団体で行事・イベントを開催すると、さまざまなリスクが出てきます。例えば、参加者がケガをしたり、行事・イベントを開催する施設が壊れてしまったりなどのリスクが考えられるでしょう。
主催者としてはこうしたリスクを把握したうえで、きちんと対応することが大切です。
そこで、団体で行事・イベントを開催する際に役立つ保険のひとつであるレクリエーション保険への加入を考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、施設賠償に対する補償を得られるのか分からず困ってしまうケースもめずらしくありません。
本記事では、レクリエーション保険の特長や施設賠償のリスクに対応する方法を紹介します。これから団体で行事・イベントの開催を検討している場合はぜひ参考にしてください。
施設賠償のリスクはレクリエーション保険でカバーできない
結論から言うと、レクリエーション保険だけでは施設賠償のリスクに対応することができません。
この章では、そもそも施設賠償とはどのような賠償を指すのか、レクリエーション保険に加入するとどのようなリスクに対応することができるのか確認しましょう。
まずは、開催を検討している行事・イベントは施設賠償を問われる可能性があるのか判断することが大切です。
施設賠償とは
所有もしくは管理している事業用の施設で、建物の欠陥や不備が原因となって行事・イベントの参加者が傷害を負ってしまった場合に求められる賠償のことです。
開催する行事・イベントの種類や開催場所によっては、多額の施設賠償が発生しまてしまうケースもめずらしくありません。
このため、団体で大きな行事や危険度の高いイベントを開催するなどの場合は、施設賠償に対応できる保険にあらかじめ加入しておくと安心です。
レクリエーション保険の基本の補償内容・補償対象
レクリエーション保険とは、団体で行事・イベントを開催する前に加入しておくことで参加者の傷害などを補償することができる保険です。
開催する行事・イベントの種類(危険度)や参加者の人数などの条件をもとに保険料が決まる仕組みとなっています。
補償内容はレクリエーション保険を販売する保険会社や契約プランによって異なりますが、ここでは基本となる補償内容を確認しましょう。
保険金の種類 | 内容 |
---|---|
死亡保険金 | 行事・イベントの参加者が事故などで亡くなった場合に支払われる保険金。 |
後遺障害保険金 | 行事・イベントの参加者が事故などのケガで後遺症が残った場合に支払われる保険金。死亡保険金の一部、もしくは全額が支払われる。 |
入院保険金 | 行事・イベントの参加者が事故などのケガで入院した場合に支払われる保険金。入院日数に応じて金額が決まることが多い。 |
手術保険金 | 行事・イベントの参加者が事故などのケガで手術した場合に支払われる保険金。入院保険金日額の10倍に設定されていることが多い。 |
通院保険金 | 行事・イベントの参加者が事故などのケガで通院した場合に支払われる保険金。通院日数に応じて金額が決まることが多い。 |
レクリエーション保険の基本補償は上表にあるとおり、死亡保険金、後遺障害保険金、入院保険金、手術保険金、通院保険金の5つです。
ただし、利用するレクリエーション保険や保険会社によっては、特約を付帯して補償の範囲を広げることもできます。
補償範囲が広がるとその分保険料が上がってしまうので、安易に特約を付けるのではなく、行事・イベントを開催することで発生しうるリスクを踏まえて慎重に検討することをおすすめします。
おすすめのレクリエーション保険は「あいおいニッセイ同和損保」
レクリエーション保険はいろいろな保険会社から販売されていますが、ここでは例としてあいおいニッセイ同和損保が取り扱っているレクリエーション保険「レクリェーション傷害保険(行事参加者の傷害危険補償特約セット傷害保険」をチェックしてみましょう。
あいおいニッセイ同和損保のレクリエーション保険は、運動会やバレーボール大会などの行事・イベントを団体で開催する際に加入できる保険で、行事・イベント中に参加者がケガを負ってしまった場合に保険会社から保険金が支払われます。
基本となる補償内容は以下のとおりです。
保険金の種類 | 補償内容 |
---|---|
死亡保険金 | 死亡・後遺傷害保険金額の全額 |
後遺障害保険金 | 死亡・後遺傷害保険金額×約款所定の保険金支払割合(4%~100%) |
入院保険金 | 入院保険金日額×入院日数 |
手術保険金 | 入院中に受けた手術:入院保険金日額×10 入院中以外で受けた手術:入院保険金日額×5 |
通院保険金 | 通院保険金日額×通院日数 |
また、あいおいニッセイ同和損保のレクリエーション保険は、基本補償に特約を付帯して補償の範囲を広げることも可能です。
公式パンフレットで紹介されているセット契約可能な主な特約は、下記のとおりです。
- 食中毒補償特約
- 熱中症危険補償特約
この他、参加者の人数によっては団体割引が適用されたり、24時間365日いつでもサポートしてくれる事故対応サービスもあったりするので気になる方はぜひ一度チェックしてみてください。
イベント保険なら施設賠償に被る損害の補償が可能
レクリエーション保険は施設賠償をカバーすることができませんが、イベント保険に加入すればしっかりカバーされます。
この章では、イベント保険の特長や施設賠償における補償内容を確認しましょう。
イベント保険の特長を解説!レクリエーション保険との違いは?
イベント保険は行事・イベントが起因する事故による傷害・損害を補償する保険です。
「レクリエーション保険と同じ補償内容では?」と思った方もいるかもしれませんが、イベント保険とレクリエーション保険は対象とする行事・イベントの規模の大きさに違いがあります。
具体的に言うと、レクリエーション保険は社内もしくは町内で開催する行事・イベントのように参加者があまり多くなく、比較的規模が小さいものを対象としています。
対して、イベント保険は開催する行事・イベントの規模が大きく、参加者が不特定多数にわたる場合を補償する保険です。
加えて、レクリエーション保険では補償できない施設賠償もしっかりサポートしてくれます。
施設賠償責任保険の補償内容
では、施設賠償責任保険に加入するとどのような補償を得られるのでしょうか。下表に施設賠償責任保険の基本となる補償内容をまとめたので確認してみましょう。
補償の種類 | 補償内容 |
---|---|
損害賠償金 | 第三者をケガ・死亡させたり、ものを壊したりした際の損害を補償するためのお金。 |
緊急措置費用 | 行事・イベント中に発生した事故の緊急的な措置で必要になるお金。 |
争訟費用 | 示談交渉、裁判で必要になるお金。 |
損害防止軽減費用 | 損害の拡大を防いだり、軽減したりする際に必要なお金。 |
協力費用 | 保険会社と第三者が交渉するために必要なお金。 |
上表の通り、レクリエーション保険と違って、イベント保険に加入すると施設賠償のリスクにしっかり対応することができると分かります。
開催する行事・イベントの大きさや考えられるリスクを踏まえて、レクリエーション保険に加入すべきか、施設賠償が得られるイベント保険を契約すべきか慎重に検討するようにしましょう。
記事まとめ
レクリエーション保険に加入すると行事・イベントの参加者が万が一傷害を負った場合に、保険会社によって補償される保険です。
しかし、施設賠償のリスクを解消することはできません。
行事・イベントの規模が大きく、参加者が不特定多数におよぶ場合はレクリェーション保険ではなく、イベント保険への加入を検討しましょう。