イベントを開催する際、主催者は参加者の安全を確保し、万が一の事故に備える必要があります。特に、事故が発生した場合の損害賠償責任は、主催者にとって大きな負担となります。
しかし、一日だけの小規模なイベントの場合でも、様々な賠償責任のリスクが潜んでいるのです。
会場設備の不備による事故、飲食物が原因の食中毒、参加者誘導の不手際など、主催者の管理責任に起因する事故は数多く考えられます。
こうしたリスクに備えるために、イベント保険への加入が重要です。
この記事では、一日から加入できるイベント保険「イベント賠償責任保険」について詳しく解説します。
一日のみ開催の場合でも、賠償責任のリスクはつきもの
イベントが一日だけの開催であっても、主催者には様々な賠償責任のリスクが潜んでいます。
具体的には以下のようなことです。
- ステージや仮設テントの倒壊、看板の落下など会場設備の不備による事故により、参加者が傷害を負った場合の賠償責任
- 主催者側のスタッフが参加者の誘導を誤ったことによって、参加者同士の衝突や会場内の事故が発生
- 会場で提供した飲食物が原因で、参加者が食中毒を発
- 会場の設営・撤去作業中に、スタッフの不注意により参加者や通行人にケガを負わせてしまう
- イベントのために借りた会場や設備を、主催者側の不注意で損壊させた場合の賠償責任
- イベントで使用するために借りた音響機材や照明機材等を、主催者側の不注意で損壊させてしまう
これらはあくまで一例ですが、一日限りのイベントの場合でも、主催者側の管理責任に起因する様々な事故が発生する可能性があります。
こうしたリスクに備えて、イベント保険に加入することをおすすめします。
一日から加入できるイベント保険「イベント賠償責任保険」
イベントを開催する際、主催者は参加者の安全を守る責任があります。
しかし、先述した通り、一日だけの小規模なイベントでも様々な賠償責任のリスクが潜んでいるのです。
会場設備の不備や飲食物の提供による食中毒、参加者の誘導ミスなど、主催者の管理責任に起因する事故が発生する可能性は少なくありません。
こうしたリスクに備えるために、一日から加入できるイベント保険「イベント賠償責任保険」を紹介していきます。
補償内容
イベント賠償責任保険は、主催者の管理上の不備や不注意によって生じた事故で、第三者(参加者を含む)のケガや財物損壊に対する法律上の損害賠償責任を補償します。
このイベント保険の引受保険会社は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社です。
基本の補償内容
- 対人賠償責任:イベント主催者の責任で参加者にケガを負わせた場合の治療費や慰謝料など
- 対物賠償責任:イベント主催者の責任で他人の財物を損壊した場合の修理費や再購入費用など
- 受託物賠償責任:イベント主催者が参加者から預かった物を損壊・紛失した場合の損害賠償責任
特約
上記、イベント保険の基本補償にプラスして、必要に応じて特約を付帯することができます。
- 被害者治療費等補償特約:事故の被害者に支払った治療費や見舞金等を補償
- 飲食物危険補償特約:提供した飲食物が原因で参加者が食中毒になった場合の損害賠償責任を補償
- 借用イベント施設損壊補償特約:イベントで借りた会場や施設を損壊した場合の損害賠償責任を補償
- 受託者賠償責任補償特約:イベントのために借りた物(会場・設備以外)を損壊・紛失した場合の損害賠償責任を補償
また、補償内容は支払限度額や免責金額を設定して決定し、保険期間はイベント期間に合わせて設定します。
一方で、保険金がお支払いできない主な場合として、保険契約者・被保険者の故意による損害、天災による損害、航空機・昇降機・自動車等の所有・使用・管理による損害などが挙げられています。
主催者のニーズに合わせて必要な補償内容を選択することができるため、開催予定のイベント内容や規模に合わせて補償を選ぶようにしましょう。
保険期間は1日から7日以内まで加入可能
このイベント保険の大きな特徴は、保険期間の設定の柔軟さです。
一日だけのイベントから、最大で7日間までのイベントまで、幅広く対応することができます。
イベントの開催期間に合わせて、必要な日数分だけ保険に加入することが可能です。
これにより、主催者は無駄なく効率的に賠償責任リスクに備えることができるのです。
また、保険料も開催日数に応じて設定されるため、一日だけのイベントでも手頃な費用で加入することができます。
イベント保険の契約方式
イベント保険には、「個別契約方式」と「包括契約方式」の2つの契約方式があります。
一個別契約方式は、開催するイベントごとに保険に加入する方式です。日だけのイベントや、不定期に開催されるイベントに適しています。
一方、包括契約方式は、年間を通して複数のイベントを開催する主催者向けの方式です。年間のイベント予定を事前に申告し、まとめて保険に加入することができます。
包括契約方式では、保険料の割引もあるため、定期的にイベントを開催する主催者にとってはお得な選択肢となるでしょう。
イベントや行事の規模に合わせてイベント保険以外も検討しよう
イベントを開催する際、主催者は参加者の安全確保と万が一の事故に備えるために保険加入を検討する必要があることがお分かりいただけたと思います。
イベント保険は、不特定多数が参加する大規模なイベントに適していますが、小規模な行事やレクリエーション活動には、レクリエーション保険やレジャー保険など、他の選択肢も考えられます。
ここでは、イベントの規模や性質に応じた保険の選び方について解説します。
レクリエーション保険
レクリエーション保険は、町内会や学校、サークルなどが主催する小規模な行事やスポーツ活動に適した保険です。
参加者の傷害リスクと主催者の賠償責任を補償し、保険料も比較的安価に設定されています。
イベント保険と比べると、レクリエーション保険には補償内容がシンプルで、参加者を限定した契約が可能です。
ただし、参加者の名簿が必要で、行事の参加者が確定している必要があります。
レクリエーション保険は、親睦を目的とした小規模な行事や、地域のスポーツイベントなどに最適な選択肢と言えるでしょう。
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レジャー保険
レジャー保険は、個人が日常的なレジャー活動中に負った傷害を補償する保険です。
対象となるレジャーは多岐にわたり、スポーツ、旅行、趣味の活動など様々なシーンで適用されます。
レジャー保険は、イベント主催者が加入するのではなく、参加者個人が任意で加入する保険ですが、主催者が参加者にレジャー保険の加入を呼びかけることで、イベント中の事故に備えることができます。
また個人でレジャー活動をする際には、イベント保険やレクリエーション保険のような主催者向けの保険ではなく、個人向けのレジャー保険で足りるでしょう。
記事まとめ
イベント主催者は、開催規模や内容に合わせて適切な保険を選ぶ必要があります。
一日だけの小規模なイベントであっても、様々な賠償責任のリスクがあるため、イベント保険への加入が有効です。
イベント保険は、主催者の管理上の不備や不注意によって生じた事故で、参加者のケガや財物損壊に対する損害賠償責任を幅広く補償してくれます。
また、イベント賠償責任保険の保険期間は1日から7日まで自由に設定でき、保険料も手頃です。
一方、規模の小さい行事やレクリエーション活動の場合には、傷害のみを補償できるレクリエーション保険や個人契約型のレジャー保険など、他の選択肢も考えられます。
主催者は、イベントの特性をよく理解し、イベント保険にするのかレクリエーション保険にするのか、はたまたレジャー保険を参加者に契約してもらうのかなど最適な保険を選ぶことが大切です。
万が一の事態に備え、イベント保険やレクリエーション保険で参加者の安全を守りましょう。