イベント保険

損害賠償や傷害に備える!イベント保険の基本補償や特約、保険料例を解説

行事・イベントの事故で傷害・損害が発生したときのイベント保険について解説

損害賠償や傷害に備える!イベント保険の基本補償や特約、保険料例を解説

行事やイベントを開催する際、参加者がケガをしてしまったり、第三者に損害を与えて賠償責任を負ってしまったりするリスクを想定しなければなりません。

今後行事やイベントを開催する予定がある法人・団体におすすめなのが「イベント保険」です。

事故やトラブルによる損害賠償・傷害のリスクをカバーできるため、あらかじめ加入しておくと安心です。

本記事では、イベント保険の概要や基本の補償内容、保険料例などをご紹介します。

ぜひ本記事を参考に最適な保険を契約し、行事・イベントにおける損害賠償・傷害のリスクに備えていきましょう。

イベント保険とは

イベント保険とは

イベント保険とは、行事・イベントの際の事故によって傷害・損害が発生した場合に補償される保険商品のことです。

行事・イベントの主催者が契約者となって保険に加入し、参加者全員をまとめて被保険者に設定する仕組みとなっています。

イベント保険の対象となる行事やイベントの種類

イベント保険は一部の危険度が高いスポーツ・アクティビティ(例:スキューバダイビング、バンジージャンプなど)を除き、ほとんどの行事・イベントが補償の対象となります。

補償対象となる行事・イベントの種類として以下のようなものが挙げられます。

  • コンサート
  • 花火大会
  • 盆踊り
  • 文化祭・学園祭
  • 運動会
  • サッカー
  • 野球
  • 海水浴
  • 工場見学

ほかにもさまざまな行事・イベントが対象となるため、事前に保険会社に問い合わせておくと良いでしょう。

レクリエーション保険との違い

同じように行事・イベントにおけるリスクをカバーできる保険商品として「レクリエーション保険」があります。

イベント保険とレクリエーション保険はともに団体向けの保険商品ですが、以下の2点が異なります。

  • 対象となる行事・イベントの条件
  • 補償内容

それぞれの違いを踏まえて適切な保険を選びましょう。

対象となる行事・イベントの条件

前述の通り、イベント保険は危険性が高い一部のスポーツ等を除いてほとんどのイベントが補償対象となります。

参加者が不特定多数であっても加入できることが特徴です。

一方、レクリエーション保険は1日あたりの参加者が「20名以上」「45名以上」など、参加条件が定められています。

さらに事前に参加者を把握できる名簿等の提出が必要となるケースが多く、不特定多数が参加するイベントも補償対象となりません。

保険加入の際に求められる条件がイベント保険とレクリエーション保険で異なっています。

補償内容

詳細は後述しますが、イベント保険は比較的幅広く補償を受けられることが特徴です。

傷害や損害賠償、イベントの中止・延期などが補償対象となっており、行事・イベントにおいて想定されるリスクを幅広くカバーできます。

一方のレクリエーション保険は、一部の商品で損害賠償責任を補償できるものの、参加者のケガの補償がメインとなっています。

補償範囲が限られている分、イベント保険に比べると保険料を安く抑えられることが特徴です。

必要な補償内容や保険料の予算を照らし合わせ、イベント保険とレクリエーション保険のどちらに加入すべきか判断しましょう。

【損害賠償や傷害など】イベント保険の基本の補償内容

【損害賠償や傷害など】イベント保険の基本の補償内容

イベント保険は複数の保険から構成されており、含まれる保険の種類によって補償内容も変わってきます。

主に以下の4つの保険が含まれています。

  • 傷害保険
  • 施設賠償責任保険
  • 動産総合保険
  • 興行中止保険

各保険の補償内容を把握し、どういった補償が得られるのかを確認しておきましょう。

傷害保険

傷害保険は、行事・イベントの最中の事故によって参加者がケガをした場合に補償される保険商品です。

主な補償内容は以下の表の通りです。

死亡保険金 イベント中の事故によるケガが原因で参加者が死亡した場合に補償される。
後遺障害保険金 イベント中の事故によるケガが原因で参加者に後遺障害が残った場合に補償される。
入院保険金 イベント中の事故によるケガが原因で参加者が入院した場合、入院日数に応じて補償される。
手術保険金 イベント中の事故によるケガが原因で参加者が手術を受けた場合に補償される。
通院保険金 イベント中の事故によるケガが原因で参加者が通院した場合、通院日数に応じて補償される。

どういった行事・イベントであってもケガのリスクは伴うため、傷害保険が含まれたイベント保険の活用がおすすめです。

施設賠償責任保険

施設賠償責任保険は、主催者側の施設の管理が原因で傷害・損害が発生した場合に補償される保険商品です。

主な補償内容は以下の表の通りです。

損害賠償金 損害賠償責任を負ったときに被害者に対して支払う損害賠償金が補償される。
争訟費用 賠償責任についての訴訟費用や弁護士に支払う報酬などの費用が補償される。
損害防止軽減費用 事故が発生したときに損害の発生や拡大防止・被害の軽減を図るためにかかった費用が補償される。
協力費用 事故の解決を図る保険会社に対して協力するための費用が補償される。

施設管理が原因の事故は参加者に与える損害も大きくなりやすく、多額の賠償責任費用を負うリスクもあります。

テントやステージなどの設営を行うイベントの場合は施設賠償責任保険に加入しておくと良いでしょう。

動産総合保険

動産総合保険は、行事・イベントに使用する機材や展示品等の動産が破損・紛失となったときに補償される保険商品です。

主な補償内容は以下の表の通りです。

損害保険金 機材や展示品に生じた損害の賠償に充てる保険金が支払われる。
臨時費用保険金 損害の賠償についてかかった諸費用のために、損害保険金とは別で保険金が支払われる。
損害防止費用 事故の発生時に損害の拡大を防止したり、被害を軽減させたりするためにかかった費用が支払われる。
権利保全行使費用 第三者に賠償責任を請求する際にかかる費用が支払われる。
残存物取片付け費用保険金 事故の発生で破損した機材・展示品の処分等にかかった費用が支払われる。

機材・展示品を用いるイベントの場合、損害を受ける可能性を考慮して動産総合保険に加入しておくと良いでしょう。

興行中止保険

興行中止保険は、事故によって行事・イベントが中止・延期となった場合に補償される保険商品です。

主な補償内容は以下の表の通りです。

中止費用 イベント当日までの準備にかかった費用が支払われる。
追加費用 イベントの中止・延期によって追加で発生した費用が支払われる。

屋外で行う行事・イベントの場合、悪天候等が理由で中止・延期となるリスクが想定されます。

興行中止保険があるイベント保険に加入し、リスクに備えておきましょう。

特約を付帯して補償を手厚くすることも可能

特約を付帯して補償を手厚くすることも可能

イベント保険は上記で解説した4つの保険に加え、特約を契約して補償を手厚くすることもできます。

商品にもよりますが、イベント保険には以下のような特約を活用できます。

  • 飲食物危険補償特約
  • 初期対応費用補償特約
  • 受託者賠償責任補償特約

飲食物危険補償特約は、提供する飲食物によって食中毒等が発生した場合に補償される特約です。

飲食物を提供する予定がある行事・イベントの場合、特約を付帯させておくと良いでしょう。

初期対応費用補償特約は、発生した事故の初期対応にかかる費用が補償される特約です。

事故の状況を調査するためにかかる費用や被害者に対して支払う見舞金などが補償されます。

受託者賠償責任補償特約は、イベントのために借りたレンタル品の破損・紛失等で損害賠償責任を負ったときに補償される特約です。

機材や設備をレンタルして利用する場合、受託者賠償責任補償特約の付帯がおすすめです。

イベントの内容に合わせて特約を組み合わせ、適切な補償プランを設計しましょう。

イベント保険の保険料例

イベント保険の保険料例

幅広い補償を得られるイベント保険ですが、予算とのバランスを見極めることも重要です。

詳細な保険料についてはイベントの内容や参加者数、補償内容によって異なりますが、実際の保険料例をもとに目安となる金額を把握しておきましょう。

例えば、損保ジャパンの「動産総合保険」ではパンフレットに保険料例が記載されています。

「法人用特定動産契約」で契約した場合の保険料例は以下の通りです。

保険金額 1,000万円
保険料 86,500円
保険期間 1年
保管場所 広島県
保管される建物の構造級別 鉄骨造(耐火構造)
品名 スピーカー、アンプ
自己負担額 100,000円

出典:損保ジャパン「動産総合保険」

また、東京海上日動の「興行中止保険」では以下のような契約例・保険料例が用意されています。

イベント内容 屋外コンサート
規模 費用総額4,000万円
開催場所 東京都内の野球場
開催時期 5月上旬(1日間)
支払い対象となる事由 不測かつ突発的な事由による中止(出演者の出演不能リスク補償あり)
支払い対象となる損害(費用項目) 出演料、会場設営費、プログラム・ポスター・チラシ・チケット印刷費等
支払限度額 600万円
縮小支払割合 90%
保険料 約140万円

出典:東京海上日動「補償プラン・保険料」

詳細な保険料については各保険会社に問い合わせを行って確認しておきましょう。

記事まとめ:保険を契約して賠償責任・傷害に備えよう

特約を付帯して補償を手厚くすることも可能

イベント保険は、傷害や損害賠償責任、事故によるイベントの中止などのリスクを幅広くカバーできる保険商品です。

ほとんどのイベントが補償対象となっており、不特定多数の参加者がいる行事・イベントでも補償されることが特徴となっています。

開催する行事・イベントの内容にもよりますが、参加者のケガのリスクや損害賠償責任に備えておきたいのであれば加入を検討しておくべき保険です。

ぜひ本記事の内容を参考に、開催予定の行事・イベントにおけるリスクをカバーできるイベント保険を探してみましょう。

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