一定以上の人数が参加する行事・イベントを開催するときにレクリエーション保険に加入していると万が一の怪我や事故に備えることができます。
しかし、まだまだレクリエーション保険に馴染みがない方は、どういったメリットや目的で保険を契約するのが最適なのか、分かりにくい部分もあるでしょう。
そんな方に向けて、当記事では、レクリエーション保険に加入する目的、そして補償内容や基本契約に付帯できる特約の種類、加入時の注意点を解説していきます。ぜひ役立ててください。
行事・イベントを開催するときに、レクリエーション保険に加入する目的とは

そもそもレクリエーション保険とは、団体で行事・イベントを開催している間の参加者の傷害を補償する保険。
この場合の傷害とはイベントやレクリエーション中の怪我などのことを指します。
イベントやレクリエーションの主催者の方で、もし参加者に何かあったらどうしよう...と不安を感じられている方はぜひ安心を得るという目的のためにレクリエーション保険への加入をおすすめします。
またレクリエーション保険のなかには傷害保険だけでなく、見学者などの第三者に与えてしまった傷害や開催会場への損害を補償する賠償責任保険をプラスすることができる商品もあります。
レクリエーション保険に加入するには一定数以上の参加者がいるレクリエーションである、また宿泊を伴わないものである必要があるなど条件はありますが、損害・傷害のリスクにしっかり備えたい場合は非常に有効な選択肢になるはずです。
レクリエーション保険の補償内容

ここではレクリェーション保険の主な補償内容を紹介していきます。
多くのレクリエーション保険では、事故発生日から180日以内を補償対象期間としていますが、保険商品により日数が異なる場合があります。詳しくは保険会社や代理店にてご確認下さい。
死亡保険金
保険期間中の行事・イベントで発生した事故で、参加者がケガを負い、事故が発生した日から保険商品に定められた一定期間内に死亡した場合は、死亡保険金の支払い対象になります。
死亡するまでに後遺障害保険金を支払っている場合は、死亡保険金からその金額が差し引かれる仕組みです。
後遺障害保険金
保険期間中の行事・イベントで発生した事故で、参加者が事故発生から保険商品に定められた一定期間内に後遺障害を負った場合に支払われる保険金です。
補償対象期間を超えても引き続き治療が必要な場合は、医師の判断に基づいて後遺障害の程度を認定し、後遺障害保険金を継続的に支払うか保険会社が判断します。
なお、保険金額は、死亡・後遺障害保険金額×約款所定の保険金支払割合(4~100%)で決定されます。
入院保険金
入院保険金とは保険期間中の行事・イベントで発生した事故で参加者が傷害を負い、その治療のために入院した場合に支払われる保険金のことです。
事故が発生したその日から保険商品に定められた一定期間内の入院が対象です。
保険金額は保険会社が設定された入院保険金日額に入院日数を乗じて決められます。
手術保険金
保険期間中の事故で参加者がケガをした場合に、事故の発生日から保険商品に定められた一定期間内に参加者が手術を受けると手術保険金の支払い対象になります。
ただし、1回の事故あたりの手術回数は1度に限られます。
保険金額は、入院保険金×10、入院保険金×5のいずれかの算式を用いて計算されるルールです。
通院保険金
通院保険金とは、参加者が保険期間中のケガを負い、その治療のために医療機関へ通院した場合に支払われる保険金です。
事故が発生した日から保険商品に定められた一定期間内の通院が補償対象となります。
保険金額は、通院保険金日額と通院日数と乗じて計算されます。
目的や季節、イベントの内容によっては特約もおすすめ

レクリエーション保険は、基本契約に特約を付帯することで補償の範囲を広げることが可能です。
商品によって付帯できる特約の種類は異なりますが、以下のような特約が用意されている場合があります。
特約の種類 | 内容 |
---|---|
熱中症危険補償特約 | 被保険者が急激かつ外来による日射または熱射によって身体に障害を被った場合に保険金が支払われます。 |
食中毒補償特約 | 被保険者が細菌性食中毒またはウイルス性食中毒によって身体に障害を被った場合に保険金が支払われます。 |
天災危険補償特約 | 地震もしくは噴火またはこれらを原因とする津波によるケガの場合にも保険金が支払われます。 |
往復途上傷害危険補償特約 | 行事に参加するため所定の集合・解散場所と住居との通常の経路往復中の傷害に対して保険金が支払われます。 |
フランチャイズ特約 | 入院・通院などが事故発生日からあらかじめ定めた日数を過ぎてなお続く場合、所定の保険金が支払われます。 |
エクセス特約 | 事故発生日からあらかじめ定めた日数に対して、入院保険金、手術保険金および通院保険金が支払われません。 |
団体で開催する行事・イベントの内容や目的、開催時期にあわせて、特約をうまく活用することも考えてみてください。
レクリエーション保険に加入する際の注意点

レクリエーション保険に加入する前に、開催する行事・イベントが補償対象となっているか必ず確認しましょう。
以下に該当する行事・イベントは、レクリエーション保険の補償対象外となるため注意が必要です。
- 宿泊を伴う行事・イベント(例:宿泊キャンプ・合宿・車中泊 など)
- 危険度の高い行事・イベント(例:スキューバダイビング など)
- 就業中の行事・イベント(例:社員研修 など)
- 参加者名簿を用意できない、不特定多数が参加する行事(例:花火大会・祭礼 など)
補償対象となる具体的な行事・イベントの種類は、保険会社の公式サイトやパンフレットなどに記載されています。
また、公式サイトやパンフレットに記載がない行事・イベントであっても契約できるケースもあるため、詳しくはレクリエーション保険を契約する保険会社に問い合わせて確認するようにしましょう。
その他にも保険金が支払われないケースがある
目的を持ってレクリエーション保険に加入しても、保険会社が設定している条件を満たさなくては保険金が支払われません。
ほとんどのレクリエーション保険では、以下のようなケースの場合に、参加者が傷害を負っていたとしても補償が適用されないため注意が必要です。
- 故意もしくは重大な過失によるケガ
- 被保険者の自殺行為、逃走行為、犯罪行為によるケガ
- 被保険者の病気、脳疾患、心神喪失
- 地震、噴火、津波によるケガ
まとめ

レクリエーション保険は、団体で行事・イベントを開催する際、参加者の傷害を補償する目的で加入する保険です。
レクリエーション保険によっては賠償責任保険の範囲もカバーしているものもあるので、施設・第三者への損害・傷害を補償する目的で加入するのもいいでしょう。
レクリエーション保険の基本的な補償内容は、死亡保険金、後遺障害保険金、入院保険金、手術保険金、通院保険金があります。基本契約に特約を付帯することで、補償の幅を広げることも可能です。
次のページでは人気のレクリエーション保険6商品を補償内容と加入条件で比較しています。団体で行事・イベントを開催するときは、万が一に備えてレクリエーション保険の加入を検討してみてください。