会社などの団体で行事・イベントを開催する際は、あらかじめレクリエーション保険に加入しておくと万が一の事態が起きた場合にしっかり対応できます。
しかし、一度もレクリエーション保険に加入したことがなければ、どのような保険なのか、なぜ必要なのか分からずに困ってしまうケースもあるでしょう。
そこで本記事では、レクリエーション保険への加入を考えている会社向けに保険の特徴や必要性を解説します。
加入する保険の選び方もあわせて見ていくので、ぜひ役立ててください。
レクリエーション保険の特徴
そもそもレクリエーション保険とは、比較的小さな規模の行事・イベントを対象にした傷害保険です。
参加者が行事・イベントの起因する事故でケガを負った場合に、下表のような補償が適用されます。
保険金の種類 | 内容 |
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死亡保険金 | 行事・イベントの参加者が事故などで亡くなった場合に支払われる保険金。 |
後遺障害保険金 | 行事・イベントの参加者が事故などのケガで後遺症が残った場合に支払われる保険金。死亡保険金の一部、もしくは全額が支払われる。 |
入院保険金 | 行事・イベントの参加者が事故などのケガで入院した場合に支払われる保険金。入院日数に応じて金額が決まることが多い。 |
手術保険金 | 行事・イベントの参加者が事故などのケガで手術した場合に支払われる保険金。入院保険金日額の10倍に設定されていることが多い。 |
通院保険金 | 行事・イベントの参加者が事故などのケガで通院した場合に支払われる保険金。通院日数に応じて金額が決まることが多い。 |
上記は傷害保険の補償内容ですが、レクリエーション保険のなかには賠償責任保険の補償内容も組み込まれているものがあります。
この場合の補償内容は下表のとおりです。
損害賠償金 | 第三者をケガ・死亡させたり、ものを壊したりした際の損害を補償するためのお金。 |
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緊急措置費用 | 行事・イベント中に発生した事故の緊急的な措置で必要になるお金。 |
争訟費用 | 示談交渉、裁判で必要になるお金。 |
損害防止軽減費用 | 損害の拡大を防いだり、軽減したりする際に必要なお金。 |
協力費用 | 保険会社と第三者が交渉するために必要なお金。 |
なお、レクリエーション保険に加入するためには、販売する保険会社が取り決めた加入条件を満たす必要があります。
具体的な内容は保険会社によって異なりますが、参加者の人数が決められていることが一般的です。
多くの場合、1日あたりの参加者が20名以上いればレクリエーション保険に加入できます。
ただし、なかには参加者が10名でも加入できたり、40名以上いなければ加入できなかったりするレクリエーション保険も存在するため保険会社の公式サイトやパンフレットなどで前もって確認しておきましょう。
会社行事・社内イベント開催時にレクリエーション保険加入をおすすめする3つの理由
会社のメンバーで行事・イベントを開催する際、レクリエーション保険に加入した方が良いとされるのはなぜでしょうか。
ここでは、レクリエーション保険に加入すべき理由を3つ紹介します。
会社行事・社内イベントは労災が認められない
行事・イベントを開催している企業は多くありますが、社内イベントの場合、労災が認められないため注意が必要です。
労災とは労働災害のことで、従業員やアルバイトを含む労働者が労務に従事している間に負った傷害・疾病・死亡などが該当します。
労災として認められた場合、事業主が加入している労災保険が適用されます。
しかし、会社で開催する行事・イベントは労務に従事しているとみなされないため、労災が認められません。
したがって、もし行事・イベントの開催期間中に参加者が傷害を負った場合でも労災保険が下りることはありません。
会社として事前にレクリエーション保険に加入しておくことで、行事・イベント中に万が一の事態が発生してもしっかり保障されるため安心です。
1契約で参加者全員が補償される
レクリエーション保険以外にも、会社のメンバーで開催する行事・イベント中の傷害を補償する保険としてレジャー保険などが存在します。
しかし、レジャー保険の場合、行事・イベントに参加する人が個人で加入しなければいけません。
レクリエーション保険の場合は、会社で開催する行事・イベントの代表者1人が契約すれば参加者全員が補償される仕組みになっています。
このため、参加者が個別に保険会社と契約を結ぶ必要がありません。
特約の付帯で保障を手厚くできる
レクリエーション保険のなかには特約を付帯することで、補償の幅を広げられるものがあります。
たとえば、行事・イベントが起因する熱中症・食中毒による傷害を補償する特約などが一般的です。
会社で開催する行事・イベントの内容にあわせて特約の利用を検討できるのは、レクリエーション保険のポイントといえるでしょう。
ただし、基本補償に特約を付帯するとその分、保険料は上がってしまう点に注意が必要です。
あれこれと特約をつけるのではなく、起こりうるリスクを踏まえて客観的に判断するようにしましょう。
【会社向け】選び方のポイントを解説
ここまでレクリエーション保険の特長について紹介してきましたが、加入の際はいくつかの保険を比較検討する必要があります。
ここではその際に役立つ選び方のポイントを4つ解説します。
選び方1:加入条件
先に少し触れましたが、レクリエーション保険は加入条件が設定されています。
多くの場合、参加者の人数が加入条件となっているのであらかじめ確認しておきましょう。
選び方2:補償内容
レクリエーション保険は基本的に傷害保険の補償内容をカバーしているものが多いですが、なかには賠償責任保険の範囲にも対応しているものも販売されています。
会社で開催する行事・イベントの内容をもとに、自分たちに必要な保障内容が備わったレクリエーション保険を選びましょう。
選び方3:申込方法
申込方法にも目を向けましょう。ネットから申込めて即日補償が適用されるものもあれば、数日前に書類を記入して申込まなければいけないものもあります。
会社で行事・イベントを開催する際は参加者の人数が多くなることが予想されるので、前もって手続きを進めておくことをおすすめします。
選び方4:保険料の支払方法
保険料の支払方法は現金のみのばあいもあれば、口座振替に対応している場合もあります。
また、クレジットカードなどのキャッシュレス払いに対応しているケースもあるので、加入前に確認しておきましょう。
会社で加入する際は面倒な集金作業を省けるキャッシュレス払いに対応したレクリエーション保険を探すといいかもしれません。
記事まとめ
会社などの団体で行事・イベントを開催すると労災が認められないため、万が一のことを考えるならレクリエーション保険に加入しておくと安心です。
レクリエーション保険は補償内容や保険料、加入条件などは保険会社によって異なるので、加入前によく比較検討しましょう。
今回紹介した選び方のポイントをぜひ参考にしてください。