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イベント会場は代表的なソフトターゲット!他人ごとではないテロから身を守るためには

イベント時などにいつ遭遇するかわからないテロについて有益な情報を提供

イベント会場は代表的なソフトターゲット!他人ごとではないテロから身を守るためには

日本はテロとは無縁―なんとなくそんな思いに捉われそうになりますが、警察庁は日本に対するテロの脅威は現実のものであると警鐘を鳴らしています。

そして、テロリストのソフトターゲットとして真っ先に挙げられているのが「公共の場で行われる耳目を集めるイベント」。

そもそも、テロはどのように計画され、実行に移されるのでしょうか。

テロ対策の取り組みにはどのようなものがあるのでしょうか。

ソフトターゲットの場ではどんなことに留意したらいいのでしょうか。

そして、不運にもテロに遭遇したときにはどうするべきでしょうか。

イベント時などにいつ遭遇するかわからないテロについて有益な情報を提供します。

対岸の火事ではない

現在は、国際テロ組織だけでなく、テロ組織と直接関わりのない人や社会的に疎外感を感じている人が、インターネットなどを通じて過激な思想の影響を受け、テロを計画または敢行するといった問題が目立っています。*1

日本においても国際テロ組織の関係者と連絡を取っていると称する人や、インターネット上で国際テロ組織への支持を表明する人が存在していることから、国際テロ組織の過激思想に影響を受けた人によるテロが国内で発生する可能性は否定できないと警察庁は警鐘を鳴らしています。*2

日本におけるテロは決して「対岸の火事」ではないのです。

狙われるソフトターゲット

現在、世界各地で国際テロ組織やその主義主張に感化されて過激化したテロリストによるテロが多発しています。その標的にされることが多いのが、ソフトターゲット。*3

ソフトターゲットとは、スタジアム、コンサート会場、遊園地、ショッピングモールなど不特定多数の人々が集合し、自衛隊や警察によって防御されていない施設や場所を指します。*4

そして、よく狙われるのが、公共の場で行われる耳目を集めるイベントです。*3

では、テロリストはどのようにテロを計画し、実行するのでしょうか。

テロリストの行動パターン

テロに備えるための心構えの1つが、テロリストの行動パターンを知ることです。*3

テロリストの一般的な行動パターンは以下のようなものです。

<標的の選定>

テロリストは、象徴的な標的を選定します。ただし、恐怖心をあおり、経済に悪影響を及ぼすため、無差別テロを実行することもあります。

<テロの準備>

テロリストは、標的を監視し、弱点を調べるなどして、最適な攻撃方法を選択します。

そうした監視活動は、単独、二人組またはグループで行われ、同一人物が複数回、同じ場所を訪れることもあります。

テロリストは、標的に関する情報を収集し、警備体制を把握したり、写真撮影を行ったりします。

<実行前の行動>

テロリストは、ナイフ、ライフル、拳銃、爆弾ベルトなどを隠しており、異常に重い荷物を抱えています。

また、ニーパッド(膝当て)や防弾チョッキを着用し、季節に合わない服装をしている場合もあります。

イベント主催者が知っておくべきこと

多数の人が集まるイベントでのテロの発生に備え、関係者は警戒警備を強化する必要があります。そこで、警察はイベントの主催者に対して協力を要請しています。*5

また、国は事業者・施設管理者が行っているテロ対策のベストプラクティス(最善の方法・事例)を公表しています。

施設管理者や施設の従業員には、テロ対策への意識の向上や取り組み体制の構築が求められているのです。*6

イベント主催者はそれらの方策を理解した上で、施設管理者や施設の従業員に協力することが必要です。

ここでは、テロ対策としてイベント主催者が把握すべき内容をみていきます。

警備・救護環境の整備

まず、ゴミ箱の設置箇所の検討と、不要物の撤去を心がけ、爆弾などの不審物を設置できない環境づくりが必要です。*5, *6

施設では、施設利用者がアクセスする場所だけでなく、倉庫や従業員用トイレなど従業員や出入業者がアクセス可能な場所も常に整理整頓を心掛け、不審物の探索がしやすいようにすることが大切です。

監視カメラの設置や増設、映像記録の保存も重要です。

また、テロ発生時に被害者に適切な応急手当てを施せるように、従業員・警備員は救命講習を受けることも必要です。

警察・消防との連携

施設には、テロ発生時や不審者・不審物の発見時の連絡・対応に関するマニュアル、警察・消防・海上保安機関などへの通報マニュアルを整備し、従業員に周知徹底することが求められています。*6

窓口のスタッフに対しては、爆破予告やテロ予告の情報を受ける可能性のある電話受付担当者や訪問受付担当者の対応マニュアルを整備し、従業員に周知徹底することが必要とされています。

イベント主催者も、万が一の場合には、迅速な通報と管轄警察署との連携をとる必要があります。*5

自主警備員の増強配置・見せる警備

ソフトターゲットとされる施設は、多数の出入口が設置され、利用者が自由に出入りすることができます。

そのため、従業員・警備員による巡回警備や警察機関による警戒だけでは、不審者や不審物の発見は困難です。*6

そこで、従業員・警備員が警戒を行う際には、その状況を積極的に見せる必要があります。

さらに、イベント参加者にも、危険物の持ち込みを禁止するとともに、不審者や不審物への注意を促します。

それらを発見した際には施設の従業員やイベント主催者のスタッフ、警備員に通報・連絡してもらうよう、カードやパンフレットの配布、掲示や放送等による呼び掛けを行うことも有益です。

こうした取り組みがテロリストに対する威嚇効果をもたらし、テロに対する抑止効果を高めます(図1, 図2)。

図1 見せる警備

図1 見せる警備


図2 不審者・不審物発見時の協力の要請
出所)(図1・図2とも)首相官邸「ソフトターゲットにおけるテロ対策のベストプラク
ティス」p.2, p.3, p.4 
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sosikihanzai/kettei/20170127_best%20practice.pdf

図2 不審者・不審物発見時の協力の要請
出所)(図1・図2とも)首相官邸「ソフトターゲットにおけるテロ対策のベストプラク
ティス」p.2, p.3, p.4
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sosikihanzai/kettei/20170127_best%20practice.pdf

参加者に対する手荷物検査の実施

出入口が限られる劇場やスタジアムなどの施設の入場口に手荷物確認を行う案内を表示して、テロリストに対する抑止効果を高めます。*6

また実際に、従業員や警備員によって手荷物検査を実施します。

その際には、手荷物だけでなく、コートやジャンパー類も検査しましょう。*5

主催者と部外者の識別

主催者は名札やIDカード、入館証などを着用し、部外者との識別を徹底します。また、 識別証や制服、社用車などの紛失盗難防止も徹底します。*6

施設に入構する際には車両入構証を表示し、不審車両を排除します。

また、不審車両の検索を容易にするために、施設内や施設周辺に放置されている車両を撤去し、長時間駐車している車両には撤去の警告書を貼付し、不審車両を警戒しやすい環境を整備します。

ドローンなど小型無人機の飛行・持込みの禁止

ドローンなどがテロに利用されることがあります。

イベント参加者だけでなく周辺住民に対しても、事前にドローンなどの小型無人機の持ち込みや飛行を禁止することを告知・要請し、徹底することが大切です。*5

イベント参加者が知っておくべきこと

公安調査庁は個人がテロに遭わないための対策やテロに巻き込まれた場合の対処法について、外国の政府機関が作成したマニュアルを紹介しています。*3

その中からイギリスで推奨されている対策をみていきましょう。

テロの危険性を最小化するための対策

まず、テロの危険性を最小限にするための対策として、参考になるのは以下のようなことです。

  • 不審な動きに注意し、不審な動きに気づいたら、直ちに地元警察に通報する。
  • 事件に遭遇した際の避難ルートについて考え、行動計画を立てておく。
  • 緊急事態の際の退避場所となり得る場所を確認しておく。
  • 標的とされにくくするため、同じ行動を避ける。
  • 携帯電話は常に携行し、バッテリー切れに注意する。
  • SNS上では、自分自身のことや旅行の計画について投稿しない。
  • 家族や同僚、隣人、信頼できるホテル従業員などに対し、自分の行き先や戻る予定の時刻を伝えておく。

テロに巻き込まれた場合の対処法

では、万が一、テロに巻き込まれてしまった場合にはどうしたらいいのでしょうか。

イギリス国家テロ対策警察は、銃器等を用いた事件に遭遇した場合、自らの安全を確保するために採り得る手段として、「ラン・ハイド・テル」(Run、Hide、Tell)という対処法を推奨しています。

順にみていきましょう。

<逃げる(Run)>

  • 可能であれば逃げる。
  • 逃げる際には、安全なルートがあるかどうか考える。
  • 危険にさらされることなく安全な場所に逃げることができるかどうかを考える。
  • 「一緒に逃げよう」と他者に伝える。
  • 身の回り品は持たない。

<隠れる(Hide)>

  • 逃げることができない場合には、隠れる。
  • 銃撃から身を隠す。
  • 犯人が見えるということは、犯人からも見えている可能性があることに注意する。
  • 犯人から見えていないとしても、銃弾はガラスやレンガ、木材、金属を貫通するので、それらの陰に隠れても身の安全が保障されたわけではないことに注意する。
  • 出口の場所を把握しておく。
  • 携帯電話をサイレントモードにし、バイブ設定も切る。
  • バリケードを築き、ドアから離れる。

<知らせる(Tell)>

  • 警察に電話を掛けて通報する。その際、会話をしたり音を立てたりするのが難しければ、電話の相手の指示に従う。
  • 事件が発生した場所や建物に入ろうとする者がいる場合には、自身が安全であればその者を阻止する。
図3 「ラン・ハイド・テル」(Run、Hide、Tell)
出所)公安調査庁「テロに遭わないための対策及びテロに遭遇したときの対処法」
https://www.moj.go.jp/psia/ITH/topics/measures_01.htm

図3 「ラン・ハイド・テル」(Run、Hide、Tell)
出所)公安調査庁「テロに遭わないための対策及びテロに遭遇したときの対処法」
https://www.moj.go.jp/psia/ITH/topics/measures_01.htm

テロの脅威を最小限に

残念ながら、楽しいイベントが100パーセント安全ということはなく、むしろイベント会場はテロリストにとって格好のソフトターゲットです。

日本でも他人事ではないテロの脅威を最小限に抑えるためには、テロに備える方策と、万が一、テロに遭ったときの対処法の両方が大切です。

それらをふだんから把握しておくことが、自分自身だけでなく他者を守るのにも役立つでしょう。

資料一覧

筆者プロフィール

横内美保子

  • 博士(文学)
  • 総合政策学部などで准教授、教授を歴任
  • 専門は日本語学、日本語教育

高等教育の他、文部科学省、外務省、厚生労働省などのプログラムに関わり、日本語教師育成、教材開発、リカレント教育、外国人就労支援、ボランティアのサポートなどに携わる。

パラレルワーカーとして、ウェブライター、編集者、ディレクターとしても働いている。

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