「スポーツ中にうっかり相手をケガさせたらどうしよう…」
「道具や施設を壊してしまったとき、弁償ってどうなるのかな?」
そんな不安を感じながらスポーツをしている方も多いのではないでしょうか。実は、楽しいはずの時間にも賠償責任という思わぬリスクが潜んでいます。
万が一のトラブルに備えるには、スポーツ保険の賠償責任補償をしっかり理解しておくことがとても大切です。
この記事では、スポーツ中の事故に備えるための保険について、以下のポイントをわかりやすくご紹介します。
- なぜ賠償責任補償が必要なのか
- 補償内容の違いや対象範囲
- 自分に合ったスポーツ保険の選び方
この記事を読めば、手頃な保険料で、時には数百万円にもなる高額な賠償リスクにしっかりと備える方法がわかります。
いざという時に慌てないよう、今のうちに安心の準備を始めましょう。
そもそもスポーツ保険とは?
スポーツ保険とは、スポーツやレクリエーション活動中に起こる様々なトラブルに備えるための保険です。
プレー中のご自身のケガによる補償はもちろん、万が一、相手にケガをさせてしまったり、施設や用具を壊してしまったりした際の「賠償責任」まで、スポーツ保険は幅広くカバーします。
これらのスポーツ保険は多くが年間契約を基本としており、個人向けプランからチーム単位で契約する割安なプランまで様々です。
万が一の事故で賠償責任を負った際の経済的・精神的な負担を軽減し、安心して活動に打ち込むための重要な備えとなります。
※参照 公益財団法人スポーツ安全協会
https://www.sportsanzen.org/hoken/index.html
賠償責任をしっかりカバー!おすすめのスポーツ保険4選
スポーツ中の事故によるケガや賠償トラブルに備えるなら、賠償責任補償つきの保険が安心です。
ここでは、補償内容や使いやすさで選べるおすすめの4つのスポーツ保険をご紹介します。
au損保「ケガの保険 日常の事故」
保険料(目安/年) | 9,090円(シルバーコース) |
---|---|
個人賠償責任 | 1億円 |
示談交渉サービス | あり |
携行品損害 | 一部プランのみ |
救援者費用 | あり(100万円) |
加入単位 | 本人のみ |
au損保「ケガの保険 日常の事故」は、登山やスキーなど、アウトドア活動での万が一に備えたい個人におすすめのスポーツ保険です。
スキーやハイキングなど、山や自然の中で活動する際に万が一遭難してしまった場合の捜索・救助費用までカバーしてくれます。
入院補償も手厚く、大きなケガへの備えを重視する方におすすめです。
※参照 ケガの保険 日常の事故 | au
https://www.au.com/finance/nonlife-insurance/accident-insurance/
楽天損保「超かんたん保険 スポーツプラン」
保険料(目安/年) | 7,890円(標準コース) |
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個人賠償責任 | 1億円 |
示談交渉サービス | あり |
携行品損害 | 一部プランのみ |
救援者費用 | なし |
加入単位 | 本人・夫婦・家族 |
補償・保険料・使いやすさのバランスが良く、初めてスポーツ保険を検討する方にも安心のプランです。
スポーツで起こりうる主なトラブルを一通りカバーしており、家族で加入できる点も使いやすいポイント。
さらに、楽天ポイントが貯まる・使えるため、楽天ユーザーならよりお得に利用できます。
※参照 スポーツプラン:楽天超かんたん保険
https://item.rakuten.co.jp/r-hoken/c/0000000191/
公益財団法人スポーツ安全協会の「スポーツ安全保険」
保険料(目安/年) | 団体区分による |
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個人賠償責任 | 5億円〜 |
示談交渉サービス | なし |
携行品損害 | なし |
救援者費用 | なし |
加入単位 | 団体(4名以上) |
4名以上の団体で加入する場合に、非常に安い掛金で利用できる共済制度です。
個人では加入できず、万が一加害者となった際の「示談交渉サービス」が付帯していない点には注意が必要です。
あくまで、スポーツチームや文化活動団体などが活用するための保険です。
※参照 公益財団法人 スポーツ安全保険
https://www.sportsanzen.org/hoken/index.html
PayPayほけんの「ちょこっと保険 スポーツ保険プラン」
保険料(目安/年) | 8,640円(ミディアムセット) |
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個人賠償責任 | 1億円 |
示談交渉サービス | あり |
携行品損害 | あり(標準付帯) |
救援者費用 | なし |
加入単位 | 本人・夫婦・家族 |
スマートフォンで手軽に加入でき、自分に合わせて補償内容を柔軟に調整したい方にぴったりの保険です。
アプリで補償を自由にカスタマイズできる柔軟性に加え、手頃なプランでもスポーツ用品の損害をカバーする「携行品損害補償」が付いている点が大きな魅力。
自分に必要な補償だけを選び、無駄なく備えたい方におすすめです。
※参照 スポーツ保険プラン | PayPayほけん
https://www.paypay-insurance.co.jp/chokotto/plan/sports/
なぜ必要?スポーツ保険の賠償責任補償が重要である3つの理由
スポーツ中の事故では、自身のケガだけでなく、相手への損害を補償する責任が生じる場合があります。ここでは、賠償責任補償の必要性を3つの具体的な理由から解説します。
自身のケガだけでなく「相手への補償」に備えるため
スポーツ保険は、自分がケガをした時のためだけではなく、他人に損害を与えてしまった場合に備えるものでもあります。
スポーツ活動中に、意図せず相手にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりする可能性は誰にでもあります。
賠償責任補償に加入していれば、そのような思わぬ事故の際に必要となる治療費や慰謝料などをカバーできるため安心です。
数百万円にもなる高額な賠償請求事例が実際に発生しているため
スポーツ中の事故が、数百万円から一千万円を超えるような高額な賠償につながるケースは、決して珍しくありません。
実際に、サッカーの練習中に蹴ったボールが80歳代の男性に当たり死亡した事件で、1,000万円以上の高額な賠償が命じられた例もあります。
こうした予期せぬ高額請求のリスクに対して、個人だけで備えるのはとても難しいのが現実です。
※参照 小5のサッカー少年に1500万円の賠償判決
https://www.corporate-legal.jp/news/631
示談交渉サービスで精神的な負担も軽減できるため
スポーツ保険では、加害者になってしまった際の示談交渉を保険会社が代行するサービスが付いている場合があります。
事故の当事者同士で直接話し合うのは、精神的に大きなストレスがかかるものです。
専門家である保険会社に間に入ってもらうことで、そうした負担を大きく減らせます。
※参照 ミズノスポーツ保険の加入をご検討中の方へ
https://jpn.mizuno.com/cm/hoken/include_html/uninsured.html
何が補償される?賠償責任保険の対象範囲
賠償責任保険ではどのようなものが補償されるのでしょうか?ここでは、具体的な補償内容や対象外となるケースについて解説します。
相手をケガさせてしまった場合の「対人賠償」
「対人賠償」とは、あなたの不注意が原因で他人にケガをさせてしまった際に、発生する損害賠償を補償する保険です。
治療費や通院費はもちろん、ケガで働けなくなった間の収入(逸失利益)や、精神的な苦痛に対する慰謝料まで幅広く対象とします。
過去の裁判では、自転車事故であっても賠償額が数千万円にのぼるケースも珍しくありません。こうした万が一の経済的なリスクから暮らしを守るために、対人賠償は役立ちます。
※参照 株式会社 兵庫県職員互助サービス | セットタイプ 補償の説明
https://www.hyogo-gojo-s.co.jp/wp/wp-content/uploads/r7_group_summary_daily_life.pdf
他人のモノを壊してしまった場合の「対物賠償」
「対物賠償」とは、他人のモノを誤って壊してしまったときの損害を補償する保険です。
壊してしまったモノの修理代や、同等のモノへの買い替え費用が支払われます。
例えば、「子どもが遊んでいるときに隣家の窓ガラスを割った」「飼い犬が友人のスマートフォンを壊した」といった、日常生活における偶然の事故が対象です。
保険金が支払われない主なケースとは
補償の対象外となるケースも明確に定められています。
保険の対象だと思っていても、実は支払われないケースがあるため、注意が必要です。
主な対象外のケースは次のとおりです。
故意による事故 | わざと起こした事故はすべて補償外 |
---|---|
業務中の事故 | 仕事中に発生した事故は、個人賠償責任保険の対象外 |
親族間の事故 | 同居の家族に対する損害は補償されないことが一般的 |
賠償責任がない事故 | 相手に100%の過失がある場合など、法律上の賠償義務がなければ対象外 |
こうしたルールは保険会社によって細かく異なります。契約前には必ず「免責事項(補償の対象外となるケース)」などを確認し、ご自身の生活に合った保険を選ぶことが大切です。
※参照 賠償責任保険普通保険約款 | 公益財団法人スポーツ安全協会
https://www.sportsanzen.org/content/files/hojin2021_yakkan.pdf
あなたに合うのはどっち?自分に合った保険を選ぶ3つのステップ
スポーツ保険を選ぶ際は、補償内容や加入方法によって適したプランが異なります。
ここでは、自分に合った保険を見つけるための3つのステップをご紹介します。
ステップ1:「個人加入」か「団体加入」かを決める
まずは、チームで加入するか、個人で加入するかを決めましょう。どちらの加入方法が自分に合ったスポーツ保険か、以下の表で比べてみてください。
比較項目 | 個人加入 | 団体加入 |
---|---|---|
加入単位 | 個人 | チーム・団体 |
保険料 | 割高な傾向 | 割安な傾向 |
自由度 | 高い(いつでも加入可能) | 低い(活動開始時に限定など) |
おすすめな人 | 個人練習や単発イベントへの参加が中心の方 | チームやサークルで継続的に活動する方 |
例えば、個人練習が多いならいつでも入れて手軽な個人加入、チームで活動するなら保険料が割安な団体加入が向いています。
まずは自分の活動スタイルに合わせて、どちらのタイプが合っているかを選ぶことが大切です。
ステップ2:プレーするスポーツのリスクに合わせて補償内容を選ぶ
次に、自分がするスポーツ特有のリスクに合った「補償」を選ぶことが重要です。
例えば、人とぶつかることが多いサッカーなら相手への「賠償責任補償」、高価なラケットや板が壊れることもあるテニスやスキーなら「携行品損害補償」が役立ちます。
どんな時に補償が必要になるかを想像することで、自分に本当に必要な備えが何かがはっきりするでしょう。
ステップ3:保険料と補償金額のバランスを比較検討する
最後に、毎月支払う「保険料」と、いざという時に受け取れる「補償金額」の最適なバランスを見つけましょう。
もちろん、補償を手厚くするほど保険料は高くなりますが、最低限のケガの治療費だけで十分と考えるなら、保険料は安く抑えられます。
自分の予算と「これくらいあれば安心」と思える金額を比べて、最も納得できる保険を選ぶのが賢い方法です。
スポーツ保険の賠償責任に関するよくある質問
ここでは、スポーツ保険の賠償責任に関する代表的な4つの疑問にお答えします。
Q.賠償金はいくらくらい支払われるものですか?
スポーツ保険で支払われる賠償責任の金額は、保険商品によって大きく異なり、数千万円から無制限まで幅広く設定されています。
たとえば、団体向けのスポーツ安全保険では最大5億円、民間の保険会社が提供する個人向けのプランでは、国内の事故なら無制限で補償されるものもあります。
過去にはゴルフプレー中の事故で約3,620万円もの高額な賠償責任事例もあり、万が一に備えて補償額の大きなスポーツ保険を選んでおくと安心です。
※参照 https://www.sportsanzen.org/hoken/kubun.html
※参照 https://ehokenstore.com/1dayleisure
Q.相手を骨折させてしまった場合も対象になりますか?
スポーツ中にあなたの不注意(過失)で相手を骨折させてしまった場合も、補償の対象になります。
スポーツ保険の賠償責任補償は、あくまで偶然の事故で他人にケガをさせてしまい、法律上の賠償責任を負ったときに適用されるものです。
骨折はもちろん、相手に重大な後遺障害が残るような大きな事故にも備えられる点が、スポーツ保険の重要な役割です。
Q.格闘技など、ケガをさせやすいスポーツでも加入できますか?
残念ながら、危険性が高いと判断される一部のスポーツは、加入を断られるケースがあります。
たとえば、ボクシングや空手といった対人競技や、アメリカンフットボールのように激しい接触が避けられないスポーツは、加入が制限されたり、対象外になったりします。
安心してプレーするためにも、スポーツ保険への加入を考える際は、自分が行うスポーツが賠償責任補償の対象になるかを保険会社へ事前に必ず確認しましょう。
※参照 https://www.sompo-japan.co.jp/~/media/SJNK/files/kinsurance/medical/ksyogai/ksyogai2101.pdf
スポーツ保険だけじゃない!レクリエーション保険という選択肢も
個人で加入するスポーツ保険のほかに、単発のイベントや大会には「レクリエーション保険」という選択肢もあります。
年間契約が基本のスポーツ保険と違い、レクリエーション保険は1日だけなど短期間から加入できるため、必要なときにだけ利用できるのが特徴です。
保険料が比較的安く、コストを抑えやすいのもポイントです。
この保険は、イベントの主催者が参加者全員分をまとめて加入する形式が一般的で、手続きの手間が少なく、団体で入ることで保険料も割安になります。
中でも、ネットで申し込める「みんレク」のようなサービスは、手軽に利用できるためおすすめです。
- ネットで手軽に申込可能(イベント前日までOK)
- 1人あたり数十円からというリーズナブルな保険料
- 参加者のケガだけでなく主催者の賠償責任もカバー(オプション)
地域のスポーツ大会やサークルの練習試合のような一度きりのイベントには、スポーツ保険よりも、1日単位で加入できて気軽に使えるレクリエーション保険を検討してみてもよいでしょう。
※参照 みんレク
https://xn--cbkxbye7k.com/lp/
まとめ
この記事では、スポーツ保険のなかでも特に重要な賠償責任補償について、補償内容や保険の選び方をわかりやすく紹介しました。
スポーツ保険は、自分自身のケガだけでなく、他人を傷つけたり物を壊してしまった場合の賠償責任も補償されます。さらに、示談交渉サービスがついたプランであれば、トラブル時の精神的な負担も和らぎます。
保険料や補償内容を比べながら、自分にとって使いやすいスポーツ保険を選ぶことが大切です。
日々のスポーツをより安心して楽しむためにも、あらかじめ賠償責任のリスクに備えておくと安心です。
いざというときに頼れる保険は、趣味や活動を支えてくれる大きな安心材料になるでしょう。