レクリエーションは、お年寄りの認知を予防したり、子供たちの成長を促したりとさまざまな目的で行われます。
意義や目的をしっかりと持って行うことで、介護現場や教育機関などでも活かすことができるのがレクリエーションの資格です。
新しい生きがいを感じてもらったり、仲間と協力することができるようになったりといろんな可能性を広げることができるレクリエーション。
今回は、レクリエーション資格について紹介します。取得方法や費用なども見ていきましょう。
レクリエーション資格とは?概要やメリット
まずは、レクリエーション資格について詳しく見ていきましょう。
レクリエーション資格の概要
公益財団法人日本レクリエーション協会が発行するレクリエーションの資格には、インストラクターとなる基礎の資格講座だけでなく、レクリエーションを展開する専門家になる資格講座もあります。
インストラクターとして介護施設や教育機関などでレクリエーションを教えるだけでなく、さらにその先へも目指せるのは嬉しいポイント。
プランニングやマネジメントの技術を学び、将来仲間と事業を展開したり、福祉の現場でレクの支援をしたりすることもできるのです。
まさにレクリエーションの専門家。
日本レクリエーション協会の資格には以下の4種類があります。
4つの資格
- レクリエーション・インストラクター
- スポーツ・レクリエーション指導者
- レクリエーション・コーディネーター
- 福祉レクリエーション・ワーカー
資格を取得するメリット
「レクリエーション・インストラクター」と「スポーツ・レクリエーション指導者」は、主にインストラクターとしてレクリエーションを指導することを学びます。
介護の現場や教育機関などで、グループワークや健康づくりに携わることができるでしょう。
「レクリエーション・コーディネーター」や「福祉レクリエーション・ワーカー」は、レクの専門家として成長できる資格です。
地域や団体へのレクリエーションの支援や事業の展開などを進めることを学びます。
レクリエーションを支援することができる資格なので、転職などにも有利になるでしょう。
それでは、一つ一つの資格について詳しく見ていきましょう。
レクリエーション・インストラクター
レクリエーション・インストラクターは、レクリエーションを行う上で必要な技術を学べる基礎的な資格講座。学習時間は、51時間の学習+9時間の現場実習です。
対象者に合わせてレクリエーションを企画し実践できるインストラクターを目指します。
レクリエーション・インストラクターの資格は、以下のような職業の人におすすめの資格です。
介護福祉士・社会福祉士、保育士・幼稚園教諭、ケアマネージャー、スポーツ指導者、社会福祉施設職員、小・中学校教諭、ホームヘルパー、ボランティア など
主な習得スキル
レクリエーション・インストラクターでは、いろんなスキルを習得できます。
取得できるスキル
- レクリエーションの参加者を楽しませ、一体感を生み出す「集団をリードする力」
- レクリエーションを通して「個人・集団のコミュニケーションを促進する力」
- みんなの関係性を向上して、「良好なグループを作る力」
- みんなの「積極性や協調性を引き出す力」
- 現場の目的に合わせて「レクリエーションを企画・実施する力」
参加者をレクリエーションで楽しませるには、リーダーシップはもちろん、盛り上げる力も必要です。
また、インストラクターとしてみんなの力を引き出せたら嬉しいですよね。
レクリエーションをする上で必要なスキルを学べる講座です。
活躍フィールド
レクリエーション・インストラクターの資格は、いろんなフィールドで活躍することができます。
例
- 幼稚園などで楽しい時間を過ごせるようサポートする
- 介護施設で利用者さんの心を開く
- 小学校で子供たちの成長を促す
- みんなが楽しめるレクを提供する
福祉施設ではお年寄りの利用者さんを楽しませたり、幼稚園や保育園では小さなお子さんたちの成長を促したりできるレクリエーション。
他にも、チームワークや積極性を学ぶ機会にもレクリエーションは最適です。
レクリエーション・インストラクターの資格を活かして活躍しましょう。
資格取得の流れ
それでは、レクリエーション・インストラクターの資格取得の流れを紹介します。
- 養成講習会の受講
養成講座は、各地域のレク協会や大学・専門学校など実施されているので、自分が通いやすい講座を探しましょう。
レクリエーション・インストラクター養成講座の講座を探す - 資格認定審査
筆記・実技・活動レポートなどの提出があります。※開催地によって内容が異なる - 資格認定と登録申請
レクリエーション協会の登録料を払うと認定資格保持者として登録されます。 - 完了
公認指導者専用サイトも確認しよう
スポーツ・レクリエーション指導者
スポーツ・レクリエーション指導者は、スポーツのレクリエーションを提供し、運動の機会や健康づくりをサポートする資格講座。
学習時間は、51時間の学習+9時間の現場実習です。
学生たちの体力向上を目指したり、高齢者の身体機能を維持したりとさまざまな活躍が期待されています。
スポーツ・レクリエーション指導者の資格は、以下のような職業の人におすすめの資格です。
行政や民間組織の職員、スポーツ指導者、総合型スポーツクラブ関係者、保育士・幼稚園教諭、小・中学校教諭、スポーツボランティア など
主な習得スキル
スポーツ・レクリエーション指導者の講座では、以下のようなスキルが得られます。
取得できるスキル
- 運動の効果を科学的根拠をもとに伝える
- 運動に関心がない人にも参加を促す
- 「健康維持したい」気持ちを大切にして運動に関心を持ってもらう
- 楽しさを実感してもらい、運動やスポーツの継続を促す
- 体調管理などを数値化して示す
スポーツの難しいところは継続性です。健康を維持してもらうためにも適度な運動を継続的に促したいですよね。
心理学なども学び、インストラクターとして成長したい方におすすめの資格です。
活躍フィールド
スポーツ・レクリエーション指導者は、スポーツを提供する場で活躍する資格です。
例
- 幼稚園などで子供たちの遊びをアレンジ
- 小中学校などで、運動が苦手な子供たちの可能性を広げる
- 運動に無関心な高齢者に運動を促す
- 高齢者に運動意欲を高めて、継続してもらう
子供から高齢者まで楽しめるスポーツレクリエーション。大人には健康の維持を目的に、子供たちにはスポーツへの興味を促しましょう。
スポーツを通していろんな可能性を広げることができますよ。
資格取得の流れ
それでは、スポーツ・レクリエーション指導者の資格取得の流れを紹介します。
- 養成講習会の受講
養成講座は、都道府県レクリエーション協会に問い合わせして開催しているかを確認する必要があります。
※最新情報の確認はこちらから。 - 資格認定審査
審査には、筆記・実技・活動レポートなどの提出が必要です。※開催地によって内容が異なる - 資格認定と登録申請
レクリエーション協会の登録料を払うと認定資格保持者として登録されます。 - 完了
公認指導者専用サイトも確認しよう
レクリエーション・コーディネーター
レクリエーション・コーディネーターは、レクリエーションを地域に広げるために必要なことを学ぶ資格講座です。
地域の社会的な課題を解決するために、人材や資源を活用するネットワーク力や事業の企画・展開について学びます。
学習時間は、通信学習(レポート課題8回)+講習会などで150時間ほど。
レクリエーションのサポートができるように企業や学校でコミュニティを作ったり、みんなが楽しめるスポーツイベントを企画したりしたい人におすすめの資格です。
レクリエーション・コーディネーターの資格は、以下のような職業で役に立てることができます。
行政や民間組織の職員、小・中学校教諭(管理職)、地域クラブの経営者、ボランティア監督者 など
主な習得スキル
レクリエーション・コーディネーターの講座では、以下のようなスキルが得られます。
取得できるスキル
- 「健康になりたい」「交流を広げたい」などエリアのニーズを把握するマーケティング力
- レクリエーションのイベントを継続して開催する力
- 計画を実行し、評価と改善を進めるPDCAサイクルを使った事業の推進力
- 協力を結びつける力やプレゼンテーション力
- 組織を築くマネジメント力
レクリエーションは、継続的に実施した方が効果的。続けるためには、しっかりとした仕組み作りが必要です。
レクリエーション・コーディネーターでは、支援・経営・マーケティング力などについても学びます。
地域を活性化させたいと考える人におすすめの資格講座です。
活躍フィールド
レクリエーション・コーディネーターは、地域のコミュニティで活躍する資格です。
例
- 市役所で主体となって、地域の健康をサポート
- みんなが参加できるスポーツイベントを主催
- 地域クラブと企業を結びつける
レクリエーション・コーディネーターは、地域をいろんな意味で支えることができる資格です。
みんなの健康を支え、交流を増やすことができるでしょう。
資格取得の流れ
それでは、レクリエーション・コーディネーターの資格取得の流れを紹介します。
- 養成コースの申し込み
養成講座は、申込書をダウンロードし応募するだけ。毎月20日までに取りまとめ、翌月1日からスタートします。 - 養成コースの受講
通信教育(レポート課題8回)と講習会(集合学習3回)で構成され、最短で1年間で学ぶことができます。 - 資格認定審査
筆記試験と実技試験があります。 - 資格認定と登録申請
レクリエーション協会の登録料を払うと認定資格保持者として登録されます。 - 完了
公認指導者専用サイトも確認しよう
福祉レクリエーション・ワーカー
福祉レクリエーション・ワーカーは、福祉の現場でレクリエーションを活かすためにさまざまなことを学ぶ資格講座です。
学習内容は、通信教育(レポート課題12回)とオンライン・スクーリング(1日2回)、福祉レク現場指導実習(5回)で構成されています。
地域のニーズに応えて事業を続けていくためには、マーケティング力や企画力、団体の協力などが必要不可欠です。
介護やデイサービスは、地域の人たちとの交流も大切。
利用者さんに新しい生きがいを見つけてあげたり、楽しい交流をサポートしたりすることができる福祉レクリエーション・ワーカー。
さまざまな技術を身につけて、利用者を楽しませたいと考える人におすすめの資格です。
福祉レクリエーション・ワーカーの資格は、以下のような職業で役に立てることができます。
介護福祉士・社会福祉士、ケアマネージャー、ホームヘルパー、理学療法士・作業療法士、福祉施設等のリーダー、生活相談員、保育士・幼稚園教諭、ボランティア監督者 など
主な習得スキル
福祉レクリエーション・ワーカーの講座では、以下のようなスキルが得られます。
取得できるスキル
- 地域のニーズを把握するマーケティング力
- ニーズの高いイベントを継続する力
- 計画を実行し、評価と改善を進めるPDCAサイクルを使った事業の推進力
- 事業継続に必要な資金や人材を獲得するためのプレゼンテーション力
- 事業を引っ張るグループリーダー力
福祉を中心とした事業の展開を考えている方にもおすすめの資格講座です。地域でサポートするには1人の力では限界があります。
多くの人の力を借りて、地域の福祉課題を解決したい方は、ぜひ挑戦してみてくださいね。
活躍フィールド
福祉レクリエーション・ワーカーは、福祉関係の施設やサービスで活躍する資格です。
例
- 利用者や家族との信頼を築き、安心して利用してもらおう
- 福祉施設で参加者の状況に合わせたアレンジでみんなを楽しませる
- 安全管理のもと誰もが楽しめるイベントの実施
介護の現場には、いろんな利用者さんがいます。エリアにどんなニーズがあるのかを把握し、福祉環境だけでなく、いろんな場面で活躍をしたいですね。
資格取得の流れ
それでは、福祉レクリエーション・ワーカーの資格取得の流れを紹介します。
- 養成コースの申し込み
養成講座は、申込書をダウンロードし応募するだけ。毎月20日までに取りまとめ、翌月1日からスタートします。 - 養成コースの受講
通信教育(レポート課題8回)と講習会(集合学習3回)で構成され、最短で1年間で学ぶことができます。 - 資格認定審査
筆記試験と実技試験があります。 - 資格認定と登録申請
レクリエーション協会の登録料を払うと認定資格保持者として登録されます。 - 完了
公認指導者専用サイトも確認しよう
資格に関する記事まとめ
今回は、公的資格の日本レクリエーション協会の資格講座を紹介しました。
レクリエーションを企画・運営するだけでなく、事業展開も視野に入れた資格講座もあるのは嬉しいポイント。
レクリエーションはいろんな可能性を秘めています。地域の人たちをサポートして元気にしていきたいですね。