地域の子ども会の行事で、みこし担ぎやスポーツ大会などを開催されることも多いでしょう。
子どもが多く参加するとなると、気になるのはケガのリスクではないでしょうか。楽しいイベントにするには、やはり安心・安全に配慮する必要があります。
そんなときに便利に活用できるのが、レクリエーション保険です。
割安な保険料と手軽な加入方法で様々な世代の方に利用されているレクリエーション保険は、子ども会で開催されるイベントにも向いています。
今回は、子ども会でイベントや季節の行事を開催する予定の方に向けて、レクリエーション保険の補償内容や加入時の注意点を解説します。
レクリエーション保険の契約対象になるイベント・行事
レクリエーション保険は、行事やイベントの最中に発生した偶発的な事故によるケガについて、治療費などを保険金という形で補償してくれる傷害保険です。
団体がイベント・行事に参加する際に加入できるもので、主催者が参加者全員をまとめて保険に加入します。
行事1回ごとに契約することも可能ですが、年間の行事計画がある程度わかっていれば年間契約をすることもできます。
保険料は補償内容(死亡保険金や通院・入院保険金の金額など)によって異なりますが、1人当たりおおよそ30円~500円程度の範囲が一般的。
非常にリーズナブルな料金で加入でき、加入も主催者が代表して行うだけですむので、子ども会でちょっとしたイベントを行う際にはぴったりでしょう。
契約できるイベント・できないイベント
レクリエーション保険では、契約の対象となるイベントが決まっています。
あまりにケガをするリスクの高いレジャーなどは契約できませんが、子ども会で行うようなイベント・行事であれば、たいていのものは契約することが可能です。
レクリエーション保険に契約することができるイベント・行事は、主に下記のようなものが挙げられます。
契約できる行事・イベント
- いちご狩り、潮干狩り、ハイキング、ラジオ体操、天体観測、キャンプなど
- 各種スポーツ(サッカー、野球、バレーボール、卓球、テニス、マラソン大会など)
- お祭りごと・季節の行事(みこし担ぎ、夏祭り、盆踊り、クリスマス会、餅つき、お花見など)
- 避難訓練や防災訓練、町内清掃 など
上記に挙げた内容以外でも契約できるイベント・行事は数多くあります。
もし開催する行事がレクリエーション保険の契約対象になるかわからない場合には、レクリエーション保険を扱う保険会社や保険代理店に問い合わせてみて下さい。
なお、レクリエーション保険の契約対象にならないものは、主に下記のようなものです。
子ども会では行うことがほとんどないとは思いますが、念の為に確認しておきましょう。
契約できない行事・イベント
ロッククライミング、スカイダイビング、ハンググライダー、ピッケルを使うような山岳登はん、バンジージャンプなど
加入前に知っておきたいレクリエーション保険の注意点
簡単に加入でき、保険料も安いレクリエーション保険ですが、契約する際には注意点もあります。
ここでは、レクリエーション保険加入時の注意点を紹介していきます。
契約できる団体の最低人数に制限がある
レクリエーション保険は、契約できる団体の最低人数に制限が設けられています。
ほとんどの保険会社では20名以上の団体から加入を受け付けており、保険会社によっては45名以上と大人数を対象としているものもあります。
なお、JA(農協)のイベント共済(他社のレクリエーション保険と補償内容は同様)では最低人数が10名からと比較的少人数からも受け付けているので、子ども会の参加人数が少ない場合にはイベント共済の利用を検討してみてください。
宿泊のある行事は契約できない
レクリエーション保険は、「日帰りの行事」でなければ契約することができません。
子ども会のお泊り旅行などはレクリエーション保険では補償することができないので注意しましょう。
それぞれの日が日帰りで開催されていれば、2日間連続開催されるイベントなどは契約することができます。
イベント・行事開催までに名簿を用意しておく必要がある
レクリエーション保険に加入し、万が一の際に補償を受ける場合には、あらかじめ参加者名簿を作成しておく必要があります。
保険会社はその名簿を確認しながら保険金支払いの手続きを行うため、名簿がなければ保険金が支払われないということもあり得るのです。
契約時に名簿を用意しておく必要はありませんが、子ども会のイベント開催前には必ず用意しておきましょう。
ケース別!子ども会におすすめの保険プラン
ここからは、子ども会でイベント・行事を開催する際におすすめの保険商品をケース別に紹介していきます。
少人数の団体(10人~19人)の場合
おすすめの保険商品:JA(農協)のイベント共済
子ども会に参加する人数が少ない場合には、JA(農協)のイベント共済がおすすめです。
レクリエーション保険は一般的に20人以上の団体でなければ契約することができませんが、JA(農協)のイベント共済では最小10人から契約が可能です。
保障内容も、死亡・後遺障害が残った際の保障、入院・通院による治療が必要になった際の保障などが揃っており、他社のレクリエーション保険と比べても遜色ありません。
飲食する機会がある子ども会のイベント・行事の場合
おすすめの保険商品:損保ジャパンのレクリエーション補償プラン
子ども会で飲食する機会があるイベント・行事を開催する場合には、食中毒のリスクを考えなければいけません。
そのため、細菌性・ウイルス性の食中毒も補償の対象としているレクリエーション保険がおすすめです。
損保ジャパンのレクリエーション保険であれば、特約として「細菌性食中毒およびウイルス性食中毒補償特約」が用意されているため、食中毒も補償の対象となります。
夏場に行う子ども会のイベント・行事の場合
おすすめの保険商品:あいおいニッセイ同和損保のレクリェーション傷害保険
子ども会で夏場にイベント・行事を行う場合、心配なのは熱中症のリスクです。
近年では夏になると異常気象とも言われる非常に暑い日が続き、熱中症による死亡例も増えています。
屋内・屋外関係なく、熱中症のリスクには細心の注意を払っておきたいところでしょう。
多くのレクリエーション保険では熱中症は補償の対象としていないのですが、あいおいニッセイ同和損保のレクリェーション傷害保険では特約を付加することで熱中症も補償対象となります。
まとめ:子ども会の1~2週間前に加入して安全に開催しよう
今回は、子ども会のイベントにおすすめのレクリエーション保険や、加入時の注意点をご紹介しました。
改めてポイントをまとめると、以下の通りです。
この記事のポイント
- レクリエーション保険では、子ども会で開催されるようなイベントはほとんど契約可能
- 団体の最少人数の制限、宿泊を伴わないこと、名簿を用意しておくことに注意
- 子ども会のイベントに応じて、食中毒や熱中症も補償対象となる保険商品を選ぶのがおすすめ
子ども会では、大人よりも子どもの参加者数が多くなるかと思います。
子どもが多く集まる場だと、思いがけない事故や不注意でケガをしてしまうことも考えられるので、手厚くケガのリスクに備えておくと良いでしょう。
レクリエーション保険に加入する際には、加入手続きや開催日までの名簿準備などに多少時間がかかるため、子ども会のイベントを開催する1~2週間前に問い合わせをすることをおすすめします。
レクリエーション保険を活用して、安心・安全に子ども会を開催してくださいね。
監修者のコメント
レクリエーション保険は基本的に傷害(ケガ)に対する補償ですが、記載の通り、特約を追加することで、食中毒や熱中症に備えることができます。特約の保険料はそれほど高額ではありませんので、リスクがありそうでしたら必要な特約を追加することをお勧めします。
当記事の監修者:遠山直孝
- 保険コンプライアンス・オフィサー2級
- ファイナンシャルプランナー(AFP)
- 損保大学(法律・税務)※
国立大学卒業後、大手保険会社に27年勤務し、現在は損害保険代理店に所属。営業、企画部門での多彩な経験から、法律・税務を踏まえた実用的な保険の活用に精通しており、日々情報を発信しています。
※損保大学とは、損害保険の募集に関する知識・業務を向上させるために日本損害保険協会が立ち上げた制度。当監修者は「法律・税務」などの知識を深める専門コースを修めています。