レクリエーション保険は、学校の遠足や会社のイベント、友人たちと大人数でレジャーを行う際のケガに備える保険。
手頃な金額で加入でき、行事1回ごとに契約可能という利便性の高さが人気ですが、「加入の際に参加者の名簿が必要」というところが難点だと思う方も多いでしょう。
人数や参加者リストが分からない場合には困ってしまいますよね。
しかし、人数が確定していない場合、レクリエーション保険は名簿なしの状態で契約することが可能です。
今回は、参加者数が確定していない際に名簿なしでレクリエーション保険に加入する方法と、注意点について解説していきます。
レクリエーション保険に加入する方法
レクリエーション保険は、参加者数が20名以上(※)の団体でイベントを開催する際、参加者のケガをした場合の治療費用などを補償する保険です。
保険商品によっては、食中毒や熱中症の治療費も補償されるため、キャンプイベントやスポーツ大会にぴったり。
ただし、レクリエーション保険の補償対象は「宿泊を伴わない行事」という条件があるため、宿泊するイベント・行事には使えない点に注意しましょう。
レクリエーション保険は、保険会社や保険代理店を通して加入をしますが、その際には下記の情報が必要です。
- 行事・イベントの開催日と参加者人数
- 参加者の名簿
保険代理店は、イベントの内容と開催日数、参加人数をもとに保険料の見積もりをだしてくれます。
「参加者の名簿」が必要というのは、他の損害保険にはなかなか無いレクリエーション保険ならではの条件でしょう。
これは、保険料の算定や実際に保険金を支払う際の手続きのために、保険会社が客観的にみて参加者の名前と数を把握しておく必要があるため、提出しなければいけません。
※保険商品によっては、45名以上の場合もある。
参加者の人数がわからない。名簿なしでも契約できる?
レクリエーション保険では契約時に名簿が必要ですが、契約する段階ではまだ参加者の人数が確定していないこともありますよね。
そういった場合、名簿なしの状態でレクリエーション保険に契約することは可能なのでしょうか。
答えは可能です。
実際の例として、あいおいにっせい同和損保の「レクリェーション傷害保険」から、人数が未確定の場合の契約方法を抜粋してご紹介します。
「行事開催日が1日でご契約時に行事参加者数が確定していない場合」や「行事開催日が2日以上」の場合 ご契約時に次の暫定保険料を払い込んだうえで、保険期間終了後に確定保険料との差額を精算(確定精算)してください。
あいおいにっせい同和損保
http://www.hyogo-gojo-s.co.jp/pdf/pamph_rec.pdf
あいおいにっせい同和損保では、人数がわからない場合には大まかな人数で概算の金額を支払い、その後確定した人数が分かってから精算することになります。
そのため、契約時は名簿なしで、行事開催時に参加者が把握できていれば問題はありません。
ただし、名簿の提出に関しては保険会社や代理店のスタッフから適宜指示があるので、それに従いましょう。
提出する必要が無くても名簿は用意しておくべき
ここで注意が必要なのは、レクリエーション保険契約後も名簿なしの状態ではいけないという点。
万が一の際に保険金を請求するためには、いつでも提出できるように契約者が名簿を管理・備えつけておく必要があるため、完全に名簿なしという状態はおすすめできません。
あくまで契約時は名簿なしでも良いというだけで、別途しっかり名簿を用意しておくべきということは覚えておきましょう。
他の保険代理店についても、契約時に名簿なしでも良いと言われても、その後万が一の際に名簿が必要と言われることもあるかもしれません。忘れずに用意してください。
名簿なし・ありに関わらずレクリエーション保険に加入できない場合
ここまで解説してきたとおり、レクリエーション保険は保険会社によっては契約時に名簿なしでも大丈夫です。
しかし、レクリエーション保険では名簿なし・ありに関わらず加入できないことがあります。
事前に必ずチェックしておきたい加入対象外のケースを見ていきましょう。
宿泊をともなう行事・イベントを開催する場合
レクリエーション保険は、宿泊を伴う行事・イベントを開催する際には、加入することができません。
たとえば、宿泊(車中泊を含む)を前提とするキャンプや、高校の部活動合宿などがその例となります。
宿泊を伴う行事に対して保険をかけるには、国内旅行傷害保険などを利用しましょう。
ケガをする危険性が高いスポーツ・レジャーを行う場合
レクリエーション保険では、ケガをする危険性が高い行事も対象外です。
たとえば、訓練学校が行う実験や演技、命の危険が伴うレジャー・スポーツなどです。下記のような例があたります。
- 消防士が行う技術のお披露目
- スキューバダイビング
- 5mを超える壁のボルタリング
- 船を利用した魚釣り など
危険度の高いレジャーではケガ・死亡のリスクが高いため、レクリエーション保険では補償できません。
こういった危険な種類のスポーツ・レジャーは専用の損害保険が用意されていることが多いため、そちらを検討することがおすすめです。
たとえば、ダイビング保険(スキューバダイビング)やクライミング保険(ボルタリング)などが挙げられます。
レクリエーション保険は、あくまで一般的なイベント・行事・レジャーが対象ということを覚えておきましょう。
まとめ:名簿は事前に用意しておこう
今回は、参加人数が確定していない場合などに、レクリエーション保険に名簿なしで加入できるかどうかを解説してきました。
結論として、参加者が確定していない場合には、名簿なしでレクリエーション保険に加入することは可能です。また、人数が確定していても名簿なしで大丈夫という保険代理店もあります。
しかし、あくまで契約時には名簿なしで良いというだけであって、いつでも確認できるよう用意しておく必要があるという場合がほとんど。
名簿なしで良いといわれても、イベント開催日より前に必ず用意しておくことをおすすめします。
監修者のコメント
レクリエーション保険は、補償内容とイベント内容、参加人数、開催日数で保険料が決まります。また通常、契約時には名簿は必要ありませんので、参加者が入替わっても人数が変わらなければ問題はありません。一方、補償対象の事故(ケガ)が発生した場合は参加者名簿等の提出が求めらますので、主催者は参加者をしっかり把握していることが大切です。
当記事の監修者:遠山直孝
- 保険コンプライアンス・オフィサー2級
- ファイナンシャルプランナー(AFP)
- 損保大学(法律・税務)※
国立大学卒業後、大手保険会社に27年勤務し、現在は損害保険代理店に所属。営業、企画部門での多彩な経験から、法律・税務を踏まえた実用的な保険の活用に精通しており、日々情報を発信しています。
※損保大学とは、損害保険の募集に関する知識・業務を向上させるために日本損害保険協会が立ち上げた制度。当監修者は「法律・税務」などの知識を深める専門コースを修めています。