行事やイベントを開催する場合、参加者のケガやモノの破損、賠償責任などのさまざまなリスクが伴います。
そうしたリスクに備えられる保険商品として「イベント保険」や「レクリエーション保険」が存在しています。
いずれも行事やイベントの主催者が参加者をまとめて補償する商品ですが、どういった違いがあるのでしょうか。
本記事では、イベント保険・レクリエーション保険の違いやそれぞれの補償内容について解説していきます。
イベントを開催予定の方は、ぜひ本記事を参考に違いを理解して最適な保険商品に加入しましょう。
イベント保険とレクリエーション保険の違いは「対象イベント」「加入条件」「補償内容」
イベント保険・レクリエーション保険は、いずれもイベントや行事の参加者をまとめて補償できる商品のことです。
2つの保険の違いとして、主に以下の2点が挙げられます。
- 対象イベント・加入条件
- 補償内容
それぞれの違いについて解説していきます。
対象イベント・加入条件
イベント保険・レクリエーション保険の大きな違いとして、保険の対象となるイベントの内容や加入条件が挙げられます。
イベント保険の場合、スキューバダイビングやパラグライダーなどの危険性が高いイベントを除き、ほとんどのイベントが補償の対象となります。
不特定多数が参加する規模の大きいイベント・行事がイベント保険の主な対象です。
一方でレクリエーション保険の場合、以下の条件を満たさないイベントは補償の対象となりません。
レクリエーション保険の加入条件
- 日帰りの行事・イベントであること
- 1日あたりの参加者が一定(20名など商品によって異なる)以上いること
宿泊を伴うキャンプなどのイベントや1日あたりの参加者が20名以下の小規模なイベントは、レクリエーション保険の対象となりません。
イベント保険・レクリエーション保険の加入条件の違いを把握し、主催するイベントに合った保険を契約しましょう。
補償内容
イベント保険・レクリエーション保険の違いとしては、補償内容も挙げられます。
同時に保険料の違いも生じるため、必要な補償内容や予算を踏まえて選ぶことが大切です。
詳細な補償内容は後述しますが、一般的にイベント保険の方が補償範囲が幅広くカバーできます。
一方でレクリエーション保険は補償範囲が限定的である分、保険料が比較的安く抑えられます。
充実した補償を希望する場合はイベント保険、必要な補償だけを備えて保険料を抑えたい場合はレクリエーション保険がおすすめです。
イベント保険の主な補償内容
イベント保険の主な補償内容は以下の通りです。
- 施設賠償責任保険
- 傷害保険
- 動産総合保険
- 興行中止保険
上記のように幅広く手厚い補償を受けられる点がイベント保険の大きな特徴です。
それぞれの補償内容を確認していきましょう。
施設賠償責任保険
施設賠償責任保険とは、主催者側の施設管理が原因で傷害・損害が発生した場合に補償される保険のことです。
被害者に支払う損害賠償金や賠償責任について裁判等が行われる際の訴訟費用、事故発生時に損害の拡大防止や軽減のためにかかった費用などが補償されます。
例えば設営していたテントが不備で倒れてしまい、人にケガを負わせたり、モノが壊れてしまったりした場合、施設賠償責任保険の対象となります。
大規模な設営や野外設備などを必要とするイベントの場合は、施設賠償責任保険への加入がおすすめです。
傷害保険
傷害保険とは、参加者がイベント中にケガをした場合に補償される保険です。
参加者の死亡や後遺障害、入院・手術、通院などのケースで保険金が支払われます。
イベントや行事では、参加者がケガをしてしまって多額の賠償金が必要になる可能性が十分に考えられます。
傷害保険に加入し、万が一の事故にしっかりと備えておくことが重要です。
動産総合保険
動産総合保険とは、イベントに使用する機材や展示品などの動産が紛失・破損の被害に遭ったときに補償される保険です。
被害に遭った動産の損害賠償金や損害の拡大防止・軽減のためにかかった費用、破損した動産の片付け等にかかった費用などが補償される仕組みです。
例えば展示品を運搬中に傷付けてしまったり、イベント中の事故で破損してしまったりなど、さまざまなリスクが想定されます。
モノの損害リスクに備えられる動産総合保険はかなり重要性が高いと言えるでしょう。
興行中止保険
興行中止保険は、イベントや行事を中止・延期することになった場合に補償を受けられる保険のことです。
イベントの準備にかかった費用や中止・延期に伴って追加でかかった費用が補償されます。
例えば出演者の都合によってイベント・行事が延期になってしまうケースなどが考えられます。
また、屋外のイベントであれば悪天候で中止となるリスクも想定しなければなりません。
イベント・行事が予定通りにできず、大きな損害が発生してしまう可能性があるため、興行中止保険の加入も検討しておきましょう。
レクリエーション保険の補償内容は主に「傷害」のみ
さまざまなリスクに幅広く対応しているイベント保険とは違い、レクリエーション保険の主な補償内容は傷害保険のみとなっています。
商品によっては賠償責任を補償できる場合もありますが、基本的にメインの補償は傷害保険のみとなるため注意が必要です。
例えば、屋内で開催して特に機材などを必要としないイベントの場合は、傷害保険のみでも十分な補償となる可能性があります。
傷害保険がメインの補償となるレクリエーション保険でも問題ありません。
一方で、屋外で中止・延期のリスクがあったり、展示品・機材などが必要だったりするイベントの場合は傷害以外のさまざまなリスクが想定されます。
動産総合保険や興行中止保険などが含まれたイベント保険に加入し、手厚く補償を備えておくことが重要です。
このようにイベント保険とレクリエーション保険の違いを十分に理解した上で、開催するイベント・行事に合った最適な保険を選びましょう。
まとめ:内容の違いを理解して適切な保険を選ぼう
イベント保険・レクリエーション保険は、加入条件や補償内容、保険料などに違いがあります。
イベント保険は施設賠償責任保険や傷害保険、興行中止保険などが補償内容となる一方、レクリエーション保険は主に傷害保険のみが補償内容となっています。
どちらの保険を選ぶべきか判断するためには、開催するイベントの規模や想定されるリスクを踏まえることが大切です。
本記事でご紹介した2つの保険の違いをもとに、主催するイベントのリスクに備えられる保険に加入しましょう。