イベント保険

イベント・行事が台風で中止になった場合はイベント保険で補償できる?

台風に備えて加入したいイベント保険「興行中止保険」の概要を紹介

イベント・行事が台風で中止になった場合はイベント保険で補償できる?

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野外イベントのように、台風や大雨といった天候不良の影響を受けやすいイベントを開催する際は、万が一に備えてイベント保険へ加入しておくことをおすすめします。

この記事では、イベント保険の一種である「興行中止保険」の補償内容や費用例等を紹介します。

興行中止保険で補償されるケース・されないケースの違いもまとめているので、台風や梅雨のシーズンに野外イベントの開催を予定している方はぜひ参考にしてみてください。

台風による興行中止はイベント保険の補償対象になる?

台風による興行中止はイベント保険の補償対象になる?

まずはイベント保険の概要と、台風や大雨等で中止になった場合の補償を受けられる「興行中止保険」の仕組み・補償内容について詳しく見ていきましょう。

イベント保険の「興行中止保険」とは

イベント保険とは、行事・イベントの開催時に想定される様々なリスクをカバーするための保険商品のことで、主に以下のような保険から構成されています。

概要
傷害保険 観客が将棋倒しになる等、イベント中にケガ・死亡事故が生じた場合に補償を受けられる
施設賠償責任保険 設営していたテントが倒れてケガ人が出た場合等、主催者側の不備で参加者が被害を被った・モノを破損させた場合に補償を受けられる
興行中止保険 悪天候や出演者の都合によってイベントそのものが中止となった際に補償を受けられる
動産総合保険 展示品の焼失や運搬中の破損等、イベントに使用する展示品・機器が破損した場合に補償を受けられる

台風や大雨によってイベント開催が中止または延期となった場合の損害については、上記イベント保険のうち「興行中止保険」にて補償を受けることが可能です。

イベント保険の興行中止保険の対象となる行事・イベントの種類としては、以下のようなものが挙げられます。

  • スポーツ大会
  • コンサート・野外フェス・演劇・歌舞伎
  • お祭り・花火大会・マルシェ
  • 展覧会・博覧会・物産展・ファッションショー
  • 式典・会議・シンポジウム 等

一方、イベント性がなく通常業務との区別が難しい以下のようなケースでは、台風や大雨による損害が想定される場合でもイベント保険を利用することはできないので注意しましょう。

  • ディーラーの展示即売会・新車発表会
  • 学習塾の夏季スクール
  • 建設工事
  • 遊園地・ホテル・海の家等の通常業務でイベントと関係のないもの 等

興行中止保険の主な補償内容

興行中止保険の主な補償内容

台風や大雨によってイベント開催が中止または延期となった場合に、イベント保険の興行中止保険で補償を受けられる費用としては以下のようなものが挙げられます。

概要 具体的な費用項目例
中止費用 イベントの準備にかかった費用 出演料・会場使用料・会場設営費・スタッフにかかる費用(雇用費・交通費・食費・宿泊費等)・警備費・広告宣伝費 等
追加費用 イベントの延期または中止に伴い、追加で生じた費用 チケットの払い戻しにかかる手数料・中止広告費 等

なお、補償範囲に含める費用項目とその金額・支払限度額等については契約時に設定する形となります。

台風や大雨によって損害が出た場合でも、すべての損害が補償されるわけではなく、契約時に設定した補償範囲のみが対象となる点に注意しましょう。

保険料の計算方法・費用事例

保険料の計算方法・費用事例

イベント保険の興行中止保険では、次の計算式で算出される金額が保険金額(支払限度額)の範囲内で支払われます。

{(準備費用+追加費用)-(収入+免責金額)}×縮小支払割合(70~100%)

台風や大雨によってイベントが中止となった場合でも、それまでに収入があり、費用の一部を回収できているといったケースでは、損害費用の総額からこの分が差し引かれることになります。

また契約時に設定した免責金額(=自己負担額)や縮小支払割合(=保険会社のリスク負担割合)によっては、更に保険金が減額される可能性もあるため、イベントの規模や内容に応じて適切な契約を結ぶことが大切です。

以下は、実際にイベント保険の興行中止保険を利用した場合の保険料・保険金額の一例です。

屋外コンサートの例 地域のお祭りの例
開催場所 都心部の野球場 都心部の公園
開催時期 5月上旬(1日間) 8月下旬(2日間)
支払いの対象となる事由 不測かつ突発的な事由による中止(出演者の出演不能リスク補償あり) 台風や大雨等の悪天候による中止
支払いの対象となる損害 出演料・会場設営費・プログラム/ポスター/チラシ/チケット印刷費 等 会場設営費・ポスター印刷費・機材運搬費・食材費 等
規模 4,000万円 100万円
保険料 約140円 約10万円
縮小支払割合 90% 100%
保険金額(支払限度額) 3,600万円 100万円

台風以外にも!興行中止保険の補償対象となる損害

台風以外にも!興行中止保険の補償対象となる損害

続いて、イベント保険の興行中止保険で補償されるケースおよび補償されないケースの違いについて詳しく見ていきましょう。

興行中止保険の対象になるケース

興行中止保険は「不測かつ突発的な事由」によってイベントが中止・延期となった場合の損害を補償するイベント保険で、台風や大雨をはじめ以下のようなケースで補償を受けられます。

  • 台風・大雨・積雪等の悪天候
  • 雪不足による開催不能
  • 交通機関の不通
  • 出演者のキャンセル 等

台風や大雨等は主に屋外イベントで想定されるリスクですが、屋内イベントであっても交通機関の不通や出演キャンセル等による中止・延期の可能性は十分に考えられます。

イベント保険は契約ごとに細かくカスタマイズできる商品がほとんどですので、屋内であれば交通機関の事故や出演キャンセル、屋外の場合は台風や大雨といった悪天候による中止・延期の損害を補償範囲に含めるようにすると良いでしょう。

保険金の支払いを受けられないケース

保険金の支払いを受けられないケース

イベント保険に加入していても、以下のようなケースでは保険金を受け取ることができません。

  • イベント関係者の故意による中止・延期
  • 重過失または法令違反による中止・延期
  • イベント関係者の解散・破産・資金不足による中止・延期
  • 売上不足・顧客不足等による中止・延期
  • 持病の再発や妊娠・出産、また薬物の服用や自傷行為といった特定の事由による出演者のキャンセル
  • イベント関係者の犯罪行為・闘争行為・逮捕・出入国拒否、・権力の行使による中止・延期
  • 政変・国交断絶・国家的服喪・経済恐慌・物価騰貴等による中止・延期
  • 戦争・暴動・地震・噴火・津波等による中止・延期
  • 重症急性呼吸器症候群・新型インフルエンザ等の感染症の発生に起因する損害 等

近年は新型コロナウイルスの感染拡大によってイベント開催が中止・延期となるケースも珍しくありませんが、現状、新型コロナウイルスはイベント保険の補償対象外となる場合がほとんどです。

特約を利用することで補償範囲に含められるケースもありますが、新型コロナに起因するイベント中止は基本的に補償されないという点を理解しておきましょう。

興行中止に伴うイベント保険の活用方法まとめ

興行中止に伴うイベント保険の活用方法まとめ

  • 興行中止保険とは、台風や大雨等の悪天候をはじめとする不測かつ突発的な事由でイベントが中止・延期となった場合の損害を補償するためのイベント保険
  • イベント準備にかかった費用や中止・延期に伴ってかかった追加費用の補償を契約の範囲内で受けられる
  • 新型コロナウイルスをはじめ、イベント中止の事由によっては補償を受けられないケースもある点に注意が必要

イベントの規模が大きくなるほど、中止・延期となった場合の損害やリスクも大きくなるため、イベント保険等を活用して万が一に備えておくことが大切です。

特に、梅雨や台風シーズンにイベント開催を予定している主催者・責任者の方は、ぜひ興行中止保険への加入を検討してみてください。

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