「まだ小さいけど、活発に動き回るようになってきたな…」
そんな元気いっぱいの保育園児がいるご家庭では、ケガのリスクも気になるところですよね。
保育園での外遊び中に、転んでしまったり他の子との衝突事故が起きることもあります。
ちょっとした擦り傷や打撲ならまだしも、骨折や通院が必要になるようなケガも決して珍しくありません。
こうした“もしも”に備える手段として注目されているのが、保育園児向けのスポーツ保険です。
この記事では、なぜ保育園児にスポーツ保険が必要なのか、起きやすい事故や補償の必要性も紹介します。
保育園児でもスポーツ保険は必要?
結論から言うと、保育園児にもスポーツ保険の加入は検討することが望ましいです。
保育園児は、身体能力の発達途中であるため、転倒や衝突によるケガが多く、ちょっとした事故でも通院や治療が必要になることがあります。
- 園庭で走って転倒し、骨折
- ジャングルジムから落ちて顔をぶつける
- 他の子とぶつかって前歯が欠ける
こういったケースは日常的に起こり得る事故です。
保育園では既に日本スポーツ振興センターの「災害共済給付制度」に加入している場合がある
多くの保育園では、日本スポーツ振興センターが運営する「災害共済給付制度」にすでに加入している場合があります。
この制度は、保育園での管理下にある保育中や登園・降園中に発生したケガや事故に対して、医療費の一部を給付する公的な補償制度です。
たとえば、園での遊び中に転倒して骨折した場合や、通園途中に事故にあった場合でも、この制度の対象になれば補償してもらえることがあります。
ただし、補償されるのは「保育園の管理下」で起きた災害に限定されており、園外や家庭でのケガ、プライベートなスポーツ教室での事故などは対象外となる点には注意が必要です。
https://www.jpnsport.go.jp/anzen/Portals/0/anzen/kyufu_1/pdf/04_R7_seikyugaido_hogosya.pdf
災害共済給付請求ガイドブック【保護者用】
災害共済給付制度でカバーできないケースは?
日本スポーツ振興センターの「災害共済給付制度」は、保育中の万が一に備える心強い制度ですが、すべてのケガや事故が補償されるわけではありません。
この制度で給付の対象となるのは、「保育園の管理下」で発生した災害(ケガなど)に限られます。そのため、以下のようなケースは補償の対象外となります。
- 自宅や公園など、保育園の管理外で起きたケガ
- 保育時間外に行われる習い事やスポーツ教室での事故
- 病気(インフルエンザや感染症など)による通院や入院
- 自然災害によるケガで、園が関与していない場合
- 故意によるケガや、重大な過失がある場合
こうした補償対象外のケースにも備えたい場合は、こども向け傷害保険やスポーツ保険を併用するのがおすすめです。
保育園での活動や習い事で起きやすい事故とは
毎日元気いっぱいに走り回る保育園児たち。園庭での外遊びや室内での運動遊び、最近では体操教室やスイミングなどの習い事に参加する子も増えています。
しかし、その分ケガや事故のリスクも見逃せません。
ちょっとした段差での転倒、友達との接触による打撲、ボール遊び中の顔への直撃など、思わぬトラブルが日常の中に潜んでいます。
ここからは、保育園や習い事で実際に起こりやすい事故例を紹介しながら、どんな場面で注意が必要なのか、万が一にどう備えるべきかをわかりやすく解説します。
運動量が増える3歳以降は怪我のリスクが上昇する
一般的に、3歳を過ぎる頃から子どもの運動量は一気に増え始めます。
ジャンプやかけっこ、三輪車やボール遊びなど、身体を使った大きな動きができるようになる一方で、自分の身体の動きをコントロールする力(運動機能やバランス感覚)はまだ未熟です。
そのため、転倒・衝突・転落などの事故が起こりやすくなり、ケガのリスクが高まります。
また、活発に動きたがる反面、「危険を予測する力」や「自分で危ないと判断して避ける力」は十分に育っていないため、大人が予想しないような場面で思わぬ事故が起きることもあります。
こうした成長段階の特性を理解し、3歳以降の子どもには特に安全対策と見守りが重要になります。
すり傷・鼻血・打撲・切り傷・骨折・やけど
保育園児の毎日は、遊びや運動、好奇心いっぱいの活動であふれています。そんな中で起こりやすいのが、すり傷や鼻血、打撲、切り傷、骨折、やけどといったケガです。
たとえば、園庭で走って転んでできるすり傷や、遊具にぶつかって出る鼻血は日常茶飯事。
おもちゃや家具の角にぶつかってできる打撲や、はさみ・紙での切り傷などもよく見られます。
さらに、遊具からの転落による骨折や、給食時の熱い汁物でのやけどといった、より重大なケガにつながるケースも少なくありません。
これらのケガは、ちょっとした油断や予想外の行動から起こることが多く、大人の見守りや安全対策に加え、万が一に備える意識と環境づくりが大切です。
けがの発生場所は園庭が最も多い
保育園でのケガの発生場所として、最も多いのが園庭です。
園庭では走る・跳ぶ・登る・滑るといった、身体を大きく使った遊びが中心となるため、子どもたちの活動量が自然と増えます。
その分、転倒や衝突、遊具からの転落といった事故が起きやすく、すり傷や打撲、場合によっては骨折などにつながることもあります。
また、園庭は複数の子どもたちが同時に動き回る場所でもあるため、お互いの動きが交差する中で予期せぬトラブルが発生しやすいという点にも注意が必要です。
園側では安全対策や見守りを徹底していますが、すべてのリスクをゼロにすることは難しいため、保護者としてもケガのリスクを理解し、備えておくことが大切です。
更に手厚く補償するなら:スポーツ保険を選ぶときのチェックポイント
お子さまが保育園や学校でのスポーツや部活に励む中、ケガのリスクを完全にゼロにすることはできません。
万が一の事故に備え、公的な補償制度だけでなく、より手厚い保障を求める保護者も増えています。
そこで役立つのが、スポーツ保険です。
しかし、いざ加入を検討しても、補償内容や保険料、適用範囲が多岐にわたるため、どれを選べばよいか迷ってしまうことも多いでしょう。
ここからは、スポーツ保険を選ぶ際に押さえておきたい重要なチェックポイントをわかりやすく解説します。
保障内容に対する掛金を見積もる
スポーツ保険を選ぶ際には、保障内容と掛金(保険料)のバランスをしっかり見積もることが重要です。
補償範囲が広く、手厚い保障を希望すると掛金は高くなる傾向にありますが、必要な補償が不足すると、いざというときに十分な補償を受けられないリスクがあります。
具体的には、入院・通院・手術の補償金額や、賠償責任保険の有無、通院日数の上限などを比較しながら、自分の予算内で最も適したプランを見極めることが大切です。
まずは複数の保険商品を比較し、保障内容に対してどのくらいの掛金がかかるのかを具体的に見積もって検討しましょう。
通院・入院は補償範囲に含まれるか
通院・入院はスポーツ保険の補償範囲に含まれることが一般的です。
多くのスポーツ保険では、ケガや事故によって病院に通院した場合の通院費用や、重症の場合の入院費用を補償対象としています。
具体的には、通院1日あたりの補償金額や、入院1日あたりの給付金額が設定されていることが多く、これにより医療費の負担を軽減できます。
ただし、保険商品によって補償内容や上限額、対象となるケガの範囲は異なるため、加入前に必ず詳細を確認することが大切です。
他人をケガさせたときに対象になるか
スポーツ保険には、自身のケガだけでなく、他人にケガをさせてしまった場合の賠償責任補償が含まれていることが多いです。
例えば、部活動や遊びの最中に誤って友達をぶつけてしまい、その結果相手がケガをした場合、治療費や慰謝料などの賠償金が発生することがあります。
このような時、賠償責任補償があれば、保険がその費用をカバーしてくれるため、経済的な負担を大きく軽減できるのです。
ただし、補償の範囲や上限金額は保険商品によって異なるため、契約内容をよく確認し、賠償責任がカバーされているかどうかを確認することが重要です。
記事のまとめ
この記事では、なぜ保育園児にスポーツ保険が必要なのか、起きやすい事故や補償の必要性も紹介しました。
保育園児は、園庭での転倒や打撲、骨折ややけど、さらには他人をケガさせてしまう可能性も考慮しなければなりません。
多くの保育園では日本スポーツ振興センターの「災害共済給付制度」に加入しており、保育園での事故やケガには一定の補償がありますが、補償対象が保育園の管理下に限定されています。
園外での事故や習い事でのケガはカバーされないケースでは、スポーツ保険の活用が効果的です。
子どもたちが安心してのびのびとスポーツに取り組める環境づくりのために、手厚い補償で万が一に備える準備をしっかり整えておきましょう。