高齢者になっても楽しい夏を過ごしてほしいと、デイサービスや老人ホームなどの介護施設では、さまざまなレクリエーションを企画しますよね。
夏と言えば、夏祭りや縁日をイメージする人も多いでしょう。
夏祭りや縁日には、ヨーヨー釣りや金魚すくい、射的など、暑い夏を楽しく過ごしてもらうためのアイデアがたくさんあります。
今回は、デイサービスや老人ホームなどの高齢者施設や介護施設で人気の夏祭りレクリエーションを紹介します。
8月の行事やレクリエーションを考えている方はぜひ参考にしてください。
介護施設で夏祭りを実施するメリット
まずは、デイサービスや老人ホームなどの高齢者施設・介護施設で、夏祭りなどの夏のレクリエーションをするメリットについて紹介します。
介護施設を利用する高齢者に、夏祭りを楽しんでもらう目的を確認しましょう。
コミュニケーションの促進
夏祭りや縁日などのイベントは、たくさんの人が参加できるので、介護施設内のコミュニケーションの促進におすすめです。
1人で生活をしている高齢者であれば、日々の生活であまり話す機会がない方もいますよね。発語しないとだんだんと喉の筋肉も衰えてきます。
夏祭りや縁日などを通して、いろんな人と交流をして会話をしてもらいましょう。
声を出すことは喉の筋肉トレーニングに、会話は脳の刺激に効果的です。
大人になってからも楽しい気持ちを思い出させてくれる夏祭りイベント。いろんなレクリエーションゲームにチャレンジして楽しんでもらいましょう。
季節感を味わってリフレッシュ
季節感を楽しむ夏祭りなどのレクリエーションなら、気分をリフレッシュすることができます。
夏らしさを満喫してほしい時におすすめのレクリエーションです。
「ヨーヨー釣りに盛り上がった」
「家族ででかけた夏祭り」
など、昔を思い出しながら過ごしてもらいましょう。
日々をただ過ぎるように過ごしていては、メリハリがなくやる気も失ってしまう可能性があります。季節感を感じることは、QOL(生活の質)の向上におすすめです。
介護施設などで、夏祭りなどのイベントを通して、夏を楽しんでもらいましょう。
感動することで脳を活性化
感動することは、ドーパミンなどの神経伝達物質が分泌され、高齢者の脳の活性化に効果的です。
夏にしか見ることのできない花火や風景を楽しんでもらうレクリエーションを企画しましょう。
老人ホームなどの介護施設で、外出が難しくても、テレビなどで花火大会を鑑賞することができます。現地に自分が旅に行っているように見える映像もありますよね。
みんなで感動する時間を過ごして夏を楽しみましょう。
企画から参加も!自己肯定感をアップ
夏祭りなどの大きなイベントなら、高齢者の方に企画するところからチャレンジもらうのもおすすめです。
高齢者に企画全て任せるのは難しい場合は、一緒に選んでもらうだけでもOK。
- どんな夏祭りのレクリエーションをやるのか
- 夏祭りレクリエーションの順番
- 夏祭りの音楽はどうするのか
上記のように、決めることはたくさんあります。夏祭りの企画から参加してもらうことで、イベント終了時の達成感は何倍にもなります。
職員の方だけでなく、高齢者も含め介護施設のみんなで夏祭りを考えてみてはいかがでしょうか。
夏祭りにおすすめ!高齢者向けレクリエーションゲームのアイディア
ここでは、デイサービスや老人ホームなどの介護施設でできる、夏祭りにおすすめのレクリエーションゲームを紹介します。
高齢者向けのレクリエーションを企画したい介護士やヘルパーは、ぜひ参考にしてください。
夏祭りといえば「金魚すくい」
夏祭りの定番金魚すくいも夏におすすめのレクリエーションです。高齢者向けにルールを工夫して楽しんでもらいましょう。
100円均一などで、ゴムの金魚や魚類などを用意します。もしくは、魚のタレビンなどでもOK。
タライや大きな容器を用意して、ぬるま湯を貼りましょう。
すくう道具は、お風呂ネットなどを一工夫。枠になって持ち手があるものなら代用できます。もともとあるネットを外し、ティッシュを挟むと良いでしょう。
ティッシュは二枚になっているものを剥がして1枚で挟むのもおすすめです。参加者に合わせて調整しましょう。
夏祭りの定番「射的」
射的も夏祭り定番のレクリエーションゲームです。
射的は、指の運動にもなるので高齢者向けのレクリエーションにも最適。昔ながらの割り箸ゴム鉄砲を作ってみるのも面白いでしょう。
他にもトイレットペーパーとラップの芯、輪ゴムを使った鉄砲などもおすすめです。
的には、紙コップやトイレットペーパーの芯などを用意して、何個倒すことができるのかをチャレンジ。
シューティング系のゲームは、高齢者でも意外と盛り上がります。ゲームのルールを工夫して、みんなで楽しみましょう。
暑い夏を乗りきろう「流しそうめん」
夏祭りのレクリエーションには欠かせない、夏の風物詩とも言える「流しそうめん」。
流しそうめんなら、暑さで食欲が落ちてしまう高齢者でも楽しみながら食べることができます。
外で行う場合は、テントを用意して涼しい時間帯を選びましょう。
筒を置く足の長さを調整すれば、室内でも開催が可能です。食堂のテーブルの上などでも、セッティングすることができますよ。
そうめんを流す人はビニール手袋を用意したり、流れたそうめんを放置しすぎないようにしたりと、衛生面の管理には気をつけましょう。
筒の中を流れてくる麺をキャッチすることは、認知予防にも効果的。夏の思い出づくりにもおすすめです。
夏祭りに欠かせない「盆踊り」
夏祭りといえば、盆踊りも忘れてはいけませんね。祭りばやしの曲を用意して、みんなに踊ってもらいましょう。
地元の盆踊りを思い出して、それぞれで踊ってもらったり、運動を促すために、簡単な振り付けを用意したりするのも良いでしょう。
椅子に座ったままでも参加できるよう工夫をしたいですね。
曲を聞くだけでワクワクする人もいるかもしれません。
踊るのが難しい方は、介護士などがサポートして、曲に合わせて手や足を動かしてもらいましょう。
夏の風物詩「風鈴作り」
暑い夏、涼しげな夏を過ごしてもらいたいですよね。風鈴を作りは、夏祭りにもおすすめのレクリエーションです。
紙コップやペットボトルなどを使った簡単な風鈴から、陶器やガラスを使った本格的な風鈴まで、いろんなアイデアがあります。
涼しげな音を楽しむなら、本格的に陶器やガラスを使った風鈴にチャレンジしたいです。しかし、介護施設では、割れて危険なものを準備できないこともありますよね。
その場合は、紙コップやペットボトルを使いましょう。鈴などをつけると風鈴らしくなります。
風通しの良い場所に飾って、高齢者に楽しんでもらいましょう。
夏ならうちわで「風船バレー」
うちわで風船バレーは、隣や向かいの人にうちわで仰いで風船を送るレクリエーションゲームです。
風船バレーは、介護施設でも人気のレクリエーション。2人1組にして、チーム対抗戦にすればさらに盛り上がるでしょう。
夏祭りにふさわしいうちわを作るところから始めるのもおすすめです。
椅子に座ったままでもできるので、高齢者向けのレクリエーションに最適。立って遊ぶと、転んだり、倒れたりしてしまう危険もあるので、できるだけ座って行いましょう。
うちわで風船バレーは、室内での夏祭りにおすすめの高齢者向けレクリエーションです。
夏祭りにおすすめ「ヨーヨー釣り」
夏祭りといえば、ヨーヨー釣りも人気のレクリエーションゲームです。
準備も簡単。ヨーヨー釣り用の水風船と輪ゴム、こより、W字にしたクリップを用意するだけです。
水に濡れると、こよりがすぐに切れてしまうので吊り上げるのは意外と難しくなります。みんなが釣れないときは、こよりではなく、タコ糸などを使うと良いでしょう。
釣ったヨーヨーで、高齢者に昔のように遊んでもらましょう。
家族との思い出を話しながらみんなで夏祭りを満喫したいですね。
夏祭りレクなら「カラオケ大会」
高齢者向けのレクリエーションの中でも一番盛り上がる「カラオケ大会」。
介護施設でも人気のレクリエーションゲームです。
夏祭りで行うなら、懐かしい夏メロにチャレンジしてもらったり、夏らしい演歌を楽しんでもらったりすると良いでしょう。
最後まで歌うのが難しい時は、前半で終わらせて、後半はみんなで歌うのもおすすめです。
大きな声で歌を歌うことは、リフレッシュにも最適。歌いながら歌詞を思い出せば、認知予防にも効果的です。
高齢者のみなさんが懐かしいと思う曲を選曲して、レクリエーションを盛り上げましょう。
夏祭りレクを盛り上げよう!新聞紙「棒立てチャレンジ」
新聞紙棒立てチャレンジは、棒状にした新聞紙を何分間手のひらの上で立てていられるかを競うレクリエーションゲームです。
準備も簡単なので、介護施設での高齢者向けのレクリエーションにおすすめ。
まずは、新聞紙を筒状に丸めて、棒を作りましょう。
ある程度太くした方が安定しやすいです。長さは長すぎなければOK。
棒を何本か用意して、誰が一番落とさずにいられるかを競うのも面白いです。
1人ずつ行う場合は、5秒キープできるかをチャレンジしてみましょう。
ワクワクする夏祭りレク!紙コップで「宝探し」
夏祭りのレクリエーションには、景品が付きものですよね。紐の先に何がついているのかワクワクしながら引いた覚えありませんか?
紙コップで宝探しは、紙コップをひっくり返して景品を隠すゲームです。
ピンポン玉を用意して、入っている紙コップを当ててもらうゲームでも良いでしょう。
紙コップをときどき入れ替えても構いません。
夏祭りのようにみんながワクワクするようなレクリエーションを考えましょう。
夏こそ「花火大会観賞会」
夏といえば、花火大会ですよね。夏らしさを楽しむには、欠かせないレクリエーションです。
地区の花火大会を確認して、みんなで見にいきませんか?
近くに花火大会がない時やあまりにも暑い日は、花火の映像を鑑賞する納涼会の開催するもおすすめです。
最近は映像でもきれいな花火を見ることができます。プロジェクターなどで臨場感ある映像を楽しむのも良いでしょう。
夏祭りのイベントの最後を飾るレクリエーションに最適です。
夏祭りなら「輪投げゲーム」
輪投げゲームは、お祭りで定番のレクリエーションゲームです。輪投げは簡単に準備することができるので、介護施設でのレクリエーションに最適。
手先を使った工作は認知症予防にも効果的です。道具を新聞紙や牛乳パックを使って手作りするのも良いでしょう。
1人で持てる輪っかの数を決めて、何個輪っかをかけられるか競います。景品を的にしても面白そうですね。
高齢者向けのレクリエーションゲームですので、もちろん椅子に座りながらでも楽しむことができます。
介護施設でレクリエーションゲームを実施する時に気をつけること
最後に、夏祭りのレクリエーションを実施する際、介護施設職員の方に注意して頂きたいことについて見ていきましょう。
デイサービスや老人ホームなどの介護施設で、開催を検討している職員の方は参考にしてください。
暑さ対策を忘れずに!
夏祭りのレクリエーションを開催する時は、水分補給を怠らないようにしましょう。開催時間も涼しい午前中か夕方にするのがおすすめです。
室内でも真夏はかなりの暑さになります。
日差しが当たるような場所に長時間いることがないように配慮しましょう。
また、現在では特約を付帯することでとして熱中症を補償できるレクリエーション保険も販売されています。
レクリエーション保険は、レクリエーションゲームにおける事故やそれに伴う怪我を補償する保険です。高齢者の方はもちろん、職員の方の責任を守るためにも、介護施設での夏祭り開催の際にご活用してみてはいかがでしょうか。
安全に配慮しよう
高齢者向けのレクリエーションを行う場合は、介護施設の利用者さんが転んで怪我をしないように注意しましょう。
盆踊りや流しそうめんなどは、普段のレクリエーションとは違い、導線や広さを考える必要があります。
車椅子の方もいらっしゃいますよね。動く導線を考えて快適に過ごせるように会場を整えましょう。
興味に合わせた活動をしよう
デイサービスや老人ホームなどの介護施設でレクリエーションを行う場合は、利用者さんに合わせたレクリエーションを考える必要があります。
先に好きな音楽や遊びをリサーチしておくのもおすすめです。
本人が興味のないことだったら、無理強いをしても楽しめません。
強制するのではなく、自然と参加したいと思えるよう工夫をしたいですね。
適度な難易度のレクリエーションにしよう
夏祭りのレクリエーションは、子どもの頃に遊んだきりという方もいらっしゃるでしょう。子供向けのレクリエーションにならないよう注意が必要です。
子供扱いされている、馬鹿にしているなどと感じてしまわないよう、言葉使いなどにも配慮しましょう。
また、難易度が難しすぎてもレクリエーションが上手くできず、楽しむことができません。
高齢者向けのレクリエーションを企画する人は、日頃から利用者さんの様子を観察しておくと良いでしょう。
記事まとめ
夏は暑さが厳しい季節。
体調管理などを気をつけながら、暑い夏を楽しく乗り切ってもらうためにも、夏祭りなどのイベントは欠かせません。
流しそうめんや花火大会などのレクリエーションを企画して、利用者さんを楽しませたいですね。