傷害だけでなく損害賠償も補償を受けられる「イベント保険」。
行事を開催する際は、怪我や機材の破損、行事の中止などあらゆるリスクが想定されるため、イベント保険に加入しておくことが大切です。
しかし、「イベント保険に加入すれば車両での事故も補償を受けられる?」「イベント保険の補償内容がわからない」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、車や電車などの車両事故はイベント保険で補償を受けられるのか、イベント保険の補償内容などを詳しく解説していきます。
この記事は、下記のような方におすすめです。
こんな方におすすめ!
- 車や電車などの車両事故が発生したときにイベント保険の補償を受けられるのか知りたい人
- イベント保険の補償内容を詳しく知りたい人
- イベント保険に加入するか悩んでいる人
車両での事故の場合はイベント保険では補償不可
イベント保険とは、行事中に傷害や損害が発生した際に補償を受けられる保険のことを指します。
加入するイベント保険によって補償内容は異なるものの、行事の参加者がけがをしたときや動産を破損したときなど、行事で想定されるあらゆるリスクに対応できるのが特徴です。
しかし、様々なリスクに備えられるイベント保険でも、車や電車など車両での事故を起こしたときには補償を受けられないので要注意。
イベント保険に加入する際には、車や電車などの車両事故だけでなく、想定できるリスクに対応できるのか必ずよく確認しましょう。
イベント保険の一般的な補償内容
イベント保険には、以下4種類の保険があります。
イベント保険の種類 | 補償内容 |
---|---|
損害保険 | 行事中の事故で参加者がケガをしたり死亡したりした際に補償を受けられる保険 |
施設賠償責任保険 | 施設の管理不足が原因で事故が発生して被害者が出た際に補償を受けられる保険 |
興行中止保険 | 行事が中止や延期になった際に補償を受けられる保険 |
動産総合保険 | 不動産以外の動産を破損や紛失した際に補償を受けられる保険 |
ここからは、イベント保険のそれぞれの補償内容について詳しく解説していきます。
損害保険│事故でけが人や死亡者が出たときの補償
損害保険とは、イベント中の事故でけが人や死亡者が出たときに補償を受けられるイベント保険のこと。
例えば、不特定多数が参加する行事で将棋倒しが起きてけが人が出たり、スポーツ大会で競技中に参加者がけがをしたりした場合、損害保険に加入していれば補償を受けられます。
イベント保険の一種である損害保険の具体的な補償内容を、以下の表にまとめました。
損害保険の保険金 | 補償内容 |
---|---|
死亡保険金 | 行事での事故で被害者が死亡した場合に支払われる保険金 |
手術保険金 | 行事での事故で被害者が手術を受けることになった場合に支払われる保険金 |
入院保険金 | 行事での事故で被害者が入院することになった際に日数に応じて支払われる保険金 |
通院保険金 | 行事での事故で被害者が通院することになった際に支払われる保険金 |
後遺障害保険金 | 行事での事故で日常生活に支障を及ぼすほどの後遺症が被害者に残った場合に支払われる保険金 |
イベント中はどのような事故が起きるかわかりません。
けがのリスクが高いスポーツ系のイベントはもちろんのこと、特に参加者が多いイベントを開催する場合は事故によっては多くの被害者が出る可能性もあるため、傷害保険に加入することをおすすめします。
施設賠償責任保険│施設の管理不足による被害を補償
施設賠償責任保険とは、施設の管理不足によって事故が発生し、参加者に被害が及んだ際に補償を受けられるイベント保険のこと。
例えば、設営したテントが主催者側の管理不足によって転倒し、参加者がけがをした場合などが考えられます。
イベント保険の一種である施設賠償責任保険には、以下4つの補償内容があります。
施設賠償責任保険の補償 | 補償内容 |
---|---|
損害賠償金 | 施設の管理不足が原因の事故で被害者に支払われる損害賠償 |
訴訟費用 | 訴訟費用や弁護士への報酬など賠償責任に関して訴訟を起こす際にかかる費用を補償 |
損害防止軽減費用 | 施設の管理不足が原因の事故の拡大を防いだり被害を軽減したりするのに発生した費用を補償 |
協力費用 | 事故を解決するために契約者(主催者側)が保険会社に協力するのに発生した費用を補償 |
施設の管理不足が原因となる事故は、多くの被害者が出たり重症のけが人が出たりする恐れがあるので要注意。
主催者側の責任が問われて多額の賠償金を請求される恐れがあるので、テントなどの施設を設営する場合は、施設賠償責任保険への加入をおすすめします。
興行中止保険│行事の中止や延期を補償
興行中止保険とは、行事を中止したり延期したりする際に発生した費用を補償してくれるイベント保険です。
例えば、台風で電車や車など交通網が麻痺して参加者が集合できず中止になった場合、野外でのイベントを雨天で中止にする場合などに補償を受けられます。
イベント保険の一種である興行中止保険は、以下2種類の費用の補償を受けられます。
興行中止保険の補償 | 補償内容 |
---|---|
中止費用 | 行事を中止する際にイベント開催に向けた準備にかかった費用を補償 |
追加費用 | 行事を中止する際に追加でかかった費用を補償 |
屋外でのイベントは天候に左右されがちなので、準備費用が大きい行事ほど興行中止保険の加入がおすすめ。
また、電車や車などの交通網が麻痺して行事が開催できなくなるケースもあるので、開催する場所や行事内容を考慮して興行中止保険への加入を検討しましょう。
動産総合保険│動産の破損や紛失を補償
動産総合保険とは、不動産以外の財産である動産を破損したり紛失したりする際に補償を受けられるイベント保険です。
例えば、イベントで使用する機材を運搬中に落として破損してしまった場合、会場へ移動している際に紛失してしまった場合に補償を受けられます。
イベント保険の一種である動産総合保険の補償内容を、以下の表にまとめました。
動産総合保険の補償 | 補償内容 |
---|---|
損害保険金 | 動産の損害賠償のために支払われる保険金 |
臨時費用保険金 | 移動費など損害の賠償によって発生した臨時費用を補償する保険金 |
残存物取片付け費用保険金 | 動産の破損によって出た残存物を片付ける際に発生した費用を補償する保険金 |
損害防止費用 | 損害を防いだり被害を軽減したりする際に発生した費用を補償 |
権利保全行使費用 | 第三者に損害賠償を請求する際に請求権の保全や行使に発生する費用を補償 |
規模の大きいイベントを開催する場合は、多くの機材が必要となります。
破損や紛失など運搬中に事故が発生するリスクも想定されるため、加入しておくと安心できるイベント保険です。
傷害を補償するレクリエーション保険もおすすめ
傷害だけでなく損害賠償も補償を受けられるイベント保険に似ているのが「レクリエーション保険」です。
レクリエーション保険とは、行事で参加者がけがをするなど事故が発生した際に傷害のみ補償を受けられる保険のこと。
レクリエーション保険は、イベントに参加するために集合場所に集まってから解散するまでを補償期間とされており、行事の最中に参加者が移動している際の車や電車などの車両事故は補償の対象とされます。
イベントでの車や電車などの車両での事故が心配な場合や、傷害のみ補償を受けたい場合は、レクリエーション保険もおすすめです。
レクリエーション保険の加入条件と補償内容について、詳しく解説していきます。
加入条件
レクリエーション保険は、以下4つの条件を満たしている場合に加入できます。
- 参加者が所定の人数以上いること
- けがや死亡の危険性が高いアクティビティではないこと
- 宿泊を伴わない行事であること
- 契約者・被保険者・保険金の受取人の情報を保険会社にあらかじめ申告すること
レクリエーション保険は、イベント保険より比較的参加者が少ない行事に向いている保険です。
イベント保険は被保険者の情報を申告する必要はありませんが、レクリエーション保険は事前申告が必要となります。
当日参加者が自由に行き来するようなイベントはレクリエーション保険に向かないので注意しましょう。
補償内容
レクリエーション保険の保険金を、以下の表にまとめました。
動産総合保険の補償 | 補償内容 |
---|---|
死亡保険金 | イベントの最中の事故で参加者が死亡した際に支払われる保険金 |
通院保険金 | イベントの最中の事故で参加者が通院することになった際に支払われる保険金 |
入院保険金 | イベントの最中の事故で参加者が入院することになった際に日数に応じて支払われる保険金 |
手術保険金 | イベントの最中の事故で参加者が手術を受けることになった際に支払われる保険金 |
後遺障害保険金 | イベントの最中の事故で参加者に後遺症が残った場合に支払われる保険金 |
レクリエーション保険の補償内容は、基本的にイベント保険の損害保険と同様、事故による死亡・通院・入院・手術・後遺障害に備えられます。
イベントの最中であれば車での事故でけがをした場合にも対応できるので、車両で移動中の事故が心配な場合はレクリエーション保険への加入が適しています。
また、特約を付帯すると、熱中症や食中毒などその他のトラブルにも備えられるので、イベント内容に適した特約を付帯するのもおすすめです。
記事まとめ│車両事故は補償不可
今回は、イベント保険の補償内容や、車や電車など車両での事故に対応できるのかについて詳しく解説しました。
イベント保険は行事での傷害や損害など様々なリスクに備えられますが、車や電車など車両での事故は補償を受けられないので要注意。
車や電車での車両事故以外にも、イベント保険によって補償を受けられないケースもあるので、あらかじめ補償内容をよく確認しておきましょう。
また、イベントの傷害のみ補償を受けたい場合は、レクリエーション保険もおすすめです。
開催する行事に適した補償は何かを考慮して、イベント保険かレクリエーション保険か選択しましょう。