サッカーや運動会、キャンプなどのイベント・行事を実行するにあたって、怖いことは事故を伴う運動中のケガ、食事の食中毒などですよね。
万が一のことですが、こういった行事に参加中のケガ・食中毒のリスクに備えるには、レクリエーション保険がおすすめです。
この記事では、レクリエーション保険の基本的な補償内容や、キャンプイベントでの食中毒事故の補償について解説しています。
また、レクリエーション保険加入時の注意点についても説明します。
レクリエーション保険に加入して、イベントや行事の事故に備えましょう。
レクリエーション保険はどんなケースが補償対象?
レクリエーション保険は、イベントや行事の主催者が契約者となって、参加者全員を対象に加入する傷害保険のひとつです。
加入対象となるのは、行事・イベントに参加する人数が20名以上の団体です。(45名以上の団体を対象とするなど、保険会社によって人数の違いがあります。)
また、宿泊を伴わない行事で、名簿などによって参加者が客観的に確認できる場合に契約が可能です。
補償内容は、イベント・行事参加中のケガの治療にかかった入院・通院・手術費用などの補償がメイン。
参加者のケガに対する傷害保険のみを備えたレクリエーション保険が多く見られますが、イベント主催者が負う賠償責任も補償するものもあります。
また、主催者側に責任があるかどうかは関係なく、偶発的な事故・アクシデントによるケガが補償の対象です。
補償対象となるケガの例
- 施設内で子供が転倒、足を捻挫して通院した。
- サッカー中にボールが強くあたりけがをした。
- 食事を伴うイベントで集団食中毒がでた。
イベントの種類によって保険料が異なる点がポイント
レクリエーション保険はイベントの種類によって保険料が異なるのがポイントです。
例えば、いちご狩りや丘をハイキングするだけのイベントの保険料より、スポーツをするイベントの保険料のほうが高い料金で設定されています。
スポーツの種類によってはケガをするリスクが高くなるからです。
参考として、損保ジャパン日本興亜の「レクリエーション補償プラン」の保険料を見てみましょう。イベントごとに区分が分けられ、保険料が設定されています。
区分 | レクリエーションの種類 | 保険料 |
---|---|---|
A | いちご狩り、いも掘、遠足(日帰り)、お花見、海水浴、ゲートボール、潮干狩り、ソフトボール大会、卓球、町内清掃、テニス、ドッ ジボール、なわとび、ハイキング、花火大会(市販程度の花火)、 バーベキュー、バドミントン、バレーボール、ボウリング、盆踊り、もちつき、ヨガ、ラジオ体操、料理教室 など | 30円 |
B | ウィンドサーフィン、運動会、キャンプ(日帰り)、競歩、クレー射撃、サイクリング、魚釣り(船使用不可)、スケート、軟式野球(準硬式を含 む)、バスケットボール、ハンドボール、フィールドアスレチック、フェンシング、防災・避難訓練、マラソン、ボルダリング など |
150円 |
C | カヌー競漕、空手、硬式野球、サーフィン、サッカー(フットサルを含む)、柔道、水上スキー、スキー、相撲、ホッケー、ラグビー、レスリング など | 300円 |
出典:損保ジャパン日本興亜 レクリエーション 補償プランのご案内
より危険度の高い行事やスポーツには、掛け金が高く設定されていることが分かりますね。
また、レクリエーション保険の保険料は、団体の人数に応じた割引制度もあります。グループが大人数になると、割引額が大きくなり、お得です。
割引率は保険商品によって異なりますので、レクリエーション保険加入の際に各保険会社・保険代理店のスタッフに確認しましょう。
食中毒も補償の対象内!キャンプイベントに最適
レクリエーション保険はイベント・行事中のケガに備える保険ですが、補償の対象として食中毒も含まれているのが大きなポイント。
キャンプやカレーパーティー、出店のある学校の文化祭・学園祭など、料理・飲食を伴う行事で食中毒が起きても、参加者の治療費が補償されます。
一般的な傷害保険では、食中毒は補償の対象外になることも多いです。その点、レクリエーション保険では1人あたり数百円でカバーできるというのは非常に助かる点でしょう。
出典:損保ジャパン日本興亜 レクリエーション補償プランのご案内
食中毒を補償するには特約に加入する必要がある場合も
レクリエーション保険で食中毒を補償する際には、契約時に食中毒を補償する特約に加入する必要があることもあります。
基本補償として食中毒を補償する特約が付帯されている保険商品もありますが、特約をつけない限りは食中毒は対象外というものもあるのです。
たとえば、あいおいニッセイ同和損保のレクリエーション保険では、「細菌性食中毒およびウイルス性食中毒補償特約」があります。
この特約を付帯しておかないと、食中毒の患者が出たときに治療費を補償してもらえません。
レクリエーション保険に契約するときは、食中毒は基本補償の対象なのか、特約に加入する必要があるのか、契約条件をよく確認してください。
出典:あいおいニッセイ同和損保
注意!宿泊を伴うイベント・行事はレクリエーション保険の対象外
ここまで、レクリエーション保険の補償内容や、食中毒の特約について説明してきました。
ここからは、レクリエーション保険の加入時に注意が必要な点を解説していきます。
宿泊を伴うイベントはNG
レクリエーション保険では、宿泊を含むイベント・行事は契約の対象外になります。キャンプやサッカー部の遠征など、宿泊をするようなイベントは要注意。
特にキャンプなどはカレー作りやバーベキューなどもあるため、レクリエーション保険で食中毒に備えようとお考えの方もいるかもしれませんが、宿泊を伴う場合は加入できませんので、ご注意ください。
デイキャンプ、日帰りの校外学習など、1日で行事が終わる場合には、レクリエーション保険はおすすめです。
その他、保険金お支払いの対象外になるケース
その他にも、レクリエーション保険に加入していてもお支払いの対象外となるケースがあります。
- 保険契約者、被保険者もしくは保険金受取人がわざと事故を起こした、または大きな過失によって事故を起こした場合
- 被保険者による闘争行為、自殺行為または犯罪行為によってケガ・事故が発生した場合
- 運転免許を持たずに車などを運転して、それによる事故でケガをした場合
- 地震、噴火もしくはこれらによる津波
出典:あいおいニッセイ同和損保
契約者の過失や犯罪を犯している場合、地震などの天災は、レクリエーション保険の補償対象外になります。
まとめ:料理を行うイベント・行事の食中毒リスクにしっかり備えよう
今回解説した通り、レクリエーション保険は食中毒も補償の対象になります。
レクリエーション保険は、1人あたり数百円程度の手軽な保険料で加入でき、主催者が参加する団体全員をまとめて加入するため、大きな手間もかかりません。
デイキャンプなどの1日だけのレジャーや日帰りの郊外学習、出店のあるお祭りや学園祭などのイベントにはぴったりです。
ただし、宿泊をともなう行事は対象外になるため、その点に注意して加入を検討してみて下さい。
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監修者のコメント
記載の通り、行事参加者の食中毒はレクリエーション保険で補償できます。一方、学園祭に来場した不特定多数のお客様の食中毒等を補償するには、生産物賠償責任保険、施設賠償責任保険などを別途契約する必要がありますのでご注意ください。
当記事の監修者:遠山直孝
- 保険コンプライアンス・オフィサー2級
- ファイナンシャルプランナー(AFP)
- 損保大学(法律・税務)※
国立大学卒業後、大手保険会社に27年勤務し、現在は損害保険代理店に所属。営業、企画部門での多彩な経験から、法律・税務を踏まえた実用的な保険の活用に精通しており、日々情報を発信しています。
※損保大学とは、損害保険の募集に関する知識・業務を向上させるために日本損害保険協会が立ち上げた制度。当監修者は「法律・税務」などの知識を深める専門コースを修めています。