高校生の部活動は、練習も試合も本格的になるためケガのリスクも高まり、特に骨折や捻挫、打撲といったスポーツ中のケガが起こりやすくなります。
高校生は、学校で既に「災害共済給付制度」という保険制度に加入しています。
しかし、補償範囲が限定されている場合が多く、通院や入院、賠償責任までしっかりカバーしたい場合には、任意で「スポーツ保険」への加入が必要です。
この記事では、以下のことを紹介しています。
- なぜ高校生に任意のスポーツ保険が必要なのか
- 学校で既に加入している保険ではカバーできないもの
- 部活動中に起きやすい事故「3H」について
なぜ高校生にスポーツ保険が必要なのか?
高校生になると、部活動での活動がより本格的になるため、練習量や試合の回数も増える分ケガのリスクも高まり、軽い打撲から骨折までさまざまなトラブルが起こりやすくなります。
さらに、相手への賠償責任が発生するケースもあり、万が一に備えた安心のためには「スポーツ保険」は必要不可欠です。
学校での怪我や事故として多いのが「部活動中」
高校生活で発生する怪我や事故の中でも、特に多いのが部活動中のケガです。
部活動は練習や試合で身体を激しく動かすため、打撲や捻挫、骨折などが起こりやすい環境といえます。
加えて、集中力が切れた瞬間や不意の接触により、対人で思わぬ事故につながることも少なくありません。
ケガの治療費や第三者への損害賠償など、万が一のケガに対する備えはスポーツ保険で備えることができます。
高校生は既に日本スポーツ振興センターの「災害共済給付制度」に加入している場合がある
高校生は、学校側で既に「災害共済給付制度」に加入している場合が多いですが、違う保険に加入していることもあるので、心配な方は事前に加入している保険の種類を学校に確認しましょう。
災害共済給付制度の補償範囲と内容
日本スポーツ振興センターが提供する「災害共済給付制度」は、学校やその管理下にある部活動や体育の授業中に起こったケガに対して補償を行う制度です。
医療費は、その原因である事由が学校・保育所等の管理下で生じた負傷、学校給食に起因する中毒、その他の疾病でその原因である事由が学校・保育所等の管理下で生じたもののうち内閣府令で定めたものが給付対象になります。
給付の対象となる疾病(内閣府令で定めたもの)
- 学校給食等による中毒
- ガス等による中毒
- 熱中症
- 溺水及びこれに起因する嚥下性肺炎
- 異物の嚥下又は迷入による疾病及びこれらに 起因する疾病
- 漆等による皮膚炎
- 外部衝撃等に起因する疾病
- 急激な運動若しくは相当の運動量を伴う運動に起因 する疾病
- 心身に対する負担の累積に起因する疾病
- 負傷に起因する疾病
災害共済給付制度は、学校管理下でのケガに対して医療費の一部を補償し、高校生が部活動などでケガをした場合の入院や通院にかかる費用も補償します。
ただし、補償の対象は学校の管理下にある活動に限られるため、学校以外で行われるスポーツや習い事のケガに対しては、別途スポーツ保険への加入が必要となります。
引用元:https://www.jpnsport.go.jp/anzen/Portals/0/anzen/kyufu_1/pdf/04_R7_seikyugaido_hogosya.pdf
災害共済給付請求ガイドブック【保護者用】
学校の保険ではカバーできないもの
災害共済給付制度は、学校の管理下にある授業や部活動中のケガが主に補償対象となります。
しかし、どうしても学校の保険だけではカバーできないところもあります。
ここから紹介するケースは、カバーされないことが多いため注意が必要です。
カバーされないもの | 内容 |
---|---|
学校外でのスポーツ活動中の事故 | 友人との遊びや地域のクラブチームでの活動など、学校の管理外で起こったケガや事故。 |
通学途中以外の私的な外出時の事故 | 放課後の習い事やアルバイト中に起こったトラブルなど。 |
故意や重大な過失による事故 | 故意に相手を傷つけた場合や、明らかに危険な行為による事故。 |
食中毒や熱中症などの疾病関連 | ケガ以外の体調不良や疾病は基本的に対象外。 |
保険の適用範囲外の高額な治療費 | 一部の先進医療や高額な医療費は補償の対象外となる場合がある。 |
補償範囲外のリスクに備えるためには、スポーツ保険を活用しましょう。
部活動中に多い事故「3つのH」とは?
部活動中に多い事故として、「3つのH」と呼ばれるものがあります。
高校生が部活動を安全に続けるためにも、どのようなケガが多いのかを理解し、備えることが大切です。
ここからは、「3つのH」について詳しく解説し、ケガを防ぐためのポイントも紹介します。
心停止など心臓系の事故(Heart)
部活動中に起こる事故の中でも特に注意が必要なのが、心停止や心臓発作などの心臓系のトラブルです。
英語の「Heart(ハート)」を表すこの事故は、激しい運動によって心臓に負担がかかることで発生することがあります。
特に高校生の成長期には、心臓の機能や体力が個人差で異なるため、無理な運動や突然の激しい動きが原因で心停止などの深刻な事故につながるリスクがあります。
こうした心臓系の事故は迅速な対応が命に関わるため、AED(自動体外式除細動器)の設置や心肺蘇生の知識を持つことが重要です。
また、万が一に備えてスポーツ保険で補償を充実させることも安心につながります。
頭や首のけが(Head)
部活動中に多いケガのひとつが、頭や首のけがです。
英語の「Head(ヘッド)」に由来し、脳震盪や打撲、頸椎(けいつい)捻挫などが含まれます。
これらのケガは、激しい接触プレーや転倒、衝突などで起こりやすく、特に頭部や首へのダメージは後遺症が残ることもあるため注意が必要です。
特に頭部への衝撃は一時的な意識障害や記憶障害を引き起こす脳震盪のリスクがあり、適切な診断と安静が求められます。
首のケガは神経や脊髄への影響も考慮し、早期の専門的な治療が重要です。
こうしたリスクを踏まえ、部活動中の安全対策とともに、スポーツ保険で頭や首のけがに対する補償を充実させることが大切です。
熱中症(Heat)
部活動中に注意が必要なもう一つの事故が「熱中症(Heat)」です。
暑い季節や湿度の高い環境で激しい運動を続けると、体温調節が追いつかずに体内に熱がこもり、熱中症を引き起こすことがあります。
熱中症は軽度のめまいや倦怠感から、重度の場合は意識障害やけいれん、さらには命に関わる危険な状態になることもあります。
特に成長期の高校生は体調管理が難しく、適切な水分補給や休憩を怠るとリスクが高まります。
予防には、環境の整備やこまめな水分補給、無理のない運動計画が欠かせません。
また、熱中症に備えたスポーツ保険の特約を検討することも安心につながります。
参考:https://www.nhk.or.jp/minplus/0012/topic033.html
"3つのH"に気をつけて!スポーツ中の事故 防ぐには
部活動中の怪我や事故への補償をもっと手厚くしたいなら保険へ加入しよう
この記事では、なぜ高校生に任意のスポーツ保険が必要なのか、学校で既に加入している保険ではカバーできないもの・部活動中に起きやすい事故「3H」について解説しました。
部活動中に怪我や事故が起きた場合は、まずは速やかに学校の先生や保護者に相談することが大切です。
学校の管理下での事故は災害共済給付制度を利用することができます。
しかし、部活動中に多い事故「3つのH」と呼ばれる事故へ備えるために、補償内容をもっと手厚くしたいならスポーツ保険への加入を検討しましょう。
補償を手厚くすることで、安心して高校生の子どもたちが部活動をすることができる環境を整えることができます。
安心・安全な高校生活を過ごすために、スポーツ保険へ加入して万全の備えをしておきましょう。