団体で旅行したり、レジャーを楽しんだりする際に、国内旅行傷害保険とレクリエーションのどちらに加入すべきか迷うケースはめずらしくありません。
本記事では、国内旅行傷害保険とレクリエーション保険の特長を詳しく解説します。
補償内容や加入条件の違いも確認できるので、国内旅行傷害保険とレクリエーション保険のどちらに加入すべきか悩んでいる方はぜひ最後までチェックしてみてください。
国内旅行傷害保険とレクリエーション保険はどちらも傷害保険
国内旅行傷害保険とレクリエーション保険は名称が異なる保険ではありますが、両方とも傷害保険です。
傷害保険は国内で行事やイベントを開催する際に加入しておくことで、参加者のケガに備えることができる保険です。
不慮の事故で参加者が傷害を負い、医療機関に入院したり、通院・手術が必要になったりした場合に保険会社から所定の保険金が支払われる仕組みになっています。
いずれも1契約で参加者全員を補償でき、行事・イベントの開催日数が1日~契約できます。
まずは、この章では国内旅行傷害保険とレクリエーション保険の概要を確認しましょう。
国内旅行傷害保険の概要
国内旅行傷害保険は被保険者が国内旅行中にケガを負ったり、他人から法律上の賠償責任を問われたりした場合に補償が適用される保険です。
旅先でのトラブル・事故はもちろん、自宅を出てから帰宅する間に発生したトラブル・事故に対しての補償も得られます。
メインとなる補償は被保険者が死傷したときの補償ですが、他人に対する賠償の補償や事故が発生した際の救援者費用などにも対応しています。
以下で詳しく確認しましょう。
被保険者の死傷に対する補償
国内旅行中に起きた偶発的な事故で被保険者がケガを負い、死亡・後遺障害状態になったり、医療機関での入院・手術・通院が必要になったりした場合に保険金が支払われます。
例えば、旅先で交通事故に遭ったり、宿泊している旅館で火災が起きて逃げる際にケガをしたりした場合などに補償が適用されます。
他人に対する賠償の補償
被保険者が国内旅行中に偶発的な事故で、他人に傷害を与えてしまったり、他人の持ち物を壊してしまったりして法律上の損害賠償責任を問われた場合にも、国内旅行傷害保険は役立ちます。
例えば、旅先の展示品を落としてしまって破損させたり、サイクリング中に人をひいてしまったりした場合に国内旅行傷害保険の補償が適用されます。
救援者費用の補償
被保険者が旅先で傷害を負い、長期入院が必要になった場合など親族が現地に行く必要がある場合は、交通費や宿泊費がかかります。
こうした費用も国内旅行傷害保険の補償対象です。
この他、旅先に向かうために利用した船舶や航空機が行方不明になったり、山などで遭難したりした際にかかる捜索費用も補償されます。
携行品の補償
携行品とは、旅先に持っていく持ち物のことです。例えば、現金や乗車船券、衣類、カメラなどが国内旅行中の偶発的な事故で損害を受けた場合に国内旅行傷害保険の補償が適用されます。
ただし、被保険者本人の過失による紛失・置き忘れが原因で受けた損害は国内旅行傷害保険の補償対象外となるため注意してください。
レクリエーション保険の概要
レクリエーション保険とは、団体で行事・イベントを開催する前に加入しておくことで、期間中に発生した事故で参加者が傷害を負った場合に補償される保険です。
傷害保健の一種ではあるものの、賠償責任保険の範囲をカバーしているレクリエーション保険も存在します。
以下で一般的なレクリエーション保険の補償内容を確認しましょう。
死亡・後遺傷害保険
レクリエーション保険の保険期間中に、行事・イベントの参加者が事故で死亡したり、後遺障害を負ったりした場合に死亡・後遺障害保険金が保険会社から支払われます。
保険金額は死亡の場合は全額、後遺障害の場合は後遺症の程度に基づいて全額もしくは一部が支払われる仕組みです。
通院保険金
通院保険金とは、レクリエーション保険の保険期間中に行事・イベントの参加者がケガを負い、その治療のために医療機関に通院した場合に保険機関から支払われる保険金です。
手術保険金
行事・イベントに発生した原因で参加者が傷害を負い、その治療のために手術を受ける際には保険会社から手術保険金が支払われます。
保険金額が加入するレクリエーション保険によって異なりますが、一般的には入院保険金日額の10倍となっています。
入院保険金
レクリエーション保険に加入している状態で事故による傷害を負い、医療機関に入院して治療を受ける場合は入院保険金が支払われます。
保険金額は参加者1人あたり〇千円というように設定し、入院1日目から支払われることが一般的です。
賠償責任保険の補償範囲
賠償責任保険の範囲もカバーしているレクリエーション保険の場合、次のような補償が得られます。
損害賠償金 | 第三者をケガ・死亡させたり、ものを壊したりした際の損害を補償するためのお金 |
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緊急措置費用 | 行事・イベント中に発生した事故の緊急的な措置で必要になるお金 |
争訟費用 | 示談交渉、裁判で必要になるお金 |
損害防止軽減費用 | 損害の拡大を防いだり、軽減したりする際に必要なお金 |
協力費用 | 保険会社と第三者が交渉するために必要なお金 |
加入条件や補償内容の違いを解説!
ここまで国内旅行損害保険とレクリエーション保険の概要を解説してきましたが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
結論から言うと、2つの保険は加入条件と補償内容に違いがあります。
加入条件(被保険者の人数)の違い
国内旅行傷害保険、レクリエーション保険に限らず、保険に加入するためには保険会社所定の加入条件を満たす必要があります。
加入条件は保険会社や加入する保険商品の種類によって異なりますが、一般的には以下のとおりです。
加入条件(被保険者の人数)の違い
- 国内旅行傷害保険:1契約における加入人数が10名以下である
- レクリエーション保険:1契約における加入人数が20名以上である
国内旅行傷害保険はレクリエーション保険と比べて、1契約で加入できる人数が少なく設定されていることが多いです。
補償内容の違い
国内旅行傷害保険の基本補償は、参加者・主催者のケガに関する補償、第三者に対する損害賠償責任の補償、救援者費用など幅広いです。
一方、レクリエーション保険の基本補償は参加者・主催者のケガに関する補償(傷害保険の補償範囲)のみとなっております。
前述のとおり、レクリエーション保険のなかには賠償責任保険の補償内容をカバーしているものもありますが、基本的には傷害保険が基本補償となっている点に注意が必要です。
国内旅行傷害保険・レクリエーション保険はこんな人にオススメ
国内旅行傷害保険への加入をおすすめする方は、次のような方です。
レジャー保険がおすすめの人
- 10名以下で国内旅行をしようと考えている方
- 傷害保険だけでなく、賠償責任保険の補償も欲しいと考えている方
以下に該当する場合は国内旅行傷害保険ではなく、レクリエーション保険への加入を検討した方がいいかもしれません。
レクリエーション保険がおすすめの人
- 20名以上の団体での行事・イベントの開催を考えている方
- 傷害保険の補償範囲だけで不足がないと感じる方
記事まとめ
国内旅行傷害保険とレクリエーション保険は、加入条件や補償内容に違いがあります。
10名以下の少人数での国内旅行を考えている場合、傷害保険だけでなく賠償責任保険の補償も欲しいと考えている場合は国内旅行傷害保険への加入がおすすめです。
行事・イベントの参加者が20名以上である場合、国内旅行傷害保険の補償範囲だけで不足がない場合は、レクリエーション保険への加入を検討してみましょう。