習い事は、子どもの成長やスキルアップ、大人の趣味や健康維持に欠かせないものです。
サッカーやスイミング、ダンス、ピアノなど、さまざまな習い事がありますが、どれもケガや事故のリスクがゼロではありません。
「もしものとき、どうなるの?」「治療費や賠償はどうする?」と不安に思う方も多いでしょう。
そんなときに頼りになるのが「スポーツ保険」です。
スポーツ保険は、習い事中のケガや事故を補償し、安心して活動を続けられるようサポートします。
しかし、「どのスポーツ保険を選べばいいの?」「どんな補償が必要?」「子どもや大人で選び方は違う?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、習い事中の事故やケガに備えるスポーツ保険の選び方について、初心者にも分かりやすく解説します。
【簡単に紹介】スポーツ保険とは?
スポーツ保険は、スポーツやレクリエーション活動中に発生したケガや事故による損害を補償する保険です。
習い事においては、子どもや大人が参加するスポーツ教室や文化活動を対象にします。
例えば、サッカークラブやスイミングスクール、ダンス教室、ピアノレッスンなど、さまざまな活動において補償が受けられます。
主な補償内容には「傷害保険」と「賠償責任保険」の2つがあります。
傷害保険は、習い事中のケガによる入院や通院、手術の費用をカバーし、後遺障害が残った場合や死亡事故が発生した際にも保険金が支払われます。
一方、賠償責任保険は、他人にケガをさせたり、物を壊したりした際に発生する賠償責任に対応することが可能です。
習い事にスポーツ保険への加入をおすすめする3つの理由
習い事は楽しい一方で、ケガや事故のリスクが常につきまといます。
ここではスポーツ保険に加入すべき理由を、具体的なリスクとともに説明します。
予期せぬケガのリスクに備えるため
子どもも大人も、習い事中のケガは珍しくありません。
サッカーの練習中に転倒して骨折した場合、治療費は数万円~数十万円かかることも。
また、ギプス装着やリハビリで通院が長引くと、保護者や本人の負担が増えます。
スポーツ保険に加入しておけば、入院1日あたり3000~5000円、通院1日あたり1000~2000円の定額補償が受けられるため、このような負担を軽減できます。
他人や物へ賠償責任が生じた場合に備えるため
習い事の最中に他人にケガをさせたり、施設の備品を壊したりする事故も起こり得ます。
具体的な例を挙げると以下のような場合に賠償責任が発生する可能性があるでしょう。
- サッカーの試合中、第3者の通行人にボールをぶつけてケガをさせてしまった
- 体育館の窓を誤って割ってしまった
- 生花教室の習い事で花瓶を落としてしまい床に傷をつけてしまった
こうした場合、治療費や修理費を自己負担する必要があり、場合によっては賠償額が数十万円~数百万円に上ることもあります。
多くのスポーツ保険では賠償金の支払いにも対応しています。
スポーツ保険の代表格とも言える「スポーツ安全保険」は、最大5億円までの補償が約束されています。
自己負担がなくても通院・入院した場合は保険金の支払い対象
子どもがケガした際は、自治体の「子ども医療費助成制度」などの助成サービスを提供している地域も多いです。
そのため、子ども向けの習い事にスポーツ保険は不要と考える方も多いかもしれませんが、加入することで得られるメリットは多くあります。
しかし、ここで知っておいてほしいのが、スポーツ保険がその助成制度と並行して大きなメリットをもたらすという点です。
実は、多くのスポーツ保険では、自己負担の有無にかかわらず、定められた日数や回数に応じて、通院や入院の保険金が支払われる仕組みになっています。
つまり、スポーツ保険は、単に医療費の「自己負担分」を補填するだけでなく、ケガをした際にかかる目に見えない「隠れた費用」までサポートしてくれる、もう一段階上の安心を提供してくれるものとなります。
【習い事の種類別】スポーツ保険の選び方
ここからは、スポーツ保険の選び方について、「スポーツ系」「文化系」「大人が加入する場合」の種別ごとにそれぞれ見ていきましょう。
スポーツ系(サッカー、野球、テニス、体操など)
スポーツ系の習い事は、動きが激しく、ケガのリスクが高いのが特徴です。
サッカーやバスケットボールでは、転倒や接触による捻挫や骨折が起こりやすく、屋外活動では熱中症のリスクもあります。
また、ボールやラケットが他人や物に当たる事故も考えられます。
スポーツ系の習い事ではこのようなリスクに対応するため、傷害保険と賠償責任保険の両方が充実した保険を選ぶことが重要です。
選び方のポイントは、ケガの頻度が高いため通院補償が1日目から適用される保険を選ぶこと、熱中症や賠償責任の補償が含まれているかを確認することです。
また、団体で加入する場合、所属するコーチや保護者も補償されるプランを選ぶと安心です。
文化系習い事(ダンス、ピアノ、絵画など)
ダンスやピアノ、絵画などの文化系習い事は、スポーツ系に比べてケガのリスクは低いと感じるかもしれません。
たとえば、クラシックバレエでジャンプ中に足を捻ったり、ピアノの発表会で楽器を誤って傷つけたりする可能性があり、思わぬ事故や、物品の破損、あるいは他人に損害を与えてしまうリスクはゼロではありません。
特に、高価な楽器や機材を使用する場合、その破損リスクも考慮に入れる必要があります。
とはいえ、運動系の習い事と比べると怪我のする可能性は低くなるため、保険料を抑えたプランで十分だと言えるでしょう。
また、多くのスポーツ保険は習い事に向かう途中に起きた事故もカバーします。
子供が遠くの地域まで習い事に通う場合などは、このような補償内容が付帯しているものを選ぶと安心できます。
大人向け習い事
子供が怪我をした場合は、自治体の医療費助成等を受けられることも多いですが、大人になるとないため、ケガの治療費を全額自己負担する必要があります。
また、骨折などの大怪我や、長期入院をすることになってしまった場合、仕事や家事に大きな影響を与えてしまいます。
したがって、経済的な負担を抑えるためにも通院補償や入院補償の内容が手厚いスポーツ保険を選ぶことをおすすめします。
【注意】加入・支払いの対象外となるケース
スポーツ保険は怪我以外にも幅広い補償を提供しますが、すべてのケースをカバーするわけではありません。
以下のようなケースでは加入できないもしくは保険金支払いの対象外となることがあるので、注意しましょう。
高リスクなスポーツや活動
一部のスポーツや活動は、ケガのリスクが非常に高いと判断されるため、通常のスポーツ保険では補償の対象外となることが多いです。
たとえば、ロッククライミング、ピッケルを使用する山岳登はん、ハンググライダー、モータースポーツは、危険度が高いため除外されることが一般的です。
これらの活動は、専門的な技術や装備を必要とし、ケガの発生確率や重症度が高いとみなされるため、通常のスポーツ保険ではカバーされません。
ダンスやバレエなどの習い事であれば通常カバーされますが、特殊な場合は保険会社に確認が必要です。
習い事の活動が加入の対象となるか心配な場合は事前に保険会社へ問い合わせることをおすすめします。
病気や加齢による怪我
スポーツ保険は、「急激かつ偶然な外来の事故」に起因するケガを補償するもので、病気や加齢によるケガは対象外となります。
ヨガ教室で膝を痛めた場合、それが加齢による関節の摩耗や持病(関節リウマチなど)が原因だと判断されると、保険金は支払われません。
スポーツ保険は、転倒、衝突など外部からの突発的な衝撃によるケガを想定しており、慢性的な症状や体調不良によるものはカバーされないのです。
特に大人向けの習い事で注意が必要です。
子供と比較して加齢による筋力低下や関節の柔軟性低下が怪我の背景にある場合が多く、保険会社が「加齢が主因」と判断する可能性があります。
50代の方がヨガのポーズ中に膝を痛めた場合、医師の診断書で「変形性膝関節症の悪化」と記載されると、補償対象外となることもあるので、補償内容は十分に吟味して加入することが大切です。
記事のまとめ
スポーツ保険は習い事中に起きた怪我を補償するだけでなく、習い事の往復中に発生した事故もカバーできるため、加入することで安全に活動ができます。
多くの保険会社が様々な価格帯でプランを販売しているので、加入する際は自分の習い事や活動状況に合ったものを選ぶことが大事です。
加入を検討する際に分からないことや相談したい頃があれば、保険会社へ直接問い合わせてから加入すると安心でしょう。