レクリエーション保険のこと

レクリエーション保険とは?補償内容から保険料、加入の注意点を解説!

レクリエーション保険の補償内容から保険料まで基本情報を徹底解説!

子ども会のイベントや社内行事、大人数で行うレジャーなど、イベント時に参加者がケガをしてしまった場合には、治療費がかかり参加者に負担が発生する可能性があります。

もし主催者側の過失で参加者がケガをした場合には、損害賠償請求をされるリスクもあるでしょう。

そんな事態に備えることができるのが、傷害保険の一種であるレクリエーション保険です。

この記事では、レクリエーション保険の基本的な補償内容から加入する際の注意点、保険料、現在販売されている各社のレクリエーション保険の特長を解説します。

イベント・行事の主催者の方、これから大人数のイベントを開催する予定の方はぜひ参考にしてみて下さい。

レクリエーション保険とは

レクリエーション保険は、イベントや行事の予定にあわせて加入することができる傷害保険で、イベントの参加者全員を対象に主催者が代表して契約します。

イベント・行事の最中に被保険者がケガをした場合や死亡・後遺障害が発生した場合に所定の保険金が支払われます。

イベント1回ごとに加入することができるため、保険料も1人当たり数十円~数百円と非常に手軽な金額で済む点がレクリエーション保険の魅力です。

また、主催者が参加者をまとめて加入するため、個々が保険に加入する手間を省ける点も便利なポイントでしょう。

このような利便性の高さから、地域のイベントや社内行事、大学生サークルなどの大人数の団体によるイベントでレクリエーション保険を利用される方が多くいらっしゃいます。

レクリエーション保険の補償内容

レクリエーション保険では、主に「傷害保険」と「損害賠償責任保険」の2つの補償があります。

保険商品によってはこの2つがセットになっている場合もあれば、傷害保険のみが備わっていて損害賠償責任保険は別途加入する必要がある場合もあります。

レクリエーション保険に加入する際には、どのような補償内容が備わっているのかよく確認しましょう。

傷害保険の補償内容

レクリエーション保険の傷害保険では、イベント・行事の最中に被保険者がケガを負った場合、下記のような保険金が支払われます。

  • 死亡・後遺障害保険金
  • 入院保険金
  • 通院保険金
  • 手術保険金

支払われる保険金額は、レクリエーション保険に契約する際に自由に決めることができます。

損害賠償責任保険

レクリエーション保険の損害賠償責任保険では、イベント・行事の最中に参加者の過失で被保険者が損害を負ったり、被保険者が第三者の身体・物品に対して損害を与えたりした時、法的な損害賠償責任を負わなければいけない場合に下記のような保険金が支払われます。

  • 法律上の損害賠償金
  • 争訟費用
  • 損害防止軽減費用
  • 緊急措置費用(応急手当や病院への搬送など、緊急措置に使用した費用の補償)
  • 協力費用(被保険者が保険会社の要請に応じて協力するために支出した費用の補償)

行事で使うテントの設置があまく、倒れて参加者にあたりケガをさせてしまった。野球大会の最中、打ったボールが近所の家の窓ガラスにあたり、ガラスを割ってしまった。こういった場合に損害賠償責任保険に加入していると、賠償責任を負わなければいけなくなった際に補償を得ることができます。

イベント時には、参加者のケガのリスクだけでなく、このような法律上の責任を問われるリスクも十分考えられるため、しっかり備えておくことが重要です。

保険商品によっては熱中症・食中毒も補償される

レクリエーション保険では、保険商品よっては熱中症や食中毒も補償の対象となります。

一般的な傷害保険では、補償の対象となるケースは「急激かつ偶然な外来の事故」とされており、たとえば転倒によるケガや交通事故などが該当します。

しかし、熱中症やウイルス性食中毒は急激かつ偶然な外来の事故とはみなされず、補償の対象外となってしまうことが多いのです。

その点、レクリエーション保険では特約を付帯させることで熱中症や食中毒も補償の対象に。近年は夏の異常気象がニュースになることも多く、熱中症のリスクが非常に高くなっています。夏場のイベントでは、熱中症の対策はしておきたいところでしょう。

注意点として、レクリエーション保険の商品によっては特約が用意されていない場合もあるため、よく確認してください。

加入は1回のイベント・行事ごと、もしくは年間契約

レクリエーション保険は、1回のイベント・行事ごとに契約する「スポット契約」のほか、1年間のイベント・行事に対してまとめて契約する「年間包括契約」の2種類の契約方法があります。

スポット契約

イベント1回ごとに契約する。不定期に開催されるイベント・行事に向いている。

年間包括契約

1年間のイベント・行事に対してめとめて契約。社内行事や地域行事など、1年間の行事予定があらかじめわかっている場合に向いている。

スポット契約も年間包括契約も、個々のイベントの種類・日程・参加者数に応じて保険料が決まる仕組みなので、保険料に差はありません。

年間包括契約の場合、保険料は1年間の行事予定に合わせて暫定の保険料を支払い、後から実際に開催されたイベント・行事の内容に合うように保険料の差額を支払うことになります。

前もってしっかり予定が決まりきっていない場合でも、去年までの行事開催状況や参加者人数の実績などをもとに年間包括契約をすることが可能です。

行事の多い団体の方は、加入手続きが1度で済む年間包括契約を検討してみてください。

保険料は「イベント・行事の種類」によって異なる

ここからは、レクリエーション保険の保険料の決まり方について解説します。

レクリエーション保険では、保険料は下記の3つの要素に応じて決定されます。

  • イベント・行事の内容
  • 設定する補償内容
  • 開催する日程

イベント・行事の内容は、ケガをするリスクの高い行事では保険料が比較的高く設定されます。また、死亡保険金や通院保険金などの補償内容を充実させると、その分保険料も割高になります。

開催する日程については、レクリエーション保険の保険料は「被保険者1人当たり、1日分の保険料」で算出されるため、開催する日程に合わせて保険料が加算される仕組みです。

1つの目安として、現在販売されているレクリエーション保険のパンフレットに記載されている保険料を見てみましょう。

例:東京海上日動のレクリエーション保険の保険料

死亡・後遺障害保険金が500万円、入院保険金日額2,000円、通院保険金日額1,000円で設定した場合

区分 行事の種類 保険料例(1名・1日)
A バドミントン大会、卓球大会、テニス大会、ハイキング、水泳教室、ヨガ、日帰り遠足、潮干狩りなど 24円
B 軟式野球の大会、剣道大会、陸上競技、運動会、サイクリング、マラソン大会、サッカー教室など 120円
C サッカー大会、硬式野球大会、山車・みこしに参加する祭り、ハンドボール、バスケットボールなど 241円

イベント・行事の種類に応じて区分が設定され、保険料に差があることがわかります。

https://files.japanslht.or.jp/notifications/2019/08/07/レクリエーション災害補償プラン20190807.pdf
東京海上日動 レクリェーション災害補償プラン

また、東京海上日動のレクリエーション保険では、セットで損害賠償保険も用意されています。

損害賠償保険の場合、イベント・行事の種類に関わらず、補償内容によって保険料が設定されます。こちらもパンフレットに記載されている例を見てみましょう。

プラン 支払い限度額・免責金額 保険料例
①主催者が負う賠償責任のみが対象の場合 支払限度額1億
免責金額なし
1名あたり10円
(最低保険料5,000円)
②主催者および参加者が負う賠償責任が対象の場合 1名あたり50円
(最低保険料5,000円)

この例の場合、傷害保険と損害賠償保険をセットで加入したとしても、一人あたりの保険料は30円~300円程度で済みます。

この保険料の安さも、レクリエーション保険が人気を集める理由の1つと言えるでしょう。

ケガをするリスクの高いレジャー等は加入できないことも

レクリエーション保険の保険料はイベント・行事・レジャーの内容に応じて決定されますが、どんなイベント内容でも保険が適用されるわけではありません。

ケガをするリスクが高かったり、命の危険が大きいレジャーなどはそもそも加入できないケースがあります。

保険商品によって異なりますが、スキューバダイビング、バンジージャンプ、ラフティング、山岳登はん(ピッケル等を使うような本格的な登山)、水上バイク、スカイダイビング、ロッククライミングなどは契約できない場合がほとんどです。

契約する際には、開催するイベント・行事・レジャーが契約対象となるかどうかを保険会社のスタッフによく確認してください。

注意!「少人数の団体」と「宿泊あり行事」は契約できない

レクリエーション保険は、イベント・行事を開催する大人数の団体向けの傷害保険です。

しかし、どんな団体や行事でもレクリエーション保険に契約できるわけではありません。

ここでは、レクリエーション保険に契約できないケースを解説します。

加入できる団体の最低人数に制限がある

レクリエーション保険は、保険商品によって加入できる団体の「最少人数」に制限が設けられていることがほとんどです。

たとえば、20名以上の団体から加入が可能など。条件を下回る人数の団体は、レクリエーション保険に加入することができないので、注意して下さい。

現在販売されているレクリエーション保険の加入人数の制限は、下記のとおりです。

損保ジャパン 20名以上
東京海上日動 45名以上
あいおいニッセイ同和損保 20名以上
三井住友海上保険 20名以上
日新火災海上保険 20名以上
農協(JA) 10名以上

多くの保険商品では最低人数の制限を20名としています。

20名以下でも加入できるレクリエーション保険は農協(JA)で販売されている共済しかないため、少人数の団体の場合には人数制限に注意が必要です。

もしレクリエーション保険に加入できないくらいほどに人数が少ない場合には、レジャー保険や国内旅行保険などに加入することをおすすめします。

宿泊を伴う行事は契約できない

レクリエーション保険のもう一つの注意点は、「日帰りのイベント・行事」を開催する場合しか加入できないという点です。

現在販売されているレクリエーション保険では、宿泊を伴うイベントを補償対象としている商品はありません。そのため、一泊二日のキャンプイベントなどを開催する場合は、レクリエーション保険に契約できないことに注意しましょう。

なお、複数日にまたがって開催される行事でも、それぞれの日程が日帰りの場合にはレクリエーション保険に契約することが可能です。

宿泊を伴う行事は、レクリエーション保険ではなく国内旅行保険などで補償することができます。保険代理店に確認の上、旅行保険を検討してみましょう。

損害保険各社のレクリエーション保険商品を比較!

ここでは、現在販売されているレクリエーション保険を一覧にしてご紹介します。

先程も説明した通り、レクリエーション保険の保険料はイベント・行事の種類と補償内容に応じて異なるため、個人によって金額が異なります。

そのため、今回は

  • 加入できる最少人数
  • 熱中症・食中毒の補償の有無
  • 損害賠償保険がセットになっているか

という点を一覧にまとめて比較しています。

レクリエーション保険の商品比較一覧表

保険商品 加入できる
最少人数
熱中症・食中毒の
補償の有無
損害賠償保険の有無
損保ジャパン 20名以上 あり なし
東京海上日動 45名以上 なし あり
あいおいニッセイ同和損保 20名以上 あり なし
三井住友海上保険 20名以上 なし なし
日新火災海上保険 20名以上 なし なし
農協(JA) 10名以上 なし あり

加入できる最少人数を見てみると、ほとんどが20名以上という制限があるなか、農協(JA)は10名からと比較的少人数から加入することが可能です。

一方、補償内容では、熱中症・食中毒ともに補償対象としているのは損保ジャパンとあいおいニッセイ同和損保のレクリエーション保険となっています。

もし夏場のイベントや、キャンプでのバーベキュー、お弁当など飲食の機会があるイベントを行う場合には、損保ジャパンもしくはあいおいニッセイ同和損保のレクリエーション保険を選んでおくと安心でしょう。

レクリエーション保険の申し込み方法

最後に、レクリエーション保険の申込方法を解説します。

ほとんどのレクリエーション保険では、レクリエーション保険を扱う保険会社や保険代理店に問い合わせをするか、店舗に直接出向いて契約を行います。

その際、

  • 開催するイベント・行事の内容
  • 参加予定の人数
  • 開催日程

の情報に基づいて保険料の見積もりを出してもらいます。

なお、参加予定の人数については、契約時に名簿の形でまとめた資料の提出を求められることがあります。名簿の要・不要は、契約時に保険会社のスタッフに確認しましょう。

名簿が必要ない場合でも、実際に参加者がケガをして保険金の請求をする際に必要になりますので、イベント開催前にかならず用意しておくようにして下さい。

保険料の見積もりに納得したら、保険料を支払い、契約完了となります。

もし悪天候などでイベント・行事が延期になった場合には、1ヶ月以内であれば自動的に保険期間も変更されます。

イベント中止となった場合には、すぐに契約した保険会社・保険代理店へ連絡しましょう。

まとめ:傷害・損害賠償どちらも備えて安全に行事を開催しよう

今回は、レクリエーション保険について基本的な情報を解説してきました。

レクリエーション保険は、参加者に対して傷害保険・損害賠償保険どちらにも備えることができる保険です。

ただし、保険商品によっては傷害保険のみ用意されていて、損害賠償保険は別途ほかの商品に加入しなければいけないものもあるため、契約時によく確認しましょう。

レクリエーション保険では、地域行事や社内行事などで開催されるようなイベントであればほとんど加入することが可能です。

日帰り、かつ参加者の人数に制限ありという条件はあるものの、それさえクリアすれば安価な保険料でリスク対策ができる利便性の高い保険です。イベント主催者の方は、安全に行事を開催する準備として、ぜひレクリエーション保険の加入を検討してみて下さい。

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