レクリエーション保険は、イベントや行事を開催する際に想定される参加者のケガのリスクをカバーする保険商品です。
イベント・行事を開催する際には加入を検討したい商品ですが、いったいどういったイベント行事が補償の対象となるのでしょうか。
本記事では、レクリエーション保険の基本的な補償内容を解説し、対象となるイベント・行事の種類を紹介します。
保険選びの際の比較ポイントについても紹介していくので、ぜひ本記事を参考にレクリエーション保険の補償についての理解を深めましょう。
レクリエーション保険とは
レクリエーション保険とは、イベントや行事で発生する事故による参加者のケガを補償するための団体向け傷害保険です。
イベント・行事の主催者が契約者となって加入することで、参加者を全員まとめて補償できる点が特徴となっています。
団体向けの商品であるため個人や少人数では加入できず、多くの保険会社が「最低〇〇名以上」という加入条件を設けています。
個人でスポーツやレジャーを行う際のリスクをカバーしたいのであれば、レジャー保険などの商品がおすすめです。
レクリエーション保険の基本的な補償内容を押さえ、開催予定のイベント・行事におけるリスクをカバーできるかどうか判断しましょう。
基本の補償内容
レクリエーション保険は基本的に参加者のケガのリスクに備える商品であるため、メインの補償は「傷害保険」となっています。
傷害保険の補償内容は以下の表の通りです。
| 補償の項目 | 補償内容 |
|---|---|
| 死亡保険金 | イベント中の事故によって参加者がケガをし、死亡したときに補償が受けられる。 |
| 後遺障害保険金 | イベント中の事故によって参加者がケガをし、後遺障害が残ったときに補償が受けられる。 |
| 入院保険金 | イベント中の事故によって参加者がケガをし、入院したときに補償が受けられる。「1日〇〇円」などと日額が設定され、入院日数に応じた保険金が支払われる。 |
| 手術保険金 | イベント中の事故によって参加者がケガをし、手術を受けたときに補償が受けられる。「入院給付金日額の〇倍」などと金額が設定される。 |
| 通院保険金 | イベント中の事故によって参加者がケガをし、通院したときに補償が受けられる。「1日〇〇円」などと日額が設定され、通院日数に応じた保険金が支払われる。 |
参加者がケガをして死亡・後遺障害となったり、治療のために入院・手術・通院をしたりしたときが補償の対象となります。
開催予定のイベントにおいて参加者がケガをする可能性がある場合は、レクリエーション保険で補償を準備しておくことをおすすめします。
第三者の損害賠償を補償する商品も
メインの補償は参加者のケガの補償であるものの、商品によっては第三者に対する損害賠償責任を補償できる場合もあります。
見学者などにケガを負わせたり、モノを壊してしまったりしたときに補償が受けられるため、参加者以外の見学者が多いイベントの場合におすすめです。
賠償責任の補償は以下の表の通りです。
| 補償の項目 | 補償内容 |
|---|---|
| 損害賠償金 | 第三者にケガを負わせてしまったり、モノを壊してしまったりなどの損害を与えたときに補償が受けられる。 |
| 緊急措置費用 | 事故の発生時に緊急で必要な費用の補償が受けられる。例えば見学者等が重大なケガを負ったとき、応急手当てを行った際にかかった費用などが対象となる。 |
| 争訟費用 | 裁判・示談交渉となったときに発生する弁護士報酬や書類作成費用、裁判所に行くまでの交通費や宿泊費などが補償される。 |
| 損害防止軽減費用 | 事故の発生時に被害の拡大防止・軽減のためにかかった費用が補償される。例えば火災の発生時に消化器等を利用した場合の費用などが対象となる。 |
| 協力費用 | 保険会社が第三者と交渉を行う際、被保険者が保険会社に対して協力する際にかかる費用が補償される。 |
第三者への賠償責任を負うリスクをカバーしたい場合は、損害賠償に関する補償が含まれるレクリエーション保険を選びましょう。
特約の付帯で補償の上乗せが可能
レクリエーション保険では、上記のような傷害補償や賠償責任補償に加え、特約で補償を手厚く準備することも可能です。
商品によってさまざまな特約が用意されているため、開催予定のイベントの内容に合わせて必要な特約を契約しましょう。
例えば以下のような特約が提供されています。
- 天災危険補償特約
- 熱中症危険特約
- 細菌性食中毒およびウイルス性食中毒補償特約
真夏の屋外でイベントを開催する場合、参加者が熱中症で倒れる危険性が想定されます。
熱中症危険特約を契約し、参加者のリスクに備える必要があるでしょう。
また、飲食物の提供があるイベント・行事の場合、食中毒のリスクもカバーしなければなりません。
食中毒も補償対象となるレクリエーション保険を活用し、リスクに備えておくことが大切です。
開催予定のイベント・行事の内容に合わせ、必要な補償を特約等でカバーしましょう。
レクリエーション保険の補償対象となるイベント・行事の種類
レクリエーション保険では、補償の対象となるイベントとならないイベントがあります。
開催予定のイベントがレクリエーション保険の補償対象となるかどうか確かめた上で、契約手続きを進めましょう。
補償対象となるイベント・行事の種類の詳細な部分は保険会社によって異なりますが、基本的にはイベントはほとんどが対象となります。
レクリエーション保険で補償対象となるイベント・行事の例は以下の通りです。
- 運動会
- 避難訓練
- マラソン
- サッカー
- 野球
- 遠足（日帰り）
- キャンプ（日帰り）
- 海水浴
一般的なイベントやレクリエーションを行う場合には補償対象となります。
ただし一部補償対象とならないイベントもあるため、事前に把握しておくことが大切です。
補償対象とならないイベント
レクリエーション保険で補償対象とならないのは、以下のいずれかを満たすイベントです。
- 宿泊を伴うイベント
- 危険度が高く死亡のリスクがあるイベント
レクリエーション保険は数日にわたって開催されるイベントは補償されるものの、宿泊を伴うイベントは補償対象外です。
宿泊が必要となるキャンプや遠足などを開催する場合は、レクリエーション保険ではなく国内旅行傷害保険の検討をおすすめします。
また、一部の危険性が高いスポーツ・アクティビティは補償対象外となるケースがあります。
レクリエーション保険で補償対象外となるスポーツ・アクティビティとして、以下のようなものが挙げられます。
- スカイダイビング
- バンジージャンプ
- ロッククライミング
死亡のリスクを伴う危険性が高いイベントの場合、レクリエーション保険では補償されないため注意が必要です。
開催予定のイベントが補償対象となるかどうかが気になる場合は、保険会社または保険代理店に問い合わせて確認しておくことをおすすめします。
保険商品を選ぶ際の比較ポイント
レクリエーション保険を選ぶ際、以下の3点を比較しておくことをおすすめします。
- 加入条件
- 補償内容
- 保険料
各ポイントについて解説していくので、ぜひ参考にして最適なレクリエーション保険を選びましょう。
ポイント①：加入条件
前述した通り、レクリエーション保険は「最低〇〇名以上」という加入条件が設けられるケースがほとんどです。
商品によって条件となる人数が異なっているため、満たしやすい加入条件の保険商品を比較して選びましょう。
例えば、人気のレクリエーション保険5商品の加入条件は以下のようになっています。
| 損保ジャパン「レクリエーション補償プラン」 | 20名以上 |
|---|---|
| あいおいニッセイ同和損保「レクリェーション傷害保険」 | 10名以上 |
| 三井住友海上「レクリエーション補償プラン」 | 20名以上 |
| 東京海上日動「レクリェーション災害補償プラン」 | 20名以上 |
| AIG損保「レクリエーション傷害保険」 | 45名以上 |
上記のように比較的少人数からでも加入できる商品もあれば、ある程度の人数が参加しないと加入できない商品もあります。
加入条件を比較し、開催予定のイベントが条件を満たせるかどうかを確かめておきましょう。
ポイント②：補償内容
レクリエーション保険は傷害補償がメインの商品が多い一方、なかには損害賠償責任を補償する商品もあります。
見学者の参加が多く、第三者に対して損害を与えてしまうリスクが大きいイベントの場合は、損害賠償責任を補償できる商品がおすすめです。
また、商品によって特約の内容も異なります。
開催予定のイベントの内容に合わせ、適切な補償が得られる商品を選びましょう。
ポイント③：保険料
保険会社ごとに保険料の算出方法が異なるため、同じ補償内容を希望していても商品によって保険料の負担に違いがあります。
金銭的な負担をなるべく抑えるためにも、各社の保険料を比較しておきましょう。
保険料は保険会社のパンフレットや公式サイトに目安の金額が記載されているものの、正確な金額はイベントの内容によって異なります。
確実な比較を行いたいのであれば、各社に見積もりを出してもらって比較することをおすすめします。
なお、保険料の見積もりを出してもらう際には時間がかかる場合があるため、なるべく早めに保険会社や保険代理店に問い合わせておきましょう。
記事まとめ：補償対象のイベントを把握してリスクに備えよう
レクリエーション保険は、一般的なイベント・行事は原則として補償対象となります。
ただし、宿泊を伴うイベントや死亡のリスクがあるイベントなどは補償対象とならないため注意が必要です。
また、レクリエーション保険を選ぶ際には加入条件や補償内容、保険料などの要素を比較検討することをおすすめします。
本記事でご紹介した内容を踏まえ、最適なレクリエーション保険を選んでリスクに備えましょう。
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