しかし、行事やイベントの最中には事故や予期せぬトラブルからケガをしてしまう可能性がつきものです。
そんなもしもに備えた補償として存在するもの、それこそが保険です。
行事やイベントを安全・安心に実行するための保険として、掛け捨てのお手頃な保険料で加入できるレクリエーション保険があります。
この記事では、レクリエーション保険の掛け捨て保険料や補償内容について紹介。一般的なレクリエーション保険に関して、気になる疑問にお答えします。
イベント・行事の際に便利なレクリエーション保険の特長
日常でも予期せぬケガやトラブルに見舞われる可能性は十分にありますが、それにもまして非日常の空間ではより一層リスクが高まります。
いつもと違う空間や施設で珍しい体験をしていると注意力が散漫になりますし、何より楽しい時間だからこそ気が抜けてしまうこともあります。
そんな行事やイベントに参加中の予期せぬ事故によるケガのリスクに備えるための保険として、レクリエーション保険が存在します。
当記事では損保ジャパンの掛け捨てタイプのレクリエーション保険である「レクリエーション補償プラン」を例にとり、詳細についてご紹介します。
損保ジャパン レクリエーション補償プラン
https://www.gia-agency.jp/images/stories/pdf/%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E4%BF%9D%E9%99%BA.pdf
行事参加中にケガを負った際に保険金が支払われる
レクリエーション保険では、イベントや行事の参加中、偶発的に起こった事故やトラブルによってケガをし、そのケガが原因で死亡したり、治療のために通院・入院したりした場合に保険金が支払われます。
たとえば、野球大会でボールが頭にあたった、お祭りでおみこしを担いでいる最中に転んでケガをしたなどの場合が当てはまります。
保険商品によっては賠償責任保険もセット
レクリエーション保険によっては、イベント・行事に参加している間に第三者に対して損害を与えた場合に法律上請求される損害賠償責任に備える「賠償責任保険」もセットになっていることがあります。
損保ジャパンのレクリエーション補償プランは賠償責任保険はセットになっておらず、別途契約する必要があります。
他社のレクリエーション保険でも賠償責任保険がセットになっていないことがあるため、契約時に補償内容をよく確認しましょう。
レクリエーション保険の申し込みはイベント主催者だけで良い
通常、保険は被保険者自身が加入するのが一般的です。
しかしレクリエーション保険に関しては、補償を受ける参加者ではなく、イベント主催者が代表して加入者となり、参加者全員を被保険者として加入します。
保険金のお支払い時には、イベントに参加する被保険者の氏名等が分かる名簿を用意しておく必要があるので、レクリエーション保険申込時に準備しておきましょう。
ちなみに、損保ジャパンの掛け捨て保険商品「レクリエーション補償プラン」は「個別契約(活動日特定)方式」と、「年間包括契約方式」の2種類があります。。
それぞれの契約方式の詳細について、以下でまとめます。
契約方式 | 内容 |
---|---|
個別契約(活動日特定)方式 | 行事・イベントを開催するたびに、イベントの種類や参加者人数、開催日を連絡して契約する方式。 |
年間包括契約方式 | あらかじめ年間の行事・イベントの予定表を提出し、年間行事を一括して契約する方式。一年に何度もイベントや行事の開催予定がある場合に適した方法。学校や会社など、あらかじめ年間の行事予定が決まっている場合には、年間包括契約方式の方がおすすめです。 |
保険料は開催する行事の危険度によって決まる
レクリエーション保険の保険料は、開催を予定している行事・イベントの危険度によって保険料が異なります。
つまり、危険度が高い行事・イベントであれば保険料は高く、反対に危険度が低いと判断された行事については保険料が低いということになります。
例として、損保ジャパンのレクリエーション保険では、行事・イベントの危険度に応じてA・B・Cの3つに分類され、保険料が設定されています。
区分 | 内容 | 一人あたりの 保険料 |
保険金 |
---|---|---|---|
A | いちご狩り、芋ほり、遠足(日帰り)、お花見、海水浴、ゲートボール、町内清掃、テニス、ドッヂボール、ハイキング、、バーベキュー、もちつき、盆踊りなど | 30円 | 死亡・後遺障害:455万円 入院保険金額日額:4,000円 通院保険金日額:2,000円 |
B | 運動会、キャンプ(日帰り)、サイクリング、スケート、軟式(準硬式)野球、バスケットボール、ハンドボール、フィールドアスレチック、マラソン、防災避難訓練など | 150円 | 死亡・後遺障害:460万円 入院保険金額日額:4,000円 通院保険金日額:2,000円 |
C | 空手、硬式野球、サーフィン、サッカー・フットサル、柔道、水上スキー、相撲、ホッケー、ラグビー、レスリングなど | 300円 | 死亡・後遺障害:457万円 入院保険金額日額:4,000円 通院保険金日額:2,000円 |
なお、スキューバダイビングなど危険度の高い行事については保険会社が引き受けできないことがほとんどです。
上記の表内に該当する行事がない場合には、加入する前に保険代理店や損保ジャパンに必ず確認しましょう。
最低加入人数が設定されている点に注意
損保ジャパンのレクリエーション補償プランをはじめとしたレクリエーション保険では、加入条件として最低加入人数が決められている点に注意が必要です。
たとえば、損保ジャパンの場合、最低加入人数は20人。参加人数が20人を下回った場合、損保ジャパンのレクリエーション保険に申込することができないので、注意が必要です。
他社のレクリエーション保険では、最低45名以上などの条件が設定されていることもあるため、事前に確認しておきましょう。
なお、レクリエーション保険は参加者の人数に応じて団体割引が適用されます。行事・イベントの参加者が多ければ多いほど、1名あたりの保険料を安く抑えることができます。
レクリエーション保険の保険料は「掛け捨て」が基本的
一般的に、保険は積み立て式と掛け捨て式の2種類に分類されます。
積み立て式保険は、途中で保険を解約した場合や保険期間満期を迎えた場合に、支払った保険料のうち一定額が返ってくる仕組みです。
それに対して掛け捨て式とは、解約返戻金や満期額が非常に少ない、あるいはまったくない保険を指し、まさに「お金を掛け捨てる」ことで掛け捨て式と呼ばれています。
レクリエーション保険に関しては、基本的には後者の掛け捨て式です。掛け捨てなので、保険期間中に保険金が支払われる事態が発生しなくても、保険料が返ってくることはありません。
とはいえ、レクリエーション保険は1人あたり数十円から数百円程度と非常に割安な保険料でしっかりした補償を得られるので、掛け捨てだから損ということはないでしょう。
なお、年間包括契約で契約した場合には、予定をした行事と実際に行った行事の差分が解約時の返戻金として返ってきます。
また、1回のイベントごとに契約する掛け捨ての個別契約でも、イベント開催日前に解約した場合や、行事が中止になった場合などには保険料の返還が発生することもあります。
そういった場合には、必ず保険会社・保険代理店に確認してください。
レクリエーション保険に限らず、短期間が対象となったイベント・行事関係の保険商品はほとんどが掛け捨て式です。
イベント・行事に関して補償を得たい場合には、保険料は掛け捨てであるとご認識ください。
イベント保険・レジャー保険とはなにが違う?
損保ジャパンのレクリエーション保険以外にも、さまざまな保険会社から行事やイベントを安心して開催するための保険が販売されています。
レクリエーション保険と似た保険であっても、それぞれに特徴や違いがあることから、目的に応じた保険を自身で選ぶ必要があります。
イベント・行事のトラブルに備えられる保険の種類
レクリエーション保険以外でイベント・行事のトラブルに備えられる保険は、下記のようなものが挙げられます。
イベント賠償責任保険(あいおい同和損害保険)
イベント開催中、開催施設や主催者側の進行の不備により第三者に損害を与えた場合、主催者が法律上の損害賠償責任を請求された際に保険金が支払われる。
主催者を被保険者として、主催者が加入する必要があり、保険料は掛け捨て。
興行中止保険(損保ジャパン)
主催するイベント・行事が中止になった場合、準備のために既に支出していた費用や、中止や延期によって臨時に支出した費用に対して保険金が支払われる。主催者を被保険者として、主催者が加入する必要があり、保険料は掛け捨て。
1DAYレジャー保険(三井住友海上)
スポーツやレジャーを行う際に、1日単位で加入することができるレジャー保険。保険期間中、スポーツ・レジャーによって死亡したり、ケガを負って通院・入院したりした場合に保険金が支払われる。参加者個人を被保険者として、参加者自身が加入する必要があり、保険料は掛け捨て。
これらの保険は、レクリエーション保険と異なり「主催者が主催者のために加入」もしくは「参加者が参加者個人のために加入」といった形式になります。
主催者が参加者全員のために加入という形式では無い点に注意しましょう。
イベント保険(興行中止保険)もレジャー保険も、保険料は掛け捨て
イベント保険(興行中止保険)やレジャー保険も、ほとんどがレクリエーション保険と同じく掛け捨てタイプの保険です。
掛け捨てなので、もし保険金の支払いが発生しなかったとしても、保険料は返還されません。
ただし、掛け捨てだからといって損というわけではありません。反対に、掛け捨てだからこその手軽な保険料で万が一のトラブルに備えられるとも言えます。
まとめ:割安な掛け捨て料金で行事のケガ・事故に備えよう
今回は、行事やイベント開催時の予期せぬ事故やケガに備えた掛け捨てのレクリエーション保険についてご紹介してきました。
掛け捨てのレクリエーション保険のポイントをまとめると、下記のとおりです。
- レクリエーション保険の保険料は行事の種類によって異なる
- レクリエーション保険の保険料は、掛け捨てが基本
- イベントや行事に備えるには、イベント保険(興行中止保険)、レジャー保険などがあるが、レクリエーション保険と契約形態・補償内容が異なる点に注意
- イベント保険(興行中止保険)、レジャー保険も掛け捨てが基本
行事・イベントに合わせてレクリエーション保険に加入していれば、参加者・主催者ともに万が一の際の補償をうけられる安心感があります。
ほとんどのレクリエーション保険は保険料が掛け捨てタイプで非常に割安な料金で加入できるため、軽い負担で契約することができます。
学校行事や社内行事、友人たちとの大人数でのレジャーを考えている方は、ぜひ保険料掛け捨てで気軽に契約できるレクリエーション保険を検討してみてはいかがでしょうか。
監修者のコメント
行事・イベントを企画する場合は、「保険料」を予算に組み込むことを忘れないにして会費から徴収するなど計画的に準備してください。掛け捨てにはなりますが安心して行事を行うことができます。またレクリエーション保険の保険料はそれほど高くないので、万一に備えしっかりとした補償を付けることをお勧めします。
当記事の監修者:遠山直孝
- 保険コンプライアンス・オフィサー2級
- ファイナンシャルプランナー(AFP)
- 損保大学(法律・税務)※
国立大学卒業後、大手保険会社に27年勤務し、現在は損害保険代理店に所属。営業、企画部門での多彩な経験から、法律・税務を踏まえた実用的な保険の活用に精通しており、日々情報を発信しています。
※損保大学とは、損害保険の募集に関する知識・業務を向上させるために日本損害保険協会が立ち上げた制度。当監修者は「法律・税務」などの知識を深める専門コースを修めています。