レクリエーション保険のこと

宿泊行事はレクリエーション保険の契約対象外!加入の際の注意点を解説

レクリエーション保険は日帰りのみ!宿泊の場合は国内旅行保険を検討

社内旅行や自治体でのイベントなど、大勢でのレクリエーションを楽しむ際に注意したいのが、予期せぬ事故やケガです。

日頃とは違う場所やイベントだからこそ、いつ事故やケガが起こるかは分からず、日常以上に危険が伴います。

そんな危険に備えるために販売されているのが、レクリエーション保険です。

しかし、レクリエーション保険は「宿泊を伴わず、日帰りのイベント・行事であること」が加入条件。

宿泊を伴う行事やイベントに参加する場合には、レクリエーション保険ではなく「国内旅行保険」等に加入する必要があります。

この記事では、レクリエーション保険に加入する際の注意点と、宿泊を伴うイベント・行事に備えるための保険についてご紹介します。

レクリエーション保険の補償は「日帰り行事参加」が対象

レクリエーション保険は、大勢でのレクリエーションや行事への参加中に、急激かつ偶然な事故によりケガをした場合に補償を受けることができる保険です。

イベントや行事の主催者が参加者全員をまとめて加入し、一人あたりの保険料は数十円から数百円程度で済むという手軽さが魅力で、学校行事や社内行事に備えるために利用される方が多いです。

急に訪れるもしもが起こった際に補償を受けることができるので、参加者はもちろん、主催者側も安心してイベントを開催することができます。

レクリエーション保険の補償期間

そんなレクリエーション保険の補償の範囲としては、レクリエーションやイベントに参加するまでに自宅から集合地に向かい、集合地から自宅に帰るまでの間になります。

つまり行事開催日のほぼ丸一日が対象となるわけですが、あくまで日帰りでなければならず、宿泊を伴うレクリエーションに関しては補償対象外となるので注意しましょう。

どんなレクリエーション・行事でも補償の対象となるわけではなく、最大の条件として日帰りである必要があるということになります。

ただし、宿泊を伴うイベントは補償対象外のレクリエーション保険ですが、2日間に渡って開催される場合など、日帰りで複数日開催する行事については補償の対象となります。

最低申込人数が20名以上という点にも注意

宿泊の有無と同時に、レクリエーション保険ならではの特徴として、加入者人数の最低申込人数がある点があります。

そもそもレクリエーション保険は団体保険であり、基本的に個人で加入することができない保険です。レクリエーション保険に関しては、最低申込人数が20名以上と決められていて、参加者人数が20名を下回る場合にはレクリエーション保険に加入することができないので注意しましょう。

(※保険商品によっては、45名以下は加入できないものもあります。)

ちなみに、行事が複数日に渡って開催される場合、1日あたりの参加者人数が20名以上であることが加入時の条件となります。

宿泊を伴わないレクリエーションや行事というだけでなく、加入者人数についても注意しましょう。

宿泊を伴う行事・イベントのケガにはどう備える?

前述したように、レクリエーション保険は宿泊を伴うレクリエーションやイベントに関しては補償の対象となりません。しかし、宿泊を伴うキャンプや合宿、旅行などに参加することもあるでしょう。

宿泊を伴うレクリエーションやイベントなどに関しては補償されないので、その場合には他の種類の保険に加入するなどの対処法が必要となります。

ちなみに、宿泊を伴うことでレクリエーション保険の対象外となる場合の対処法としては、2つ挙げられます。

  • 参加者をまとめて国内旅行保険に加入する
  • 参加者それぞれが、1DAYレジャー保険に複数日に渡って契約

宿泊を伴うイベントやレクリエーションに参加するということは、その分参加時間が長く事故やケガに対するリスクが高まります。

そのため、レクリエーション保険に加入できないからといって何もしないのでは、当然予期せぬ事故やケガが起こったときに補償を受けることができません。

レクリエーション保険に加入できない場合には、宿泊の補償可能な他の方法で自身で対策するようにしましょう。

方法①参加者をまとめて国内旅行保険に加入

宿泊を伴う行事やイベント、レクリエーションに備えるには、国内旅行保険が適しています。

国内旅行保険は、国内の旅行のために、家を出てから帰宅するまでに発生したケガが原因で死亡・後遺障害になった、もしくは治療のために入院・手術・通院をした時に補償がおりる保険です。

「国内旅行」というと温泉旅行や観光地巡りなどを思い浮かべる方も多いかと思いますが、宿泊を伴うレジャーやスポーツなどによるケガも補償の対象になります。

レクリエーション保険と同じように、代表者が同行者全員をまとめて契約することも可能なので、わざわざ個人で加入する手間がありません。

人数分まとめて契約する際には、参加者全員の旅程や旅の目的などを申告する必要があるため、事前によく確認しておきましょう。

レクリエーション保険と比較するとどうしても保険料が高めになってしまう点がネックですが、複数日に渡る宿泊もしっかりカバーされるので、安心です。

方法②1DAYレジャー保険で複数日に渡って契約

宿泊を伴うイベントに備える2つ目の方法は、1DAYレジャー保険に加入することです。

三井住友海上から販売されている1DAYレジャー保険は、1日(24時間)単位で申し込むことが可能。

レクリエーションやレジャーの際のケガや賠償責任などを補償する保険であることはレクリエーション保険と同じですが、1DAYレジャー保険がレクリエーション保険と異なる点は、宿泊を含むレクリエーションも対象となる点です。

ちなみに、1回の契約で、最長7日分連続で加入することができます(※)。そのため、数日間に渡る旅行や宿泊を伴う合宿も補償を受けることができます。

※8日間以上の場合には、複数回に分けて申し込むことで補償を受けることができます。

1DAYレジャー保険は、コンビニ(セブンイレブン)の店舗あるいはネットですぐに加入できる手軽さが魅力。

スマホがなくても、セブンイレブンのマルチコピー機を用いて申し込みをし、レジで保険料を支払うだけで契約完了です。

その反面、1DAYレジャー保険には下記のデメリットがあります。

  • レクリエーション保険と比較すると、保険料が高め
  • 熱中症は補償対象外

1DAYレジャー保険は、1日あたりの保険料は最安500円から。傷害保険としては手軽な保険料ですが、1人あたり数十円から数百円で加入できるレクリエーション保険と比較すると、高く感じる方もいるでしょう。

しかし、万が一のことが起こってからでは取り返しのつかない事態になることもあるため、事前に加入を検討することをおすすめします。

まとめ:レクリエーション保険は宿泊を伴わない場合のみ活用

今回は、レクリエーション保険に加入する際の注意点と、宿泊を伴う行事・イベントに対応できる保険を紹介しました。

ポイントをまとめると、下記のとおりです。

  • レクリエーション保険には、最低参加人数の制限や、宿泊を伴わない行事のみが対象など、加入する際に条件がある
  • 宿泊を伴う行事・イベントに備えるには、国内旅行保険や1DAYレジャー保険がおすすめ

レクリエーション保険は、予期せぬケガや事故に合った場合に補償を受けられるため、イベントを心置きなく楽しむことができます。

団体保険であることから、保険料が手ごろな点も魅力。

しかし、メリットが多い一方で、宿泊を伴う行事には対応できないなど制限もある点に注意が必要です。

泊りがけのレジャー等に行く際には、レクリエーション保険ではなく、国内旅行保険などをご検討くださいね。

監修者のコメント

今回の例のようにレクリエーション保険に加入したいと考えていても、契約できない場合もあります。保険加入の検討は直前ではなく、余裕をもって準備しましょう。宿泊を伴う行事以外に、スカイダイビング、ピッケルと使用する登山など危険度が高いイベントは多くの場合、補償の対象外となっていますので注意してください。

監修者

当記事の監修者:遠山直孝

  • 保険コンプライアンス・オフィサー2級
  • ファイナンシャルプランナー(AFP)
  • 損保大学(法律・税務)

国立大学卒業後、大手保険会社に27年勤務し、現在は損害保険代理店に所属。営業、企画部門での多彩な経験から、法律・税務を踏まえた実用的な保険の活用に精通しており、日々情報を発信しています。

※損保大学とは、損害保険の募集に関する知識・業務を向上させるために日本損害保険協会が立ち上げた制度。当監修者は「法律・税務」などの知識を深める専門コースを修めています。

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