情緒の安定や生活の質(QOL)が向上など、さまざまな効果がある音楽レクリエーション。
障害者向け介護施設などでも取り入れられています。
音楽は、聴く・歌う・奏でるなど、いろんな楽しみ方がありますよね。障害者の方にも音楽系レクリエーションは人気です。
今回は、効果や音楽療法との違いなど、音楽レクリエーションについて紹介します。障害者の介護をしている方は参考にしてください。
子供から高齢者まで楽しめる音楽レクリエーション。イベントや行事を盛り上げたいときにもおすすめです。
「音楽レクリエーション」とは
音楽レクリエーションとは、音楽を通して、生活の質(QOL)や情緒の安定を目指すレクリエーションです。
歌ったり聴いたり音楽そのものを楽しみます。
障害者向けのレクリエーションでも、音楽レクリエーションは人気です。
まずは、音楽レクリエーションの効果について詳しく見ていきましょう。
音楽レクリエーションの効果
音楽レクリエーションには、さまざまな効果が期待できます。障害者の介護をする方は参考にしてください。
音楽レクリエーションの効果・メリット
- 情緒の安定
- 孤独感や喪失感の緩和
- 生活の質(QOL)が向上
- 認知症の予防
- 身体機能の維持 など
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
情緒の安定
音楽には鎮静効果や、気分が明るくなる活性効果が期待できます。
イライラしたり、怒っていたりするときには、落ち着く曲調の音楽を。逆に気分が落ち込んでいるときには、明るくリズミカルな音楽を聴いてもらいましょう。
感情のコントロールに効果的な音楽レクリエーション。障害者の方のメンタルケアにもおすすめです。
孤独感や喪失感の緩和
音楽は、孤独感や喪失感の緩和にも効果的です。
自分の居場所を見つけられずに、孤独感や喪失感に苛まれることはどなたでもありますよね。
障害者というだけでみんなと一緒にできないと感じることもあるでしょう。
他者とのコミュニケーションを気軽に取ることができる音楽レクリエーション。
合唱したり、リズムを身体で楽しんだり、音楽を通して一体感を感じてもらいましょう。
生活の質(QOL)の向上
音楽は、カラオケ大会など、集団でもレクリエーションを楽しめます。
好きな音楽を楽しんでもらえば、満足感が得られますよね。大きな声で歌えば、爽快感も味わえるでしょう。
楽しい時間を過ごすことは、生活の質(QOL)の向上にもつながります。音楽で充実した時間を作りましょう。
認知症の予防
高齢の障害者におすすめなのが、音楽を使った回想法です。昔を思い出すことは脳の活性化につながります。
童謡や民謡などは小さなころを、季節感のある音楽は、子どもと遊んだ記憶や家族で祝った時間などを思い出すきっかけになるかもしれません。
音楽をきっかけに高齢者の記憶を引き出しましょう。
身体機能の維持
音楽レクリエーションには、カラオケや合唱もあります。楽器を吹いてもらうのも面白いです。
高齢になると、嚥下障害が起こりやすくなりますよね。
音楽は呼吸機能や口腔機能の向上に効果が期待できます。腹式呼吸で正しい姿勢で歌うことは、抑うつにも効果的です。
介護施設などでも、人気の音楽レクリエーション。元気に過ごしてもらいたいですね。
音楽療法との違い
音楽療法は、専門の資格を持った音楽療法士が行うセラピーのひとつです。
心身の安定・機能の維持・生活の質の向上などを目的に行われます。
音楽療法士になるには、3年以上認定校に通い、学ばなければなれません。国家資格ではありませんが、学びを重視した信頼できる資格です。
音楽療法には、音楽を聞いてリラックスする受動的な方法と、演奏したり歌ったりする能動的な方法があります。
音楽レクリエーションは、音楽療法を参考に行われている場合が多いです。
音楽療法士は、教育現場や医療現場、介護施設などで活躍しています。
レクリエーションのプログラムに迷ったときは、音楽療法を参考にすると良いでしょう。
音をつかった障害者向けレクリエーション5選
ここでは、障害者向けの音楽レクリエーションを紹介します。簡単に行えるプログラムばかりです。
音楽レクリエーションは介護施設でも人気。みんなで音楽を楽しみましょう。
音楽を身体で楽しむ「リズム体操」
「リズム体操」は、体を使って、音楽を楽しめるレクリエーションです。リズムを取りやすい4拍子の曲を選ぶと良いでしょう。
身体機能の維持や認知症の予防、精神情緒の安定に効果的です。気持ちよく動いてもらえれば、安眠効果も期待できますよね。
音楽は、口腔を動かす体操にもおすすめです。
高齢になると嚥下障害なども心配されます。好きな曲を歌いながら体操を楽しんでもらいましょう。
みんなで盛り上がる「カラオケ大会」
「カラオケ大会」は、子供から高齢者まで楽しめるレクリエーションです。障害者でももちろん楽しめます。
知的障害や発達障害(自閉症など)の方は、長時間歌うことができないこともあるので、サビの部分だけを歌ってもらうなど工夫をしましょう。
もし声を出してくれなくても、楽しんでいれば大丈夫です。
また、大きな音が苦手なこともあります。耳を塞ぐ方がいれば、音を小さくして集中を促しましょう。
介護施設におすすめ「楽器演奏」
メロディーに合わせて、打楽器やハンドベルなどを鳴らすレクリエーションです。
トライアングルやカスタネットなどを使って楽しんでもらいましょう。
楽器演奏は、ストレスの解消や脳の活性化に効果が期待できます。
障害児のお子さんにもおすすめの音楽レクリエーション。楽器を演奏することでさまざまな能力を伸ばすことが期待できます。
脳トレに最適「イントロクイズ」
「イントロクイズ」は、発達障害や精神疾患の方でも楽しめるレクリエーションです。視覚障害の方にもおすすめのプログラム。
記憶を頼りに答えてもらうことは、脳の活性化に効果的です。
障害の種類によって、答え方を工夫するとみんなが楽しめます。
アーティスト名や曲名を書いてもらったり、サビを歌ってもらったりすると良いでしょう。
車椅子でも楽しめる「ダンス」
音楽を楽しむなら、ダンスレクリエーションもおすすめです。
高齢者の介護施設では、車椅子社交ダンスなども人気。BGMに合わせて、いろんなダンスを楽しんでもらいましょう。
言語障害があるお子さんなどにもおすすめのダンスレクリエーション。音楽を通していろんなことを表現してもらいたいですね。
障害者向けのダンス大会などもありますよ。
障害者向けの音楽レクを行う際のポイント
最後に、障害者向けの音楽レクリエーションを行う際の注意するポイントをチェックしましょう。
音の大きさに気をつけよう
障害によっては、聴覚過敏の症状がある方もいます。特に小さいお子さんの場合は、まだ障害がわからない場合もありますよね。
大きい音が苦手そうなお子さんがいたら、音量を調整してみましょう。また、小さな音の方が集中してもらえる場合もあります。
参加者が楽しめるよう音量にも注意を向けましょう。
曲の長さにも注意が必要
障害者のレクリエーションでは、曲の長さにも注意が必要です。一曲分流しても集中するのが難しい場合もあります。
カラオケ大会などで人が歌っているのを待っていられない場合は、先に歌ってもらったり、曲を短くしたりするのがおすすめです。
きらきら星のように短い曲もあります。伴奏をするなら、曲をアレンジしてみるのも面白いでしょう。
音はシンプルに
音楽レクリエーションを行う場合は、ピアノで伴奏をすることも多いですよね。
障害者向けのレクリエーションでは、メロディーだけ弾いたり、和音を省略したりして、音をシンプルにして演奏すると良いでしょう。
音がシンプルなら、聞き取りやすく集中力も上がります。プログラムや参加者に合わせて工夫したいですね。
記事まとめ
音楽レクリエーションは、障害者向けの介護施設などでも人気です。
さまざまな可能性がある音楽レクリエーション。子供の成長や高齢者の認知予防などにもおすすめです。
音量を調整したり、楽しみ方を工夫したりしてみんなに楽しんでもらいましょう。
みんなの好きな曲をチョイスすれば、盛り上がりますよ。