レクリエーション保険のこと

熱中症もレクリエーション保険の補償対象?夏季イベントの前に保障内容を確認

夏場に備える!熱中症の補償もあるレクリエーション保険とは

暑い時期に運動会や野球大会、祭り、団体でのレジャー・レクリエーションを主催する場合は、参加者が熱中症になる危険性について考える必要があります。

行事・イベントが原因で参加者が熱中症により入院などすると損害賠償を請求されるケースもあるので注意しなければいけません。

行事・イベント、レジャーなどを主催する場合はレクリエーション保険に加入するのが一般的ですが、この保険で熱中症の補償が得られるのでしょうか。

今回は、レクリエーション保険の基本情報と熱中症に対する補償について、詳しく解説します熱中症の危険性だけでなく、実際に販売されているレクリエーション保険もいくつか紹介します。

この記事は、次のような人におすすめの内容です。

  • レクリエーション保険の補償内容が気になる人
  • 熱中症の恐れがあるイベント・スポーツ大会の開催を考えている人
  • 行事・イベント時に参加者が熱中症になる危険性が気になる人

レクリエーション保険は熱中症も補償対象になる

結論から言うと、レクリエーション保険に加入すれば参加者が熱中症になった場合の通院や入院にかかる費用も補償の対象になります

ただし、すべてのレクリエーション保険がスポーツ大会やイベント開催時の熱中症の補償に対応しているわけではありません。熱中症も補償対象とするには、特約を付帯する必要があります。

レクリエーション保険の基本補償は1つ

レクリエーション保険の基本補償は、団体でスポーツ大会などの活動中に発生した事故による傷害やケガの補償のみとなっています。特約として「賠償責任補償」を付けてより安心できる補償範囲の広いレクリエーション保険に加入するのも人気です。

レクリエーション保険の補償の概要をまとめると、次の表の通りです。

保険・補償の名前概要
傷害保険行事・イベントの参加者のケガや死亡に対する補償(手術給付金や通院保険金など)を得られる。行事・イベントの会場に集合してから解散するまでの期間に補償が適用される。
賠償責任補償(特約)行事・イベントを見に来た見学者のケガや、死亡に対する補償が得られる。基本補償に特約として付帯するのが一般的。法律上の賠償責任を問われた場合に保険金が支払われる

スポーツ・レジャー中の熱中症の補償を得るには特約が必要

レクリエーション保険で参加者が熱中症になった場合の補償を得るためには、基本補償に特約を付ける必要があります。

ただし、熱中症の特約を付帯すると、通常のレクリエーション保険の契約よりも保険料が高くなります。行事・イベントの費用に関わってくるので、保険料の負担額や万が一の費用総額も含めてレクリエーション保険に熱中症の特約を付けるかを考えましょう。

特約を付帯するメリットとデメリット

レクリエーション保険に熱中症の特約を付帯すると、どのようなメリット・デメリットがあるのかを簡単にまとめたのでチェックしておきましょう。

レクリエーション保険に特約を付けるメリット

  • 安心してイベントを開催できる
  • 参加者が熱中症で入院等しても保険金で対応できる

レクリエーション保険に特約を付けるデメリット

  • 補償を手厚くする分、保険料の金額が高くなる
  • 損保会社ごとに特約の内容を確認して比較する手間がかかる

レクリエーション保険に加入して熱中症に対する補償を手に入れるためには、通常の保険料よりも多い金額を支払う必要があります。

特約を付帯すると一時的に負担がかかりますが、いざというときの備えとしてレクリエーション保険に熱中症補償を付けることを検討しておくことをおすすめします。

熱中症の危険性とは?

レクリエーション保険に熱中症の補償を付けるためには特約を契約しなければいけませんが、そもそも熱中症で入院したり、手術したりする可能性はどれくらいあるのでしょうか。

この章では、熱中症の危険性について解説します。

熱中症は重症化すると命にかかわる

熱中症とは、体温の調節機能が乱れて身体に熱がこもってしまったり、大量の発汗によって水分・塩分不足に陥ったりする症状のことです。

症状は軽症であれば、めまいやたちくらみ、筋肉の硬直が見られます。重症化すると、嘔吐や吐き気、虚脱感だけでなく、意識障害やけいれんなども引き起こします。

環境省が作成した「夏季のイベントにおける熱中症対策ガイド」によると、熱中症によって搬送される人数は2010年以降増加しています。近年、熱中症が原因で病院に搬送された人数は次の表の通りです。

熱中症の搬送者数備考
2019年約9万5,000人過去2番目
2018年約7万1,000人過去最多

環境省 熱中症予防情報サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/gline/heatillness_guideline_1-2.pdf

熱中症になる人が増加していることで、学校やメディアなどで症状や予防方法について知る機会が増えつつあります。

しかし、2018年、2019年に熱中症で搬送された人数を見ると、暑い時期に行事・イベントを実施する場合は十分な対策をした上でレクリエーション保険の補償が必要だと言えるでしょう。

行事・イベント開催時にできる熱中症対策

では、行事・イベントを主催する場合は、具体的にどのような熱中症対策を取ればいいのでしょうか。

先に紹介した環境省のガイドを元に、行事・イベントの主催者ができる熱中症対策をいくつか紹介します。

暑い場所に参加者を待機させない

参加者に開場時間まで待機してもらう場合は、できるだけ涼しい場所や施設を用意しましょう。テントを張ったり、周辺施設に協力を仰いだりするなどの工夫が必要です。

また、整理券を配布したり、指定席制にしたりして、行事・イベントの参加者にできるだけ待たせないようにすることも大切です。

入場時のゲートをできるだけ広くする

行事・イベントの開催場所にゲートなどを設置する場合は、できるだけ広い空間を取りましょう。

こうすることで、混雑が緩和されて開場の気温が上昇するのを防げます。ゲートの数を増やすのもおすすめです。

トイレを多く設置する

行事・イベントの参加者に対して十分な数のトイレを設置しましょう。

混雑が緩和されるだけでなく、熱中症になりかけている人が着替えたり、休んだりする場所としてもトイレを提供できます。

熱中症の補償があるレクリエーション保険の例

最後に、実際に損保会社で販売されているレクリエーション保険の中から、熱中症に対する補償を付けられる商品をいくつか紹介します。

損保ジャパン日本興亜:レクリエーション補償プラン(行事参加者の傷害危険補償特約セット)

損保ジャパン日本興亜で販売されている「レクリエーション補償プラン」は、熱中症による入院や手術などの補償できる熱中症危険補償特約がセットになっています。

契約方式は2種類あり、スポーツ行事などを開催する都度、保険に加入する「個別契約方式」と年間で加入する「年間包括契約方式」のいずれかを選択できます。

団体の人数によっては、保険料の割引が可能な点は行事・イベントの主催者にとってありがたいポイントでしょう。

損保ジャパン日本興亜のレクリエーション保険の保険料と保険金額の例を、一覧として下表にまとめました。

区分レクリエーション・スポーツの種類保険料保険金額(団体割引なし)
料理教室、日帰り遠足、海水浴、ヨガなど30円死亡・後遺障害:455万円 / 入院日額:4,000円 / 通院日額:2,000円
B運動会、日帰りキャンプ、防災・避難訓練など150円死亡・後遺障害:460万円 / 入院日額:4,000円 / 通院日額:2,000円
C硬式野球、サッカー、ラグビーなど300円死亡・後遺障害:457万円 / 入院日額:4,000円 / 通院日額:2,000円

損保ジャパン日本興亜 レクリエーション保険パンフレット
https://www.gia-agency.jp/images/stories/pdf/レクリエーション保険.pdf

※保険料・保険金額:1日1人あたり

※上表に記載がないゴーカートやよさこいなどのイベントも事前相談によって補償可能なケースもある

なお、同じ保険商品でも加入時期や行事・イベントの内容によっては、上表の保険料・保険金額にならないケースもあります。損保ジャパンでレクリエーション保険に加入する場合は、あらかじめインターネットやパンフレットなどで概要を確認・比較することをおすすめします。

あいおいニッセイ同和損保:レクリェーション損害保険

あいおいニッセイ同和損保で販売されている「レクリェーション損害保険」にも、熱中症危険補償特約を付帯できます。

補償対象になる運動や保険金額の例は、損保ジャパン日本興亜のレクリエーション保険で詳しく説明したのでここでは省略します。

あいおいニッセイ同和損保の保険商品は、行事・イベントの参加者が負ったケガや死亡の際に補償が適用されます。ただし、治療が行われない通院などは保険金が支払われないので注意が必要です。

なお、保険料の払込方法は一括払いに限られます。

あいおいニッセイ同和損保 レクリエーション傷害保険パンフレット
http://www.hyogo-gojo-s.co.jp/pdf/pamph_rec.pdf

まとめ

夏季に行事・イベントを主催する場合は、参加者の熱中症に対する補償の有無が重要になります。

レクリエーション保険は通常、参加者のケガや死亡のみの補償ですが、特約をつけることで熱中症の補償も得られます。

今回紹介した熱中症の危険性などを踏まえて、レクリエーション保険に熱中症危険補償特約を付けるかどうか検討しましょう。

監修者のコメント

保険会社が提供する保険の内容は、時代の変化やニーズに対応して変わっていきます。以前は存在しなかった熱中症への補償も、ほとんどの保険会社が提供しており当たり前になってきました。
今のところ、提供されていませんが、そのうちレクリエーションにおける新型コロナに対応する保険が開発されるかもしれませんね。

監修者

当記事の監修者:遠山直孝

  • 保険コンプライアンス・オフィサー2級
  • ファイナンシャルプランナー(AFP)
  • 損保大学(法律・税務)

国立大学卒業後、大手保険会社に27年勤務し、現在は損害保険代理店に所属。営業、企画部門での多彩な経験から、法律・税務を踏まえた実用的な保険の活用に精通しており、日々情報を発信しています。

※損保大学とは、損害保険の募集に関する知識・業務を向上させるために日本損害保険協会が立ち上げた制度。当監修者は「法律・税務」などの知識を深める専門コースを修めています。

-レクリエーション保険のこと