イベント保険の保険料を補償内容別に解説！主な商品も紹介

イベント保険へ加入する際は、イベントの内容や規模に合わせて補償範囲・保険金を設定することが大切です。 この記事では、イベント保険の主な補償内容とそれぞれの保険料・保険金例を解説します。 イベント保険を契約するときの注意点等もまとめているので、主催者・責任者の方はぜひ参考にしてみてください。

イベント保険の補償内容と保険料の目安

イベント保険とは、特定の期間・場所で開催される行事に伴う様々なリスクを補償するための保険です。 コンサートやお祭りといった不特定多数が集まる行事が対象となっており、最短1日から契約することができます。 なお「イベント保険」という商品があるわけではなく、以下のような保険商品を総称して「イベント保険」と呼んでいます。 まずは実際の保険会社のプランを参考に、これらの保険の補償内容と実際の保険料例を見ていきましょう。

【傷害保険】の概要と保険料例

傷害保険とは、保険料の支払いにより、主催する行事・レクリエーション中に生じた参加者の事故・ケガの補償を受けられるイベント保険のことです。 傷害保険の主な補償内容は以下の通りとなっています。

死亡保険金	保険期間中の事故によるケガで死亡した場合の保険金
後遺障害保険金	保険期間中の事故によるケガで所定の後遺障害が発生した場合の保険金
入院保険金	保険期間中の事故によるケガで入院した場合の保険金
手術保険金	保険期間中の事故によるケガで手術を受けた場合の保険金
通院保険金	保険期間中の事故によるケガで通院した場合の保険金

また傷害保険に加入した場合の保険料・保険金額の例は以下の通りです。

	野外コンサートの例	地域のお祭りの例
対象者	15,000人（観客）	50人（ボランティア参加者）
保険料	約6万円	約3万円
保険金額	死亡・後遺障害保険金：1,000万円 入院保険金（日額）：1,500円 通院保険金（日額）：1,000円	死亡・後遺障害保険金：1,000万円 入院保険金（日額）：1,500円 通院保険金（日額）：1,000円

【施設賠償責任保険】の概要と保険料例

施設賠償責任保険とは、保険料の支払いにより、設営したテントの倒壊等に伴う参加者および機材への傷害・損害の補償を受けられるイベント保険のことです。 施設賠償責任保険の主な補償内容は以下の通りとなっています。

損害賠償金	民事上の損害賠償責任に基づき、損害賠償請求権者に対して支払うべき治療費や慰謝料、修理費用などを補償する
争訟費用	当該の損害賠償事案に関連する訴訟費用や弁護士報酬等の費用を補償する
損害防止費用	事故が発生した際に、損害の発生および拡大防止のために生じた費用を補償する
協力費用	事故の解決に向けた引受保険会社への協力に必要となる費用を補償する

また施設賠償責任保険に加入した場合の保険料・保険金額の例は以下の通りです。

	野外コンサートの例	地域のお祭りの例
対象者	15,000人（観客）	500人
保険料	約3万円	約1万円
保険金額	1名・1事故につき1億円（対人・対物）	1名・1事故につき1億円（対人・対物）

【動産総合保険】の概要と保険料例

動産総合保険とは、保険料の支払いにより、動産（不動産を除く現金・商品・道具等の財産）の紛失や破損に伴う損害の補償を受けられるイベント保険のことです。 動産総合保険の主な補償内容は以下の通りとなっています。

損害保険金	損害賠償請求権者に対して支払うべき修理費用などをまかなうための保険金
損害防止費用	損害の拡大防止や被害軽減のために生じた費用を補償する
権利保全行使費用	発生した事故に関する賠償責任を第三者に請求できる場合、その権利の保全もしくは行使のために必要となる費用を補償する
臨時費用保険金	損害賠償に伴う諸費用（移動費など）が生じた場合に、損害保険金とは別に支払われる保険金
残存物取片付け 費用保険金	破損した展示品や機材の片付け・処分にかかった費用をまかなうための保険金

また動産総合保険に加入した場合の保険料・保険金額の例は以下の通りです。

	野外コンサートの例	地域のお祭りの例
対象物	1,000万円相当の音響設備	500万円相当の神輿
保険料	約5,000円	約12,000円
保険金額	免責金額：1事故につき5万円	免責金額：1事故につき3万円

【興行中止保険】の概要と保険料例

興行中止保険とは、保険料の支払いにより、イベントそのものが開催中止となった場合の損害の補償を受けられるイベント保険のことです。 興行中止保険の主な補償内容は以下の通りとなっています。

中止費用	イベントの準備にかかった費用
追加費用	イベントの延期または中止に伴い、追加で生じた費用

また興行中止保険に加入した場合の保険料・保険金額の例は以下の通りです。

	野外コンサートの例	地域のお祭りの例
規模	4,000万円	100万円
保険料	約140円	約10万円
縮小支払割合	90％	100％
保険金額（支払限度額）	3,600万円	100万円

※縮小支払割合とは、損害額に対する補償金額の割合のことです。

保険へ加入する際に確認すべきポイント

保険料さえ支払えば、イベント保険で全ての事故・トラブルをカバーできるのかというと、そうではありません。 続いて、イベント保険の補償範囲を広げたいときに役立つ「特約」の概要と、イベント保険に加入していても補償を受けられないケースの特徴について詳しく見ていきましょう。

イベント保険に付加できる特約の種類

保険会社によっては、前述した各種イベント保険に対して以下のような特約を付加できる場合があります。 イベント保険に特約を付加することで、例えば「台風で野外イベントが中止になった」「マルシェで食中毒の被害が出た」といった、通常は補償対象外となるケースでも保険金を受け取れるようになります。 保険料は多少上乗せされるものの、食中毒や熱中症のリスクがあるイベント、また天候の影響を受ける野外のイベント等を開催する際は、こうした特約を利用しておくと安心です。

イベント保険で補償できないケース

イベント保険は、主に「イベントで使用する施設・設備等の不備による事故」と「主催者または従業員等の不注意による事故」が原因で生じた傷害・損害を補償する保険です。 そのため、上記に当てはまらない以下のようなケースでは保険金を受け取ることができない点に注意が必要です。 その他、イベント保険の補償を受けられるケース・受けられないケースについてより詳しく知りたいという場合は、各保険会社・保険代理店へお問い合わせください。

実際のイベント保険で保険料をチェック

ここからは、実際に保険会社から販売されているイベント保険をいくつか紹介していきます。 イベント保険の補償範囲や保険料は販売会社・商品によって様々なので、加入する際は複数の商品を比較・検討したうえで選定するようにしましょう。

東京海上日動

東京海上日動では、イベント保険として以下の商品を販売しています。

• 傷害保険
• 興行中止保険
• 施設賠償責任保険

いずれもオーダーメイド型のイベント保険となっており、必要に応じて補償内容をカスタマイズすることが可能です。 例として、お祭りを開催した場合の施設賠償責任保険の保険金額・保険料例を紹介します。

	対人・対物賠償共通（CSL）
支払限度額	1名につき1億円/1事故につき1億円
免責金額	1事故につき1万円
保険料	約6万円

グッド保険サービス

グッド保険サービスでは、イベント保険として以下の商品を販売しています。

• イベント賠償責任保険
• 興行中止保険

また以下のような特約が用意されており、必要に応じてイベント保険に付加することが可能です。

被害者治療費等補償特約	事故の被害者に支払った治療費・葬祭費・見舞金等を補償
飲食物危険補償特約	飲食物の提供がある場合の食中毒の補償
借用イベント施設損壊補償特約	イベントのために借りた施設を損壊させた場合の補償
受託者賠償責任保険	イベントのために他人から借りた物やレンタル品に対する補償

例として、ソフトボール大会（300人規模）を開催した場合のイベント賠償責任保険の保険料例を紹介します。

	対人	対物
支払限度額	1名につき1億円/1事故につき3億円	1事故につき 500万円
免責金額	0円	0円
保険料	約1万円（飲食物危険補償・被害者治療費等補償・借用イベント施設損壊補償付き）	同左

まとめ

• イベント保険は傷害保険・施設賠償責任保険・動産総合保険・興行中止保険を総称したもので、最短1日単位から加入することができる
• 保険料は商品や販売会社によって異なるものの、1日1人あたり数百円程度が目安
• イベント保険に加入する際は、付加できる特約の種類や、補償対象外となるケースについて確認しておくことが大切

イベント保険は一般的な傷害保険等と比較して、短期間かつ安い保険料で利用できる便利な商品です。 大規模なイベントや不特定多数が集まるイベント等でも加入できるので、イベント主催者・責任者の方はぜひ加入を検討してみてください。

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