団体での行事やイベントを開催する場合、主催者の方は参加者のケガや事故に備える必要があります。
そんな場合におすすめなのが、レクリエーション保険。ちょっとした行事から数百人単位の参加者がいる大規模なイベントまで、安い保険料で参加者のケガのリスクに備えることができます。
しかし、「開催日が1日だけでもレクリエーション保険に契約できるのか」「そもそもどのような保険なのか分からない」と思う方もいるでしょう。
そこで今回は、レクリエーション保険の特長や契約条件、1日分の保険料や保険金額の目安などをあわせて説明していきます。
この記事は、次のような人におすすめの内容です。
こんな人におすすめ!
- 1日だけのイベントでもレクリエーション保険に加入できるか知りたい人
- レクリエーション保険の特長を詳しく知りたい人
- レクリエーション保険に1日だけ加入したときの保険料が気になる人
レクリエーション保険は1日単位で加入できる
レクリエーション保険は、団体で開催する行事・イベントの日程がたった1日であっても加入することができます。
もちろん、開催日が数日ある場合も、契約条件を満たせばレクリエーション保険の契約が可能。
保険料は1日単位で1人あたりいくらというかたちで提示されるため、イベントが複数日にわたって開催される場合には、日数に比例して保険料が増えていきます。
契約条件は1日の日程が「日帰り」、かつ参加者が規定人数以上であること
レクリエーション保険に契約する際の条件は、下記の2つです。
- 1日の開催スケジュールが日帰りであること
- 1日あたりの参加者人数が規定人数以上であること
1日の開催スケジュールが日帰りであること
まず、レクリエーション保険はイベントや行事の開催日程がすべて日帰りである必要があります。
複数日に渡って開催する場合も、1日ごとに参加者が自宅に戻らなければいけません。
そのため、お泊り会や連泊での合宿など、宿泊が伴う行事・イベントはレクリエーション保険の契約対象外です。
もし宿泊を伴う行事・イベントを開催する場合には、レクリエーション保険の代わりに国内旅行傷害保険を利用しましょう。
1日あたりの参加者人数が規定人数以上であること
次に、1日あたりの参加者人数が規定人数以上である必要があります。
レクリエーション保険では、それぞれの保険会社で契約できる最低人数が決まっています。多くの場合は1日あたり20人以上が条件で、規定の人数を下回ると契約することができません。
ただし、レクリエーション保険の中には1日あたり最低10名からでも加入することができる保険商品や共済もあります。
少人数の団体の方は、こちらの記事をチェックしてください。
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レクリエーション保険の特長
先ほど説明したように、レクリエーション保険は1日だけでも加入することができます。
たった1日の行事でも、割安な保険料で十分な補償を得られるのがレクリエーション保険の優れたポイントです。
ここでは、そんなレクリエーション保険の特長を詳しく見ていきましょう。
参加者全員のケガのリスクにまとめて備えられる
レクリエーション保険は、主催者が代表となって参加者全員をまとめて加入します。参加者個人が契約手続きをする必要はありません。
1つの契約で行事・イベントの参加者全員のケガのリスクを補償できるため、人数の多いグループにとっては非常に便利です。
イベント・行事の開催日が順延した場合にも対応してもらえる
屋外でイベントや行事を開催する場合、悪天候の際には開催日を延期せざるをえないこともありますよね。
そんなときでも、レクリエーション保険では契約した保険代理店または引受保険会社に連絡すれば、延期日にあわせて保険期間を変更してもらえます。
順延ではなく中止になった場合も、連絡すれば所定の条件のもと保険料の払い戻しなどをしてもらうことができるので、契約時によく確認しておきましょう。
注意:行事・イベント中止による損害はカバー補償されない
レクリエーション保険では、開催する予定だった行事・イベントが中止になったとき、中止によって発生した損害については補償されません。
たとえば、イベント用に予約していた会場・施設のキャンセル費用などはレクリエーション保険の補償対象外。
レクリエーション保険では、あくまで参加者の傷害についての補償のみです。
契約対象になるレクレーションの種類
レクリエーション保険では、契約できるレクリエーション活動やレジャーの種類が保険会社ごとに定められています。
イベントや行事の危険度によって区分が設けられ、その区分に応じて保険料も定められます。危険度が高いものほどケガをするリスクが高いため、保険料の設定も割高になる仕組みです。
保険会社によって契約対象にしているレクリエーション活動・レジャーの種類や区分が異なることがありますが、そこまで大きな違いはありません。
ここでは、例としてあいおいニッセイ同和損保のレクリエーション保険で定められている契約対象のレクリエーションとその区分を紹介します。
区分 | イベント・行事の例 |
---|---|
A(危険度:低) | いちご狩り、エアロビクスダンス、日帰りの遠足、お花見、学園祭、ゲートボール、サッカー教室(試合は除く)、水泳、ソフトボール、卓球、テニス、なわとび、ドッジボールなど |
B(危険度:中) | 運動会、駅伝、日帰りのキャンプ、剣道、乗馬、スケート、バスケットボール、ハンドボール、防災訓練、マラソン、ライフル射撃、ライン下り、陸上競技など |
C(危険度:高) | 空手、柔道、ボクシング、硬式野球、お祭りのみこしや山車、サッカー(試合)、相撲、ボートレース、ラクビー、サーフィンなど |
日常的に行われる行事やスポーツ、レジャーであればほとんど契約対象になります。
なお、レクリエーション保険の案内パンフレットに記載されているレクリエーション活動以外でも契約の対象になることがあります。
開催するイベント・行事が契約対象になるか不明な場合は、レクリエーション保険を扱う保険会社もしくは保険代理店に問い合わせをしてみてください。
1日分の保険料の目安と支払われる保険金
行事・イベントを1日だけ実施する場合、レクリエーション保険の保険料がどれくらいになるのか気になる人も多いでしょう。
ここでは、レクリエーション保険の1日あたりの料金目安をご紹介します。
1日あたりの保険料は行事の内容・保険金額の設定によって異なる
レクリエーション保険の保険料は、1日1名あたりで算出されます。イベントや行事の日数が増えれば、比例して保険料が増えていきます。
肝心の1日あたりの保険料ですが、開催する行事・イベントの内容と、加入時に契約者が設定する補償内容(保険金の金額など)によって異なるため、必ずこの金額になるとは言えません。
先程紹介した契約対象となるレクリエーションのなかで、危険度が高ければその分保険料も割高に。
また、死亡保険金などの保険金の額を高額にすれば、その分やはり保険料は高くなります。
上記のことから、レクリエーション保険の保険料は保険会社や保険代理店に見積りを出してもらうまで正確には分からないのが正直なところです。
しかし、各保険会社で扱うレクリエーション保険のパンフレット資料に保険金額と保険料の例が記載されているため、ある程度の費用感をつかむことは可能です。
ここでは、代表例として損保ジャパンの保険料例をご紹介します。
損保ジャパン「レクリエーション補償プラン」
区分 | 行事 | 保険料 (1日/1名) |
保険金額 |
---|---|---|---|
A | いちご狩り、ハイキング、ラジオ体操、日帰り遠足など | 30円 | 死亡保険金:455万円 入院保険金:4,000万円 通院保険金:2,000円 |
B | 運動会、日帰りキャンプ、バスケットボール、マラソンなど | 150円 | 死亡保険金:460万円 入院保険金:4,000万円 通院保険金:2,000円 |
C | 空手、サーフィン、サッカー、相撲など | 300円 | 死亡保険金:457万円 入院保険金:4,000万円 通院保険金:2,000円 |
※熱中症も補償対象とする「熱中症危険補償特約」を付帯した際の保険料です。
損保ジャパン以外の保険会社でも、同等の危険度の行事で同じくらいの保険金額を設定した場合、保険料は上記の例と大きく変わりません。
もし保険会社のパンフレット資料に記載されている例と同じ設定でレクリエーション保険に契約した場合には、1日あたり1人数十円~数百円の範囲に収まる保険料で済むでしょう。
1日だけではなく、年間単位での契約も可能
レクリエーション保険は1日だけの単発のイベント・行事でも気軽に加入できる保険ですが、地域の行事や社内行事など年間単位で開催スケジュールの見通しが立っている場合には年間契約をすることもできます。
年間契約では、あらかじめ年間の行事予定日、行事の内容、参加予定人数(例年の開催実績から概算で算出)を申告し、保険料を一括で支払い契約をします。
そして、定期的(毎月など)に開催通知を保険代理店もしくは保険会社に送付し、参加人数等があらかじめ申告していた内容と異なる場合には差額分を精算します。
年間契約をすると、行事のたびに毎回加入手続きをする必要がなくなるため、行事・イベントを多く開催する団体の方におすすめです。
まとめ
今回は、レクリエーション保険は1日だけでも契約できるかどうかを解説してきました。重要なポイントをまとめると、以下の通りです。
この記事のポイント
- レクリエーション保険は1日単位でも契約できる
- レクリエーション保険の契約条件は、「日帰り」かつ「1日あたりの参加者数が規定以上」であること
- 1日あたりの保険料は、開催するイベント・行事の内容と、設定する保険金額によって異なる
- 1日だけでなく、年間単位で契約することも可能
レクリエーション保険は、社会人サークルで不定期に行うイベントや、友人たちと大勢でスポーツ大会を行う場合など、単発で1日だけ開催するレクレーション活動でも気軽に加入することができます。
1日あたりの保険料も非常に安い金額で済むため、ケガのリスク対策として利用しやすいでしょう。
たとえ1日だけの行事・イベントとはいえ、主催者の方は参加者のケガのリスクには責任を持って対応する必要があります。
ネット申し込みで簡単に契約できるため、ぜひレクリエーション保険を活用してみてくださいね。
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監修者のコメント
レクリエーション保険は、行事参加者のケガの補償を割安な保険料で購入することができます。「ケガすることは滅多にない」かもしれませんが「万一ケガをしてしまった場合」の備えとして有効ですので、レクリェーションを開催する際には加入を検討してみてください。
当記事の監修者:遠山直孝
- 保険コンプライアンス・オフィサー2級
- ファイナンシャルプランナー(AFP)
- 損保大学(法律・税務)※
国立大学卒業後、大手保険会社に27年勤務し、現在は損害保険代理店に所属。営業、企画部門での多彩な経験から、法律・税務を踏まえた実用的な保険の活用に精通しており、日々情報を発信しています。
※損保大学とは、損害保険の募集に関する知識・業務を向上させるために日本損害保険協会が立ち上げた制度。当監修者は「法律・税務」などの知識を深める専門コースを修めています。