地域のスポーツ交流イベントや、友人や同僚たちと開催するちょっとしたスポーツ大会を開催する際には、たとえ仲間内の小規模なものでもケガのリスクに備えておくことが重要です。
参加者が大きなケガをしてしまった際、傷害保険に入っていれば保険金をお見舞金として渡すことが可能です。
スポーツイベントの開催を目的として加入できる傷害保険はいくつかありますが、加入の手間をかけたくない、また手軽な料金で済ませたいという方は、レクリエーション保険がおすすめです。
今回は、1回だけのスポーツイベント開催でも手軽に加入できるレクリエーション保険について解説します。
どんなスポーツが契約の対象となるのか、また補償内容はどういったものか知りたい方は、ぜひご覧ください。
行事を安全に行うためのレクリエーション保険とは
レクリエーション保険は、イベントや行事を行う際に主催者が参加者全員を対象に加入する傷害保険です。団体向けの保険となっており、保険会社にもよりますがイベント・行事の参加者が20名以上いる場合に加入することができます。
イベント・行事といっても契約の対象となるものは多岐にわたり、お花見や餅つきといった季節の行事から、避難訓練や地域のゴミ清掃、また野球やサッカーなどのスポーツ大会も対象となります。
レクリエーション保険はイベント・行事1回ごとの契約となるため、仲間内で不定期に開催するスポーツ大会などでも加入することが可能。
また、補償内容(保険金の金額など)にもよりますが、保険料は一人あたり数十円から数百円程度で済む場合が多く、個人の金銭負担が少なくて済むためたくさんの団体から利用されています。
補償内容は「ケガの補償」と「損害賠償の補償」
レクリエーション保険には、主に「ケガに対する補償(傷害保険)」と、「損害賠償に対する補償(損害賠償責任保険)」の2種類の補償があります。
ケガに対する補償は、イベント中に発生した不慮の事故によりケガをし、その結果死亡・後遺障害が残った、もしくは通院や入院による治療が必要になった場合に保険金が支払われます。
支払われる保険金の金額は、レクリエーション保険加入時に一定の条件のもと自由に設定することができるので、保険料とのバランスを考えながら設定しましょう。
次に、損害賠償に対する補償は、イベント・行事の最中に被保険者(主催者・参加者)が第三者の身体や所持品に損害を与えてしまった際に法的に請求される損害賠償金を所定の範囲で補償してくれます。
また、もし訴訟が起こった場合にはその争訟費用も一定の範囲で補償されるため、万が一の際にも安心です。
スポーツイベントを行う場合、たとえば球技などは、見学者や近隣住民の家屋に損害を与えてしまう可能性もゼロではありません。意外と盲点になりがちな周囲に対するリスクへの備えもしっかりしておきましょう。
なお、保険会社によっては損害賠償責任保険はついておらず、レクリエーション保険とはまた別に加入しなければならない場合もあります。
損害賠償責任保険には必ず加入しなければいけないわけではありませんが、スポーツイベントを安全に行いたいなら加入を検討することをおすすめします。
レクリエーション保険の契約対象になるスポーツ
ここからは、レクリエーション保険の契約対象となるスポーツについて解説していきます。
レクリエーション保険では、保険会社ごとに契約の対象となるイベントや行事が決まっています。そして、各イベント・行事のケガをするリスクの高さに応じて区分が設けられ、その区分ごとに保険料が設定される仕組みです。
レクリエーション保険の契約対象となるスポーツは、主に下記のようなものが挙げられます。
サッカー、野球、ハンドボール、バレーボール、テニス、卓球、ゴルフ、マラソン、トライアスロン、水泳、ボクシング、スキー、ボルダリング、空手、柔道、剣道、ラグビー など
※上記以外のスポーツでもレクリエーション保険の契約対象となるものは多くあるため、保険会社もしくは保険代理店に確認してみて下さい。
日常生活の中で気軽に行えるスポーツや、高校や大学などの部活動・サークル活動で行うようなスポーツであれば、ほとんどが契約の対象になると言えます。
契約の対象にならないスポーツ
なお、ケガをするリスクが非常に大きいと判断されるレジャーやスポーツは、レクリエーション保険の契約対象となりません。
どんなスポーツ・レジャーは契約対象外となるのか保険会社ごとに決まっているため、こちらも合わせて確認していきましょう。
ロッククライミング、ハングライダー、ピッケルを用いるような登山、スカイダイビング など
※上記以外のスポーツでもレクリエーション保険の契約対象外となるものがあるため、保険会社もしくは保険代理店に確認してみて下さい。
上記のように、ケガのリスクや万が一の際に命を落とす危険性が高いスポーツ・レジャーはレクリエーション保険には契約できません。別途、国内旅行保険や、各レジャーの専用保険(例:山登り用の山岳保険など)を利用しましょう。
泊まりがけの合宿や遠征は契約できない点に注意
ここまで、レクリエーション保険の契約対象となるスポーツについて解説してきました。
最後に、もう一点レクリエーション保険加入に関する注意点をご紹介します。
それは、レクリエーション保険は「宿泊のあるイベント・行事は契約できない」という点。たとえレクリエーション保険の契約対象となるスポーツを行う場合でも、1泊でも泊まりの予定が入るスケジュールであればレクリエーション保険に加入することはできません。
そのため、たとえば泊りがけの合宿やスポーツ大会に参加するための1泊2日の遠征などは、レクリエーション保険以外の保険を検討しましょう。
こういった宿泊を伴う場合は、国内旅行保険で備えることが可能です。保険料等でレクリエーション保険と多少の差がありますが、ケガ・損害賠償責任に対する補償を得ることができるので、検討してみてください。
まとめ:スポーツ関連のイベントは保険でリスク対策を
今回は、スポーツ大会などのイベントを行う際にレクリエーション保険を活用するための情報をまとめてお伝えしました。
最後に、大事なポイントを改めて確認しておきましょう。
- レクリエーション保険は、20名以上の団体向けの保険。傷害保険と損害賠償責任保険がついている
- なお、損害賠償責任保険がついていないレクリエーション保険もあるため、注意が必要
- 契約の対象となるイベント・行事が決まっており、危険度の高すぎるスポーツ・レジャーなどはレクリエーション保険に契約できない
- 宿泊の予定があるイベント・行事もレクリエーション保険に契約できない
スポーツ関連のイベントを行う際には、ケガのリスクは無視できません。また、損害賠償に関するリスクも忘れずに対策をしておくことが、安全にスポーツイベントを行う鍵となります。
レクリエーション保険は、参加者全員分をまとめて主催者が契約すれば良いので、加入時に大きな手間はかかりません。
安心してスポーツイベントを楽しむためにも、ぜひ加入を検討してみて下さい。