本宮山(ほんぐうさん)は東三河地区で最も標高が高く、「三河富士」という呼び名で親しまれる人気の山です。
この記事では、本宮山の概要と、初心者におすすめの登山コース、また登山初心者が揃えておくべき関連装備などをご紹介。
本宮山周辺の観光情報もまとめているので、愛知県内で登山をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
本宮山(ほんぐうさん)とは?初心者に人気の愛知名山
本宮山は愛知県の東三河を代表する標高789mの霊山で、山頂には砥鹿(とが)神社の奥宮が鎮座しています。
山のふもとにある里宮とともに、「三河国一宮」として古くから地元の人たちの信仰を集めてきました。
奥宮の歴史は定かになっていないものの、山頂で出土した勾玉や祭祀の跡から、本宮山への山岳崇拝などに起源があると考えられています。
また平安時代に編纂された歴史書の中で砥鹿神社に関する記述があることから、本宮山山頂の奥宮は古代から存在しているという説もあるそうです。
初心者におすすめの登山コース紹介
本宮山の初心者向け登山ルートとして「表参道ルート」と「くらがり渓谷ルート」の2種類があります。
表参道ルートは初心者~中級者、くらがり渓谷ルートは初心者向けのゆるやかな登山道となっているので、レベルに合わせてコースを選ぶようにしましょう。
それぞれの登山コースやおおよその歩行時間などは以下の通りです。
初心者向けコース①表参道ルート(豊川市)
表参道ルートは本宮山の南側(豊川市)にあるウォーキングセンターを起点として登るルートで、こちらが一般的な登山コースとなります。
スタート地点となるウォーキングセンターには駐車場があり、40台分のスペースが用意されているので車でアクセスする方はこちらを活用しましょう。
登山コース・時間目安
表参道ルートの登山コースと主な休憩ポイントは以下の通り。
- 行き:上長山ウォーキングセンター → 本宮山登山口 → お清水舎 → 砥鹿神社奥宮 → 本宮山山頂
- 帰り:本宮山山頂 → 砥鹿神社奥宮 → お清水舎 → 本宮山登山口 → 上長山ウォーキングセンター
本宮山登山口とお清水舎の中間地点に東屋も設置されているので、登山初心者の方はこちらでも休憩をとると登りやすいかもしれません。
表参道ルートの歩行距離は往復で約9km、歩行時間の目安は2時間30分~4時間ほどです。
登山コースの特徴
本宮山の登山口は砥鹿神社の入口(鳥居)と共通になっています。
登山開始からしばらくは遊歩道のような道が続いており、初心者の方にも歩きやすいコースです。
緩やかな道を抜けると、登山道と林道の合流地点があり、好きなルートを選択することができます。
その後は急な階段や岩場が連続しますが、危険な箇所などは特にないため、初心者の方でもチャレンジ可能です。
また道中には「馬背岩」や「蛙岩」、「梯子岩」といったスポットがあるので、休憩がてらチェックしてみてください。
砥鹿神社奥宮から本宮山山頂までは15分ほどで到着できます。
山頂からは三河湾を一望できる他、気象条件がそろえば富士山を見ることもできます。
初心者向けコース①くらがり渓谷から登るルート(岡崎市)
くらがり渓谷ルートは本宮山の北側(岡崎市)にあるくらがり渓谷を経由して登るルートです。
歩行距離は表参道ルートより長くなるものの、舗装された道が多く道幅も広いため、散策のような形でゆとりのある登山を楽しみたい初心者の方におすすめです。
登山コース・時間目安
くらがり渓谷ルートの登山コースと主な休憩ポイントは以下の通り。
- 行き:くらがり渓谷登山口 → 一善飯休憩所 → 馬の背平 →本宮山山頂
- 帰り:本宮山山頂 → 砥鹿神社奥宮(任意) → 馬の背平 → 一善飯休憩所 → くらがり渓谷登山口
こちらは沢沿いのコースになるため、表参道ルートと比べて眺望はありませんが、高低差が少なく歩きやすい初心者向けの山道となっています。
くらがり渓谷ルートの歩行距離は往復で約13km、歩行時間の目安は3時間~5時間ほとです。
登山コースの特徴
北側の登山口はくらがり渓谷の入口と共通になっています。
道中にはキャンプ場があり、バンガローや釣り堀、山荘を横目にハイキングコースを進んでいきます。
基本的には舗装された林道の一本道が続くため、途中で迷ったり危険な道を登ったりすることがなく初心者でも安心。
くらがり渓谷を抜けると、「馬の背平」という分岐点があり、林道もしくは尾根道を選択することができます。
尾根道の方はやや急坂ですが、道自体はある程度の舗装がされているため、近道で進みたい方はこちらがおすすめです。
時間や体力に余裕のある方は、帰路につく際に少し大回りをして砥鹿神社奥宮を参拝してみても良いでしょう。
本宮山の見どころ・周辺の観光スポット
本宮山の初心者向け登山ルート沿いには、目印としても使える見どころポイントがいくつかあります。
本宮山周辺の観光スポットと合わせてチェックしておきましょう。
山頂の”奥宮大鳥居”や”山姥の足跡”など!本宮山の見どころ
第1~第4鳥居 | 砥鹿神社の里宮から奥宮までの 道中に立ち並ぶ鳥居。 銅製の珍しい鳥居もあります。 |
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奥宮大鳥居 | 奥宮から山頂に続く道にある大鳥居。 |
山姥の足跡 | 39丁目付近の岩にあるくぼみ。 足を入れると疲れが取れるといわれています。 |
一等三角点 | 軽度・緯度・標高の基準となる ポイントの目印。 |
くらがり八景 | くらがり渓谷ルート沿いにある 見どころポイント。 余裕があれば見てみてください。 |
キャンプや温泉も楽しめる!本宮山周辺の観光スポット
くらがり渓谷キャンプ場
バンガローやコテージでの宿泊・日帰りBBQ・マス釣り・マスつかみなどを楽しめるキャンプ場です。
くらがり渓谷ルート沿いにあるので、キャンプと本宮山登山をセットで楽しみたい方におすすめとなっています。
所在地 | 〒444-3601 岡崎市石原町字牧原日影2-2 |
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料金 | コテージ:15,000円~/日帰りBBQ:500円~ |
電話番号 | 0564-83-2057(くらがりキャンプセンター) |
詳細 | https://okazaki-kanko.jp/mizutomidori/kuragari/ |
日帰り天然温泉 本宮の湯
表参道ルートの登山口から徒歩5分のところにある天然温泉施設です。
東三河の平野を一望できる高台に建ち、食事やお土産コーナーなどもあるので登山後の利用がおすすめです。
所在地 | 〒441-1202 愛知県豊川市上長山町本宮下1番地1685 |
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料金 | 入浴:大人620円/小人310円 |
電話番号 | 0533-92-1880 |
詳細 | https://www.honguu-no-yu.com/ |
登山には何を持っていくべき?チェックしておきたい装備
本宮山は登山初心者の方でも比較的登りやすい山ですが、道中には急坂や岩場なども多いため、しっかりと登山の装備・服装を整えて臨むことが大切です。
登山の際に推奨される服装は以下の通り。
レインウェア | 万が一の雨に備え、防水性・透湿性の高いレインウェアを用意しておきましょう。 |
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アウター | 防寒具。レインウェアを代わりに着用してもOKです。 |
ミドルレイヤー | 体温調節用の着脱可能な服です。フリースなどがおすすめ。 |
ベースレイヤー | 汗を吸収・乾燥しやすい肌着を選ぶと快適です。 |
パンツ | ストレッチ素材の乾きやすいタイプが便利。山道を歩くので長ズボンを選びましょう。 |
靴下 | 乾きやすい素材を選ぶと疲れにくいです。 |
靴 | 舗装されていない道を歩く場合もあるため、登山用の靴を着用しましょう。防水性のあるものだと◎ |
リュック | 日帰り登山の場合は、10~25Lほどのリュックがおすすめです。 |
また登山初心者の方が揃えておきたい装備として、以下のようなものが挙げられます。
水分 | 飲み水としてはもちろん、ケガをしたときの洗浄や、簡単な調理のときにも活用できます。 |
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携帯電話・ バッテリー |
万が一の通信手段として必要です。GPS・地図アプリなどを事前に入れておくと便利。 |
ヘッドライト | 早朝の登山など、暗い道を歩くときに必須のアイテムです。 |
非常食 | 火を使わなくて良いもので、カロリーや栄養価のある食品を選ぶようにしましょう。 |
ゴミ袋 | 山道にゴミを捨てるのは厳禁です。自分のゴミは自分で持ち帰りましょう。 |
本宮山へのアクセス情報
本宮山の所在地・アクセス方法は以下の通りです。
所在地 | 〒441-1202 愛知県豊川市上長山町本宮下 |
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アクセス (ウォーキング センター) |
JR飯田線「長山」駅より徒歩20分/ 東名高速道路「豊川I.C.」より約20分 |
アクセス (くらがり渓谷駐車場) |
名鉄「本宿」駅から名鉄バス「くらがり渓谷」行き終点より徒歩すぐ/ 新東名高速道路「岡崎東I.C.」より約20分 |
表参道ルート側は、ウォーキングセンターの他、登山口駐車場(3か所)・手取山公園駐車場を利用できます。
本宮の湯の駐車場も利用できますが、土日・祝日については登山のみの利用が不可となっているので、駐車する場合は温泉施設も利用するようにしましょう。
またくらがり渓谷ルート側は、くらがり渓谷の駐車場(第一・第二)を利用することができます。
まとめ
本宮山は登山道と別にゆるやかな林道が設けられており、初心者の方でも安心して登れる人気の山です。
ただし、登山道を利用する場合は急坂や岩場などがあるため、初心者向けのルートであってもきちんと装備・服装を整えて臨みましょう。
また下山後は、本宮山のすぐ近くにある温泉「本宮の湯」もぜひ利用してみてください。