イベントを開催する際には、予期せぬトラブルに備えイベント保険について詳しく知っておくことが大切です。
とはいえ、イベント保険には様々な種類があり、保険会社によって提供しているプランも異なります。そのため、どのようなものがあるのか知ってから選びたい方も多いでしょう。
そこで、この記事では以下の内容を紹介します。
この記事で分かること
- イベント保険の種類と特徴
- おすすめのイベント保険商品
- イベント保険の選び方のポイント
記事を読むことでイベント保険の基礎知識が身につきます。その結果、安心してイベントを企画・運営できるようになるでしょう。
イベント保険の種類や選び方について知ることで、イベント運営の参考にしてください。
種類にはどんなものがある?
イベント保険には主に以下の3つの種類があります。
- 傷害保険
- 施設賠償責任保険
- 興行中止保険
各イベント保険の特徴と役割を見ていきましょう。
傷害保険
傷害保険は、イベント参加者がケガをした場合に備えるものです。参加者がイベント中にケガをしてしまったときに、保険金を受け取れます。
例えば、マラソン大会で転倒して骨折したり、コンサート会場で将棋倒しになって負傷したりした場合に傷害保険で補償されます。
このように傷害保険は、イベントにおける安全対策として重要な役割を担っています。
施設賠償責任保険
施設賠償責任保険は、イベントや催し物などの主催者が責任を負う事故によって、参加者にケガをさせたり、物を壊したりしてしまった場合に補償する保険です。
たとえば、会場の設備が不適切で観客が転倒し、ケガをしてしまった場合、主催者の責任が問われることになります。
このような時に施設賠償責任保険に加入していれば、ケガをした人に対する治療費などを補償してもらえます。
興行中止保険
興行中止保険は、台風や地震などの自然災害、事故、病気、出演者のキャンセルなどによりイベントが中止や延期になった場合、経済的な損失を補償する保険です。
野外コンサートが台風で中止になった場合などに、会場費や出演者へのギャラ、広告費など、既に支出した費用が補償対象となります。
【傷害保険】おすすめのイベント保険一覧
イベントで起こりうる事故から参加者を守るイベント保険の加入プランを紹介します。
- レクリェーション傷害保険【あいおいニッセイ同和損保】
- レクリェーション傷害保険【大同火災】
- レジャー・サービス施設費用保険【三井住友海上】
- レクリエーション補償プラン【損保ジャパン】
- イベント共済【JA共済】
各イベント保険の内容について、詳しく見ていきましょう。
レクリェーション傷害保険【あいおいニッセイ同和損保】
主な補償内容 | 死亡保険金/後遺障害保険金/入院保険金/手術保険金/通院保険金 |
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保険料金 | 最低保険料1,000円~ |
補償限度額 | 入院:日額1万円 通院:日額5千円など |
あいおいニッセイ同和損保のレクリエーション傷害保険は、イベントやレクリエーション中の様々なケガを補償するイベント保険です。
1日に20人以上が参加するイベントで、参加者全員の名前が分かる名簿がある場合に加入できます。
インターネットから簡単に申し込むことができ、オンラインで手続きが完結することもメリットです。
保険料金も手頃なので、必要なときに気軽に加入できます。
また、死亡や後遺障害、入院、通院など充実した補償内容も魅力的なイベント保険です。
基本補償の対象に、熱中症、食中毒による入院が含まれているのもこのイベント保険の特徴です。
町内会の芋煮会や、
また、自宅を出発してからイベント会場に到着し、そして自宅に帰るまで、幅広く補償してくれることもメリットです。例えば、イベント会場への行き帰りにケガをしてしまった場合でも、補償の対象となります。
保険の申し込み締め切りはイベント開催の前日なので、急なイベントにも対応できます。
また、コンビニ払いに対応している点も嬉しいポイントです。
レクリェーション傷害保険【あいおいニッセイ同和損保】
https://xn--cbkxbye7k.com/lp/
レクリェーション傷害保険【大同火災】
主な補償内容 | 死亡保険金、後遺障害保険金、入院保険金、手術保険金、通院保険金 |
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保険料金 | 行事の危険度によってA料率(危険性が少ない)、B料率(危険性がやや大きい)、C料率(危険性が大きい)の3段階 |
補償限度額 | 死亡・後遺障害保険金額:1,000万円以内/入院保険金日額:7,500円以内/通院保険金日額:5,000円以内 |
大同火災のレクリェーション傷害保険は、会社や町内会主催の野球大会、運動会、お祭りなどの行事を対象としたイベント保険です。
あいおいニッセイ同和損保のレクリェーション傷害保険と同様に、加入の際には、1日20人以上の参加者および参加者名簿が必要です。
加入すると、行事中のけがに対してその程度に応じて保険金が支払われるのはもちろん、特約を付けると自宅との往復も対象になります。
保険料金は、イベントの種類によって異なります。
例えば、ゲートボールのように危険度が低いと判断されるイベントでの保険料金は安く、サッカーのように危険度が高いと判断されるイベントでの保険料金は高くなります。
レクリェーション傷害保険 | 大同火災
https://www.daidokasai.co.jp/wp-content/uploads/2019/11/recreation_injury_bookletH25.pdf
レジャー・サービス施設費用保険【三井住友海上】
主な補償内容 | 被災者対応費用/被災者傷害見舞費用/災害広告費用 |
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保険料金 | 施設の種類と規模により異なる(例:百貨店10,000㎡で年間約24万円) |
補償限度額 | 死亡・後遺障害:一人あたり50万円/入院・通院:一人当たり2~10万円/災害広告費用:1事故あたり100万円~3,000万円など |
三井住友海上のレジャー・サービス施設費用保険は、遊園地や映画館、ホテルなどのレジャー施設向けの保険です。
これらの施設で、遊具の故障や火災、食中毒などの事故が発生した場合に、その事故に関連する費用を補償します。
補償の対象となる費用として、事故発生時の対応費用や、被害者の方へのお見舞金、お詫びの広告掲載費用などが挙げられます。
保険料金は、施設の種類や規模、利用者数、過去の事故発生率などによって異なります。保険期間は通常1年ですが、短期や長期の契約も可能です。
レジャー・サービス施設費用保険 | 三井住友海上
https://www.ms-ins.com/pdf/business/cost/leisure.pdf
レクリエーション補償プラン【損保ジャパン】
主な補償内容 | 死亡保険金・後遺障害保険金・入院保険金・手術保険金・通院保険金 |
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保険料金 | 30~300円(一人1日当たりの金額) |
補償限度額 | 死亡・後遺障害:455万円〜460万円(区分により異なる) |
損保ジャパンのレクリエーション保険は、イベント中の事故によるケガを補償してくれる保険です。
ハイキングやキャンプなどのアウトドア活動、運動会や文化祭などの学校行事、町内会のお祭りなど、様々なイベントに対応しており、20名以上のイベントであれば利用できます。
この保険では、参加者全員を対象に、死亡、後遺障害、入院、手術、通院など、幅広い補償を提供しています。万が一、イベント中に事故が発生し、ケガをしてしまった場合でも、安心して治療に専念できるでしょう。
保険料金は、イベントの種類や参加人数によって異なります。20名以上のイベントで1,000円から利用でき、50名以上であれば団体割引も適用されます。
レクリエーション補償プランのご案内 | SOMPOホールディングス
https://www.gia-agency.jp/images/stories/pdf/レクリエーション保険.pdf
イベント共済【JA共済】
主な補償内容 | イベント傷害共済:死亡共済金・後遺障害共済金・入院共済金・通院共済金 /イベント賠償責任共済:対人・対物賠償 |
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保険料金 | イベント傷害共済:24円/人・日~ / イベント賠償責任共済:12円/人・日~ |
補償限度額 | 死亡:300万円/後遺障害:15万円〜300万円/賠償責任:最高5,000万円など |
JA共済のイベント共済は、イベントを安心して開催し参加できるよう、参加者と主催者の両方を守るためのイベント保険です。
加入資格は、JA(農協)の組合員または準組合員です。準組合員には農業関係者以外の方でもなれるため、幅広い方が加入できます。
この保険に加入すると、イベント中の思わぬ事故による経済的な負担を抑えられます。
例えば、ドッジボール大会で手の指を骨折した場合や、主催者が準備した備品が壊れて参加者にケガをさせてしまった場合などに、補償を受けることが可能です。
イベント共済 | JA共済
https://www.ja-kyosai.or.jp/okangae/person/event/pdf/event_201904.pdf
【施設賠償責任保険】おすすめのイベント保険一覧
施設賠償責任保険は、お店や施設で起こる事故による損害を補償する保険です。
ここでは、以下の内容について説明します。
- 施設賠償責任保険【共栄火災海上】
- 施設賠償責任保険【東京海上日動】
各保険会社の商品の特徴を詳しく見ていきましょう。
施設賠償責任保険【共栄火災海上】
主な補償内容 | 損害賠償金/損害防止費用/応急手当等費用/争訟費用/示談交渉費用 |
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保険料金 | 施設の種類、面積、賃金、入場者数などをもとに算出 |
補償限度額 | 想定される事故に対して妥当な金額を設定可能 |
共栄火災海上の施設賠償責任保険は、映画館やデパート、工場など、様々な施設で起こりうる事故による損害を補償する保険です。
例えば、施設の階段で転倒して怪我をしてしまった場合や、従業員が商品を落としてお客様に怪我をさせてしまった場合などに、被害者の方へ賠償金が補償されます。
保険料金は施設の広さや利用者数、業種などによって決まります。加入する際は、施設の状況に合わせて、補償の内容や期間を選ぶことが可能です。
さらに特約を付けることで、補償の範囲を広げることもできます。例えば、地震などの天災による損害を補償する特約や、サイバー攻撃による損害を補償する特約などがあります。
施設賠償責任保険 | 共栄火災
https://www.kyoeikasai.co.jp/pdf/corp/liability/shi_bai.pdf
施設賠償責任保険【東京海上日動】
主な補償内容 | 法律上の損害賠償金/訴訟費用・弁護士費用など |
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保険料金 | 施設の種類、仕事の内容、面積、入場者数、売上高等を基に算出 |
補償限度額 | 要問い合わせ |
東京海上日動の施設賠償責任保険は、施設を管理したり、仕事をしている最中に起きた事故による損害を補償する保険です。
イベント参加者が転倒して怪我をしてしまったり、展示物が倒れて来場者にぶつかってしまった場合などに、賠償金や裁判費用、応急処置費用などを補償します。
保険料金は施設の種類、規模、顧客数などで異なるため、正確な金額をしるためには問い合わせが必要です。
施設賠償責任保険 | 東京海上日動
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/hojin/baiseki/shisetsu/
【興行中止保険】おすすめのイベント保険一覧
イベントが中止になってしまったときに、お金の心配をしなくていいようにする保険があります。
こういった保険を「興行中止保険」といい、次のような種類があります。
- 東京海上日動の興行中止保険
- 三井住友海上の興行中止保険
- 損保ジャパンの興行中止保険
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
興行中止保険【東京海上日動】
主な補償内容 | イベント準備のために支出した費用/中止や延期に伴い臨時に支出した費用 |
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保険料金 | イベントの内容や規模によって異なる |
補償限度額 | 個別に設定可能 |
東京海上日動の興行中止保険は、予期せぬ理由でイベントが中止になった際の損失を補償します。
コンサートや文化祭など、様々なイベントが対象です。例えば、悪天候や交通事故などによりイベントが中止になった場合、準備費用や追加費用をカバーします。
この保険に加入するには、イベントの規模によって手続きの期限が異なります。
通常のイベントの場合は14日前まで、参加者1,000人以上の大規模イベントの場合は30日前までに、手続きを完了する必要があります。
興行中止保険 | 東京海上日動
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/hojin/risk/kougyo/
興行中止保険【三井住友海上】
主な補償内容 | イベント準備のために支出した費用/中止や延期に伴う臨時の支出 |
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保険料金 | イベントの内容、規模、開催場所、期間などによって異なる |
補償限度額 | オーダーメイドで設定される |
三井住友海上の興行中止保険は、コンサートや演劇、スポーツ大会などが、予期せぬ事情で中止になった場合に備えるイベント保険です。
この保険は、イベントの内容や規模に合わせて、必要な補償を自由に組み合わせることができます。そのため、保険料金や補償限度額はイベントごとに異なります。
興行中止保険 | 三井住友海上
https://www.ms-ins.com/business/cost/kogyo/
興行中止保険【損保ジャパン】
主な補償内容 | 出演料/ 会場使用料/会場設営費/スタッフ交通費/スタッフ宿泊費/広告宣伝費 など |
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保険料金 | イベントの内容、規模、対象事故、支払限度額などにより異なる |
補償限度額 | 契約時に設定された金額 |
損保ジャパンの興行中止保険は、予期せぬ事故でイベントが中止や延期になったときに、主催者を経済的にサポートする保険です。
スポーツ大会やコンサート、お祭り、展覧会など、様々なイベントに対応しています。
保険料金や補償限度額は契約によって異なるので、詳しく知りたい場合は問い合わせてみるとよいでしょう。
興行中止保険 | 損保ジャパン
http://www.kinoshita-hoken.co.jp/kougyou.pdf
選び方のポイント
イベント保険を選ぶ際に大切なことをお伝えします。適切なイベント保険を選ぶことで、安心してイベントを開催できます。以下の3つのポイントを押さえましょう。
- イベント規模と内容で選ぶ
- 必要な補償内容を確認する
- 保険料金と補償額のバランスを見る
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
イベント規模と内容で選ぶ
イベントの種類や参加人数によって必要な保険が変わります。小規模な講演会と大規模な音楽フェスでは、リスクが異なるためです。
例えば、野外イベントでは天候によるリスクも考慮する必要があります。イベントの特性をよく理解し、それに合った保険を選びましょう。
必要な補償内容を確認する
イベントで起こりうるトラブルに対応できる補償を選びましょう。怪我や物損、中止や延期など様々なリスクを想定することが大切です。
具体的には、会場で参加者が転んでケガをした場合の補償などが考えられます。適切な補償内容を選ぶことで、万が一の事態にも冷静に対応できます。
また、レクリエーション保険では参加する個人名簿の提出を求められるケースが多いです。
そのため、不特定多数の参加を募るイベント(ライブ・ボランティア活動など)の場合は、きちんとそれらをカバーできるイベント保険への加入が必須となるため、使い分けが必要です。
保険料金と補償額のバランスを見る
保険料金と補償額のバランスを見ることも、イベント保険を選ぶうえで重要です。
例えばレクリエーション保険は、イベント保険と比較すると、加入条件のハードルが若干高い分、保険料金は安い傾向にあります。
したがって、開催するイベントの規模等に応じて補償範囲の広いイベント保険にするか、価格の安いレクリエーション保険を選択しましょう。
そこで、業界の平均的な保険料金を参考に、適切なバランスを見つけることが大切になります。
記事のまとめ
この記事では、イベントを安全に開催するために必要なイベント保険について解説しました。
イベント保険には、参加者のケガを補償する傷害保険、主催者の責任による事故を補償する施設賠償責任保険、イベント中止による損失を補償する興行中止保険の3つの種類があります。
これらの保険は様々な保険会社から、それぞれ特徴の異なる商品が販売されています。
加入を検討する際は、イベントの内容や規模、必要な補償内容、保険料金などをよく比較してイベント保険を選びましょう。
今回の記事を参考に、イベントの規模や内容に合った保険を選び、安心してイベントを開催できるようにしてください。