レクリエーション傷害保険の利用には様々な準備が必要となるため、当日加入すれば良いと考えている場合は注意が必要です。
この記事では、レクリエーション傷害保険に加入するときの手続きの流れと注意事項を解説します。
当日加入が可能な保険商品や、補償内容が充実したおすすめのレクリエーション傷害保険も紹介しているので、行事主催者・責任者の方はぜひ参考にしてみてください。
イベント・レクリエーション傷害保険への当日加入は可能?
まずは、レクリエーション傷害保険に当日加入することが可能なのかどうか、また契約完了までにどのような手続きが必要なのかといった点を解説していきます。
結論:レクリエーション傷害保険の当日加入は原則不可
レクリエーション傷害保険への当日加入は、基本的にできないものと考えた方が良いでしょう。
通常、レクリエーション傷害保険の加入申し込みから保険証券の受け取りまでは10日前後の期間がかかります。
レクリエーション傷害保険の契約に必要な資料を全て用意した状態で店舗に出向けば、即日対応してもらえるかもしれませんが、当日加入できる可能性は低いと言えるでしょう。
そのため、レクリエーション傷害保険を契約する際は、1〜2週間程度前もって手続きしておくことをおすすめします。
レクリエーション傷害保険の契約方法
レクリエーション傷害保険を契約する際の基本的な手続きの流れは以下の通りです。
保険会社の場合
保険会社が販売するレクリエーション傷害保険を利用する場合、保険代理店を経由して以下の流れで手続きを進めるのが一般的です。
- ネット等から保険代理店に問い合わせ
- イベント・行事の開催期間・参加人数・内容とともに、希望の補償内容・特約を伝える
- 提示される保険料の見積もり金額を確認する
- 問題なければ契約書類に必要事項を記入して申し込む
- 所定の保険料を支払う
参加人数が確定してから当日加入しようと考える方もいるかもしれませんが、参加人数については暫定でも申し込めるため、申し込みの時点で確定していなくても問題ありません。(保険会社・商品によって条件が異なる場合がございます)
暫定の人数でレクリエーション傷害保険に加入した場合、イベント開催後に実際の参加人数との差額分を支払うことになります。
農協(JA)の場合
農協(JA)では、保険会社のレクリエーション傷害保険にあたる商品として、イベント共済というものを販売しています。
イベント共済を利用する場合の基本的な申し込み手順は以下の通りです。
- 近隣の農協窓口にてイベント共済に加入したい旨を伝える
- イベント・行事の開催期間・参加人数・内容とともに、希望の補償内容を伝える
- 提示される掛け金を確認する
- 問題なければ契約書類に必要事項を記入して申し込む
- 所定の掛け金を支払う
- 郵送される共済証書を受け取る
共済証書の受け取りは基本的に郵送となるため、当日加入・当日受け取りは難しいという点に注意が必要です。
保険会社のレクリエーション傷害保険同様、こちらも当日加入はできないものとして、1〜2週間程度前もって手続きするようにしましょう。
レクリエーション傷害保険の補償内容
レクリエーション傷害保険の基本的な補償内容は以下の通りです。
補償内容 | 補償を受けられるケース | 保険金の額 |
---|---|---|
死亡保険金 | 保険期間中の事故によるケガのため、事故の発生日から180日以内に死亡した場合 | 死亡・後遺障害保険金額の全額 |
後遺障害保険金 | 保険期間中の事故によるケガのため、事故の発生日から180日以内に所定の後遺障害が発生した場合 | 死亡・後遺障害保険金額×所定の保険金支払割合(4~100%) |
入院保険金 | 保険期間中の事故によるケガのため、事故の発生日から180日以内に入院した場合 | 入院保険金日額×入院日数 |
手術保険金 | 保険期間中の事故によるケガのため、事故の発生日から180日以内に手術を受けた場合 | 入院中の手術:入院保険金日額×10・その他の手術:入院保険金日額×5 |
通院保険金 | 保険期間中の事故によるケガのため、事故の発生日から180日以内に通院した場合 | 通院保険金日額×通院日数 |
当日加入できる保険商品はある?
レクリエーション傷害保険やイベント共済への加入を忘れてしまい、未加入のまま当日を迎えるというケースもあるかもしれません。
このような場合は、当日加入できる以下の個人向け保険サービスを紹介し、参加者側に加入を促す方法を検討してみましょう。
スマホから申し込みできるレジャー保険
当日加入できる行事用保険として、通信事業者等が販売するレジャー保険が挙げられます。
こちらはスマートフォンからの申し込み手続きに対応しており、出発直前でも加入できるのが特徴です。
保険料も数百円程度と安いため、日帰りイベント等に参加する際は加入を検討してみると良いでしょう。
ただし、レジャー保険は基本的に個人向けの保険のため、多くても5名程度の団体(家族)でしか加入できません。
レクリエーション傷害保険のように、主催者一人の契約で、大勢の被保険者を補償することができない点に注意が必要です。(保険会社・商品によって加入条件は異なります)
スマホから当日加入できるレジャー保険には以下のような商品があります。
ドコモ ワンタイム保険 | スポーツ・レジャー保険、ゴルファー保険、国内・海外旅行保険、自動車保険等を販売。1日単位での加入および当日加入に対応しており、保険料は月々の携帯電話料金とあわせて請求されます。 |
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auの損害保険 | 国内旅行、海外旅行、ゴルフ、一般傷害、自動車、自転車等の補償に対応。旅行保険やゴルフ保険は当日加入も可能です。 |
ソフトバンクかんたん保険 | スポーツ・レジャー保険、海外旅行保険、国内旅行保険、ゴルファー保険、自転車あんしん保険等を販売。レジャー保険は1日単位での加入および当日加入に対応しています。 |
1日保険シリーズ(楽天損保) | 楽天グループの無料通話&メッセージアプリ「Rakuten Viber」の利用者向けサービス。レジャー、ゴルフ、イベント・スポーツ観戦、国内旅行、ドローン向けの保険商品が用意されています。 |
LINEほけん(LINE Financial) | 1日単位で加入できる短期型の保険をはじめ、半日単位で加入できる自動車保険、ゴルフ、イベント保険等も販売されています。 |
国内旅行傷害保険を利用するのも1つ
国内旅行傷害保険の中にも当日加入可能な商品があります。
こちらは本来旅行用の傷害保険ですが、日帰りのレジャーやレクリエーション活動の場合でも補償を受けられるのが特徴です。
当日加入できる国内旅行傷害保険の一例として、楽天損害保険株式会社の商品を紹介します。
対象年齢 | 旅行出発時点で満18歳以上・満69歳以下の方 |
---|---|
加入条件 | 日本国内に在住し、楽天IDおよびメールアドレスを取得済みの個人であること |
保険期間 | 1日〜30日の間で任意(保険始期日は申し込み当日から90日以内で設定可能) |
保険料例 | 100円から |
補償内容 | 死亡・後遺障害/入院保険金日額/手術保険金/救済者費用 |
備考 | 当日加入可能/家族・友人とまとめて加入可能(1契約で10名まで同時加入可能) |
余裕をもった手続きを!おすすめのレクリエーション傷害保険
レジャー保険や国内旅行傷害保険は当日加入できる手軽さが魅力ですが、対象イベントや補償範囲が限定されるというデメリットもあります。
より充実した補償を受けるのであれば、やはりレクリエーション傷害保険がおすすめですので、開催当日まで余裕がある場合はこちらを検討しましょう。
ここからは、補償内容が充実した人気のレクリエーション傷害保険をいくつか紹介していきます。
【あいおいニッセイ同和損保】レクリエーション傷害保険
特徴 | 行事主催者が保険契約者となり、参加者を一括契約するレクリエーション傷害保険です。オンライン上での契約手続きやキャッシュレス決済などに対応している点がメリットです。 |
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加入条件 | 1日20名以上の参加者 |
1契約あたりの最低保険料 | 1,000円 |
主な保険金の種類 | 死亡保険金・後遺障害保険金・入院保険金・手術保険金・通院保険金 |
主な特約 | 熱中症危険補償特約・食中毒補償特約 |
またあいおいニッセイ同和損保では、上記のレクリエーション傷害保険の他に、パソコンやスマホから申込可能な「ネットで簡単!レクリエーション傷害保険」を販売しています。
他のレクリエーション傷害保険に比べて、よりお申込み手続きが簡単で、レクリエーション行事開催日の前日23時59分まで加入申込みが可能。
万が一事故が発生した場合は、ネットでいつでも簡単に事故受付・保険金請求をすることができます。
【損保ジャパン日本興亜】レクリエーション補償プラン
保険の特徴 | 行事主催者が保険契約者となり、参加者を一括契約するレクリエーション傷害保険です。熱中症・食中毒に関する特約があらかじめセットされているという特徴があります。 |
---|---|
加入条件 | 1日20名以上の参加者 |
1契約あたりの最低保険料 | 1,000円 |
主な保険金の種類 | 死亡保険金・後遺障害保険金・入院保険金・手術保険金・通院保険金 |
主な特約 | 熱中症危険補償特約・細菌性食中毒およびウイルス性食中毒補償特約 |
【三井住友海上】レクリエーション傷害補償プラン
保険の特徴 | 行事主催者が保険契約者となり、参加者を一括契約するレクリエーション傷害保険です。三井住友海上では、少人数向けの1Dayレジャー保険なども提供されています。 |
---|---|
加入条件 | 1日20名以上の参加者 |
1契約あたりの最低保険料 | 1,000円 |
主な保険金の種類 | 死亡保険金・後遺障害保険金・入院保険金・手術保険金・通院保険金 |
主な特約 | 熱中症危険補償特約・食中毒補償特約・天災危険補償特約 |
まとめ
- レクリエーション傷害保険への当日加入は原則不可
- 当日加入にも対応している商品として、通信事業者が販売するレジャー保険や国内旅行傷害保険等がある
- 補償を充実させたい場合は、イベント当日から1〜2週間程度前もってレクリエーション傷害保険に加入するのがおすすめ
レクリエーション傷害保険は安い保険料で充実して補償を受けられる便利な商品ですが、当日加入は基本的にできないので注意が必要です。
参加人数の変更等はあとからでも手続きできるため、イベント開催が確定した段階で早めにレクリエーション傷害保険への加入を検討するようにしましょう。