みなさんがお住まいの地域でも、毎年季節のお祭りや神事に関わるお祭り行事が開催されているかと思います。
お祭りの中でも、踊ったりおみこしを担いだりといった催し物をする際には、万が一のケガのリスクを考えなければいけません。
そんなときに役立つのがレクリエーション保険です。レクリエーション保険は団体向けの傷害保険で、お祭りのような大人数の方が参加する行事には最適です。
この記事では、お祭りの際のケガに備えることができるレクリエーション保険について解説します。
レクリエーション保険の特長から契約手続きの流れまで説明するので、お祭りの主催者の方はぜひ最後までチェックしてください。
地域のお祭り行事はレクリエーション保険で補償可能
レクリエーション保険は、団体でイベント・行事を行う際に参加者がケガをするリスクに備えることができる傷害保険です。
保険会社にもよりますが、20名以上の参加者がいる場合に契約することが可能で、加入時には主催者が代表となり参加者全員分をまとめて契約します。
契約できるイベント・行事は保険会社によって決められており、お祭り行事もレクリエーション保険に契約することができます。
お祭りといっても、みこしを担ぐようなにぎやかなものから、出店が並んだり盆踊りをしたりするような比較的のんびりしたものまで幅広くありますが、一般的に見られるようなお祭りはほとんど契約対象です。
レクリエーション保険の主な補償内容
レクリエーション保険の補償内容は、下記のとおりです。
死亡・後遺障害保険金 | イベント中の事故が原因で万が一死亡した場合や後遺障害が残った場合、保険金が支給されます。 |
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入院保険金 | イベント中の事故が原因でケガをし入院が必要になった場合、日額で保険金が支払われます。 |
通院保険金 | イベント中の事故が原因でケガをし通院が必要になった場合、日額で保険金が支払われます。 |
手術保険金 | イベント中の事故が原因でケガをし手術が必要になった場合、所定の条件で算出される保険金が支払われます。 |
なお、レクリエーション保険の保険金の支払い対象となるケガは、「イベント・行事中に発生した偶然の事故」によるものです。
例を挙げると、おみこしを担いでいる間に転んでケガをした、待機用のテントが風で倒れて下敷きになった等のケースが対象となります。
一方、医学的他覚所見のない腰痛やむちうち、もしくは靴ずれ・しもやけなどは保険金支払いの対象にならないことがほとんどです。
また、保険会社によっては、レクリエーション保険に特約を付帯することで食中毒や熱中症などを補償の対象とすることが可能。夏のお祭りなど、炎天下の中でおみこしを担いだり踊ったりするような行事では、熱中症の特約を付加できる保険商品を検討してみると良いでしょう。
保険金を受け取るためには名簿の用意が必要
万が一お祭り行事の最中に事故が起きレクリエーション保険の保険金を請求する場合には、参加者の名簿を用意しておく必要があります。
名簿がなければ、誰がお祭りに参加していたかを客観的に把握できなくなるため、保険金の支払いができなくなってしまいます。
そのため、お祭りを開催する前に必ず参加者名簿を用意しておくことを忘れないようにして下さい。
見学者への損害にも備えるなら「損害賠償保険」を付加
レクリエーション保険で補償の対象となるのは、催しものの参加者のみです。しかし、お祭りには、催しものの参加者だけではなく来場者も多くいますよね。
おみこしで練り歩いている最中に来場者にぶつかり、ケガをさせてしまう等のリスクも十分考えられるでしょう。
こういったお祭りの来場者や見学者に対する補償を用意したい場合には、別途「施設賠償責任保険」や「イベント賠償責任保険」などの損害賠償責任保険に加入する必要があります。
施設賠償責任保険をはじめとする損害賠償責任保険は、被保険者が第三者に対して損害を与え、その結果賠償責任を負わなければいけなくなった際に保険金が支払われます。
また、弁護士費用や争訟費用も所定の範囲で補償されるため、解決にかかる費用が発生しても安心です。
お祭りの来場者の人数を把握できる資料が必要
施設賠償責任保険やイベント賠償責任保険などの損害賠償責任保険に契約した場合、もし事故が発生し保険金を請求する自体が起きたときには、お祭りの来場数を把握できる資料がなければいけません。
大規模のお祭りではなかなか大変な作業になってしまいますが、たとえば受付を設けて来場者の人数をカウントする等の対応を考えておきましょう。
レクリエーション保険に契約する際の手続き方法
ここでは、レクリエーション保険に契約する際の手続き方法を紹介します。
手続きの手順は下記のとおりです。
- レクリエーション保険を扱う保険会社または保険代理店に問い合わせ
- 行事・イベントの日程、実施内容、人数を伝え、保険料の見積もりを出してもらう
- 見積もり内容に問題なければ、保険料を支払い契約
- イベント・行事の実施日当日までに、参加者の名簿を用意しておく
レクリエーション保険は、保険会社または保険代理店にネットから問い合わせを行うことで手続きをすることが可能です。
見積もりをとる際には、行事・イベントの日程、実施内容、人数を伝えましょう。お祭りを行う場合、どういった催し物を行うのかを詳しく説明して下さい。みこしを担ぐのか、盆踊りを踊るだけなのか、内容によって保険料が変わります。
また、レクリエーション保険の契約時点で参加者の確実な人数が分からない場合には、概算の人数をもとに保険料を算出してもらうこともできます。この場合、お祭りを実施したあとに概算の人数と実際の参加者との保険料差額を支払います。
レクリエーション保険の保険料を支払い、契約手続きが完了したあと、忘れてならないのは名簿を用意しておく点です。万が一の事故が起こったとき、名簿がなければ肝心の保険金が支払われなくなってしまうため、早めに用意しておきましょう。
以上がレクリエーション保険の加入手続方法になりますが、契約の途中でなにか不明点があれば保険会社や保険代理店に問い合わせを行うことが大事です。
選んだレクリエーション保険の契約内容には食中毒や熱中症の特約が含まれているのか、損害賠償責任保険にも加入したいが保険料はいくらになるのか等、確認すべき点があればしっかり聞いておきましょう。
レクリエーション保険の契約手続きにはそこまで手間はかかりませんが、余裕をもって準備しておくためにもお祭り開催日から1~2週間まえには手続きを終えておくと安心です。
まとめ:お祭り行事の事故・ケガは保険でしっかりカバー
今回は、お祭り行事で役に立つレクリエーション保険について解説してきました。
レクリエーション保険を活用すれば、参加者が多い大規模のお祭りでもリーズナブルにケガの備えを用意することができます。
ただし、今回ご説明したとおりレクリエーション保険は基本的には「参加者のケガに対する補償」となるので、お祭りの来場者や見学者に対する損害に備えたい場合には別途イベント賠償責任保険等に加入するようにしてくださいね。