楽しむ場合など、旅行などで自転車を使う機会は多いものです。
旅行中やレジャー中のケガなどに備えたレジャー保険を活用すると安心して休暇を楽しめます。
しかし、レジャー保険は、自転車利用中の事故を補償してもらえるのでしょうか。
そこでこの記事では、レジャー保険は自転車事故も補償の対象か、自転車事故に対応したレジャー保険は何かなど、自転車とレジャー保険について解説します。
自転車事故もレジャー保険の補償対象
自転車に乗っている際に他人にぶつかってケガをさせたり、物にぶつかって壊してしまったりする場合があります。また自転車同士で衝突して、ケガをする場合もあります。
このような自転車事故は、一般的にレジャー保険の補償対象です。
他人をケガさせたり、物を壊したりした場合の補償は、賠償責任保険で活用します。
自身のケガには、傷害入院保険や傷害手術保険、傷害通院保険で対応できます。
プランによっては除外されている補償がありますので、念のため補償の対象かどうか確認しなければなりません。
レジャー保険とは
レジャー保険とは、スポーツやレジャー中、旅行中のさまざまなリスクに備えた保険で、基本補償は、ケガの補償と賠償責任補償です。
これに、海外旅行であれば「航空機寄託手荷物遅延等費用補償」、ゴルフであれば「ホールインワン・アルバトロス費用補償」が付帯しているなど、目的によってカスタマイズされています。
基本的に、レジャー保険という名前であっても、保険期間中であれば、レジャー中かどうかにかかわらず、補償されます。
レジャー保険に加入できないケース
レジャー保険では、引受対象外となる場合があります。次のようなケースでは、加入できないのが一般的です。
①保険期間中に危険な運動をする
危険な運動の定義は、保険会社によって異なる可能性がありますので、該当しそうな場合は確認が必要です。
一般的に次のような運動を危険な運動としています。
ピッケルやザイルなど専用の登山用具を使う山岳登はんについて、商品によっては特約を付帯すれば補償の対象になるものもあります。
②保険期間中に乗用具で競技・競争・興行などを行う
乗用具とは乗り物のことで、次のようなものを指します。
③保険期間中に危険な職業や職務に従事する
危険な職業・職務には、次のようなものが該当します。
スキューバダイビングは危険な運動に該当しないなど、明記されていない項目については、危険と思われる運動でも補償となります。
詳しくは加入予定の保険会社に事前確認しておいたほうがいいでしょう。
自転車事故が補償対象にならないケース
自転車事故を目的にレジャー保険に加入しても、補償の対象にならないケースありますので、注意が必要です。
なお、前述の①~③に該当する場合も対象外となります。
補償の対象にならない(保険金が支払われない)ケース
- 保険契約者または被保険者の故意または重大な過失
- 保険金を受け取るべき者の故意または重大な過失
- 被保険者の自殺行為、犯罪行為または闘争行為
- 無資格運転、酒気を帯びた状態での運転または麻薬等により正常な運転ができないおそれがある状態での運転による事故
- 被保険者の脳疾患、疾病または心神喪失
- 被保険者の妊娠、出産、早産または流産
- 外科的手術その他の医療処置
- 被保険者に対する刑の執行
- 戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変または暴動
- 地震もしくは噴火またはこれらによる津波
- 核燃料物質もしくは核燃料物質によって汚染された物などによる事故
上記は、約款などに記載されている「保険金をお支払いできない場合」です。
自転車事故については直接記載されていませんが、通常と異なる乗り方をして起こした事故や飲酒運転などによる事故では、保険金は支払われない可能性があります。
自転車事故を補償できるレジャー保険を紹介
保険期間中であれば、自転車で衝突してケガをした場合や相手をケガさせてしまった場合でも、レジャー保険の対象です。
ただし、自分の自転車が破損した場合の修理費用は補償の対象外です。
ここでは、自転車事故を補償できるレジャー保険を紹介します。
楽天損保「国内旅行傷害保険(1日保険シリーズ)」「トラベルアシスト」など
国内旅行傷害保険は、自宅を出発してから帰宅するまでの間に生じた事故が対象となります。
楽天損保の「国内旅行傷害保険(1日保険シリーズ)」には、ケガで治療した場合の入院保険金と手術給付金、相手に損害を与えた場合の賠償責任が付いています。
一方、「トラベルアシスト」には賠償責任補償はなく、ケガで治療した場合の入院保険金と手術給付金がメインとなります。
そのほかの保険金 | 死亡保険金、後遺障害保険金、救援者費用保険金 |
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三井住友海上「1DAYレジャー保険」
三井住友海上「1DAYレジャー保険」には、おもに傷害入院時一時保険金や骨折時一時保険金、日常生活賠償保険金があります。
傷害入院時一時保険金は、日本国内で事故によるケガのため入院し、その入院が免責期間4日を超えて継続した場合に支払われる保険金です。
骨折時一時保険金は、日本国内で事故によるケガのため、骨折した場合に支払われる保険金です。
また日常生活賠償保険金は、日本国内で、被保険者の日常生活に起因する偶然な事故により、他人にケガをさせたり他人の財物を壊したりして法律上の損害賠償責任を負った場合に支払われる保険金です。
傷害入院時一時保険金や骨折時一時保険金は、支払い要件を満たせば、一時金でまとめて支払われるため、使い勝手がよいという特徴があります。
入院保険金や手術保険金で支払われるタイプとは異なるレジャー保険です。
そのほかの保険金 | 傷害死亡保険金、ゴルフ賠償責任保険金、救援者費用等保険金、ホールインワン・アルバトロス費用保険金、ゴルフ用品保険金 |
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au損保「ケガの保険 日常の事故」
au損保「ケガの保険 日常の事故」には、おもに入院保険金・手術保険金、賠償責任保険金があります。
補償内容や保険金額で3つのコースから選べ、シンプルなブロンズコース、通院保険金と救援者費用がついたシルバーコース、入院一時金や携行品損害がついたゴールドコースがあります。
またアウトドア好きや外出が多い人向けに熱中症補償がどのコースにもついています。
au損保「ケガの保険 日常の事故」の携行品損害補償は、持ち物の破損や盗難などの損害に備えた補償ですが、自転車は補償の対象外です。
そのほかの保険金 | 示談代行サービス、救援者費用等 |
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サイクリングイベントを開催する場合はレクリエーション保険がおすすめ
サイクリングイベントを開催する予定で、自転車事故に備えた保険が必要な場合、レクリェーション保険がおすすめです。
企業や団体などの行事主催者が、参加者を被保険者として加入します。
自転車を使ったツーリング、トライアスロン、自転車乗り方教室、自転車障害物競争、サイクルロードレースなどにも対応しています。
ただ、事故が発生する可能性のある行事は保険料が高くなります。
あいおいニッセイ同和損保の「レクリェーション保険」は、入院・手術・通院のほか、熱中症危険補償や食中毒補償がついています。
またオプションで、地震・噴火・津波によってケガした場合に備える天災危険補償を付帯できます。
あいおいニッセイ同和損保「レクリェーション保険」補償内容
入院保険金 | 事故によるケガのため入院した場合に、1日につき入院保険金日額が支払われる。ただし、事故の発生の日からその日を含めて180日以内の入院を対象とし、入院の日数は180日を限度とする。 |
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手術保険金 | 事故の発生の日からその日を含めて180日以内に約款所定の手術を受けた場合に、保険金が支払われる。ただし、1事故につき、1回の手術に限る。 |
通院保険金 | 事故によるケガのため、約款所定の通院をした場合に、1日につき通院保険金日額が支払われる。ただし、事故の発生の日からその日を含めて180日以内の通院を対象とし、通院の日数は90日を限度とする。 |
死亡保険金 | 事故の発生の日からその日を含めて180日以内に死亡した場合に、死亡・後遺障害保険金額の全額が支払われる。ただし、既に支払った後遺障害保険金がある場合は、死亡・後遺障害保険金額から既に支払った金額を差し引かれる。 |
後遺障害保険金 | 事故の発生の日からその日を含めて180日以内に約款所定の後遺障害が発生した場合に、後遺障害の程度に応じて、死亡・後遺障害保険金額の4%~100%が支払われる。ただし、保険期間を通じて合算し、死亡・後遺障害保険金額が限度となる。 |
熱中症危険補償 | 急激かつ外来による日射または熱射によって身体に障害を被った場合に補償される。 |
食中毒補償 | 細菌性食中毒またはウィルス性食中毒によって発病した場合に補償される。 |
天災危険補償 | 地震もしくは噴火またはこれらによる津波によってケガをした場合に補償される。 |
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保険を利用する前に、補償やプランの内容をよく確認しよう
レジャー保険はケガや賠償責任などさまざまなリスクに備えられる保険ですが、補償の対象外となるケースがあるため、レジャーや旅の目的に合わせた保険を選ばなければなりません。
保険を検討する際に、必要な補償をピックアップし、補償の対象かどうかを確認したほうが確実です。
自転車をどのように使うか、ある程度予定がまとまったら、保険会社などに問い合わせておきましょう。