キャンプは自然に身を置き、普段の生活を忘れられるレジャーとしてだけでなく、登山やスキーの際にキャンプをするなど、さまざまな楽しみ方があります。
キャンプ中に、ケガをしたことはないでしょうか。またケガの心配はないでしょうか。安心してキャンプなどのアウトドアをするために、ケガなどに備えた保険があります。
この記事では、キャンプなどのアウトドア時に加入すべき保険や補償内容、注意点について解説します。
「キャンプ」はレジャー保険の補償対象になる?
野外で日常とは異なる環境を味わえるキャンプですが、キャンプだけを目的にする場合だけでなく、キャンプをしながらの登山、料理を楽しむレクリエーション活動としてのキャンプなど、楽しみ方は人それぞれです。
幅広い楽しみ方が可能なキャンプですが、シチュエーションによっては、ケガや遭難、食中毒など何らかのトラブルに発展する可能性があります。
万が一のケガなどで活用できる保険がレジャー保険です。レジャー保険とは何か、レジャー保険はキャンプでも補償されるのかについてまとめます。
レジャー保険とは
レジャー保険は損害保険商品で、ケガや賠償責任に備えた保険です。1日単位で加入できる1DAYレジャー保険や年間通して補償される保険もあります。
またレジャー保険だけでなく、アウトドア保険、国内旅行傷害保険、レクリエーション保険などもキャンプに対応しているのが一般的です。
宿泊を伴う場合は国内旅行保険や1Dayレジャー保険がおすすめ
日帰りでのキャンプもあれば、宿泊を伴うキャンプを計画する人もいらっしゃるでしょう。宿泊を伴うキャンプの場合、国内旅行傷害保険も検討してみてください。
国内旅行傷害保険でもキャンプやハイキング中のケガに対応しています。
航空機の欠航により余分にかかった費用が支払われる補償や留守中に自宅で盗難があった場合の補償などを付帯できる保険もあります。
日帰り・20名以上の団体ならレクリエーション保険で事故や怪我に備えるのも◎
レクリエーション保険は、行事主催者が参加者のために一括で契約できる保険です。20名以上の団体で日帰りキャンプをする場合などで活用できます。
レクリエーション保険は一般に、宿泊を伴うキャンプは対象外で、補償内容もケガのみとシンプルな保険です。
熱中症や食中毒に備えた特約を付帯することもできます。
キャンプをするときの保険の選び方
キャンプをする際に加入するレジャー保険の選び方を紹介します。レジャー保険を選ぶ際の参考にしてください。
補償内容・プランで選ぶ
キャンプではどのようなトラブルが想定できるでしょうか。
宿泊ありのキャンプか、日帰りのキャンプかなど目的によって選択する保険は変わります。ただ、重要事項説明書などをよく読むと、どの保険会社の商品も同じような補償内容であることに気づくでしょう。
ここでは、チューリッヒ少額短期保険の「ミニケアキャンプ保険」を例に、レジャー保険の補償内容を確認します。
チューリッヒ少額短期保険のミニケアキャンプ保険は名称から「キャンプ用」と考えがちですが、重要事項説明書で確認すると、国内旅行傷害保険に各特約を付帯した商品であることがわかります。
「ミニケアキャンプ保険」には次のような補償があります。なお表中の「比較・確認ポイント」を参考に、保険商品をよく確認したり、商品同士を比較したりするとスムーズです。
チューリッヒ少額短期保険ミニケアキャンプ保険 おもな補償内容(概要)
補償の種類 | 支払い条件など | 比較・確認 ポイント |
---|---|---|
死亡補償 | 日本国内の旅行行程中、事故によるケガが原因で、事故の発生の日からその日を含めて180 日以内に死亡された場合に、死亡・後遺障害保険金額が支払われる | 保険金額 |
後遺障害補償 | 日本国内の旅行行程中、事故によるケガが原因で、事故の発生の日からその日を含めて 180 日以内に後遺障害を被った場合に、後遺障害の程度に応じて死亡・後遺障害保険金額の4%~100%が支払われる | 保険金額 |
入院補償 | 日本国内の旅行行程中、事故によるケガが原因で、事故の発生の日からその日を含めて 180 日以内に入院した場合は、180 日を限度にその入院日数に対し、1日につき入院保険金日額が支払われる | 日額支払限度額免責期間 |
手術補償 | 日本国内の旅行行程中、事故によるケガの治療のために手術を受けた場合に、入院中の手術は入院保険金日額×10 倍、入院外の手術は入院保険金日額×5倍が支払われる。 | 保険金額(倍率) |
賠償責任補償 | 日本国内の旅行行程中、事故により、他人を死傷させたり他人の財物に損害を与えたりして、法律上の損害賠償責任を負った場合に、賠償責任保険金が支払われる。 | 支払い条件保険金額免責金額 |
携行品損害補償 | 日本国内の旅行行程中、事故により、携行品が被った損害に対して、携行品損害保険金が支払われる。警察署の盗難届出証明があれば、盗難も補償の対象。 | 支払い条件保険金額免責金額 |
救援者費用等補償 | 日本国内の旅行行程中、保険契約者、被保険者または被保険者の親族が負担した救援者費用に対し、その費用の負担者に救援者費用等保険金が支払われる。 | 支払い条件保険金額免責金額 |
出典:チューリッヒ少額短期保険「ミニケアキャンプ保険」
保険期間で選ぶ
レジャー保険の保険期間は、おもに1日と1年に分けられ、1ヶ月単位で加入できる保険もあります。
年に4~6回以上、キャンプなどのレジャーを楽しむ場合は、手続きの手間などを考えると、1年保険のほうが楽かもしれません。
レジャー保険に加入する際の注意点
ここでは、レジャー保険に加入する際の注意点・必ず確認しておきたいポイントを解説します。
年会費の有無を確認する
損害保険会社やその代理店から加入する商品では年会費は不要です。またレジャー保険のなかには、共済会を経由して加入する保険があります。
たとえば、日山協山岳共済会では、共済会が契約者となる団体傷害保険「山岳保険」を取り扱っています。山岳保険に加入するためには、年会費1,000円を支払い日山協山岳共済会に入会し、山岳保険の保険料を支払い、加入します。
年会費を含めた保険料と補償内容とのバランスを確認しましょう。
加入している保険との重複
レジャー保険の多くは、他人にケガをさせた場合などに備える賠償責任補償を受けられます。
ただ、賠償責任補償はさまざまな保険に付帯することができるため、気づかないうちに同じ補償内容の保険に加入しているケースがあります。
損害保険では、一般に損害額分しか補償されませんので、重複した補償の保険料は無駄になってしまいますので注意が必要です。
適用外のアクティビティを確認する
レジャー保険は、全てのレジャーに対応しているわけではありません。危険度の高いレジャー・スポーツの場合、何らかの条件が付く場合があります。
たとえば、モンベルでは、アウトドアを楽しむ人向けの傷害総合保険を販売しています。
短期補償タイプなら「野あそび保険(国内旅行傷害保険)」、長期補償タイプなら「野外活動保険(傷害総合保険)」があります。
補償のうち「救援者費用等補償」では、山岳登はん行程中の捜索活動は補償の対象外です。
モンベルの山岳登はんの定義は、ピッケルやアイゼンなどの登山用具を使用するもの、ロッククライミングなどを指します。このように用語の定義も確認しておかなければなりません。
レジャー中、具体的に何をするのか、アクティビティに合わせた保険を選ぶ必要があります。
ケガ・盗難から賠償責任までさまざまなトラブルに対応するアウトドア保険
この記事では、キャンプなどのアウトドアを楽しみたい人向けのレジャー保険を紹介しました。
事故が起きる可能性は低いかもしれませんが、万が一に備えて保険に加入することをおすすめします。
レジャー保険に加入しておくことで、キャンプ中の事故にかかる金銭的負担を最小限に抑えることができるでしょう。
ケガや損害賠償、キャンプ用品の破損などに備えられるアウトドア保険。検討してみてはいかがでしょうか。