「イベントを開催したいけど、もし事故が起きたらどうしよう。」
「保険の種類がたくさんあって、どれを選べばいいのかわからない。」
このようなことで悩んでいませんか?イベントでは参加者のケガや病気など、様々なリスクが考えられます。
もし保険に入っておかないと、いざというときに、多額の賠償金を主催者が負担することになりかねません。
そのため、イベント開催時のリスクに備えるには、イベント賠償責任保険について詳しく知っておくことが大切です。
この記事では、「イベント賠償責任保険」について詳しく解説します。主な内容は次の通りです。
この記事でわかること
- イベント賠償責任保険の基礎知識
- 補償内容
- 対象となるイベントの種類
- 保険選びのポイント
イベント賠償責任保険とは何か、どのような場面で役立つのか、そして自分に合った保険を選び契約するにはどうすればいいのかなど、様々な疑問について説明します。
この記事を読むことで、イベント保険についての理解が深まります。
その結果、より安心してイベントを開催できるようになるでしょう。
イベント賠償責任保険について知ることで、イベントに最適な保険を選ぶための参考にしてください。
イベント賠償責任保険とは
イベント賠償責任保険は、イベントの主催者を守るための大切な保険です。
事故が起きたときに、主催者が負担しなければならないお金を補償してくれます。
この保険について、これから詳しく説明します。主に次の2つのことについてお話しします。
- 主な補償内容
- 保険金の支払い対象になる損害の範囲
イベントを開催するときは、思わぬことが起こるかもしれません。そんなとき、この保険があれば安心です。どんな場面で役立つのか、一緒に見ていきましょう。
主な補償内容
イベント賠償責任保険の主な補償内容は以下の2点です。
- イベントで使う設備・用具などが原因で起きた事故
- イベントを開く人やスタッフのミスで起きた事故
例えば、町の運動会で強い風でテントが倒れて参加者が怪我をした場合や、展示会でお客さんを案内中にミスで怪我をさせてしまった場合に、この保険が使えます。
イベント賠償責任保険の特徴は、イベントを開く人だけでなく、参加する人の安全も守ることです。
イベント賠償責任保険があれば、主催者は安心してイベントを運営でき、参加者も安全に楽しめるでしょう。
保険金の支払い対象になる損害の範囲
保険に入ると、事故や病気などで損害を受けたときに保険金が支払いが行われます。
しかし、どんな損害でも保険金が受け取れるわけではありません。保険会社が保険金を支払ってくれる損害にはどんなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。
損害賠償金
事故の被害者に支払うお金で、治療費や休業補償などが含まれます。例えば、会場で観客がケガをした場合の医療費が該当します。
損害防止費用
事故後、被害を小さく抑えるために使うお金です。危険な場所に立ち入り禁止の看板を立てたり、壊れかけた設備を補強したりする費用が含まれます。
権利保全行使費用
自分の権利を守るために裁判を起こしたり、弁護士に相談したりする際の弁護士費用は、保険金の支払いが行われます。
例えば、交通事故で相手と示談交渉がまとまらず、裁判を起こすことになった場合、弁護士費用は保険金で支払われます。
緊急措置費用
緊急事態で必要になった費用は、保険金として支払われます。具体的には、海外旅行中に病気になり、緊急入院や手術が必要になった場合、その費用を保険金として受け取れます。
争訟費用
保険金が支払われるかどうかについて、保険会社と争うことになった場合の費用が保険金として支払われます。
イベント賠償責任保険の契約対象になるイベント
イベント賠償責任保険の対象となるイベントは、保険会社によって異なる可能性があります。
ここでは、株式会社グッド保険サービスのイベント賠償責任保険を例に挙げ、対象イベントを見てみます。
この保険で対象となるイベントは、大きく以下の7つのカテゴリーに分けられます。
- 祭り・みこし・祭礼
- 季節行事
- 行楽・花火
- コンサート・音楽祭
- 催事
- 式典・講演会
- スポーツイベント
それぞれについて簡単に解説します。
祭り・みこし・祭礼
日本の伝統文化を代表するイベントです。よさこい祭り、七夕の笹飾り、盆踊り、記念パレードなどが含まれます。
季節行事
四季折々の行事で、日本の文化や自然を楽しむ機会となります。以下のような行事が具体例として挙げられます。
季節 | 主な行事例 |
---|---|
春 | 桜祭り、ひな祭り |
夏 | こどもの日行事、七夕 |
秋 | 月見、紅葉狩り |
冬 | 雪祭り、餅つき大会 |
行楽・花火
自然を楽しむイベントや花火大会が対象です。遠足、花火大会、蛍狩り、キャンプなどがあります。季節の行事として行われるとうろう流しや送り火なども含まれます。
コンサート・音楽祭
音楽を楽しむイベントです。コンサート、文化祭、学園祭、ピアノ発表会などが対象となります。
催事
商品やサービスを紹介・販売するイベントです。販売促進会、展示会、デパート催事、物産展などが含まれます。
式典・講演会
公式な性格を持つ式典や知識を得るための講演会です。
成人式式典、叙勲式典、町おこしイベント、自治体防災訓練などが対象です。また、就職説明会や講演会、シンポジウムも含まれます。
スポーツイベント
プロスポーツの試合や大会、アマチュアの競技大会、そして誰でも参加できるマラソン大会やウォーキングイベントなどがあります。
イベント賠償責任保険の保険料相場
イベント賠償責任保険の保険料は、イベントの規模や内容によって大きく変わります。
主に参加者数、イベントの種類、補償内容によって支払い額が決まります。
ここでは、具体的なイベント保険の会社を挙げながら、イベント賠償責任保険の保険料の具体例や相場を見ていきましょう。
イベント賠償責任保険(フリー設計)
株式会社グッド保険サービスが提供し、あいおいニッセイ同和損保が引き受けるイベント賠償責任保険です。
この保険の保険料は、イベントの規模によって大きく変わります。
イベントの規模 | 参加者数 | 保険料の目安 |
---|---|---|
小規模イベント | 300人程度 | 約1万円 |
中規模イベント | 2,000人程度 | 約3万円 |
大規模イベント | 5,000人以上 | 約6万円以上 |
例えば、2日間のグルメ祭(来場者2,000人)の場合は約32,000円、2日間の祭り(参加者5,000人)の場合は約66,000円になります。
実際の保険料は、イベントの日数や内容によって変動するので、確認のためには問い合わせが必要です。
参照:イベント賠償責任保険(主催者のための賠償保険)|グッド保険サービス
イベント賠償責任保険(保険料5,000円定型プラン)
同じくグッド保険サービスでは、険料5,000円の定型プランも用意されています。
補償の対象となるイベントは、文化祭、地域のスポーツ大会、講演会など、さまざまです。
このプランは保険料が5,000円と決まっているため、予算を立てやすく、初めてイベントを主催する方でも安心して利用できます。
イベント内容や契約できる人数には制限がありますが、基本的な補償内容は含まれているので、小規模な地域イベントを開催する方に適した保険といえるでしょう。
参照:イベント賠償責任保険(保険料5,000円定型プラン)|グッド保険サービス
JAのイベント賠償責任共済
JA(農業協同組合)のイベント賠償責任共済の保険料は、活動の種類によって異なります。以下の表は、1日あたりの1人分の保険料を示しています。
種目区分 | 活動の例 | 1日あたりの保険料(1人分) |
---|---|---|
1級 | バレーボール、ボウリング、草むしりなど | 12.0円 |
2級 | 野球、剣道、運動会、子供中心のみこしなど | 20.1円 |
3級 | スキー(ジャンプを除く)、相撲、ラグビー、大人中心のみこし | 28.6円 |
この表を見ると、活動の危険度が上がるにつれて保険料も高くなることがわかります。
例えば、50人で野球大会(2級)を1日開催する場合、保険料の合計は1,005円(20.1円×50人)になります。
JAのイベント保険は農業者以外でも加入できるので、気になる場合は近くのJAの店舗に問い合わせるとよいでしょう。
参照:イベント共済|JA共済 ,イベント開催時の、万一の事故などに対する安心の保障をご用意しています。|JA共済
イベントやレクリエーション行事に合った保険の決め方
イベントや行事は楽しいものですが、思わぬケガや事故が起こる可能性もゼロではありません。
そんな時に備えて、イベントの内容や規模に合った保険を選ぶことが大切です。ここからは、保険を選ぶ際のポイントをわかりやすく解説します。
開催するイベントやレクリエーション行事の規模
イベントやレクリエーション行事の規模によって、必要な保険の種類や補償内容が変わってきます。
イベントはその規模の大きさによって、リスクや注意点が違うからです。
例えば、学校の文化祭で出店を出す場合と、地域全体のお祭りを企画する場合では必要な保険の種類が変わってきます。
文化祭の出店なら、食中毒やちょっとした事故に備える程度で十分かもしれません。
しかし、大きなお祭りではたくさんの人が参加するので、さまざまな事故や天候による中止なども考えなければいけません。
また、屋外で大規模なイベントを行う場合は、天候リスクも考慮に入れる必要がありますし、飲食を提供する場合は食中毒のリスクにも備えなければいけません。
このようにイベントの規模によって必要な補償が異なるので、参加者の人数、開催場所、活動内容などを考慮して保険を選びましょう。
必要な補償は揃ってる?必ずパンフレットを確認
保険会社と契約する際は、パンフレットをよく読んで、必要な補償がすべて含まれているか確認することが大切です。
パンフレットには、保険でカバーされる内容や支払い金額が詳しく書かれています。
確認すべき主な補償内容には、以下のようなものがあります。
- けがや病気の治療費
- 物を壊してしまった時の修理費
- イベントが中止になった時の損失
- 食中毒が起きた時の対応費用
具体的なケースを考えてみましょう。スポーツイベントを開催する場合、けがの治療費用がしっかり補償される保険を選ぶことが重要です。
また、屋外で行うイベントなら、雨天中止の場合の補償も必要かもしれません。
このように、パンフレットをよく読み必要な補償内容が揃っているかを確認することで、適切な補償を得られるでしょう。
分からないことは契約前に保険会社に問合せしよう
保険の内容について疑問が残ったら、遠慮せずに保険会社に問い合わせることが大切です。
こちらから連絡すれば、保険の専門家が疑問にわかりやすく答えてくれるでしょう。
問い合わせる際は、次のようなことを心がけるようにしてください。
- イベントの内容を具体的に説明する。
- 心配していることを率直に伝える。
- 分からない用語があれば、その場で質問する。
例えば、イベント保険について相談する場合、「自転車レース中の転倒事故は補償されますか?」というように具体的に聞くと、的確な回答をもらえます。
このように、保険会社とよく相談して契約内容を決めることで、予期せぬ事態での高額な支払いリスクを減らすことができます。
記事のまとめ
この記事では、イベント賠償責任保険の概要や保険金の支払い対象になる損害の範囲、契約対象になるイベント、保険料相場などについて詳しく解説しました。
イベントの主催者にとって、参加者の安全を確保することは最も重要な責任の一つです。
しかし、予期せぬ事故やトラブルが起こる可能性は常にあります。イベント賠償責任保険は、そんな時に頼りになる存在です。
イベント賠償責任保険を契約することで、もしもの時の心配が減り、イベントの企画や運営に集中できます。
また、主催者としての責任感や信頼性をアピールすることにもつながります。
この記事を参考に開催するイベントに最適な保険と契約し、安心してイベントを開催できるようになっていただければ幸いです。