レジャー保険(傷害保険)にも、生命保険と同様、貯蓄型と掛捨型があります。
貯蓄型は一般的に加入期間が長く、満期になると一定額の保険金を受け取ることができるタイプです。一方、掛捨型には満期保険金はありません。
ケガで保険金を受け取らなくても満期になれば保険金を受け取れる貯蓄型ですが、貯蓄型のレジャー保険を検討したことはあるでしょうか。
この記事では、貯蓄型と掛捨型のレジャー保険に触れ、一般的なレジャー保険の補償内容について解説します。
レジャー保険の保険料は基本「掛け捨て」
保険には大きく分けて、貯蓄型(積立型)と掛捨型がありますが、加入できるレジャー保険(傷害保険)のほとんどは掛捨型です。
販売されている貯蓄型の傷害保険については、保険期間が3年や5年と貯蓄型にしては短く、支払う保険料総額より多く戻ってくるわけではありません。
そのため、レジャー保険(傷害保険)を検討する場合は掛捨型が中心となります。
レジャー保険の特徴を紹介
レジャー保険は、傷害保険(ケガの補償)を中心に、賠償責任保険やさまざまな特約で構成されている商品です。
保険会社や商品によって補償の組み合わせは異なり、保険期間や保険金額による違いもあるため、比較してはじめて違いがわかります。
ここでは比較する際のポイントとなる、レジャー保険の特徴をまとめます。
国内旅行・スポーツ・ゴルフ向けなどさまざまなレジャー保険の種類
レジャー保険には、国内旅行傷害保険やゴルファー保険、ハイキング保険などさまざまな種類があり、基本的にはレジャーの目的に合った名前の商品を選びます。
ただし、名前が合っていなくても傷害保険であれば対応できる商品もありますので、補償内容で検討するとよいでしょう。
払込方法や支払方法
レジャー保険には代理店経由で申し込む商品や、スマホなどで簡単に手続きできる商品があります。
そのため、払込方法や支払方法もさまざまで、クレジットカード払いや口座振替のほか、ポイント払いや携帯料金合算払いなどがあります。
またレジャー保険には一年分の保険料を支払う「一時払」のほか、「月払」があります。1日保険のような短期間の保険は保険料を一括で支払います。
レジャー保険の補償内容
レジャー保険の補償内容は保険会社や商品によって異なりますが、おもな補償はケガの補償で、一般的に次のような「おもな補償」と「おもな特約」で構成されています。
おもな補償(ケガの補償)
保険金の種類 | 概要 |
---|---|
死亡保険金 | 事故によるケガで、事故発生日からその日を含めて 180 日以内に死亡した場合に支払われる保険金。 |
後遺障害保険金 | 事故によるケガで、事故発生日からその日を含めて 180 日以内に身体に後遺障害が発生した場合に支払われる保険金。後遺障害の程度に応じた保険金が支払われる。 |
入院保険金 | 事故によるケガで、事故発生日からその日を含めて 180 日以内に入院した場合に支払われる保険金。入院日数に対し、1日につき入院保険金日額が支払われる。 |
手術保険金 | 事故によるケガで、事故発生日からその日を含めて 180 日以内にそのケガの治療のために約款所定の手術を受けた場合に支払われる保険金。一般的に入院中の手術は入院保険金日額の10倍、外来での手術は入院保険金日額の5倍が支払われる。 |
通院保険金 | 事故によるケガで、事故発生日からその日を含めて 180 日以内に通院した場合に支払われる保険金。通院日数に対し、1日につき通院保険金日額が支払われる。 |
おもな特約
特約の種類 | 概要 |
---|---|
個人賠償責任保険金 | 他人を死傷させたり、他人の物に損害を与えたりして、法律上の損害賠償責任を負った場合に支払われる保険金。1回の事故につき損害賠償金は、賠償責任の保険金額を上限とする。また賠償金額の決定には、事前に保険会社の承認が必要となる。 |
携行品損害保険金 | 自宅外で携行する被保険者所有の身の回り品に損害が発生した場合に支払われる保険金。一般的に免責金額が設けられており、被害物の時価から差し引かれる。また保険期間を通じ、携行品損害の保険金額が上限となる。 |
救援者費用等保険金 | 被保険者が遭難などして、親族が捜索救助費用等を負担したことによって損害を被った場合に支払われる保険金。費用の種類ごとに上限額が設けられていることもある。 |
上記の補償内容は、一般的なレジャー保険で補償されています。
商品によっては、死亡・後遺障害保険金や通院保険金がなかったり、賠償責任保険を外せたりするものもあります。
これらの補償をベースに、海外旅行保険なら「治療・救援費用」「航空機寄託手荷物遅延等費用」、ゴルフ保険なら「ホールインワン・アルバトロス費用」などの補償が付帯されています。
そのほかの補償としてまとめます。
そのほかの補償
補償の種類 | 概要 |
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治療・救援費用 | おもに海外旅行中の事故によるケガや病気で、治療費を負担した場合に支払われる保険金。保険がきかない海外で役立つ。海外旅行開始前に発病し、海外旅行中に急激に悪化した場合のみを対象とする補償もある。 |
航空機寄託手荷物遅延等費用 | おもに海外旅行保険に付帯している。航空会社に預けた手荷物が見つからず、必要な日用品を購入した場合などに支払われる保険金。 |
航空機遅延費用 | おもに海外旅行保険に付帯している。航空機の遅延や運航により宿泊代や交通費等を支出した場合などに支払われる保険金。 |
ホールインワン・アルバトロス 費用 |
ホールインワン・アルバトロスを達成した際、お祝いのための購入費やパーティー費用を負担した場合に支払われる保険金。 |
ゴルフ用品補償 | ゴルフ場やゴルフ練習場敷地内で、ゴルフ用品の盗難やゴルフクラブの破損・曲損事故が発生した場合に支払われる保険金。携行品損害補償のように、時価額か修理費のいずれか低いほうが損害額として支払われる。 |
au損保・損保ジャパン・三井住友海上の申し込み方法
基本的には補償内容を比較して自分に合ったレジャー保険を選ぶとよいでしょう。
ただ、似たような保険商品で決めかねている場合、申込方法で保険商品を選ぶケースも考えられます。
具体的な保険商品を例に、レジャー保険商品によって、申込方法がどのように異なるかまとめます。
さまざまな申込方法
レジャー保険商品 | 申込方法 |
---|---|
au損保 「ケガの保険 日常の事故」 |
スマホ、タブレット、パソコンからの申し込みのみで、auショップでの申し込みはできない。 |
損保ジャパン 「国内旅行総合保険」 |
ネットでの申し込みはできず、代理店で加入相談や見積依頼を行っている。 |
三井住友海上 「1DAYレジャー保険」 |
パソコンからの申し込みはできず、スマホや代理店経由の申し込みとなる。またセブンイレブンで申し込むこともできる。 |
上記のように商品によって申込方法は大きく異なります。
ネットの申し込みが可能かどうかだけでなく、端末による制限もありますので、注意が必要です。
イベント保険やレクリエーション保険とはどう違う?
ここまでレジャー保険の補償内容や申込方法について解説しましたが、これらは個人や家族向けの保険です。
レジャー保険のほか、イベントやレクリエーションの主催者が行事参加者のために加入する保険として、イベント保険やレクリエーション保険があります。
イベント保険やレクリエーション保険はレジャー保険とは異なり、参加者数20名以上など規模の大きい行事に活用され、また主催者が保険者となります。
イベント保険やレクリエーション保険の特徴は次のとおりです。
イベント保険
イベントを開催する際、主催者の落ち度や不手際により参加者がケガをすると賠償責任を負う可能性があります。
このような場合に備えた保険がイベント保険で、不特定多数のイベントを開催する主催者が保険に加入します。
また悪天候や交通機関の普通などによりイベントが中止になった場合の費用を補償する興行中止保険もイベント保険のひとつです。
レクリエーション保険
レクリエーション保険もイベント保険と同様、参加者がケガをした場合に備えた保険で、参加者数が決まっている20名以上の行事に活用できます。
イベント保険とは異なり、参加者の名簿が必要になります。そのため、不特定多数の行事には向いていません。
掛け捨て型保険でケガや損害に備えよう
レジャー保険(傷害保険)には貯蓄型と掛捨型があり、目的によって選ぶ必要があります。掛捨型は何もなければ何も受け取れませんが、その分、保険料は割安です。
貯蓄型レジャー保険はほとんど販売されていませんが、気になる人は代理店などに問い合わせをして見積もりを依頼し、補償内容と保険料を比較してみてください。
基本的には掛捨型のレジャー保険で保険料の負担をおさえつつ、補償内容を充実させるほうがよいでしょう。
契約前に不明な点は質問するなどして、補償内容をよく理解してから申し込むことが大切です。