身体を動かしたり、クイズをしたりと楽しむレクリエーション。障害者でも楽しめるレクリエーションはたくさんあります。
障害者向けレクリエーションを企画する方は、どのようなレクリエーションが良いのか、迷ってしまうこともあるでしょう。
今回は、グループホームなどの介護施設で人気のレクリエーションを紹介します。障害者と一緒にできる簡単な遊びやゲームばかりです。
障害者の介護をしている方は参考にしてみてください。
レクリエーションを行う目的、障害者への効果とは
身体機能の維持やコミュニケーション促進など、さまざまな効果が期待できるレクリエーション。まずは、障害者向けレクリエーションの効果を紹介します。
介護施設などで、障害者向けのレクリエーションを企画する方は、参考にしてください。
身体機能の維持・向上
運動・スポーツ系レクリエーションなら、障害者に身体を動かす楽しさを体感してもらえます。腕をあげたり体幹の維持をしたり、さまざまな動きを取り入れましょう。
障害の度合いによっては、運動をしないと寝たきりになってしまう可能性もあります。
運動をすることで、障害者の日常動作の維持や向上に効果が期待できます。
日々の運動を楽しみながら、障害者に運動を習慣化してもらえるようにしたいですね。
生活の質の向上
レクリエーションを通して、新しく挑戦したいことが見つかるかもしれません。レクリエーションで好きなことが見つかれば、生活に張り合いもでますよね。
創作系のレクリエーションから仕事に繋がるケースももちろんあります。やりがいを見つければ、生活の質も向上するでしょう。
障害者の日々が楽しくなるようなレクリエーションを企画したいですね。
コミュニケーションの促進
レクリエーションでは、さまざまな方と出会えます。コミュニケーションをとることで、孤独感がやわらぎ、引きこもりなどを防げるでしょう。
障害者は、社会活動が少なくなりがちです。レクリエーションを通して、他者との交流を深めてもらいたいですね。
レクリエーションは地域交流にも最適です。
健常者と障害者が「一緒に楽しむことができるかどうか」を意識して、レクリエーションを企画しましょう。
脳の活性化・認知症の予防
手先を動かす創作系のレクリエーションや、考えることを必要とする脳トレ系のレクリエーションでは、脳の活性化や認知症の予防効果が期待できます。
脳の活性化は子どもの成長にも必要不可欠です。また、高齢の障害者が寝たきりになると、認知症の心配もありますよね。
レクリエーションを楽しみながら、脳の活性化を促しましょう。
自立支援につなげる
レクリエーションは、日常生活に必要なことを学んでもらう機会にもなります。料理や掃除、洗濯物をたたむなど、日常ではさまざまなことをしなければなりません。
また、好きなことが見つかれば、仕事にもつながる可能性があります。
日常の動作を細分化して、自立支援になるようなレクリエーションを考えましょう。
障害者も楽しめる簡単おすすめレクリエーション・ゲーム12選
ここでは、障害者も楽しめる簡単なレクリエーションを紹介します。
障害者を介護する方や介護施設で働いている職員の方はぜひ参考にしてみてください。
介護施設におすすめ「風船バレー」
「風船バレー」は、パラスポーツの種目にもなっているスポーツです。
40cmくらいの風船に鈴を入れて、バレーを楽しみます。音がするので、視覚障害者も参加可能です。
腕をあげたり風船を打ったりするので、リハビリにも効果が期待できます。
パラスポーツの「風船バレー」は6人制で、健常者と混ざってプレーをします。一人一回風船に触るルールです。
障害者向けのレクリエーションにするなら、ルールを工夫しましょう。
2対2で行ったり、風船をたくさんコートに入れたほうが勝ちとするのもおすすめです。風船が小さいものでも構いません。
ルールを簡単にすることで、みんながより楽しむことができます。
グループホームで人気「ボール体操」
「ボール体操」は、椅子に座ったまま、簡単にできる室内レクリエーションです。少し空気を抜いたボールを用意しましょう。
ボールを両手で押したり、片手で掴んで身体の周りをぐるぐると動かしたりする体操です。
スタッフが前で手本を見せて行います。写真付きの資料を用意しておくと便利です。
内ももでボールを挟んだり、腕を後ろにまわしたりと、簡単でありながら、普段やらない動きを意識しましょう。
ボール体操は、筋力の維持におすすめのレクリエーションです。グループホームなどの障害者介護施設でも人気があります。
脳トレに最適「イントロクイズ」
「イントロクイズ」は、曲のはじまりを流して曲名を当てるレクリエーションゲームです。音楽のレクリエーションは、情緒の安定やコミュニケーションの促進におすすめ。
音源があれば準備も簡単です。童謡やわらべ歌など、誰もが馴染みのある曲を選ぶと良いでしょう。
障害者は、音が大きすぎると集中できないことがあります。小さな音でも楽しめるように準備をしましょう。
また、曲名を当てるのが難しい場合は、関連する絵を当てるなど答え方を工夫します。
参加者の年代に合わせた人気の曲を入れれば、場も盛り上がるでしょう。
高齢の障害者向けレク「玉入れ」
「玉入れ」は、障害者や高齢者に人気のレクリエーションゲームです。普通の玉入れを行っても良いのですが、少し工夫をすると盛り上がります。
段ボールや筒を重ねて専用の台を作りましょう。投げた玉が台の上にのったら成功です。
2チームに分かれて、自分のチームの玉をどれだけのせられるかを競い合います。途中で相手の玉を落としても構いません。チームの球が多い方が勝ちです。
玉入れは、座ってできる簡単なレクリエーションなので、グループホームなどの障害者介護施設でも人気です。
ルールを工夫して、利用者さんを楽しませましょう。
自立を支援しよう「料理当てクイズ」
「料理当てクイズ」は、料理の材料や作る過程を通して、料理名を当ててもらうゲームです。
料理を作るレクリエーションは、障害者にも大人気。障害者の自立支援にも効果的なレクリエーションです。
夏には冷やし中華、秋には栗ご飯など、季節感のある料理を作ると盛り上がるでしょう。
障害者によっては難しい作業もあるので、調理の全工程を行ってもらう必要はありません。計る・混ぜるなど、役割を分担して取り組んでもらいましょう。
料理系のレクリエーションは、将来の仕事にもつながる可能性があります。
創作系で集中力アップ「折り紙」
「折り紙」は、手先の訓練や集中力アップにつながるレクリエーションです。物事にとりくむ積極性や根気強さも養えます。
季節やイベントに合わせてテーマを決めると面白いです。
たとえば、七夕なら、星や彦星・織姫、笹などを作って大きな紙に貼り出してもよいでしょう。大作を作り終えることができれば達成感もありますよね。
折り紙のレクリエーションなら、障害児でも気軽に参加できます。
覚えている折り方があるなら、参加者同士で教えあって、コミュニケーションを促します。みんなにさまざまな折り方を挑戦してもらいましょう。
障害者向けスポーツレク「ボッチャ」
障害者向けのスポーツにおすすめの「ボッチャ」。
パラリンピックの種目にもなっています。誰でも簡単にできるので、グループホームなどの障害者介護施設で人気のレクリエーションです。
ボッチャは、コート内の白いボール(ジャックボール)に自分のチームの球をいかに近づけるかを競いあうスポーツ。障害の度合いによってランクわけされているので、誰でも楽しめます。
レクリエーションで行う場合は、一人一人がボールを投げて誰の球が近づけるかを競うなど、ルールを簡単にすると良いでしょう。球もお手玉などで代用できます。
みんなを盛り上げる「ダンス大会」
音楽に合わせて身体を動かすレクリエーションです。見せた動きをマネしてもらうだけなので、簡単に実施することができます。
振り付けが難しいという方は、動画をピックアップして一緒に楽しみましょう。
もちろん同じ動きができなくても構いません。音楽にのって楽しめれば良いのです。
また大きな音に驚いてしまう場合や集中力が切れて気が散ってしまう場合もあるので、音量には注意して楽しみましょう。
身体も温まり良い運動になります。自由に動くだけなので、車椅子を使っている方も参加できますよ。
障害者におすすめ「楽器演奏」
「楽器演奏」は、コミュニケーション促進におすすめのレクリエーションです。
打楽器なら、気軽に誰でも参加できます。障害の度合いによって、どのような楽器を演奏してもらうか選ぶと良いでしょう。
楽器演奏では、リズムをとったり曲を聞いたりするので、集中力を養うこともできます。
みんなで演奏をすれば一体感もあるので、コミュニケーションも促進されるでしょう。
音楽に興味があれば、障害者グループの楽団に所属することも可能です。グループホームのみんなで演奏会をしても楽しいですよ。
誰でも楽しめる「宝探しゲーム」
宝探しゲームは、障害者の方も楽しめる室内レクリエーション。グループホームなどの障害者介護施設にもおすすめです。
ガチャガチャの容器を工夫したり、折り紙で作ったりした宝を用意しましょう。
その宝を部屋の至るところに隠します。たくさん宝を見つけられた人の勝ちです。
また宝に数字を書いて、点数を競っても面白いかもしれません。タイマーなどで時間を区切るとより盛り上がりますよ。
グループホームなど、障害者の介護施設などでも人気のレクリエーションです。
ワクワク体験「公園で自然と触れ合う」
障害を持っているとなかなか自由に出かけるのが難しいですよね。近くの公園で自然と触れ合う遊びをしてみませんか?
さまざまな形の葉っぱを集めたり、ポイントを見つけて歩くフィールドワークをしたりする体験を企画をしましょう。
水辺のある公園なら、川遊びをするのもおすすめです。昆虫を探してみるのも良いでしょう。ランチを外でとるのも気分転換になりますよね。
普段触れ合うことが少ない自然環境を体験してもらいましょう。
画伯になろう「水彩画レク」
みんなで水彩画を楽しむレクリエーションです。さまざまな色を作って自由に書いてもらいましょう。絵具の色使いや筆使いの個性を楽しみます。
何を書いたら良いかわからなくて困ることがないよう、あらかじめテーマを決めておくと簡単に進めることができますです。
デッサンのように、目の前にお題となるものをおいて描いてもらうのも面白いでしょう。
みんなが描いた絵を施設に貼っておくと、達成感やコミュニケーションも楽しめます。季節ごとの思い出を絵に描いてもらうのもおすすめです。
障害者の中には、自分の気持ちを表現するのが苦手な方もいます。絵を描いて自分自身を表現してもらいましょう。
簡単に楽しめるレクを企画するコツ
最後に、簡単に楽しめる障害者向けレクリエーションを企画するコツを紹介します。
グループホームなど、障害者向けの介護施設などで働く方はぜひ参考にしてみてくださいね。
パラスポーツを参考にしよう
パラスポーツは障害者向けに考えられたスポーツです。
運動系のレクリエーションのアイデアが浮かばないときは、パラスポーツを参考にすると良いでしょう。
パラスポーツでは、ルールや遊び方など、さまざまなパターンが用意されています。健常者と一緒に楽しむ方法ももちろんあります。
また普段、他者との交流が少ない障害者にとって、スポーツ系のレクリエーションはコミュニケーションの促進にも最適です。
地域の方との交流に、レクリエーションを企画しても良いかもしれません。スポーツ系レクリエーションでみんなを楽しませましょう。
目的あるレクを企画する
折り紙や玉入れなど、室内でもできる簡単なレクリエーションは「何を目標にしているのか」を明確にしておくことで、教える方も教わる方も安心して取り組むことができます。
「ただ楽しいから」という理由で行うだけでは、面白みを感じられなくなってしまう可能性もあります。
またチーム戦の場合は、ご褒美を用意しておくのもおすすめです。
目標があれば、簡単で単純なレクリエーションも熱心に取り組めるでしょう。
さまざまなパターンを用意しておく
障害者向けのレクリエーションは、障害の度合いに合わせてさまざまなパターンを用意しておくと、慌てることなく進めることができます。
遊び方を簡易化したり、ルールをゆるくしたりして楽しみましょう。
ゲームの進め方を伝えるときも、絵カードなどを用意しておくと便利です。誰もが簡単に理解できるように、先輩などにも相談をすると企画しやすいでしょう。
サポートを確認しよう
障害者向けのレクリエーションを行う場合は、参加者それぞれの特性を知っておくとスムーズです。
事前にアンケートなどで情報を集めておくと良いでしょう。
家族の方がサポートで参加する場合もありますが、参加者のみで取り組む場合ももちろんあります。
初めて参加する障害者が孤独を感じないように、コミュニケーションを取ることも欠かせません。
グループホームなどの介護施設で過ごしている場合は、本人について事前に確認するのも良いかもしれませんね。
記事まとめ
この記事では、障害者向けの簡単にできるレクリエーションを紹介しました。子どもから高齢者まで楽しめるレクリエーションばかりです。
障害者向けのレクリエーションは、介護施設や福祉施設でもたくさん企画されています。
障害の種類によってさまざまな工夫は必要ですが、みんなに楽しんでもらえるよう企画したいですね。