行事の傷害や損害を伴う事故に備えられる保険「イベント保険」。
事故だけではなく、悪天候によってやむを得ず行事を中止にする場合もイベント保険に加入していれば補償を受けられます。
しかし、悪天候に備えられるイベント保険が何か、悪天候での中止に向けたイベント保険はどんな補償を受けられるのかなど、疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では悪天候での行事中止に向けたイベント保険について詳しく解説するので、行事の主催者の方はぜひ参考にしてみてください。
この記事は、下記のような方におすすめです。
こんな方におすすめ!
- 行事が悪天候で中止になるのが心配な方
- 悪天候での行事中止に向いたイベント保険を知りたい方
- 屋外で行事を開催する予定のある主催者の方
悪天候で行事を中止・延期にするリスクとは
行事を無事に開催できるかは、天候に左右されることがあります。
特に屋外で開催するイベントは、雨天などの悪天候でやむを得ず中止や延期にしなければならないことはよくあることです。
しかし、悪天候でイベントを中止にする場合は見込んでいた売上を得ることができず、準備の費用や時間を無駄にしてしまうリスクがあります。
また、イベントを延期にする場合でも、延期にすることをアナウンスするための費用など追加で費用が発生するため、予算以上のコストがかかってしまうことになります。
行事の日程を決める前に当日の天気を予測することは不可能なので、悪天候による行事の中止や延期にあらかじめ備えておくことが重要です。
イベント保険とは
イベント保険とは、行事の最中に傷害や損害を伴う事故が発生した際に補償を受けられる保険のこと。
危険度の高いアクティビティは補償対象とならないものの、式典・スポーツイベント・催事・祭りなどあらゆるイベントに対応しています。
イベント保険の基本的な4つの保険を、以下の表にまとめました。
イベント保険の種類 | イベント保険の補償内容 | イベント保険の保険金 |
---|---|---|
傷害保険 | 行事の最中に偶発的な事故でけが人や死亡者が出た場合に受けられる補償 | 死亡保険金・手術保険金・通院保険金・入院保険金・後遺障害保険金 |
施設賠償責任保険 | 行事の最中に施設管理の不備によって事故が発生した場合に受けられる補償 | 損害賠償金・争訟費用・損害防止費用・協力費用 |
興行中止保険 | 行事を中止もしくは延期する場合に受けられる補償 | 中止費用・追加費用 |
動産総合保険 | 不動産以外の財産である動産に破損や紛失など損害が発生した場合に受けられる補償 | 損害保険金・臨時費用保険金・残存物取片付け費用保険金・損害防止費用・権利保全行使費用 |
イベント保険に加入する場合は、行事内容に合わせて受けたい補償を考慮して、4つの保険から選んで契約しましょう。
悪天候に備えるなら興行中止保険
イベント保険の基本的な4つの保険「傷害保険」「施設賠償責任保険」「興行中止保険」「動産総合保険」のうち、悪天候での中止や延期に備えられるのが「興行中止保険」です。
興行中止保険は行事を中止・延期にする際の保険のため、悪天候でやむを得ず行事を中止もしくは延期にする場合に補償を受けられます。
興行中止保険の補償内容は、以下の通りです。
興行中止保険の補償 | 補償内容 |
---|---|
中止費用 | 行事を中止にする場合に開催のための準備で発生していた費用を補償 |
追加費用 | 行事を中止・延期にする場合に追加で発生した費用を補償 |
行事を開催する前に興行中止保険に加入しておくと、やむを得ずイベントを中止や延期にしても中止費用や追加費用が下ります。
そのため、中止にする場合は会場使用料・会場設営費・広告宣伝費・スタッフ交通費など準備で発生していた費用の補償を受けることが可能。
さらに、延期にする場合でも追加会場使用代や追加広告費用、チケット払い戻し手数料など臨時で発生した費用の補償を受けられます。
悪天候での中止や延期に備えたい方は、興行中止保険に加入しておくと安心ですよ。
【イベント保険】興行中止保険の補償対象
イベント保険の興行中止保険を契約していると、悪天候での中止や延期以外にもあらゆるケースで補償を受けることが可能です。
悪天候だった場合など、イベントの保険の一種である興行中止保険の補償対象を紹介します。
悪天候
先ほども解説したように、イベント保険の興行中止保険を契約していると悪天候による中止や延期は補償対象となります。
例えば、降雨と暴風の悪天候によって祭りのテント設営が難しく中止となる場合や、雨天の悪天候によって花火大会を延期にする場合などは補償を受けることが可能です。
当日に悪天候で中止や延期を判断した場合だけでなく、開催日に悪天候の恐れがあり事前に中止や延期を判断した場合でも補償を受けられます。
交通麻痺や会場の火災など偶発な事由
イベント保険の興行中止保険は、交通麻痺や会場の火災など偶発な事由による中止や延期にも対応しています。
興行中止保険の補償対象
- 交通網が麻痺して必要な機材を会場まで運べず行事を開催できない場合
- 交通麻痺によって参加者が会場に集まれず行事を開催できない場合
- 会場で火災が発生して行事を開催できない場合
事前に想定できない偶発な事由が発生する可能性がありますが、イベント保険の興行中止保険を契約しておくと安心です。
出演者の傷害や疾病による出演不能
イベント保険の興行中止保険を契約していると、出演者の傷害や疫病による出演不能でイベントを中止・延期する場合でも補償を受けられます。
例えば、コンサートに出演予定だったアーティストが急病で出演できなくなり中止もしくは延期にする場合に、興行中止保険に契約していれば補償対象です。
出演者の傷害や疫病による出演不能の場合は、舞台制作費・衣装代・スタッフ人件費・ツアー交通費・広告宣伝費などの費用が興行中止保険の中止費用として下ります。
【興行中止保険】補償の対象にならないケース
イベント保険の興行中止保険は、悪天候で中止や延期にする場合など様々なケースで補償を受けられるものの、補償対象にならないケースもあるので要注意。
悪天候など補償を受けられるケースをあらかじめ確認した上で、興行中止保険に契約しましょう。
売上不足やスポンサー不足によるイベントの中止
イベント保険の興行中止保険は、売上やスポンサーの不足によるイベントの中止は補償対象外となります。
イベントを成功させるためには、どれだけ売上を出せるのか、どのくらいスポンサーを集められるのかも重要なポイントです。
しかし、売上不足やスポンサー不足によるイベントの中止は主催者都合の理由であるため、興行中止保険の補償を受けることは不可能です。
例えば、コンサートのチケットがあまり売れなかったため中止にするなど、主催者都合の中止は補償対象外となるため注意しましょう。
イベント関係者の逮捕等による中止
イベント保険の興行中止保険に契約していても、イベント関係者の逮捕等による中止は補償を受けられません。
関係者が故意・重過失・法令違反を起こして逮捕されても補償を受けられないため、イベントの準備を開始する前の関係者選びも重要です。
イベント保険の興行中止保険は、基本的に「やむを得ない事情でイベントを中止する場合」に対応しており、逮捕されるようなことをしてしまったことはやむを得ない事情ではないため補償を受けられません。
地震・噴火・津波などによる中止や延期
イベント保険の興行中止保険に契約している場合でも、地震・噴火・津波などによる中止や延期は補償対象外となります。
保険会社によっては、地震が発生してやむを得ずイベントを中止・延期する場合でも補償を受けられるイベント保険商品が用意されていることもあります。
しかし、地震による津波によって行事を中止・延期にする場合には補償対象外となることがほとんど。
自然災害はやむを得ない事情ではあるものの、イベント保険商品によって補償対象の範囲に含まれるかどうかはわかれてくるのでよく確認しましょう。
特約に加入するのもおすすめ
イベント保険の興行中止保険は悪天候以外にもあらゆるケースに対応してはいるものの、より補償範囲を広げたい方は特約に加入するのもおすすめです。
先ほども解説したように、イベント保険商品によっては「悪天候による中止・延期は補償対象だが地震など自然災害による中止・延期は補償対象外とする」と定められている場合もあります。
しかし、保険会社ごとに特約が用意されており、地震発生によってイベントを中止・延期にする際に補償を受けられる特約があることも。
いつどこで大きな地震が起きてもおかしくない日本だからこそ、悪天候だけでなく自然災害にも備えることが重要です。
イベント保険の興行中止保険に加えて特約も付帯して契約することで、悪天候だけでなく地震などの自然災害にも備え、イベント当日を安心して迎えられるよう準備しましょう。
記事まとめ│イベント保険を契約して悪天候に備えよう
今回は、悪天候による行事の中止や延期に備えられるイベント保険について詳しく解説しました。
悪天候で行事を中止もしくは延期にすると、会場使用料・会場設営日・広告宣伝費・人件費など準備のために発生していた費用が無駄になってしまったり、新たにコストが発生したりするリスクがあります。
行事の日程を決める際に悪天候かどうかはどうしても予測ができないため、特に屋外で行事を開催する場合は悪天候に備えられるイベント保険「興行中止保険」を契約しておくことをおすすめします。
イベント保険の一種である興行中止保険は悪天候だけでなくあらゆる理由による中止・延期に対応しているものの、補償対象となるケースもあるため、この記事を参考にしながら事前によく確認して契約するよう心がけましょう。