山頂を目指して山を登る「登山」には、山麓で景色を眺めるハイキングやトラッキングのような楽しみ方があります。
一方で、登山用具を使ったリスクのある山岳登はんとよばれる本格的な登山もあります。
難易度が上がり、厳しい環境で登山をすると、滑落などで捜索や救助のため、第三者に依頼しなければならないこともあるでしょう。
場合によっては、遭難・救助の費用が高額になることもあり、できれば保険で準備しておきたいものです。
そこでこの記事では、レジャー保険で登山は対象になるのか、おすすめのレジャー保険や登山向けのプランはあるのかなど、これからレジャー保険に加入しようとしている人向けに解説します。
登山はレジャー保険の対象になる?
一般的に登山は、頂上を目指して山に登ることを指します。
一般登山では、専用の用具は使用せず、自然や景色を楽しみながら進みます。
また特に山頂を目指さず、難所を避け、自然を楽しむトレッキング(軽登山)や山に限らず景色を楽しみながら歩くハイキングなどもあります。
一般登山ではなく、登山用具を使った雪山や岩登りをする上級者向けの登山もあります。
このような登山はレジャー保険の対象になるのでしょうか。まずはレジャー保険とはどのような保険かを解説します。
レジャー保険とは
レジャー保険とは、レジャーやスポーツを実施する際に、レジャー・スポーツ中のケガや損害賠償に備えるための保険です。
対象となるレジャーやスポーツは幅広く、登山に限らず、さまざまなシチュエーションで活用できます。
「山岳保険」や「山行保険」であれば、登山向けであることが明確です。
しかし、どこまで登山中の補償が受けられるのかは、保険会社やレジャー保険商品によって異なります。
おすすめ商品やプランなどを参考にしながら、より詳しい情報は保険会社や保険代理店に直接問い合わせて確認することをおすすめします。
アウトドア派は要チェック!レジャー保険の補償内容
ハイキングや登山などのアウトドアを趣味とする人は、ケガをした場合に活用できるレジャー保険を検討してみましょう。
ここではほとんどのプランにある、アウトドアに関連した保険の補償内容についてまとめます。
ハイキング・登山向けレジャー保険のおもな補償内容(概要)
死亡保険金 | 事故に遭ってケガをした日から180日以内に亡くなった場合や所定の後遺障害が残った場合に、死亡・後遺障害保険金が支払われる |
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後遺障害保険金 | 事故に遭ってケガをした日から180日以内に入院した場合に支払われる。 |
入院保険金 | 事故に遭ってケガをした日から180日以内に入院・通院し、所定の手術をした場合に支払われる。 |
手術給付金 | 事故に遭ってケガをした日から180日以内に入院・通院し、所定の手術をした場合に支払われる。 |
通院保険金 | 事故に遭ってケガをした日から180日以内に通院した場合に支払われる。 |
個人賠償責任補償 | 事故で他人にケガをさせたり、他人の財物を壊したりした場合に支払われる |
携行品損害補償 | 外出中に携行している身の回り品に損害が生じた場合に支払われる |
救援者費用等補償 | 遭難や救助により契約者や被保険者、その親族が費用を負担した場合に支払われる |
一般に「救援者費用等補償」は、リスクの高い山岳登はん行程中の遭難や救助の場合には支払われません。
そのため、山岳登はんも対象にしている商品やプランで、山岳登はん行程中の遭難・救助に対応している「遭難捜索費用補償」などの補償が付帯されているかどうか確認しましょう。
登山の際に加入する保険の選び方を解説
ハイキングや登山をするにあたり、保険を検討している場合、目的に合わせた保険選びが大切になります。
ここでは、登山の際に加入する保険の選び方や注意点を解説します。
ハイキング?山岳登はん?自分のスタイルに合った保険を選ぶ
レジャー保険を選ぶ際には、自分のスタイルをはっきりさせ、補償の対象となっているかを確認する必要があります。
保険料は補償内容やリスクに応じて決められており、アウトドアを楽しむ「ハイキングや軽登山」と「山岳登はんや山岳スキー」とでは、選ぶべき保険商品やプランは異なります。
たとえば、アウトドア用品の販売や保険を取り扱う株式会社モンベルのレジャー保険には、トレッキングやハイキング、サイクリングなどのアウトドアを楽しむ「野あそび保険」「野外活動保険」と本格的な山岳登はんや山岳スキーを対象にした「山行保険」「山岳保険」があります。
年間回数に合ったプランを選ぶ
登山を年何回行うかによっても保険の選び方が変わります。
年に数回程度なら、1日や1泊2日のみ補償される短期補償タイプが向いています。
毎月登山をしたい人など、登山回数が多い場合は、金額面だけでなく、手間がかかります。このような場合は、保険期間1年以上のプランが向いています。
同様に株式会社モンベルのレジャー保険では、「野あそび保険」「山行保険」が短期補償タイプ、「野外活動保険」「山岳保険」が長期補償タイプになります。
費用や保険料を比較して総合的に判断する
登山のスタイルや登山回数が決まれば、登山にかかる費用やレジャー保険の保険料でも商品を比較・検討します。
ユーザーの口コミなどを参考に、おすすめのレジャー保険から調べると効率的です。なお保険期間が3年や5年などの長期契約であれば、割安な保険料で加入できます。
また入院保険金ひとつとっても、1日目から支払われるのか、4日の免責期間があるのかなどの違いがあります。
レジャー保険を選ぶ際には、補償内容・補償範囲、保険金額、保険期間を比較し、シチュエーションに合ったレジャー保険であることを確認しましょう。
保険に加入する際の注意点
ここで、登山向けのレジャー保険に加入する際の注意点をまとめます。
次のような点に注意して加入しましょう。
登山の範囲を確認する
保険会社や商品によって、山岳登はんの定義が異なることがあります。
またレジャー保険の場合、どの範囲をレジャーとよぶか、どのようなスポーツが補償の対象か、詳しく決められています。
補償範囲となる、登山やレジャー、スポーツの具体例を確認しましょう。
救援者費用等補償の内容を確認する
登山で遭難すると、捜索や救助に多額の費用がかかることがあります。
「救援者費用等補償」はこのような費用の負担を軽減してくれる補償ですが、遭難した原因によってレジャー保険の補償の対象になるかどうかが異なります。
「持病の発作で動けなくなった」や「迂回したら道に迷った」など、どのようなケースが補償の対象となるか確認しておくと安心です。
補償金額を確認する
レジャー保険の多くは、「入院補償」や「救援者費用等補償」など似たような補償で構成されています。
しかし、補償金額や支払い条件など細かい点では保険会社やレジャー保険のプランによって異なりますので、契約前に確認しましょう。
登山向けレジャー保険!2022最新おすすめ商品を紹介
ここでは、おすすめのレジャー保険を具体的に紹介します。
レクリエーションとして楽しむ人向けのプランや専門的な用具を使って登山を楽しみたい人向けのプランの分類のほか、短期・長期で保険タイプを分けられます。
単発でも契約可能!短期補償タイプの保険3選
1日や1泊2日からでも契約可能な短期補償タイプでおすすめのレジャー保険・プランを3つ紹介します。
モンベルのアウトドア保険 | AIG損保が引受保険会社となる保険で、ハイキングやサイクリングなどの一般登山・レジャーに対応した「野あそび保険(国内旅行傷害保険)」と本格的な登山が対象となる「山行保険(運動等危険補償特約付国内旅行傷害保険)」があり、保険期間は1泊2日、保険料は250円から利用できます。 |
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やまきふ共済会 | 日帰りから3泊4日までの登山向けレジャー保険で、危険を伴う山岳登はんなどは対象外ですが、ケガや他人への賠償事故、救援者費用がセットになっています。富士山に特化した「ふじさん共済」もあります。 |
楽天損保 | 1日保険シリーズ(国内旅行傷害保険)は、登山を含め国内旅行中のケガなどに対応した、1day保険(一日保険)です。ピッケルやザイルなどの登山用具を使用する山岳登はんは対象外ですが、保険料200円からで、補償期間は1日から30日まで選べます。 |
出典:モンベル「アウトドアを楽しむ人のための傷害総合保険と国内旅行傷害保険」,やまふき共済会「補償内容のご案内」,楽天損保「1日保険シリーズ」
レクリエーションから山岳登はんまで!長期補償タイプの保険3選
保険期間1年以上のおすすめレジャー保険を3つ紹介します。
モンベルのアウトドア保険 | 保険期間1年・3年・5年を選べる長期補償タイプを保険料3.420円から加入できます。レジャーなら「野外活動保険(傷害総合保険)」、山岳登はんなら「山岳保険(運動等危険補償特約付傷害総合保険)」が向いています。 |
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やまきふ共済会 | 年会費4,000円から利用できる年間タイプのレジャー保険として、基本的な補償の「やまきふ共済会」、傷害・賠償補償が付いた「やまきふプラス+」、山岳登はんにも対応した「やまきふエキスパート」があります。 |
ABC少額短期保険 | 野外活動中に遭難した場合の、捜索・救助活動で負担した費用が支払われる「レスキュー費用保険」を取り扱っています。持病の悪化や不注意、病気による遭難も対象で、保険期間1年、保険料は4,000円で加入できます。 |
出典:モンベル「アウトドアを楽しむ人のための傷害総合保険と国内旅行傷害保険」,やまふき共済会「補償内容のご案内」,ABC少額短期保険「レスキュー費用保険」
長期補償タイプも短期補償タイプと同様、前日や当日に契約できるのが一般的です。
ここで紹介した商品を参考に、ご自身でも調べてみてください。
記事まとめ:捜索・救助の費用が補償される保険を検討しましょう
この記事では、登山を考えている人がこれからレジャー保険に加入する際の、保険の選び方やおすすめのレジャー保険・プランを紹介しました。
実際に契約する際には、重要事項説明書や約款で補償範囲などの詳細を確認し、サービスや保険料も考慮しましょう。