レクリエーション保険とは、団体で行事・イベントを開催する際に主催者などの代表1人が手続きすることで、万が一参加者が傷害を負った場合に補償が適用される保険です。
なかには賠償責任保険が組み込まれているレクリエーション保険もあり、この場合は参加者だけでなく、見学者などの第三者や行事・イベントを開催する施設の傷害や損害も補償されます。
とても便利な保険ではありますが、多くの場合、行事・イベントに参加する人の名簿を提出しなければいけません。
しかし、なかなか参加者が確定しなかったり、名簿を作成する時間が取れなかったりなどの理由で、名簿不要のレクリエーション保険を探している方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、名簿不要のレクリエーション保険が存在するのか見ていきます。あわせてレクリエーション保険の加入条件などの情報もチェックしていきましょう。
名簿不要は難しい…レクリエーション保険の加入には名簿が必要
結論からいうと、レクリエーション保険に加入するためには行事・イベントの前に参加者の名簿を提出しなければいけません。
名簿を求められるタイミングは、基本的に契約の前です。
また、万が一行事・イベントの開催中に損害・傷害が発生した場合、保険金を受け取る際の手続きで名簿の提出が求められるケースもあります。
レクリエーション保険の加入条件・情報まとめ
レクリエーション保険の加入条件の1つに参加者の名簿の提出がありますが、これは保険会社が被保険者を特定できるようにするためです。
通常、保険に加入するためには、契約者、被保険者、保険金の受取人に関する情報を保険会社に申告する必要があります。
しかし、レクリエーション保険は契約者1人が手続きすれば、被保険者である参加者を補償できる保険です。参加者は保険会社とやり取りする必要がありません。
これは逆に、保険会社が被保険者を特定できないことを意味します。
そのため、レクリエーション保険に加入するためには、契約者が行事・イベントの参加者の情報をまとめて提出する必要があるのです。
なお、レクリエーション保険で補償を得るためには、名簿以外にも満たすべき加入条件があります。
具体的な条件は保険会社によって異なりますが、一般的には1日あたりの参加者が20人以上でなければレクリエーション保険に加入できません。
加入条件を満たせた場合は、死亡保険金・後遺障害保険金などの補償が適用されます。レクリエーション保険の補償内容について詳しく知りたい方は、以下記事をチェックしてみましょう。
参加者が不特定多数の場合や、名簿不要を希望ならイベント保険!違いを比較
参加者の名簿を作成するのが難しい場合は、名簿不要のイベント保険の利用を検討してみましょう。
イベント保険の補償範囲はレクリエーション保険と比較すると幅広く、一般的には次のようなものがあります。
- 傷害保険:参加者がケガなどをした場合の補償
- 施設賠償責任保険:行事・イベントの施設によって人がケガなどをした場合の補償
- 興行中止保険:行事・イベントが中止になった場合の補償
- 動産総合保険:機材・展示品の補償
上記は基本補償に分類されますが、レクリエーション保険と同様にイベント保険にも特約が用意されています。具体的には以下のとおりです。
- 初期対応費用補償特約
- 訴訟対応費用補償特約
特約の種類や名称はイベント保険を取り扱う保険会社によって異なるので、パンフレットなどの案内をしっかり確認するようにしてください。
イベント保険は参加者が不特定多数である場合に対応できる保険設計なので、レクリエーション保険と違って名簿不要で加入できます。
しかし、補償範囲が広がる分、レクリエーション保険よりも保険料が高額になる恐れがあります。
「名簿不要で補償が得られるから」と安易にイベント保険を選択するのではなく、行事・イベントの開催にあたって必要な補償内容や保険の加入条件、保険料なども考えてどちらの保険が適切か慎重に比較検討することをおすすめします。
まとめ
名簿不要で加入できるレクリエーション保険はありません。保険会社が被保険者を特定するためにも、契約者は行事・イベントに参加する人の情報をまとめて資料として提出する必要があります。
どうしても名簿を作成するのが難しい場合は、名簿不要で加入できるイベント保険の活用を検討するのも1つの方法です。
ただし、イベント保険はレクリエーション保険とは補償範囲が異なるため、内容をよく比較したうえで加入を検討するようにしてください。