ボランティア活動を行う際、参加者が事故によってケガをしてしまうリスクが想定されます。
レクリエーション保険に加入していれば、ボランティア活動の参加者に万が一のことが起きても安心です。
しかしなかには「レクリエーション保険がどんな商品か分からない」「ボランティア保険との違いを知りたい」というお悩みを持った方もいるのではないでしょうか。
本記事では、ボランティア活動で想定されるリスクに備えたい方に向けて以下のポイントを解説します。
この記事のポイント
- ボランティア活動開催時に起こりうるリスク
- レクリエーション保険の基本的な特徴
- レクリエーション保険とボランティア保険の違い
- ボランティア活動におすすめのレクリエーション保険・ボランティア保険
ぜひ本記事の内容を参考にして、開催するボランティア活動に最適な保険商品を選択しましょう。
ボランティア活動開催時に起こり得るリスク
ボランティア活動を行う際、以下のようなリスクが想定されます。
- 活動中に転んでケガをする
- ボランティア活動に向かう途中で事故に遭う
- 活動中に車椅子を転倒させて高齢者にケガを負わせる
- 活動中にモノを落として壊す
- 野外での活動中に熱中症になる
- 活動中の食事が原因で食中毒を発症する
参加者個人がケガをしたり、熱中症・食中毒を発症したりした場合、治療に費用が発生します。
また、第三者にケガを負わせてしまったり、モノを破損してしまったりした場合、賠償責任を問われるリスクもあります。
ボランティア活動を開催したり、参加したりする場合は上記のようなリスクが起こりうることを頭に入れ、対策方法を考えることが大切です。
レクリエーション保険とは
レクリエーション保険とは、行事やイベントの開催時に起こるリスクをカバーするための保険商品です。
ボランティア活動のリスクも補償できる可能性が高いため、特徴を正しく理解した上で加入すべきかどうかを判断しましょう。
レクリエーション保険の概要
レクリエーション保険とは、行事やイベントで参加者がケガをした場合に補償が受けられる保険商品のことです。
参加者をまとめて団体で加入する仕組みとなっているため、個別で加入する必要がない点が特徴です。
町内会のお祭りや社内の運動会などの比較的小さな行事が対象となっており、小規模で行うボランティア活動も補償対象となります。
レクリエーション保険では1日の行事だけではなく、数日にわたって開催される行事の場合も補償されます。
ただし宿泊を伴う行事は補償されないため、泊まり込みで行うようなボランティア活動は補償されない点に注意が必要です。
基本の補償内容
レクリエーション保険は、主に参加者のケガによる治療費を補償することが目的となっています。
基本的な補償内容は以下の表の通りです。
死亡保険金 | 参加者が行事中の事故によるケガが原因で死亡した場合に補償される。 |
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後遺障害保険金 | 参加者が行事中の事故によるケガが原因で後遺障害が残った場合に補償される。 |
入院保険金 | 参加者が行事中の事故によるケガの治療のために入院した場合に補償される。 |
手術保険金 | 参加者が行事中の事故によるケガの治療のために手術を受けた場合に補償される。 |
通院保険金 | 参加者が行事中の事故によるケガの治療のために通院した場合に補償される。 |
参加者がケガで入院・手術をしたり、死亡したりするリスクをしっかりとカバーできる点が特徴となっています。
商品によっては第三者に損害を与えた場合の賠償責任を補償するレクリエーション保険もあります。
また、特約で熱中症や食中毒の補償を上乗せできるケースもあるため、加入前に補償内容をよく確認しておきましょう。
一般的な加入条件
レクリエーション保険は、行事の参加人数を加入条件として設けているケースがほとんどです。
一般的には「20名以上」「45名以上」と最低参加人数を定めているため、20名以下の少人数でボランティア活動を行う場合は加入できない可能性がある点を頭に入れておきましょう。
ただし、一部のレクリエーション保険では「10名以上」としているケースもあり、少人数でも加入しやすい場合があります。
加入前にボランティア活動の参加者数を把握し、どのレクリエーション保険であれば加入できるのか確認しておくことが大切です。
ボランティア保険との違い
ボランティア活動のリスクに備えられる保険商品として「ボランティア保険」という商品もあります。
レクリエーション保険とボランティア保険の違いは主に以下の2点です。
- 補償されるイベントの種類
- 加入対象者
ボランティア保険は、ボランティア活動におけるリスクに特化した保険商品です。
さまざまなイベントを対象としているレクリエーション保険とは、補償対象となるイベントの種類が異なっています。
また、ボランティア保険に加入するためには運営元の団体に登録する必要があります。
例えば、社会福祉法人全国社会福祉協議会の「ボランティア活動保険」では、社会福祉協議会の構成員や会員、運営するボランティア・市民活動センターなどに登録しているグループ・団体が加入対象となっています。
違いを正しく理解した上で、どちらの保険に加入するべきか判断しましょう。
ボランティア活動におすすめのレクリエーション保険・ボランティア保険を紹介
ボランティア活動のリスクをカバーしたい場合におすすめの保険商品をご紹介します。
ぜひ参考にして最適な保険プランを設計しましょう。
レクリエーション保険
レクリエーション保険でおすすめの商品は以下の2つです。
- あいおいニッセイ同和損保「レクリェーション傷害保険」
- 損保ジャパン日本興亜「レクリエーション補償プラン」
それぞれの特徴を解説していきます。
あいおいニッセイ同和損保「レクリェーション傷害保険」
あいおいニッセイ同和損保の「レクリェーション傷害保険」は、1日20名以上の行事で加入できるレクリエーション保険です。
パンフレットにも「町内清掃」と記載があり、ボランティア活動も補償の対象となります。
「レクリェーション傷害保険」の基本的な補償内容は以下の通りです。
- 死亡保険金
- 後遺障害保険金
- 入院保険金
- 手術保険金
- 通院保険金
上記のほかにも「熱中症危険補償特約」や「食中毒補償特約」をセットすることで熱中症・食中毒のリスクも補償されます。
幅広いリスクをカバーできる点があいおいニッセイ同和損保の「レクリェーション傷害保険」の大きな特徴です。
損保ジャパン日本興亜「レクリエーション補償プラン」
損保ジャパン日本興亜の「レクリエーション補償プラン」も、20名以上の団体契約専用のレクリエーション保険です。
町内清掃や防災・避難訓練などをボランティア活動として行う場合も補償の対象となります。
「レクリエーション補償プラン」の基本的な補償内容は以下の通りです。
- 死亡保険金
- 後遺障害保険金
- 入院保険金
- 手術保険金
- 通院保険金
本商品も熱中症や食中毒についての特約をセットすることができます。
ボランティア活動におけるさまざまなリスクに備えたい場合は、損保ジャパン日本興亜の「レクリエーション補償プラン」がおすすめです。
ボランティア保険
ボランティア活動におすすめのボランティア保険は以下の2つです。
- 全国社会福祉協議会「ボランティア活動保険」
- NPO法人森づくりフォーラム「グリーンボランティア保険」
それぞれの特徴を解説していきます。
全国社会福祉協議会「ボランティア活動保険」
全国社会福祉協議会(社協)の「ボランティア活動保険」は、社会福祉協議会に届け出られたボランティア活動を対象とした保険商品です。
ケガの補償と賠償責任の補償が受けられるため、参加者のケガだけでなく、第三者に損害を与えてしまうリスクにも備えることができます。
社協の「ボランティア活動保険」の主な補償内容は以下の通りです。
- 死亡保険金
- 後遺障害保険金
- 入院保険金
- 手術保険金
- 通院保険金
- 特定感染症の補償
- 賠償責任保険金
プランによっては、上記の補償内容以外にも地震・噴火・津波による死傷も補償の対象となります。
レクリエーション保険よりも幅広い補償を希望する方は、社協の「ボランティア活動保険」への加入がおすすめです。
NPO法人森づくりフォーラム「グリーンボランティア保険」
NPO法人森づくりフォーラムの「グリーンボランティア保険」は、森林や公園、川、海辺などにおける営利を目的としない「グリーンボランティア活動」を対象とした保険です。
グリーンボランティア活動中のケガや損害賠償のリスクに備えることができます。
「グリーンボランティア保険」の主な補償内容は以下の通りです。
- 死亡保険金
- 後遺障害保険金
- 入院保険金
- 手術保険金
- 通院保険金
- 賠償責任保険金
チェーンソーや刈払い機などの動力使用も含めた作業が補償の対象となります。
森林や公園、川などでボランティア活動を行う予定がある場合は「グリーンボランティア保険」の加入がおすすめです。
記事まとめ
ボランティア活動を開催する場合、参加者がケガをしたり、第三者に損害を与えてしまったりするリスクがあります。
行事・イベントのリスクに備えられるレクリエーション保険を活用し、万が一の補償を準備しておきましょう。
また、レクリエーション保険以外の選択肢としてボランティア保険という商品もあります。
社協やNPO法人が提供している商品であり、ボランティア活動に特化した保険商品です。
本記事でご紹介したレクリエーション保険・ボランティア保険のおすすめ商品を参考にして、開催するボランティア活動に最適な保険商品を選びましょう。