横浜市には、ボランティア活動をする方などが対象となる市民活動保険という保険があります。
個人や団体が事前に横浜市へ登録手続きをする必要はなく、万が一のことが起こった際に書面で報告するだけで保険金を受け取れるため便利です。
しかし、横浜市の市民活動保険の補償だけでは足りない事態も起こりうるでしょう。
こうした事態に備えて加入を検討しておきたいのが、民間の保険会社が販売するレクリエーション保険です。
本記事では、横浜市の市民活動保険の特徴や補償内容に触れながら、民間のレクリエーション保険の必要性などを見ていきます。
横浜市で行事・イベントの開催を考えている方、ボランティア活動のための補償を得るために加入した方が良い保険を探している方は必見の内容です。
横浜市市民活動保険とは?事前手続きなしで補償されるって本当?
横浜市ではボランティア活動をする方向けに、市民活動保険という保険が用意されています。
保険料は横浜市が負担しているため、ボランティア活動をする方があらかじめ保険を契約したり、登録したりする必要はありません。
ボランティア活動中に万が一、事故が発生した場合に活動内容や事故の状況などを横浜市に書面(事故報告書)で報告することで保険金が支払われる仕組みとなっています。
ここでは横浜市の市民活動保険の補償内容や補償対象を確認しましょう。
出典:横浜市 市民活動保険
傷害事故と損害賠償責任事故の2種類の事故が補償対象
横浜市の市民活動保険では、傷害事故と損害賠償責任事故の2つが補償されます。
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
横浜市の市民活動保険の補償1:傷害事故
傷害事故とは、ボランティア活動中に起きた急激で偶然な外来事故のことを指します。
この傷害事故によってボランティアの活動者が死亡もしくは負傷した場合、横浜市の市民活動保険が適用される仕組みです。
横浜市の市民活動保険における傷害事故の補償内容は下表のとおりです。
区分 | 保険金額 | 内容 |
---|---|---|
死亡 | 1名あたり500万円 | 事故の日から180日以内に死亡した場合に保険金が支払われる |
後遺障害 | 1名あたり20~500万円 | 事故の日から180日以内に後遺障害が生じた場合に保険金が支払われる |
入院 | 1日あたり3,500円 | 事故の日から180日以内に入院した場合に保険金が支払われる |
通院 | 1日あたり2,500円 | 事故の日から180日以内に通院した場合に保険金が支払われる |
手術 | 入院を伴う手術:35,000円 外来の手術17,500円 | 入院保険金が支払われていて、事故の日から180日以内に傷害を治療するための手術を受けた場合に保険金が支払われる |
横浜市の市民活動保険の補償2:賠償責任事故
横浜市の市民活動保険ではボランティアの活動者の過失で他人に傷害を与えたり、他人のものを壊したりした際(賠償責任事故)に損害賠償を請求され、法律上の賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。
横浜市の市民活動保険における賠償責任保険の補償内容は下表のとおりです。
区分 | 保険金額 | 自己負担額 | 内容 |
---|---|---|---|
身体賠償 | 1名あたり1億円 1事故につき5億円 | 5,000円 | 他人の体に損害を与えた場合に保険金が支払われる |
財物賠償 | 1事故につき500万円 | 5,000円 | 他人の財物に損害を与えた場合に保険金が支払われる |
保管物賠償 | 1事故につき500万円 | 5,000円 | 他人が管理しているもの、預かっているものを滅失・汚損・き損などで被害を与えた場合に保険金が支払われる |
対象となるボランティア活動・活動者
横浜市の市民活動保険の補償が適用されるためには、ボランティア活動の内容や活動者が所定の要件を満たしている必要があります。
補償対象となるボランティア活動
- 自主的に構成されたグループや個人、地域住民組織である自治会町内会が行っている活動
- 無報酬の活動(交通費などの実費の支給は可)
- 継続的、計画的に行っている活動
- 公益性のある活動
上記4つの要件はすべて満たしている必要があるため注意しましょう。
補償対象となる方
横浜市内でボランティア活動(自主的に行う公益性のある奉仕活動)を行っている方
なお、準備活動や活動場所への往復経路も市民活動保険の対象範囲内となります。
熱中症や食中毒は対象外
気温が高い時期にボランティア活動を行う場合、熱中症や食中毒になる危険性もあります。
ただし、横浜市の市民活動保険ではボランティア活動によって熱中症や食中毒を発症しても、補償対象外となるため注意が必要です。
ボランティア活動で熱中症や食中毒にならないためにも、こまめに水分を補給したり、生ものをはじめとする食品の取り扱い・保管に配慮したりなどの工夫をしましょう。
「万が一、ボランティア活動で熱中症・食中毒になった場合に備えたい」と考えている方は、横浜市の市民活動保険の補償に頼るのではなく、民間の保険会社が販売しているレクリエーション保険などへの加入を検討することをおすすめします。
民間のレクリエーション保険の場合も横浜市が保険料を負担してくれる?
前述のとおり、民間の保険会社が販売するレクリエーション保険に加入することで、ボランティア活動における万が一の事態に対応する方法もあります。
ただし、この場合にかかる保険料は横浜市の負担ではなく、契約者自らが支払わなくてはいけません。
このため、民間の保険会社が販売するレクリエーション保険に加入する際は、補償内容や保険料などの情報をよく確認し、他社とよく比較検討することが大切です。
出典:横浜市 他の保険のご紹介
民間保険会社のレクリエーション保険がおすすめのケース
では、どのような場合に横浜市の市民活動保険ではなく、民間の保険会社が販売するレクリエーション保険への加入を検討した方が良いのでしょうか。
これにはいろいろな考え方がありますが、横浜市の市民活動保険の対象外となるボランティア活動を行う場合は、民間のレクリエーション保険に加入しておいた方が安心して活動に集中できるでしょう。
横浜市の市民活動保険の補償が適用されないボランティア活動の例としては、次のようなものがあります。
補償適用外
- 勤務中の活動・職業に従事しているときの活動
- 委任契約に基づいた活動
- 非常勤特別職の地方公務員としての活動
- 労働の対価(謝金や手当など)が支給される活動
- 一時的・突発的な善意による行為
- 親睦を目的としたサークル活動
- 互助的な活動
- 特定の団体・個人の利益のために行われる活動
- 政治や営利、宗教に関わる活動
- チェーンソーを使用する森林のボランティア活動
※チェーンソーを使用する森林のボランティア活動では、賠償責任事故であれば補償対象となります。
上記のような活動の実施を考えている場合は、横浜市の保険だけでなく、民間の保険会社が販売するレクリエーション保険への加入を検討してみてください。
おすすめ情報:民間保険会社のレクリエーション保険3選をご案内
では、民間の保険会社が販売するレクリエーション保険にはどのような商品があるでしょうか。
ここでは特におすすめのレクリエーション保険を3つ紹介します。
あいおいニッセイ同和損保のレクリエーション保険
あいおいニッセイ同和損保では「レクリェーション傷害保険」というレクリエーション保険を販売しています。
特約をセットで契約することで、横浜市の市民活動保険では補償されなかった熱中症・食中毒による傷害にも対応することが可能です。
また、インターネットから簡単に手続きできる「ネットで簡単!レクリエーション傷害保険」も別途販売されているので、あわせて検討してみましょう。
東京海上日動のレクリエーション保険
東京海上日動では「レクリェーション災害補償プラン」というレクリエーション保険を販売しています。
このレクリエーション保険は傷害保険と施設賠償責任責任保険がセットになっています。
損保ジャパンのレクリエーション保険
損保ジャパンでは「レクリエーション補償プラン」というレクリエーション保険を販売しています。
熱中症危険補償特約を付帯することで、熱中症による傷害も補償できます。
もっとさまざまなレクリエーション保険を比較検討したいという方は、以下のページにアクセスしてあわせてご覧ください。
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まとめ
横浜市には事前手続き不要で補償される市民活動保険という保険が存在しますが、熱中症や食中毒による傷害や職務に伴う活動などが補償対象外となります。
より幅広い保障を求めるのであれば、民間の保険会社が販売するレクリエーション保険への加入を検討してみましょう。