社会人サークルや会社の部活動、地域のスポーツコミュニティなどでサッカー大会やフットサル大会を行う場合、事前にケガや熱中症への対策を考えておくことが重要です。
万が一参加者が大ケガをしてしまった場合、あとから主催者やチームメンバーが責任を問われ、面倒な事態になってしまう可能性があります。それを未然に防ぐためにも、参加者全員に最低限のケガの補償を用意しておくと安心でしょう。
サッカー大会などの団体で行うスポーツイベントで使えるものとしては、レクリエーション保険が非常に手軽でおすすめです。
この記事では、サッカー大会やフットサル大会で役に立つレクリエーション保険について、補償内容やチェックしておくべきポイントを解説します。
これからサッカー大会を開催する予定の方は確認してみてください。
レクリエーション保険で備えられるケガのリスク
レクリエーション保険は、サッカーや野球などのスポーツから、お花見や餅つきなどの季節の行事まで幅広く加入することができる傷害保険です。
団体向けの保険で、主催者が参加者全員をまとめて一つの契約で加入することが可能。また、1回のイベントだけでも契約でき、保険料も割安です。
団体向けの保険ということで、加入できる最低人数が保険会社ごとに定められていますが、最も少ない場合で10名から加入することができます。
補償内容は死亡・後遺障害・ケガの治療
レクリエーション保険の補償内容は、下記のとおりです。
- 死亡保険金
- 後遺障害保険金
- 通院保険金
- 入院保険金
- 手術保険金
なお、レクリエーション保険で保険金支払いの対象となるケガは、「イベント・行事を行うために所定の場所に集合してから、終了後所定の場所で解散するまでに参加者が負ったケガ」です。
つまり、イベント・行事中に発生したケガのみがレクリエーション保険の対象となり、家から会場までの往路で負ったケガは補償対象にはなりません。
ただし、特約を付帯させることで、会場までの往路で負ったケガについても補償対象とできるレクリエーション保険もあります。必要に応じて特約の付帯を検討しましょう。
補償されるケガは急激かつ偶然に発生した外来の事故によるケガ
ケガにも様々な種類がありますが、レクリエーション保険で補償の対象となるケガは「急激かつ偶然に発生した外来の事故によるケガ」とされています。
ここでいう「急激」「偶然」「外来」とは、下記を指します。
- 急激:原因となった事故から実際にケガが発生するまで時間的な感覚がないこと
- 偶然:ケガの原因となった事故や、ケガの発生が偶然であること
- 外来:ケガの原因が、被保険者の身体の外からの作用によるもであること
つまり、たまたま発生した事故によりケガが発生し、そのケガが事故が起きてからすぐに発生したものであるような場合に補償の対象となるということです。
たとえば、腰痛や靴ずれやしもやけなど、症状の原因となった事故が明確にわからない場合のケガはレクリエーション保険の対象にならないことを覚えておきましょう。
サッカー大会はレクリエーション保険の契約対象
レクリエーション保険では、契約の対象となるイベントや行事が保険会社ごとに決められています。
日常的によく行われるようなスポーツや季節の行事、学校のイベント等はほとんどレクリエーション保険の契約対象になります。もちろん、サッカー大会も対象です。
一方、スカイダイビングや水上スキーなど、ケガをする危険が高い種目はレクリエーション保険の対象外となります。
合宿や泊りがけの遠征は対象外
サッカー大会やフットサル大会を行う場合でも、合宿や泊りがけの遠征は契約の対象外です。
というのも、レクリエーション保険では宿泊を伴うイベントや行事は、どんな内容であっても契約の対象外になってしまうためです。
これはすべての保険会社に共通するレクリエーション保険の加入条件なので、もし宿泊の予定があるサッカー大会や合宿を開催する場合にはその他の保険商品を検討しましょう。
選択肢としては、国内旅行傷害保険や、1日単位で加入できるレジャー保険などを活用しましょう。
夏場のイベントやお弁当を用意する場合は特約付帯がおすすめ
レクリエーション保険では、特約を付帯することで補償内容を充実させることが可能です。
特に多くの方が検討するのが、熱中症に関する特約と、細菌性の食中毒に関する特約です。
熱中症危険特約 | イベント・行事の最中に参加者が熱中症の症状が発生し、治療が必要になった場合、または万が一死亡または後遺症が残った場合に保険金が支払われる。 |
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細菌性食中毒及びウイルス性食中毒補償特約 | イベント・行事の最中に主催者が用意した食事等が原因で細菌性食中毒及びウイルス性食中毒が発生し、治療が必要になった場合、または万が一死亡もしくは後遺症が残った場合に保険金が支払われる。 |
たとえば、夏場の炎天下の中でサッカー大会を開催し参加者が熱中症で入院治療が必要になった場合や、サッカー大会で主催者が用意したお弁当が原因で食中毒が発生した場合などに、保険金が支払われます。
近年では夏の暑さが厳しくなり、熱中症で亡くなる人の数も増えています。サッカーなどの屋外で開催するスポーツは、ケガだけでなく熱中症などの危険にも十分対策を考えておきましょう。
サッカーによるケガの保険金請求方法
最後に、サッカー大会中に発生したケガにより、レクリエーション保険の保険金を請求する方法を解説します。
もしサッカー大会中に参加者がケガをし、通院や入院による治療が必要になった場合には、レクリエーション保険に契約した主催者から保険代理店または保険会社に連絡をしてください。
なお、保険代理店や保険会社への連絡は、事故やアクシデントが発生してからすぐに行うようにしてください。
保険会社では、事故やアクシデントが発生してから所定の期間以内に契約者から連絡をしなければ、保険金支払いの手続きをしてもらえない可能性があります。
また、レクリエーション保険の保険金を請求する場合には、参加者を客観的に確認できる名簿の提出が必要です。そのため、参加者の名簿はサッカー大会を開催する前に必ず用意しておくようにしましょう。
まとめ
今回は、サッカー大会やフットサル大会に便利に活用できるレクリエーション保険について解説しました。
レクリエーション保険では、サッカーやフットサルを始めとしたスポーツはほとんど契約の対象となります。また、特約をつければ熱中症や細菌性の食中毒にも備えることが可能です。
サッカーやフットサルは夏場に屋外で開催することも多かと思いますので、熱中症の特約はぜひ検討してみてください。