イベントやレクリエーション活動を主催する際に避けて通れないのが、「万が一の事故」への備えです。
参加者がケガをしたり、第三者の持ち物を壊してしまった場合に備えて、保険に加入する団体も増えています。
みんレクでは、2025年4月より新たに「施設所有(管理)者賠償責任保険」の特約が追加されました。
これにより、イベントの遂行に起因する偶然な事故により、他人の身体の障害や財物の損壊が発生した場合、主催者が法律上の賠償責任を負うことで被る損害を補償することができます。
しかし、この特約には見落とされがちなポイントがあります。それが「管理財物※1」に対する補償は対象外であるという点です。
この記事では、施設所有(管理)者賠償責任保険で補償の対象となる範囲や補償の対象外となるものについて、解説します。
※1被保険者が所有、使用または管理する財物
「施設所有(管理)者賠償責任保険」とは?
主催者をトラブルから守るための保険です。
イベント開催中に発生した偶然な事故による他人(お客様や参加者)の身体の障害または財物の損壊について、主催者が法律上の賠償責任を負担することによって被る損害を補償するものです。
例えば、以下のようなケースが該当します。
- 屋外イベント中にテントが横転し、通行人がケガをした
- 設置が不十分で備品が倒れ、参加者の持ち物にあたって破損させてしまった
- 機材の落下により、来場者が負傷した
このような事故が発生し、主催者に法律上の賠償責任が発生した場合に負担する、治療費・慰謝料・修理費・弁護士費用などが補償されます。
よくある誤解:「自分たちの備品も補償される?」
この保険に加入していれば、「イベント中に起きた損害は全部カバーされる」と思ってしまいがちですが、それは誤解です。
特に注意が必要なのが、「管理財物」への損害は補償されないという点です。
管理財物とは?
管理財物とは、被保険者(主催者)が所有・使用・管理している財物のことを指します。具体的には、次のような物が該当します。
- 主催者が自分で持ち込んだ備品(音響機器、机、椅子、道具類など)
- イベントで使用するために借りた道具やレンタル品
- 借りている施設や施設内のモノ・自分の団体やスタッフの私物(カバン、カメラなど)
これらはすべて「管理財物」に該当し、イベント中に破損しても補償対象にはなりません。
管理財物が補償されない具体例
例1:持ち込んだスピーカーが倒れて壊れた
→ 音響機器は主催者の所有物のため、補償対象外
例2:借りたプロジェクターが落下して破損
→ 使用・管理している状態にあたるため、補償対象外
例3:スタッフのカメラが来場者にぶつかって壊れた
→ 主催側の私物として補償対象外
高額な機材や備品を持ち込むイベントでは、別の保険による備えが必要です。(「管理財物を守るにはどうしたらいい?」に後述)
補償されるのは、参加者や来場者への損害
一方で、施設所有(管理)者賠償責任保険で補償されるのは、参加者や来場者、第三者への損害です。
例えば、以下のようなケースが対象となります。(ここで紹介するのはあくまで一例で、実際の事故状況で異なります。)
- 会場内の水漏れを放置した結果、来場者が滑って骨折
- 備え付け棚の設置ミスにより、来場者のカバンが破損
- 設置した機材が落下し、通行人の子どもにケガをさせた
このような事故で、主催者に法律上の賠償責任が生じた場合、該当費用を保険で補償します。
管理財物を守るにはどうしたらいい?

レクリエーション保険を比較してリスク対策を
管理財物の損害にも備えたい場合は、以下のような特約の追加を検討する必要があります。
- 管理財物損壊補償特約
- 借用イベント施設崩壊補償特約
※現在、みんレクではこれらの特約の提供はありません。
まとめ|補償範囲を正しく理解し、安心してイベントを開催しよう
保険に加入していても、補償される範囲を誤解していると、いざというときに「対象外」となりかねません。
みんレクの施設所有(管理)者賠償責任保険では、他人(お客様や参加者)への損害が補償対象であり、自分たちの持ち物などの管理財物は対象外であることを、ぜひ正しく理解しておきましょう。
主催者としてイベントを安全・安心に運営するためにも、保険の内容をしっかり確認し、安心・安全な活動運営にお役立てください。